「「いただきます。」」
膳を前に、久々に東城と共に合掌する。
今日はおじい様とパパ上様がなんとか鑑定団に参加するとかで、家の者は皆出払っていた。
そのため昼食は、居残った東城が作ってくれのだ。
「やはり大江戸スーパーの卵は新鮮さが違いますね、若。
この殻のすべすべは若のほっぺのようですよ。」
ココンと割った卵を山盛りのご飯にかけながら、東城はご機嫌に言った。
「そうか?いつもとさほど変わりないと思うが。」
ぼくがそう言うと、はぁぁぁぁぁ??!と顔を歪ませながらこちらを睨んでくる。
大袈裟だな。鬱陶しい。
「わかぁぁぁぁっっ!!!アンタわかってないよ!これこれ!この黄身ちゃんと見てよ!!
若の柔肌のように弾力があって、若のお尻のようにぷりんって盛り上がっているでしょうがっ!!」
ぐいぐいと椀と顔が迫ってくる。うん、やはり鬱陶しい。
「ああ、本当だ。言われてみたら凄い黄身だな。」
この状況をスルー出来そうなセリフを棒読みして、東城を追い払う。
「しかし東城、他におかずはないのだろうか?」
「私は卵があれば、白ご飯軽く10杯はいけますよ。」
「知っている。」
「もちろん若の写真だけで軽く10回は抜けます。」
「それは、知った事ではない。しかしぼくは他のおかずも欲しいのだが。」
ぼくの当然の要望を、東城は信じられないありえないといった表情で返してきた。
「若、この卵は鮮度もさることながら、合成飼料を使っていない自然飼育の有精卵なんですよ!
言い換えれば、誰はばかる事なく青空の下で結合した雄鶏と雌鳥の愛の結晶なんですよ!
若と私に置き換えて妄想したらそれだけで唾液が止まらないじゃないですか。」
「言い換えなくていい。置き換えなくていい。」
「この卵が手に入ったのなら、これ以上のおかずなどあろうはずがないじゃないですか!
若のツインテールニーソックスのゴスロリパンチラ写真のようなものです!!」
「そんな写真持っているのか?」
「これから盗撮するんです。いいですか?若。よいおかずは数より質です。
ぽっきり一万円の風俗嬢との3Pより、若をひっそり悶えさせる方がずっと萌えるじゃないですか。」
「大丈夫だ。ぼくがお前に悶えさせられる事など一生ありえない。」