「まったく、怪我してんなら屯所でじっとしてればいいのに」  
「・・・・・・・・・・・・」  
おりょうが溜め息混じりにそう言っても沖田は寝転んだまま無反応だった。  
柳生一門との死闘の後、足を骨折した沖田はまだ傷が癒えない内から  
ずっとおりょうの家に転がり込んでいた。  
しばらくは安静する必要があり、そのため任務がないとはいえ隊長がずっと  
ゴロゴロしているのもどうかと思う。  
「でも意外よね、沖田くんがやられるなんて」  
お妙の婚約者騒動にも相当驚いたがそれ以上に、闘いで沖田が負傷した事に  
おりょうは衝撃を受けていた。  
寝転んでいる沖田の背中に向かっておりょうが話し掛ける。  
「真選組で一番強いと思ってたけど」  
「・・・・・・・・・」  
「まあ足折られるだけで済んでよかったのかもね」  
「・・・・・・・・・」  
剣客揃いの真選組の中で、沖田は最強の遣い手とも目されていた。  
私闘とはいえ、近藤、土方もかなりの深手を負ったと聞く。  
スナック・すまいるでの柳生九兵衛とのイザコザの場におりょうも居た。  
たしかにあの時は他の平隊員は歯が立たなかったが、土方だけは対抗できていたように見えた。  
沖田もその場で手は出さなかったが、遣り合えば充分対抗できるだろうとおりょうは当然のように思っていた。  
柳生の剣名はおりょうが知っているほど江戸中に轟いてはいたが、  
実戦では真選組の方が上だと特に疑問にも持っていなかった。  
それだけに、それからしばらく妙が店に来なくなり、ある日いきなり  
足を包帯でグルグル巻きにされた沖田が家にやって来た時は何事かと思ったものだ。  
お妙の事については新八やお妙自身から聞いたが、柳生に殴り込んでどういう闘いを  
繰り広げたかについては詳しくは聞いていない。  
沖田の負傷についても知っている者はなく、沖田に聞いても何も答えようとはしなかった。  
侍の誇りみたいなものがあるのかとあまり詮索はしないではいたが、こうも毎日ゴロゴロされると  
いい加減文句の一つも言いたくなるが、沖田は相かわらず黙り込んでいる。  
口を開けば憎たらしい皮肉がポンポン出てくる普段の様子からは違うようだ。  
怪我のせいかとも思うが、なんだか沈んでいるように見えた。  
(・・・・・・そんなにやられたのかな?)  
弱みを一切見せない性格なのはおりょうも承知している。  
それ故、今の様子を見れば見るほど知らず不安になってくる。  
何も言わない沖田におりょうは嘆息すると、布団を掛けてやろうとする。  
すると今まで身じろぎ一つしなかった沖田が振り返り、おりょうの膝にコテン、と頭を乗っけてきた。  
「ちょッ・・・・」  
おりょうが沖田の顔を見る。  
沖田はおりょうの膝に顔を埋めるように深く頭を預け、一つ溜め息をついた。  
おりょうは黙って様子を見ていたが、沖田は深く目をつむり、何も言わない。  
しばらくそうやって二人は沈黙していた。  
おりょうがそっと沖田の頭を撫でる。  
すると沖田がおりょうの着物の裾を軽く握ってきた。  
おりょうはその様子にクスリ、と笑みを漏らすと、小さい子をあやすように沖田の頭を撫でつづけた。  
ごく小さな変化だが沖田の顔が安らいでいくのがわかった。  
(しょうのない子・・・)  
おりょうは苦笑すると、膝の上の沖田に顔を近づけ、そのまま頬に優しく口付ける。  
顔を離すと、沖田が怪訝な顔で見返してきた。  
おりょうが沖田の顔を覗き込むように言う。  
「してあげよっか?」  
「・・・・・・・ケガ人ですぜィ」  
「そんな顔されちゃあね」  
「どんな顔ですかィ?」  
「・・・・・・・・・・・・泣きそう」  
沖田自身はいつもどおりの顔をしているつもりだったがおりょうにはお見通しのようだった。  
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」  
沖田は黙って横を向いたままおりょうの着物の裾をさらにキュッと握った。  
 
 
「それじゃあ、じっとしててね」  
沖田を布団に横たえるとおりょうはそっと覆い被さる。  
「・・・・・・」  
じっと横たわっている沖田におりょうが微笑む。  
優しく頭や頬を撫でながら、額に口づける。  
続いて頬に唇を寄せながら、ついばむように軽く沖田の唇に触れる。  
しばらく軽く上唇、下唇と触れ合っていたが、やがて深く唇を重ねる。  
おりょうが優しく唇を吸うと、僅かだが沖田も吸い返してくる。  
するとおりょうは目を細め、少し強めに吸い上げる。  
「んッ・・・・んふぅ・・・・んん・・・・」  
唇を重ねたままおりょうが誘うように沖田の口に僅かに舌を差し入れる。  
すると沖田も舌を伸ばしてくる。  
そうして口の中で舌先だけをチロチロと触れ合わせていた二人だが、  
おりょうが舌をさらに深く伸ばし、舌を絡めあわせながら沖田の口中を丹念に舐め上げていく。  
そしておりょうが大きく突き出された沖田の舌を吸い上げると、  
沖田はさらに深く求めるように唇を重ねていく。  
「んぅ・・・」  
おりょうが唾液を送り込むと、沖田は大人しくコクコクと嚥下していく。  
沖田の口の端から唾液が一筋、垂れ落ちる。  
おりょうはそれを舐めあげ、チュッチュッと軽く唇を当てると、今度は耳に移動する。  
「ん・・・・」  
耳朶を軽く噛み、耳の中に舌を差し入れ、軽く舐め上げる。  
耳を舐め上げるたびに沖田の身体に僅かに力が入っているのがわかる。  
「力抜いて・・・・」  
おりょうが優しく囁く。その言葉に沖田は一つ息を吐き、少し身体を弛緩させる。  
おりょうはそのまま首筋を舐め上げ、吸い付いた。  
喉仏のあたりを深く吸い上げ、顎に伸び上がりそのまま再び軽く唇を重ねる。  
チラリと上目遣いに様子を窺うと、沖田は気持ちよさそうに目をつむっている。  
その様子に満足したおりょうは、沖田の着物の袷をくつろげ、鎖骨に唇を落としてゆく。  
そのまま上半身を露わにすると、思わず愛撫が止まる。  
沖田の身体にはあちこち傷や打撲の痛々しい跡が残っていた。  
まだ幼い面影を残しつつも、この男は戦いの場に身を置いている。  
誰かを守るために。  
それはつまり誰かの代わりに傷付くということだ。  
(あんまり無茶しないでよ)  
おりょうはそう思うが言葉には出さない。  
今回は私闘とはいえ、自分が傷付く事を厭わないその覚悟は揺るがない。  
そんな男にはどんな言葉も無意味だ。それは侮辱と同じである。  
おりょうは土方や銀時を羨ましく思った。  
自分は決して沖田と同じ世界には立てない。  
その傷を代わりに受けることもないだろう。  
自分にできるのはその傷を労わることくらいだ。  
おりょうは沖田の身体の傷に優しく息を吹きかける。  
「痛い?」  
沖田は黙って首を振る。  
おりょうはそのまま沖田の乳首に唇を当てる。  
柔らかく舌を当て、全体を舐めまわす。  
もう一方の乳首も優しく舐めあげると唇で軽く噛む。  
「ん・・・・」  
沖田が軽く声を挙げるのを聞いて、おりょうはそのまま脇腹を撫で上げる。  
柔らかい舌の感触に、沖田は思わずおりょうの頭に手を遣る。  
「どうしたの?」  
おりょうは微笑みながら沖田の下帯を解いていく。  
 
沖田の肉棒に息を吹きかけながら内腿を撫でさすり、左足を持ち上げる。  
沖田が怪訝な顔で見ているが、おりょうは構わずそのまま足の指を口に含んだ。  
「おりょうさ・・・」  
おりょうは黙って沖田の足の指を一本ずつ口に含んでゆく。  
指の股にまで舌を這わしながら沖田の顔を見やると、沖田は半分泣きそうな顔をしていた。  
「ココ嫌?」  
おりょうが聞くと、沖田は首を横に振る。  
おりょうは脹脛や内腿を舐めながら、足の付け根に舌を這わす。  
骨折している右足に注意しながら、沖田の足の間に身体を入れると、陰嚢を優しく揉みあげる。  
舌を這わせ、解きほぐすように揉みながら唾液で覆うとそのまま口に含む。  
「ッ・・・」  
沖田が軽く身体を震わせる。  
陰嚢を交互に口に含み、舌で震わせるように舐め、吸い上げると、陰嚢の下の辺りまで舌を伸ばす。  
「ちょッ・・・」  
沖田が慌てて声をあげる。  
「何?」  
おりょうは舐めるのを辞め、指でマッサージしながら沖田を見る。  
「・・・・・・」  
沖田は赤くなって横を向く。  
おりょうは微笑むと、既に大きく反り返ってる肉棒に舌を当てる。  
竿に舌を当て、充分に唾液を垂らすと、そのまま飲み込んでゆく。  
おりょうの温かい口の感触に沖田は大きく息を吐く。  
内腿や脇腹を優しく撫でながらおりょうは口を上下に動かしてゆく。  
ピクピクと口の中で沖田の肉棒が跳ね、おりょうは目を細め、根元まで飲み込む。  
沖田がおりょうの手を握る。  
おりょうも指を絡ませて手を握り返し、さらに亀頭に舌を巻きつけるように動かす。  
その度に沖田の手に力が入り、嬉しくなったおりょうは肉棒から離れ、身を起こす。  
「今日は・・・・特別」  
おりょうはハニカミながら、身体を反転させる。  
沖田の顔を跨ぐような格好に羞恥を覚えつつも再び肉棒を咥えるおりょう。  
唇できつく締め付け、カリ首を扱くように顔を振りたてる。  
普段のおりょうなら自分からは絶対にしないような大胆さに戸惑いつつも、  
沖田は快感に唇を噛み締めながら、眼前で誘うように揺れるおりょうの尻を抱える。  
おりょうが口で扱きつつふぐりを優しく揉みあげ、蟻の門渡りあたりまで撫でさする。  
沖田はそれに抗うように、露わになっているおりょうの肉ヒダを舐めあげる。  
「んッ・・・」  
おりょうがくぐもった声をあげる。  
沖田が肉ヒダを大きく広げ、舌を差し入れる。  
「んんぅッ・・・・んッ・・・」  
快感に顔を歪めつつもさらに肉棒を愛撫してゆくおりょう。  
「ふぅッ・・・・んんッ・・・・んむぅ・・・・」  
沖田がプックリと膨れた肉珠を舐めあげる。  
おりょうは羞恥と快感に全身を紅潮させながら必死に沖田の肉棒を咥えこむ。  
おりょうが内腿を撫で上げながらその豊かな乳房を沖田の肉棒に擦りつける。  
「くッ・・・」  
たまらず沖田が声をあげる。おりょうはさらに大胆に、固くなった乳首でカリ首をくすぐる。  
「んんッ・・・」  
柔らかな乳房と固い乳首。異なった感触に沖田の肉棒はさらに膨れ上がる。  
おりょうが乳首で擦りながら亀頭を咥え、鈴口に舌を伸ばす。  
「おりょ・・・う・・・」  
沖田はたまらず腰を突き上げる。  
「んんッ・・・」  
おりょうは喉の奥まで肉棒を押し込まれ、むせ返るがさら飲み込もうとする。  
沖田が激しく腰を突き上げる。  
「もう・・・・出・・・・る・・・!!」  
沖田が一段と腰を突き上げると、そのままおりょうの口の中にたまらず射精する。  
「んふぅッ・・・・んッ・・・んッ・・・んんッ・・・」  
喉の奥で沖田の射精を受けとめると、そのまま精液を嚥下していく。  
口から溢れた精液も舌で絡めとリ、尿道に残った分まで啜り上げるとおりょうは  
やっと肉棒から離れた。  
 
「ふう・・・・いっぱい出たね」  
おりょうが沖田の身体から降りて顔を見ると、沖田は横を向いていた。  
「どうしたの?」  
おりょうが顔を覗き込む。  
「なんか・・・・・・レイプされたみたいでィ」  
沖田が口を尖らせて言う。  
「・・・・・・もしかしてスネてんの?」  
「そんなんじゃありやせん」  
相かわらず沖田は横を向いたままだ。  
おりょうは笑みを浮かべると、再び沖田の腰に跨った。  
「・・・・・・・最後までイク?」  
おりょうは妖しい笑みを浮かべながら腰をゆっくり降ろす。  
沖田の腹の上でそそり返っている肉棒に肉ヒダを擦りつけ刺激する。  
「ちょ、おりょうさ・・・」  
「やめる?」  
おりょうが腰をくねらす。沖田の肉棒はすっかり固くなっていた。  
「・・・・・・・・・」  
沖田が赤くなってソッポを向く。  
おりょうは苦笑しつつ沖田の肉棒を手にとり、膣口にあてがう。  
「ケガ人はじっとしとくよーに」  
そう言って肉棒を膣内に受け入れていくおりょう。  
「んんッ・・・あッ・・・・」  
肉棒が突き進む感覚に声をあげるおりょう。  
根元まで飲み込むと、沖田の胸に手を当てて身体を動かしてゆく。  
「あッ・・・あッ・・・・あんッ・・・んッ・・・・ああッ・・・・」  
沖田の肉棒を膣内全体で感じながら腰を上下に動かしてゆく。  
沖田も気持ちよさそうに目を細めている。  
「ね・・・・どっちが気持ちイイ?」  
おりょうは沖田にそう聞きながら下半身に力を入れる。  
おりょうの膣内は、肉ヒダがヤワヤワと肉棒をしゃぶるように蠢いたかと思うと、  
次に全体を締め付けながらカリ首を扱き上げるような動きになった。  
「んくッ・・・」  
あまりの気持ちよさに声をあげる沖田。  
「んッ・・・どっち?・・・・・・んんッ」  
おりょうが聞くが沖田は苦しそうに喘ぐばかりだ。  
腰の動きを上下から擦りつけるような回転に変え、さらに動かしていくおりょう。  
「ああッ・・・あッ・・・あんッ・・・・はッ・・・・」  
沖田の乳首を指の腹で弄りながら尚も腰をくねらすおりょう。  
沖田がおりょうに手を伸ばす。  
おっぱいが触りたいのかな、と思いおりょうが上半身を倒す。  
しかし沖田の腕は腋の下を通り背中に回される。  
おりょうは戸惑う間もなく、背中に回された腕で力強く抱き締められた。  
 
「んんッ・・・どうし・・・た・・・の?」  
普段ここまで強く抱き締められたことがないおりょうは戸惑いと喜びを感じつつ  
沖田の顔を見る。  
「おりょう・・・」  
沖田の顔は切ないような泣き出しそうな顔をしていた。  
その表情と初めて呼び捨てで名前を呼ばれた事に鼓動が高鳴るおりょう。  
愛液が大量に溢れ、自分が沖田に欲情しているのがハッキリとわかった。  
「あッ・・・・ああッ・・・・あんッ・・・・はああッ」  
腰を淫らにくねらし、自分の乳首を沖田の乳首と擦り合わせる。  
「あッ・・・・おりょ・・・う・・・」  
沖田がさらに腕に力を込める。  
おりょうは沖田の顔に乳房をグイグイ押し付ける。  
「ねぇ・・・総悟く・・・吸って!おっぱい吸って!」  
沖田が乳首を口に含み、力いっぱい吸い上げる。  
「あはあああぁぁッ!!」  
赤子のように乳首を吸う沖田の頭を抱き締めながら嬌声をあげるおりょう。  
沖田が腰を突き上げてくる。  
その調子に合わせておりょうも腰を動かす。  
「んッんッ・・・んんぅッ・・・んはあッ!」  
深く唇をあわせた二人は唾液を啜りながら舌を絡ませてゆく。  
「んッ・・・おりょ・・・う・・・もう・・・」  
限界にきた沖田が背中に回した腕に一段と力を込める。  
「ああッ・・・出して!総悟く・・・んッ・・・いっぱい!・・・いあああッッ!!」  
おりょうが沖田の頭を胸にかき抱くように抱き締める。  
「おりょうッ!・・・うあッ!!」  
沖田が声をあげて射精する。  
「あッ・・・はあああぁぁッ!!・・・・・・んんッ・・・んッんッ・・・」  
子宮口にまで届く沖田の精液の熱さにおりょうが声をあげる。  
荒い息のまま二人はしばらく身体を繋いだまま抱きしめあっていた。  
「ん・・・」  
沖田の額にキスをし、おりょうが離れようとする。  
しかし沖田は抱き締めたまま乳房の深い谷間に顔を埋め、その匂いを深く吸い込んだ。  
「どうしたのよ・・・」  
沖田の頭を優しく撫でながらおりょうが聞く。  
しかし深く目をつむった沖田は何も言わない。  
そうして二人はまたしばらく身体を寄せ合っていた。  
やがて沖田が腕の力を抜いたのでおりょうは身を起こした。  
沖田の肉棒を抜き出すとおりょうの膣口から精液が漏れ、沖田の腹に垂れ落ちた。  
「こんなに出すなんて、ココだけは元気ね」  
おりょうが沖田の肉棒を指で弄ぶ。  
「そりゃおりょうさんのせいですぜィ」  
「子供ができちゃったらどうすんのよ」  
「さん」付けに戻ってる事に軽く落胆しつつワザとそんなことを言ってみる。  
「・・・・・・・・・」  
さすがに黙り込む沖田。  
その様子をしばらく眺めていたおりょうは苦笑する。  
「嘘よ。今日は安全日だから」  
「なんでィ」  
沖田が口を尖らせる。  
「手のかかる子供は一人で充分よ」  
「一人?」  
沖田が怪訝な顔で聞く。  
クスリ、と笑みを漏らしおりょうが言う。  
「アンタのことだっつーの」  
おりょうが沖田の鼻の頭に噛み付く。  
「あだだだだだ!!」  
沖田があげた悲鳴はいつもと変わりないそれだった。  
 
< 了 >  
 

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