・・・くちゅくちゅ・・・くちゅ・・・。くちゅ・・・
まだ太陽も十分に目覚めていないというのに、万屋の居間には朝とは思えない卑猥な音が鳴いていた。
男は力強く、そして優しく丁寧に掻き回し始める。
その卑猥な音はまるで彼女の耳を犯すかのように響き始めた。
女は思わずその音に顔を背けながらも、絞り出す様に声を出した。
「んっ・・・こ、この天パ、いいかげんやめるアル・・・!」
しかし精一杯の抗議さえも、今は銀時の欲望を掻き立てる材料にしかならない。
「あー?なんですかチャイナさん。ええーっと、最初に誘ってきたのはどっちだったけなぁ・・・?」
「!」
夜兎族特有の、透けるような白い肌が上気を浴びた様にバラ色に紅く染まってゆく。
「・・うっ・・・。」
神楽は好奇心からこの男に声をかけたことを心底後悔した。
そう、ただ何も知らないだけだった。
世界にたった一つの、大切な家族のため、身一つで地球へやって来た。
ここではたった独りだった。
しかし、また独りの男と出会い、神楽の世界は変わった。
そして地球では故郷と等しく、大切な家族ともいえる存在ができた。
なのに・・・
ただの好奇心がまさかこんな事になるとは。