それは突然のことだった。
いつも通り妙が仕事を終えて店を出ようとしたとき、いつも通りの展開で、いつも通りあのゴリラストーカーが
ニコニコと笑いながら「お妙さ〜ん」などと叫びながら走りよってきた。
妙は当たり前のようにそのゴリラストーカーを受け流す。
だが無神経なゴリラには効いていない。
「女性の夜道の一人歩きは危ないですよ!俺が家まで送ります!」
「いい加減にしろよこの糞ゴリラッ!」
ゴリラストーカーを豪快に蹴り飛ばす。
少し嬉しそうな悲鳴を上げながら宙を舞うゴリラを見届けぬまま、妙は家への帰り道を急いだ。
そんな半ば日常化されたやりとり。
なのに。
その日は、違った。
「ねぇ、こんな時間に何してんの〜?」
ふと妙の目の前を遮る人影。
見れば酔っ払いが足をフラフラさせながら目の前に立ちはだかってる。
妙は無視してそいつの横を通り過ぎようとした。
「待てよ。連れないなぁ」
右肩をつかまれる。
嫌悪感が体を走り抜けた。
「何触ってんだよゴルァ!」
考えるより先に体が動く。
渾身の右ストレートが酔っ払いの顔面にヒットした。
男は数メートル先に吹っ飛ばされている。
「っ・・・テメェ人が下手に出てりゃいい気になりやがって!」
フラフラと立ち上がりながら、男は懐に手を突っ込んだ。
そして出されたのは小さな刃物。
小さいといっても人を殺すには十分すぎるほどの代物だ。
「覚悟しろよクソアマァ!!!」
酔っ払いが刃物を構えて突進してくる。
今度は頭で冷静にわかっていても、体が強張って動かなかった。
刺される、と本気でそう思った。
死も覚悟した。
だが。
「―――お妙さんに手出しはさせん!」
そんな妙にとっていつもはウザイと思う声がやけに逞しく聞こえた次の瞬間、酔っ払いの叫び声が響く。
妙はいつの間にか強く目を閉じていた。
何が起こったのかわからない。
だが目を開けるのがなんとなく怖かった。
「お妙さん、もう大丈夫ですよ」
ひどく優しい声が上から聞こえる。
ストーカー行為をしているときの声とまるで違う優しい声だった。
「こ、近藤さん…?」
「怪我はないですか?」
ゆっくり目をあけるとニッコリ微笑む彼の顔。
さっきまでの恐怖が一気に引いていくのがわかる。
ホッと胸を撫で下ろして、妙は近藤の安否を確認した。
「私は大丈夫です。それより近藤さ…」
そこで言葉がつまったのは、想像もし得なかった現実が目の前に広がっていたからだ。
「ハハ。何、たいしたことないですよ。かすり傷です」
笑顔とは裏腹。
近藤の着物、ちょうど腹部の部分が鮮血で染まっていた。
もちろんかすり傷では済まされない。
なのに、刺された当の本人はあのあと運ばれた病院のベッドでいつも通り声を高らかにして笑っていた。
「ったく、アンタはいつもいつも・・・」
土方はため息混じりに言う。
「いやぁ惜しかったでさぁ」
「おい、そいつはどういう意味だ総悟」
「そういう意味でさぁ近藤さん」
「おい、いい加減にしろよ」
本気が冗談かわからない沖田の言葉を土方が制する。
「あ、そうそう。近藤さんにお土産持ってきやしたよ」
土方の言葉をスルーしつつ、沖田はガサゴソと何かを取り出して近藤に渡した。
「なんだよコレ?」
受け取った近藤はさっそく封をあけようとするが、それを沖田が止める。
「俺たちが帰ったあとに見てくだせぇ」
「はぁ?」
「そろそろ行くぞ総悟」
「へいへい」
「ま、コレを機に少し休んでな。アンタは働きすぎだから」
「あぁ。俺がいない間よろしくな」
他愛もない会話を済ませると、土方・沖田は病室を後にした。
二人が病室を出ると、偶然妙と出くわした。
「アンタ何時間廊下往復すれば気が済むんだ。早く行ってやれよ。
俺たちが見舞うよりアンタが見舞ったほうが近藤さんだって嬉しいだろ」
おもむろにかけた土方の言葉が示すとおり、妙は二人が近藤を見舞う少し前から病院にいた。
そして近藤の病室の前をウロウロと何往復もしては止まり、ドアに手をかけるがすぐにやめてまた廊下を往復していたのだ。
「でも・・・」
「なんだよ。責任でも感じてんのか?」
妙は何も言わない。
「ホラ。いいから行ってやれ」
土方は半ば強引に妙を病室に押し込んだ。
びっくりしたのは妙だけではなく、急に自分の病室に現れた妙の姿を見た近藤もだった。
「お、お妙さん!」
近藤は歓喜の声をあげた。
きらきらと子供のように目を輝かせている。
「あ…その、体は…大丈夫ですか?」
「かすり傷だって言ったじゃないですか!そんな所につったってないでこっち座ってください!」
妙は大人しく言葉に従う。
「近藤さん。ごめんなさい。私のせいで」
普段見たことないくらい弱弱しい声だった。
「な!?お妙さんのせいじゃないですよ!俺が勝手にしたことですから!」
近藤は大きな声で笑った。
「何かお詫びさせてください」
「そんなのいいですよ!お詫びだなんて!」
申し訳なくて近藤の顔を見れずにいた妙は、近藤のベッドの上に無造作に置いてあった包みを発見する。
「コレは?」
「え?あぁこれですか。さっき総悟のやつが持ってきたんですけど、帰ったら開けてくれっていうから」
言いながら近藤は不器用な手つきで包みを開ける。
すると中から出てきたのは…
「な、なんですかこれ!」
妙の顔を一気に赤くなる。
包みから出てきたのは、俗に言うエロ本という類のものだった。
「ちょ!何コレ!?俺は知りません!総悟!総悟の奴の仕業ですよ!!!!」
慌てた近藤のベッドからバサバサと本が数冊落下する。
顔を赤くしたままの妙がおずおずと落ちたものを手に取った。
「あぁ!いけません!そんなもの触ったら!!ってお妙さん何じっくりしっかり見てるんですか!」
妙は落ちた際に開かれたページをジーっと黙ったまま眺めている。
「お妙さん?」
呼びかけても反応がない妙をいぶかしげに近藤を見つめた。
エロ本を真剣に眺める妙の姿に、なぜか少しだけ興奮した。
「近藤さん…コレ、してあげます」
そう言って近藤の目の前に差し出したエロ本のページは、女が懸命に男の張り詰めた一物を咥えている所だった。
「え?え!?えーーーーーーーっ!?!?!?!?」
「そんな大声出さないでください!ここは病院ですよ!」
「だ、だってそんな…そんなことお妙さんにさせるわけには!」
「いいんです!ほんのお詫びですから!私が勝手にしたいことですから!借りくらい返させてください!」
先ほど自分で発した言葉を引用され、今度は返す言葉をなくす。
だが一方で近藤の心臓はいままでないくらいに脈打っていた。
妙が恋愛経験がほとんどないことはもちろん、そこから連想するに異性との接吻もないだろうし、結婚まで貞操を守ると
自ら言っているのだから処女なのは確実だ。
そんなまだ清いままの体を持つ妙と、お詫びでしようとしている行為はあまりにもかけ離れている。
「いや、あの、お妙さん。気持ちは嬉しいですけど…」
「いいから近藤さんは黙っててください」
妙は問答無用に近藤の掛け布団を跳ね上げた。
「あ…ちょっ」
ためらいもなく、妙の白く細い手が近藤の寝巻きをめくる。
近藤の褌は、肉眼でもなんとなく確認できるくらいのふくらみがあった。
妙はゆっくりと褌を横にずらした。
出来た隙間から顔を出したのは、剛毛と勃起しかけた男根だ。
成人した男性の男根、しかも勃起しているものをみるのは初めてだった。
妙はゴクリと生唾を飲む。
一方、近藤は近藤でありえないほどの汗を背中にかいていた。
今自分は愛しい女性の手で下半身を晒されているのだから。
「おっきくなってます」
頬を赤らめた妙が、チラリと近藤を見た。
「す、すいません」
反射的に近藤は謝る。
「どうすれば気持ちいいんですか?」
唐突に尋ねられ、近藤はさらに大量の汗をかいた。
「近藤さん?」
熱っぽい言葉に、近藤は息を荒くする。
「手で…こうやったりとか」
近藤は指で輪を作り上下に動かす手振りを見せた。
「こう?」
細い指が勃起しかけた男根に絡みつき。
見せられたとおり指で輪をつくりシコシコと上下に擦ってみせる。
「あ」
ぎこちない手つきだったが、十分気持ちよかった。
近藤はすっかり体から力が抜けきってしまった。
さっきまで鈍痛が襲っていた傷口も今はなんともかんじないほどに。
「すごい」
手を動かせば動かすほど、近藤の怒張は成長をし続ける。
ムクムクと大きくなり、比例するように熱も帯び始めていた。
「お妙さん、気持ちいい」
近藤は目を細めて妙を見た。
やけに妙が艶っぽく見える。
「近藤さん…何か出てきましたよ」
上下運動を繰り返され、男根の先から透明な液体があふれ出した。
「み、見ないでください…」
近藤はおもわず顔を伏せる。
「近藤さん…」
妙の吐息が自分のいきり立つものに吹きかかった。
近藤は反射的に顔を上げる。
気づけば白い手に握りこまれた男根を、その手の持ち主が今にも咥え込もうとしている場面に遭遇した。
「お、お、お妙さん!やっぱ…あぅっ・・・!」
やっぱりやめましょう。
その言葉は代わりに出てきた喘ぎ声にかき消される。
「んぅ…」
妙は苦しそうに眉間を寄せた。
自分の口には収まりきらないほど成長しきったそれが、口の中でびくびくと脈打っているのがはっきりとわかる。
ためしに形をなぞるように舌を動かしてみた。
唾液がゆっくりと男根に絡みだす。
「あ…お妙さん…すごい気持ちいいです」
近藤の頭の中はパニック寸前だった。
愛しい女性に勃起した自分自身を触られ、さらには口で愛撫までされているのだ。
夢にまで見た行為に近藤は興奮しっぱなしだった。
自分を包み込む温かい舌の感触。ヌルヌルとまとわりついてくる唾液。
それを感じるだけではなく、改めて意識してみるとさらに胸が高鳴った。
お妙さんが…俺を口で気持ちよくしてくれてる…。
蠢く舌が気持ちよく、懸命に奉仕している妙の顔もたまらなかった。
「んんっ…」
舌で愛撫を続ければ続けるほど、尿道から粘液が溢れ出てくる。
さらにぬめりを増して、妙の負担も少しは軽くなった。
頭を上下に動かす行為に疲れると、口を離してぺろぺろと亀頭を舐めたり吸ったりと妙は懸命に事を続ける。
最初はぎこちなかった動きも、じょじょに慣れてきたのか躊躇いもなくなってきているのがわかる。
再び男根を口に含み、妙はぴちゃぴちゃと音を立てながら口淫を続けた。
動くたびに髪の毛が顔に降りかかる。
それに近藤が気づくと、そっと髪を撫で上げた。
時折近藤の大きな手のひらが妙の頬に触れる。
妙はそれを心地よく感じた。
「お妙さん…俺そろそろ…」
限界が近づいてきた。
このまま続けられれば妙の口に射精してしまうのは確実で、近藤はそれだけはどうしても避けたかった。
だが妙は行為をやめない。
やめるどころか少しづつ激しくなっているようにも感じた。
「お妙さん…もう出ちゃう」
切なげに声をあげる近藤に、妙が上目遣いで視線を送った。
このままイッてください、とでも言っているようだった。
もうどちらが分泌したかわからないほどぐちょぐちょになった男根は、限界を知らせるように小刻みに震えている。
「あっ…お妙さん!」
妙が強く口の中の男根を吸った。
刺激が尿道、亀頭、裏筋と順にかけめぐる。
一気に射精感がこみ上げ、近藤が一際大きな声を発した。
「ぅん…!!」
ビクンッと勃起して張り詰めた男根が大きく揺れ、途端ドクドクと濃厚な精液が溢れ出す。強い快感が近藤の体を波打った。
妙は口では全て受けきれないほどの量に、おもわず口を離して咳き込んでしまった。
独特の苦味が舌に広がる。
「ああ!?お妙さん、ご、ごめんなさい!早く吐いてください!そんな汚いもの飲んだらお腹壊しちゃいますよ!?」
慌てふためく近藤は妙の体を力強く抱き寄せて、先ほどまで自分の性器を含んでいた小さな口に指をつっこみ
白濁液をかきだした。
「ほんろうひゃん、らいじょぶでふよ」
モゴモゴと口を動かしながら妙は今度を見た。
「大丈夫なことないですよ!」
全てをかきだしたことを確認して、近藤は自分の寝巻きの袖で妙の唇をぬぐった。
ジッと心配そうに目を細める近藤の顔が妙の目の前にあった。
ドキリと心臓が飛び上がる。
「もう大丈夫です!は、離してください」
妙は逃げるように近藤から離れた。
「で、でも」
「そんなことよりそれ隠せよゴリラ!!」
すっかり小さくなってしまった男根を指しながら妙は顔をそっぽに向けた。
さっきまで自分が口にしていたものにもかかわらず、急に恥ずかしくなってしまったのだ。
慌てて近藤は乱れた寝巻きを元に戻した。
「あ、あの…怒ってますか?いや普通は怒りますよね。あんなことしたら」
勝手に話を進めて、近藤は落ち込んだ。
「怒ってないですよ別に」
「いや、でも…」
「怒ってねーっつってんだろ!!」
妙は怒鳴り声をあげた。
「怒ってるじゃないですか!!」
「黙れ!」
気づけば妙の鉄拳が飛んでいた。
「も、もう言いません」
左頬に拳を受けながらの近藤が言った。
もう帰ります!と妙は逃げるように病室を後にしようとする。
だが、去り際に
「早く退院してくださいね。退院したら…さっきの続きしてあげますから」
という言葉を残して病室の扉を少々乱暴に閉めたのだった。
病室に残された近藤はポカンと口を開けて、固まっていた。
薄暗い志村家の妙の部屋で、一枚の布団に男女がそれぞれ向き合うように正座をしていた。
他人が見ればとても奇妙な光景に見えること請け合いだ。
「あの…お妙さん本当にかまわないんですか?」
「はい、かまいません。約束は守りますよ」
妙はニッコリと微笑んだ。
あれから近藤は1週間ほどで退院でき、その驚くべき回復力で周りの人間を驚かせた。
その退院を誰よりも喜んでくれたのは妙だった。
「お妙さんがあんな事言うから、俺がんばって退院しました」
「さすがゴリラですね」
微笑みながら酷いことを口走る妙も、近藤にとっては全てが愛しかった。
今すぐにでも押し倒して、その体を激しく愛したいという欲求に襲われる。
「お妙さん…好きです」
そっと近藤が妙の頬に手を伸ばした。
ピクリと彼女の体が震え、途端顔がみるみる紅潮してきた。
「一応言っておきますけど、初めてなんですよ。私」
「はい、知ってます」
「優しくしてくれないと、殺しますよ」
「はい」
近藤は嬉しそうに微笑み、そのまま妙の体をきつく抱きしめた。
「キスしてもいいですか?」
妙は近藤の腕の中で小さく頷いた。
それを確認すると、近藤は少し体をずらして妙の唇に自分の唇を重ねた。
「ん…」
そっと重ねられた唇。
その柔らかみを確認するように、近藤の唇が角度を変えて押し付けられる。
妙の体を抱く近藤の腕に力が込められたかと思うと、そのまま妙は押し倒された。
口付けは交わしたまま、妙の胸を着物の上から近藤の掌が覆う。
「あっ」
思わず声を漏らしてしまい、途端開いた唇の隙間から柔らかいものが入り込んだ。
それが近藤の舌だということに気づいたのは、少し経ってからだった。
口内を蹂躙する温かい舌は、ねっとりと妙の舌と絡み合う。
にゅるにゅると強引に絡んでくる近藤の舌に、妙は思わず舌を引っ込めてしまうが更に奥まで侵入してきた
それに簡単に捕らわれてしまった。
試しに妙も近藤の舌の応じに答えてみた。
互いの口内を行き来するように、激しく舌先が絡み合う。
これだけでも妙にとっては気絶してしまいそうなほどの刺激だった。
絡み合う舌がこんなにも気持ちいいとは想像もしていなかった。
「んっ…!」
舌同様、胸への愛撫も激しくなり始める。
気づけば帯を緩められ、着物が左右にはだけかけていた。
近藤の掌が出来た隙間から差し入れられる。ゆっくりと優しくその胸をもみしだかれた。
指先が胸の突起に触れると、たまらず声が漏れる。
唇を離した近藤が絶えの耳元でささやいた。
「ここがいいんですか?」
親指の腹で、すっかり立ち上がった乳首をグリグリと回された。
「あっ…あっ…」
初めての感覚。
まさか自分がこんな声をあげるなど、想像もしえなかったことだ。
声が漏れる唇を近藤の舌がペロリとひと舐めすると、その舌はゆっくりと下降を始める。
首筋・鎖骨を過ぎるとそのまま素直に胸へと降りてくる舌が、ジリジリと右の乳房を這い回る。
色の薄い乳輪の形をなぞるように動いたあと、再び指先で乳首をいじられた。
限界まで腫れ上がった乳首を、近藤は口に含む。
口先で吸い、舌先を強く押し付け、軽く歯を立てる。
体の奥が熱くなった。
「あぁ…っ!!」
妙の体が震えた。
ビクビクとまるで絶頂を迎えたように震えている妙を近藤を抱きしめる。
「こんなに感じてくれてるんですね」
互いの熱っぽい吐息が耳に吹きかかり、さらにそれが互いを興奮させた。
「あ、その…近藤さん…何か…いるんですけど…」
「え?」
「太もものところ…」
「あっ…!?す、すいません」
その正体が何であるか、妙は知っていた。以前にも見たことあるものだ。
「いいんです。興奮してるの…私だけじゃなくて安心しました」
「お妙さん…本当に可愛い人ですね」
再び深く口付けをしながら、二人は互いの体を抱きしめあう。
怒張がグリグリと太ももに押し付けられたが、それはすでに気にするような問題ではなかった。
近藤右手が妙の左太ももを撫でてゆっくりと上ってきていたからだ。
「あっ・・・そこはっ、んんっ」
制するより先に指先が妙自身触れたことのない部分に到達した。
下着の上から指先が触れている。
そこは下着越しでもわかるくら熱を持ち、濡れていた。
「お妙さん、濡れてます。すごく」
何往復か指を動かしたあと、近藤は体を起こし、一緒に妙の腰も持ち上げた。
「こ、近藤さん!?」
「この前のお返しです」
いたずらっ子のような笑みを浮かべた近藤が、浮いた腰を支えながら妙の秘部に顔を近づける。
妙も下から全てが見えてしまう格好にイヤイヤと首を振ったが、近藤は大丈夫ですよ、としか答えなかった。
近藤の唇が下着越しに妙の中心に触れた。
すでに湿っていた下着だったが、さらに近藤の唾液で濡れしまう。
「あんっ…!やぁっ…」
下着越しに陰核を舌先で刺激され、妙は思わず声をあげた。
「やっぱり邪魔ですね」
スルッと近藤は妙の足から下着を抜いてしまう。
ぐっしょりと濡れた下着が畳の上に落とされた。
「…見ないでください」
薄暗い部屋の中でもわかるくらい、妙の顔は赤く染まっている。
「見ます。お妙さんの体なら全部知りたいんです」
近藤の指がぬめるそこを広げた。
いやらしい粘液で濡れそぼる秘部が、丸々全部近藤の目に晒された。
「きれいですよ」
妙は顔を背ける。
だが近藤の指は妙の意思と反してゆっくりと愛液にまみれたそこを愛撫しはじめた。
ぷっくりと腫れる陰核の皮を左手で持ち上げ、姿を現した小さな突起を右手で触れる。
妙の体に電流が走った。
「あっ・・・!!」
ピリピリと下半身全部に刺激が行き渡る。
「お妙さん、また溢れちゃいますよ」
透明な粘液がじんわりと小さな穴から零れだした。
それを近藤の舌先が舐め取る。
いじればいじるほど溢れ出す妙の素直な体に、近藤は嬉しくてしょうがなかった。
「指、入れてみますね。痛かったら言ってください」
指先に愛液をまとわりつかせ、中指をゆっくりと妙の中へと進入させる。
抵抗はなく、すんなり指は妙の中におさまってしまった。
「何か・・・変な感じがします」
息をきらせながら、妙は近藤を見上げた。
痛みはなかったが、異物感の気持ち悪さは拭えない。
「そうですか?ここは?」
近藤は指を折り、内壁をなぞる。
そしてザラザラとした他とは異質な部分を見つけ、そこを執拗に攻め立てる。
さらに愛液が溢れ出した。
指が出し入れされるたびにポタポタと垂れ始めるほどに。
「なんか・・・もっと変な感じがします・・・んっ」
妙は目を細める。
快感までとはいかないが、内壁をいじられ感じているのは確実だった。
「あんまりやるとお楽しみがなくなっちゃうから、ここまでにしますね」
ニュルッという音とともに指を引き抜くと透明な糸が張った。
近藤は持ち上げていた妙の腰を下ろす。
十分すぎるほど溢れ出した液が布団を汚した。
すっかり力が抜け切ったのか、妙は小さく息をしたまま空ろな視線を近藤に送る。
それに気づき近藤は妙の汗ばんだ額に唇を落とした。
「お妙さん、そろそろ入ってもいい?」
妙は何も言わずに頷いた。
赤く染まる彼女の頬を軽く撫でたあと、近藤は着流しを脱ぎ、すでにはちきれんばかりに成長したそこをは妙の前に晒した。
近藤は妙の太ももを掴んでそこを広げる。
「入るんですか?そんな大きなもの」
掴まれた太ももがこわばった。
「無茶なことはしませんよ。お妙さんが嫌だって言ったらすぐやめます」
「やだ」
「え!?」
「嘘です」
妙がニッコリと微笑んで見せた。
それまでどこか緊張していた二人に笑顔が戻る。
「じゃあ、いきますよ」
妙は目を強く瞑った。
初めて男性を受け入れるのだ。怖くないはずがない。
そして息を呑んだ…そのとき。
「あっ!!」
「な、なんですか!?」
近藤の突拍子もない声に思わず目を見開いた。
「その・・・すっかり忘れてました。ゴム・・・持ってなくて」
今まで違和感を感じるほど順調に進んでいた事が嘘のようだ。
バツが悪そうに近藤は眉間を寄せる。
「スイマセン。ここまでして、こんな結果になっちゃいましたね」
ハハハ、と力なく笑ったあとがっくりと肩を落とす近藤に、妙が微笑む。
「いいですよ。近藤さんなら」
「え?」
「だから来てください。そのまま放っておいたら可哀相です」
「で、でも」
「ぐずぐずすんじゃねーよゴリラ」
「は、はい!」
半ば強引とも言えるような形になったが、二人はやっと一つになろうとした。
妙の濡れそぼる陰部に、近藤が自身を押し付ける。
「・・・っ」
吸い込まれるように張り詰めた一物が妙の中に少しずつ入り込んだ。
指はすんなりと受け入れたものの、さすがに大きさが違うそれはすぐにというわけにはいかないらしい。
「お妙さん、力抜いて。そう、ゆっくり」
「こん・・・どうさんっ・・・あぁっ」
「っあ。全部・・・入りましたよ。わかりますか?」
「はっ・・・はい・・・」
妙の声は今にも消えてしまいそうなほどか細かった。
初めて男を受け入れ、戸惑っているのかもしれない。
「痛みはあります?」
「少し・・・でも大丈夫です」
「じゃあゆっくりしますね」
優しく妙の体を抱きしめながら、近藤はゆっくりと腰を動かし始める。
ヌルヌルになっている内壁が自分自身にまとわりつき、絡みつく。
「あっ・・・近藤さんの・・・熱いです」
「お妙さんの中もですよ」
軽く口付けを交わしつつ、近藤はゆっくり、ゆっくりと腰を押し付ける。
まるで壊れ物を扱うように。
「あ・・・あ・・・」
腰を当てられるリズムと合わせるように、妙が声をあげ始めた。
ぎゅうっと下から背中に細い腕をしっかりと回し、妙は近藤にしがみついた。
動くたびにキュウキュウと内壁が締め付けてくる。
「お妙さんの中、すごく気持ちいいですよ」
まるで離さないでとでも言うように、妙のそこは近藤の張り詰めるものを包み込んでいた。動くたびに締め付けは
強くなり、さらに粘っこい愛液を分泌させる。
小刻みにしか動けぬもどかしさに近藤は翻弄されるが、自分の下で小さく喘いでいる妙を見るとあまりの愛しさに
心が満たされた。
何度も何度も耳元で可愛いとつぶやき、ゆっくりと腰を動かしては喘ぐ妙の反応を見る。
そんなことを繰り返していくうちに、あっという間に近藤は絶頂を迎えたくなってしまった。
「近藤さん・・・もっと・・・激しくしてもいいですよ?」
「でも・・・」
「痛みはもうないです。そろそろ近藤さんも良くなってください」
妙は自ら唇を求めた。
強く唇を押し付けて、近藤は妙の手を握り、動きを激しくし始める。
グチュグチュといやらしい音が部屋に響き渡った。
「んあっ・・・あっ・・・ッ」
唇の隙間から思わず声が漏れる。
妙に気を使いながらも、近藤は激しく腰を打ちつけた。
ピクピクと痙攣する膣内を蹂躙する男根が、中でさらに硬さを増す。
近藤が息を潜めた。
妙はぼやける視界の中で、近藤が切なそうに笑ったように見えた。
「あっ・・・お妙・・・さん、もう・・・」
いっそう動きを激しくし、近藤は小さく声をあげた。
妙の頭の中で白い光がはじけた。
初めて膣内で発生した強い快感が体を突き抜ける最中、ズルズルッと自分の中から近藤は這い出ていくのがわかった。
「・・・っ」
妙の愛液でいやらしく光る男根から、熱く激しく精液がほとばしる。
いくつかの白い線が妙の腹から胸を汚した。
妙は小さく体を痙攣させながら、ぼんやりとその光景を見た。見ているだけで、頭の中は何も考えられていない
のかもしれない。
そしてたっぷりと時間をかけて射精を終えた近藤は、そのまま妙の体を巻き込むようにして倒れこんだ。
「すいません、汚しちゃいましたね」
こんなときまでもいらぬ心配をする近藤に、妙は声を潜めて笑った。
「もう最高でした。感無量です」
妙の肩に顔を埋めながら、近藤は嬉しそうに笑っていた。
ちくちくと顎鬚が肌をくすぐる。悪い気分にはならなかった。
「もう満足なんですか?こっちはまだ元気そうですけど」
「―――はぅっ!」
細い指が再び硬さを取り戻し始めた男根に絡みつく。
「満足するまでなさってくださいな」
ニッコリと微笑む妙に、彼女の手に包まれた男根がさらに大きさを増した。
「お妙さーーーーんっ!」
こうして二人の夜は更けていった。
次の日。
「近藤さん大丈夫か?顔色悪いぜ?」
何故かゲッソリとしている局長に、土方が心配そうに声をかけた。
「徹夜でボランティア活動してたから」
「はぁ??」
謎の言葉を残し、近藤はパタリと倒れこんだ。
一方その頃の志村家では。
「姉上、なんか今日ツヤツヤしてますね。何か良いことでもありました?」
「そぉ?」
ニコニコと機嫌よさそうに微笑む姉を新八は不思議そうに眺めていたのであった。