寝床に入って行灯を消す。  
独りきりの部屋が黒い静寂に包まれる。  
 
暗いのは昔から苦手だった。  
いや、昔よりもっと、かもしれない。  
 
今日に限って強く孤独を感じるのは、この暗闇と寒さのせいだと自分に言い訳しながら、  
モゾリと布団にくるまってふと思い出す。  
 
片目を失った日、強くなると言いながらも、本当は怖くて仕方がなかった。  
狭まった視界、嘆くお父上やお爺様…。屋敷中が喧騒に包まれている中、独り震えていた。  
だけどその夜は不思議とちゃんと眠れたのだ。  
…それは何故だったのか…?  
 
布団から這い出し、灯りをつける。  
何故だろう?何故あの夜は眠れたのだろうか?  
 
「若、まだ起きていたのですか?」  
 
思考を巡らせていると、幼少の頃より僕の面倒を見てきた東城が静かに部屋の戸を開けた。  
 
「東城、お前こそまだ寝ていないのか、明日も早くから稽古があるのだぞ。」  
 
「私は若が寝てからぐっすり寝ますよ、私の睡眠効率は半端じゃ…  
…おっと若、ガーゼが取れかけていますぞ。」  
 
東城が、僕の左目を覆うガーゼを直そうと手を伸ばした瞬間、懐かしい匂いがした。  
……そのせいだ。  
幼い頃からずっと僕の側にいる東城。  
奴の懐かしい香りが、幼く泣き虫だった僕を呼び覚ましたんだ。  
 
 
 
「…東城…今夜は一緒に眠ってくれないか。」  
 
※  
 
「若は本当に昔は泣き虫さんでしたねえ。こうして添い寝をしてあげているとその頃を思い出しますよ。」  
 
「うるさい…今日だけ…今日は寒いから湯たんぽがわりが欲しかっただけだ…。」  
 
苦しい言い訳をしていると、障子に小さな丸い影が映った。  
 
「…おや…雪ですか…どうりで寒い訳です。」  
 
障子を開けて雪を見ようと東城が立ち上がる。  
 
「真夜中の雪とは、風流ですね。」  
 
先ほどまで彼が寝ていた場所のぬくもりがだんだん冷たくなっていく。  
雪が些細な物音すらも吸いとって、この夜はますます静寂を増していく。  
何故こうも、言い知れない淋しさに追い討ちをかける夜なのだろう。  
 
「…東城…僕は…これからどうしたらいいんだろう…?」  
「え?」  
 
「妙ちゃんには妙ちゃんの大事な人たちがいる。そこが妙ちゃんにとっては大切な居場所で…僕はそこにいる笑顔の妙ちゃんを見られればいいんだ。…そう気付いたんだ。」  
 
憧れが高じてその対象である女性を傷つけたから、  
妙ちゃんの笑顔を見られればそれでいいと気付いたから、  
彼女の心の負担にはもうならない。なれない。  
 
「今となってはお父上もお爺様も僕の好きなように生きるといいと言ってくれている。  
僕は幸せもののはずだ。  
だが…どうしたらいいのか分からない…。」  
 
静寂のせい。そう…この静寂のせいなんだ…。  
 
「男として強くなるよう修行をして、感情を表に出さないよう努めてきて僕は…  
本当の僕は一体どんな人物なのか…わからなくなってしまって…不安なんだ…。」  
 
こんなのは武士らしくない…とは思う。こんなに弱音を吐くなんて…東城…これは静かな夜のせいなんだ。  
…なんだか今夜は言い訳ばかりしている。  
 
「柳生家の言いつけ通り生き、強くあらんと、若はすっかり変わってしまいましたね。  
…お可哀相に…。」  
 
俯いて吐露する僕の頬に東城が手を伸ばす。顔を上げると、眉をひそめ哀しげな顔の東城がいた。  
 
「…けれど…私はそんなあなたの人生ごとあなたを愛しているんですよ。」  
 
「…!?」  
 
東城の告白に虚を突かれていると、彼の唇が僕の頬を、瞼を撫でていった。  
そして僕のそれをふさぐと、ぬめりと、生温い彼の舌が口腔に入りこんできた。  
 
「んン…ふ…」  
 
抵抗はできなかった。  
口の中で東城の舌と僕の舌が絡み合って温かかったから。…それがとても心地よかったから。  
 
チュ、…と水音が静かな部屋に響く。  
それが酷く淫靡に感じられた。  
 
「若、私はあなたに女として幸せになって欲しい。……叶うなら私と。」  
 
※  
 
「こんなにきつくサラシを巻いて…お辛かったでしょう…。」  
 
布団の上に若を横たえ、浴衣の紐をほどく。その作業の間も、若はずっと口付けを求めてきた。  
「変わらなければ」と、表情も口数も少なくなっていった頃からの若の孤独を慮りやりきれない気持ちになる。  
サラシを解くと解放された乳が、小ぶりながらも、少しずつ膨らみを取り戻していった。  
口付けに感じたのか既に乳首はその存在を主張するようにピンク色に色づいていた。  
その硬く立ち上がった乳首に舌を這わせる。  
 
「ふぁっ…ぁあん…とうじょ…」  
 
可愛らしく身悶える若にもっと快感を与えてあげたかった。  
ちゅぱちゅぱと音がするほどに片方の乳首をしゃぶりつつ、片方の乳首は指でコリコリと弄ぶ。  
 
「ぁぁ…ん…はあ…」  
 
搾乳できそうな強さで乳首を吸い上げていると、若が吐息混じりに自身の異変を訴えた。  
 
「とうじょ…東城…なんか変だ……股の辺りがムズムズして…」  
「大丈夫です若…それは女性として当然のことなのです…今すぐ私が…」  
 
おもむろに若の下半身を隠す下着を取り、既に蜜で濡れた秘部に指を差し入れる。  
 
「!!」  
 
若の体がビクリと反応した。  
 
「あっあっあっ…」  
 
私の指の動きに合せて若の吐息が漏れる。若の淫らな液体が溢れ布団に染みを作る。  
私は差し入れた指の本数を増やし、抜き差しを繰り返したり、中で曲げたりして、更に若の中を蹂躙する。  
温かくぬめり気のある若の粘膜、ぐちょぐちょとしたいやらしい音、  
そして若が切なげに体をくねらせ、ただただ可愛らしい声で喘ぐから、私は愛しい若の全てを見たいと思った。  
 
「若、見ても、いいですか。」  
「えっ…!?なっ…はあ…あああん…」  
 
うっすらとした茂みに囲まれた若の泉に顔を近づける。  
独特の香りが私を誘い、私はそこを押し広げる。  
可愛らしく桃色に色付く内部は、何かを期待するかのように脈打っていた。  
 
「止め…見ないで…ァ…ひゃああんっ!」  
 
突然生温かい異物がぬめりと敏感な場所に入りこんできたのだ。驚くのも無理はない。  
 
「やだ…そんなところ舐めないでくれ…あ…あぁん…」  
「美味しいですよ…若の愛液なんですから。」  
 
若のもので口を濡らしながら、辱める言葉を吐くと、若の内部はますます反応したようだった。  
 
「さて…そろそろ私も我慢できません。」  
 
私は若の愛らしさにすでに充分な反応を示している陰茎をすきながら準備を整え、  
正面から若のふとももを押し開いた。  
 
ここに…愛しい若のおまんこに私のペニスが入る瞬間がやってきた。  
 
「あ…」  
 
若の膣口に私の亀頭が触れた。ビクリと若が震える。  
 
「大丈夫ですよ…ゆっくり…ゆくっり入れますから…。」  
 
言いながらも腰を進める。亀頭がカリが陰茎がぬぷぬぷと暖かく脈打つ粘膜に包まれていく。  
 
「あ…ああ…ああぁぁん」  
 
液体を溢れさせたピンクのおまんこが私のペニスの形に広がっている。  
 
「あ!あああ!いやあ!奥ぅ……!!」  
 
私の亀頭が若の子宮口に当たった。  
 
「奥まで入りましたから…少しずつ…動きますよ…っ」  
 
若の膣からペニスを引き抜こうと動く。  
 
「いやあ…ああ・・・あ」  
 
そして次の瞬間、また最奥までペニスを打ちつけた。  
 
「ひっ!!ひあぁん!!」  
 
この動作を何度も繰り返す。なんと気持ちがいいのだろう…若の膣の粘膜が、  
あるいは私のペニスを受け入れるように包み、あるいは抵抗するように押し返し…  
…若の脈動がとにかく心地よかった。  
私の睾丸が若のお尻をパンパンと打ちつける音と、若の絶え間無い喘ぎ声が静かな室内に響く。  
 
雪の降るほの明るい清廉とした静かな夜、障子には男女の動く淫猥な影が映り、淫猥な音が響く。  
はたから見たらなんとも言えない光景だろう。  
 
「ああっああン…ああっ…!」  
 
最奥で亀頭をこすりつけてやると若はとても嬉しそうな声をあげるので、しばらくそうして若を抱きしめてあげた。  
 
「と…とうじょ…あったかいよお…、あっあっ、とうじょのおちんこがぼくのおまんこのなかで……あったかいよお…。  
もっと…ああっ…つよくだきしめてくれ…」  
 
まるで昔の、本来の、淋しがり屋な若に戻ったかのような錯覚を覚えた。  
愛しくて仕方が無い……普段の凛々しいお姿を思い、私は何かとてつもない切なさを感じ、彼女を強く抱きしめ、  
ペニスを強く奥に押し付け右に左に動かした。  
 
「くッ…若…もう…イきます…!」  
「ふあ…とうじょう…とうじょう…っっあっあっああ」  
 
ブシャアアと若の子宮に熱く滾った液体をぶつける。  
 
「ああ…東城…とうじょう…熱いよ…熱いよお…」  
 
弛緩した腕で、それでも若はしっかりと私の体にしがみついていた。  
 
 
※  
 
 
僕が乞うたので、そのまま東城は朝まで一緒に寝てくれた。  
 
眠りに落ちる寸前、障子に落ちる雪の影を見ながらふと思い出す。  
この温もり…この香り…。  
 
僕が、片目を失って震えていた夜も、東城が側にいてくれたんだ。  
…だからあの夜は安心して眠ることができたのだ。  
 
自由に生きろと今更言われても僕はどうすればいいのかわからない。  
自分がどういう人間なのかも今はわからない。  
だけど…東城が側にいてくれれば大丈夫なようなそんな気が…した…。  
 
 
                     
 
 
 
 
※  
 
安心しきったように寝息を立てる若の顔を見つめる。  
 
本来の自分を捨て、凛々しく強くあらんと生きてきた彼女。  
今になって様々な制約から解放されとまどう彼女の不安は、この腕に抱くことで痛いほどに伝わってきた。  
 
私はそんな若に永遠について行くのであろうと、雪明りだけが灯る部屋の中で思った。  
 
 

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