「新八ィィィィィ!!!!!!」
物凄い勢いで走る神楽。
そして、突進。
「ぐえっ!痛てェなあ、何なんだよ、もう!」
「今すぐ姉御に電話するネ!!!」
そういうと、無理やり引っ張り電話のところまで引っ張って行った。
「マジで何なんだよボケ!!姉上は電話なんかほとんど出ねえぞ」
「いいからかけるアル!!」
その横で、あまりの大声に苛立つ銀時が近づいてきていた。
「ガキ二人の喧嘩ならヨソでやれや………っ!!!」
銀時は、神楽の異変に気づいてしまった。
こういう時はどうしたらいいのだろうか。
見て見ぬふりをするのが良策か…そんなことを考えてるうちに、不覚にももう口は動いていた。
「神楽お前…ケツ…」
しまった、と思った。だが、遅かった。
「え…」
神楽は自分の背後を見てみる。
ダメガネ新八は到底何のことか分かっていない。
「…っ!!!」
神楽はそこに座り込んだ。
ダメガネ新八はまだ何のことか分かっていない。
「…っと、アレだ。俺は何も見てない。何も見てないアル」
語尾が神楽口調になり、明らかに動揺している銀時。
「ちょ…二人ともどうしたんすか!神楽ちゃんに何かあったの!?」
「うぅ… グスッ」
恥ずかしさと情けなさで神楽は泣き出してしまった。
「オイッ…!」
「え、ホントなに!?何なの!?またドッキリ!?」
銀時がゆっくり口を開く。
「新八、あれ買って来い。今すぐだ。お前姉ちゃんいるから分かるだろ。
女しか使わない…アレだ。あと、神楽は風呂行って来い。」
ダメガネはこの一言でやっとこの状況を理解した。
「え…あ…はい…。大丈夫?神楽ちゃん…」
「グスッ」
泣き続けている神楽…
「じゃあ、行ってきますね。」
逃げるように部屋を飛び出した新八。
「あの…俺は男だから、あんまよく分かんねえけど…」
その時だった。
「年頃のデリケートな少女になんて扱いしてんだコラ…」
妙だ。妙が万事屋に来たのだ。
新八が電話をかけてやって来たのか、それにしては速い。
「うなぎ買ってきたから持ってきてあげたんだけどねえ…
てめえ神楽ちゃんの気も少しは考えろやボケェ!!!!!!」
銀時に勢い良く蹴りが入る。
「新八も隠れてないで出て来いやァァァァァァァァ!!!!!!」
「鈍いんじゃこのメガネ!!」
こっちはパンチ。
二人とも妙の一撃で伸びてしまった。
「神楽ちゃん、来なさい。ちゃんと教えてあげるから」
優しく話しかける。そうすると神楽は泣くのをやめた。
「今日はお赤飯ね…うちで一緒に食べましょう。
あそこのダメ男二人は置いといてね、まったく、あいつらは女の気持ち考えたことあんのか…」
そうやって、神楽は女として一歩成長したのだった。
終わり