(おっ、トシがミツバさんと食事を・・・・・・)
たまたま巡査中の近藤は、二人を発見した
(あの奴、女色には興味がねえとか言っておきながら、結局は優しくするんだよな)
「あっ、かっちゃん!」
「(し、しまった!)・・・・・・や、やあ二人とも。楽しそうで」
「ええ。とっても!」
ミツバはまぶしい位の笑顔で答えた。いくら外見がアレとは言え、近藤も人並みのたしなみは微かに持っていた
デートの邪魔をするのは余り粋ではないと察するや、彼はその場を離れようとした
「そりゃあ良かった。ではこの辺で・・・・・・」
「ちょっと待ってください。これ土方さんの特別メニューらしくて、・・・・・・かっちゃんも、どうですか?」
ミツバは、先程の若干タバスコの混じった100%マヨネーズパフェを見せた
(うげええええええっっ!何そのデザート、パフェじゃないじゃん!
全部マヨネーズじゃん!おまけに要らんスパイス混ざってるし!)
「い、いやお気遣いなく・・・・・・」
「まあいいから、近藤さんよ」
土方は近藤を見上げて言った
「一口ぐらい食べて見て下さい。俺らは既に一杯食べ終わりましたから」
(お前ら、こんな魔のメニューを完食したのかああっ・・・・・・!)
近藤の驚きたるや、察するに余りある
「さっ、どうぞ。私たちの事はよろしいですから・・・・・・ね、十四郎さん?」
「ああ・・・・・・、局長も騙されたと思って一口食べてくださいよ」
「いや、絶対騙されるから!マザー・テレサのサインボール級ぐらい分かりやすい嘘だから!」
ミツバは土方に満面の笑みを向ける
「良かったですね、十四郎さん。かっちゃん、騙されて下さるって」
「ああ」
「ち、違う違うっ!そういう意味じゃ・・・・・・!」
そう弁解している間に、土方は近藤の背後を回り込み、彼の口を大きく開けた
「さ、もう遠慮して逃げられませんよ。近藤さん。こういうのは大口を開けて
一気にかっ食らうのが美味いんでね」
「は、はへほおおおお!ほひ!(や、やめろおおおお!トシ!)」
近藤は言いたい事があったが、全て不明瞭なものとなって口から出てくる
「味が薄いと困りますから、少し多めに入れておきますね」
ミツバはそう言い、スプーン3匙分のタバスコをそれに加え、よくパフェを混ぜ合わせた
クリーム色が徐々に赤みを帯びてくる
近藤「はひほほへふーへふふほほはふへひはほほは!(何そのベルーゼブブのおやつ的なものは!)」
土方「さあ、早く。近藤さんの口に・・・・・・」
ミツバ「はーい。かっちゃん、よく噛んで食べて下さいねー」
近藤「はふっへほふはっへ・・・・・・、ひはあああああああああっっ!
(噛むってどうやって・・・・・・、いやあああああああああっっ!)」
近藤の口に、がーっとマヨネーズとタバスコの液状混合物が侵入してきた。近藤は、例えようもない
臭いと味と恐怖により、鼻からブバーッとマヨネーズを噴出し、その場に倒れ伏した
「あらあら・・・・・・」
「全く。・・・・・・近藤さん、美味しいからって興奮したらだめじゃないですか。あーあ、もったいねー・・・・・・」
「大丈夫、でしょうか」
「平気、平気。いつも想い人に倒れるまでノックアウトされているから・・・・・・
そのうち落ち着きを取り戻すだろう。ところで、・・・・・・次はどこへ行く?」
「はい!次行きたい所は・・・・・・」
二人はその場を去った。数分後、近くにいた数人の客により、近藤は病院へ搬送されたのである