神楽は銀時が飲みに出たのを確認すると押入から飛び出した。深夜帯に万事屋に一人きりというのは珍しくないが、この時間まで起きていられたというのはかなり珍しい事だった。
「これでやっとあのビデオが見れるネ」
神楽はテレビの前を陣取ると、銀時が普段『糖分』の額の裏に隠しているビデオをデッキに突っ込んだ。以前、万事屋の大掃除をした時に見つけたのだが、銀時に奪い取られ内容すら教えて貰えなかったのだ。
ビデオのラベルには銀時の字で『万引きGメン』と書かれていた。こんな面白そうな物を私に見せないなんてどういう了見ネ!神楽はそう呟きながら再生ボタンを押す。
「女の人が出てきたアル…」
内容は一人の女性が万引きの疑いで店の事務所に連れて行かれ取り調べを受ける…という物だった。俗に言うAVなのだが…神楽は食い入るように見つめ、脳天にハテナマークを浮かべた。
「乳触られてすごく苦しそうな顔してるアル。かわいそう…」
神楽は呆然とその映像を眺めていたが、自分の体に起き始めている異変に気が付いた。
「何か、股の辺りが気持ち悪いヨ…」
別にやましい気持ちがあるわけではない。神楽は探求心から自分のパンツに手を突っ込んでみた。
その瞬間ビクン、と体が跳ねた。
「何アルか、この新触感」
チラリ、とテレビに目を遣ると女性はパンツの上から秘部を弄られていた。女性の表情は苦しそうだが、スピーカーから漏れてくる声が神楽の思考を揺さぶった。
私もあんな風にしたらあんな声が出るのかな?
無邪気な探求心に火がついた。神楽はビデオを少し巻き戻し、女性がされているのと同じように自分の体を触ってみる事にした。
「…何も起きないアル」
女性は乳房を揉まれているだけでビクビクと体を震わせていたが、どうやら神楽の未発達な乳房ではあまり感度が得られないようだ。だが乳房の中央に位置する突起は違った。
神楽は服の上から突起を軽く摘んでみる。
「ぁっ…気持ちいいアル…」
これに味を占めたのか、神楽は何度もその突起を摘んでみた。
段々と息が乱れ、いつの間にか思考がぼやけてきた。
「もっと気持ちよくなりたいアル…」
神楽は寝間着のボタンを外すと、ツンと上を向いた突起を指で弾いてみた。
それだけでは物足りず、摘んでみたりクリクリと指先で弄ってみたり、段々とエスカレートしていく。
「ぁんっ…ぁ…これも気持ちいいアル、ぁんっ…これも…あぁっ」
神楽の手は自然と下腹部へ下りて行った。
ズボンを膝まで下ろしてしゃがみ込み、パンツの上から秘部を指でなぞってみる。
「んぁっ…はぁっ…」
意識していないのに勝手に指の動きが速まっていく。
神楽は指の動きに合わせて腰をくねらせながら何度も何度も秘部をなぞった。
右手は乳房の突起へ、左手は遂にパンツの中へと入っていった。
クチュ、不思議な音が響き神楽の指が愛液で濡れた。
ふいに『気持ち悪い』と感じた神楽だったが、体は更なる快感を求めているようだ。
自分の秘部を探るようにゆっくりと指を動かしていく。
「ひゃっ…ぁっああんっ!」
指がクリトリスに触れ、神楽は大きく喘ぎ声をあげた。その気持ち良さに取り付かれたように、神楽は何度もそこを指で弄った。
スピーカーから漏れるAVの音も手伝って、万事屋にいやらしい音が響き渡る。
「ぁっぁっぁっ…はぁっ…ぁっあんっ」
体を触ることに夢中になっていた神楽だったが、ビデオの存在を思い出し画面を見つめた。
女性の秘部に男性器を挿入している所が画面いっぱいに広がっていた。
「股に下半身突っ込んでるアル…」
神楽は食い入るようにその場面を見つめた。
男と女が互いに裸になり、性器と性器をすり合わせている。
「気持ち良くなる為には男が必要、って事アルか…」
神楽は指に付着したネトネトする愛液をティッシュでふき取ると、ビデオを元の場所に戻し寝間着を着直して押入れへと向かった。
「明日、銀ちゃんか新八辺りに頼んでみるアル」
そう呟いて、神楽は目を閉じた。
おしまい。