「なかなか髪が乾かないアル。」  
男とセックスをするたびにシャワーを浴びているのだから  
「しょうがないネ。」  
神楽は頬を赤らめ、照れ隠しで顔をしかめた。  
 
すでに日は落ち、街頭の灯が街を彩る。  
その暖かな光さえ  
「なんかいやらしいアル。」  
いや  
いやらしいのは自分ネ  
神楽は先ほどの泰三との行為を思い出す。  
 
「はぁっ・・お・嬢ちゃ・・んっ・・。」  
後ろからマダオの喘ぐ声が聞こえる。  
結合部からはくちゅくちゅとこれ以上なく  
卑猥な音が聞こえてくる。  
「あっあっ・や・・やぁっ・・っっ」  
後ろから泰三に何度も強く突かれ、  
自分が、何か大きな力にさらわれそうになるのを感じた。  
体が自分の思うように動かない。  
あそこから小さな痙攣が生まれ、  
だんだんと大きな波になり神楽の体に広がる。  
心も体も 後はそこへ上りつめるだけである が  
未だ経験したことのないその感覚は  
神楽に軽い恐怖を覚えさせた。  
 
「はっ・・た たいぞ・・・な んかこわ い・・」  
見えない力に必死で抵抗しようとしている神楽の様子は  
いつもの不遜な様子と全く違う。  
泰三の気持ちはなお高ぶった。  
 
「こわ  く な いか らっ」  
泰三ももう限界が近い。  
腰をつかむ手に力が入る。  
「っ・・・はっあっ、ん、あ、や・やああああぁっ!」  
「!っつ!」  
 
―――――――。  
横に顔を向けると、  
死にかけた魚のような目をした泰三が  
煙草を吸いながら天井をじっと見ていた。  
40を過ぎているわりに、十分引き締まった体に  
身を預ける。  
「頭、真っ白になったアル。」  
「それが イクってことだよ。」煙草を灰皿に押し付ける。  
「・・・・宇宙はわたしの中にあったアル。」  
泰三は子供のように笑うと、  
たまらなくかわいいとばかりに  
神楽を抱きしめ、髪をなでてくれた。  
 
泰三は様々な体位を神楽に教えてくれた。  
後ろから突かれ  
前から横から下から  
抱きしめられながら  
「お嬢ちゃん、知ってるかい?体位ってね、48個もあるんだよ。」  
全部試すアル というと  
「勘弁して下さい。」と言われた。  
 
あれは何回目の時か  
――お嬢ちゃんは 男を狂わせる女になる  
    一度抱いたら 忘れられない 体をしている―――。  
 
泰三はイク瞬間、神楽にそう言った。  
 
「うれしいこと 言ってくれるアルヨ。」  
神楽の中の欲望は 宇宙のように果てがない。  
 
徐々に夜の顔を見せ始めた街の喧騒の中  
神楽の足は、真っ直ぐと真選組の屯所に向かっていた。  
 
 
「それじゃ、お先に失礼します。  
・・本当にいいんですか?僕手伝いますよ?」  
「別に手伝ってもらうほどの量じゃねェ。いいからさっさと帰れよ。  
なるべく残業費減らすって、この前の会議で決まったばかりだろうが。」  
苛々とした様子で書類にペンを走らせている。  
机の上にある灰皿は煙草の吸殻で一杯だ。  
「わかりました。それじゃ、失礼します。」ガラ  
「おお。」        
 シュッ  
山崎が部屋を出たのをきっかけに煙草に火を点けた。  
ふぅ――。  
土方は煙を吐き出し、椅子の背もたれによしかかった。  
真選組屯所――要するに警察本部である。  
その一室で、一人、土方は書類を作っていた。  
土方は本来、こういった仕事は苦手である。  
斬った這ったの世界の方がよっぽど性にあっている。  
しかし、副長という立場上こういった仕事を避けることが出来ないのだ。  
――めんどくせぇ・・。  
 ガラ  
「なんだトシ、まだ残ってたのか?」  
「近藤さんこそ。・・・何だそれ?」  
「これか?綺麗だろう?お妙さんにプレゼントしようと思ってな!」  
近藤は両手に抱えきれないほどの薔薇の花束を持っていた。  
薔薇は綺麗だが  
ゴリラと薔薇の組み合わせは、不憫なほどに似合っていなかった。  
 
「これから店の前で、お妙さん待ちをしようと思ってな。」  
どうやらお妙が働いているスナックから  
出入り禁止を受けたらしい。  
冗談抜きに、ストーカー容疑でこいつが捕まる日は遠くないかもしれない。  
警察のトップが警察に捕まるなんて、あまりに笑えない。  
 
「お妙さんもあんな仕事辞めて、早く俺と結婚してくれればいいのになぁ。  
お妙さんはきっと道場を離れる気はないだろうから、俺がそこに住む。  
もちろん、新八君との同居は全然構わないぞ。正月には家族5人で宇宙旅行だ!」  
どうやら近藤の頭の中にはすでに子供もいるらしい。  
「あぁ、でももし女の子が俺似で生まれてきたら可哀相だよなぁ。  
女の子で尻毛がボーボーはつらいよなぁ。」  
なんだそれ。  
「何でお妙さんは、俺の気持ちを受け取ってくれないんだろうなぁ。  
俺の尻毛は受け止めてくれたのになぁ。」  
どうやら近藤は何かを曲解しているらしい。  
 
お妙が意固地に近藤の求愛を拒否する理由  
真選組局長という肩書きを持ちながら 全く女にモテない理由  
それはその尻毛のせいではない。  
そのストーカー性でもない。  
土方はその理由に気付いていた。  
――近藤さんからは男を感じないんだろうな  
 
どの女も、いや、男も子供もみんな  
近藤から感じるのは母性ならぬ父性なのである。  
――ま、それが近藤さんのいいところ か  
 
「近藤さん、たまには引くことも覚えろよ。」  
「何を言うトシ!男は常に直球勝負だ!!」  
打たれっぱなしの敬遠されっぱなしじゃねーか!  
まぁ、こいつの好きなようにすればいい。  
 
近藤は薔薇の花束を抱えながら、意気揚々と屯所を後にした。  
 
「あの人には困ったもんだ。」    
床を見ると、薔薇が一輪落ちていた。  
真選組に似合うのは赤い血で 赤い花は似合わない  
ふぅ――。ため息とともに煙を出す。  
 
「バラねぇ・・。」  
お妙に似合うのは、和製の花だろう。  
白い百合や牡丹、桜・・・。清廉な花達。  
バラのような洋花はイメージに合わない。  
――何考えてんだ?  
鬼の副長が何を気恥ずかしいこと  
「くだらねぇ。―――女なんてみんな一緒だよ。」  
ぐい と乱暴に煙草を灰皿に押し付ける。  
 
そんなことを言う土方は 実はかなり女にもてる。  
整った顔立ち  
鋭いまなざし  
隙だらけなのに隙のない動き  
滲み出る 男の色気  
自然と女が寄ってくるので、女に困ったことはない。  
しかし  
いつも長続きしない。  
土方はどうしても踏み込んだ付き合い方が出来ない。  
女に夢中になられた記憶はあるが  
女に夢中になった記憶はない  
過去に強い恋愛感情を抱いたことがないわけではないのだ が  
記憶している過去に抱いた女達は みな 同じ顔に同じ体をしている  
シュ    
すぐに新しい煙草に火を点ける。  
女への執着心は薄いが、煙草への依存度は高い。  
土方は立派なヤニ中毒である。  
自覚している  
女が嫌いなわけではない   
しかし  
 
女がいなくても 生きていける が  
剣と煙草がなければ 生きていけない   
 
そう思う自分はひどく病んでいると思う。  
 
土方のたばこを吸い始めた年数と、一日の本数をかけた数を考えると  
いつ肺がんになってもおかしくない。  
男は女の体でのみ癒されるという。  
じゃぁ、自分は一体何に救いを求めればいいのだろう。  
 
きっと このまま 体も精神も病み続けるのだ―――  
 
「!」  
人の気配を感じ、ドアの方を見る  
「万事屋のとこのチャイナ娘・・・。」  
 
神楽のまっすぐな眼差しが  土方を射抜いていた。   
 
「何しにきた。ここは子供の来るとこじゃねぇ。  
遊び気分でうろちょろするな。」  
「帰れ。」  
部屋は土方の煙草の煙と臭いで充満している。  
泰三も煙草を吸っていた。しかし別に気にはならなかった。  
だけど  
土方の煙草はなぜか不快だ。  
「この部屋ヤニくさいヨ。」  
 
この男は無意識のうちに人を拒絶している。  
  人と語るのを避けるため  
  誰にも言えない心の澱を吐き出すため  
そのために 煙草を吸っているのだろう。  
だから   人を不快にさせる。  
   臆病者ネ  
人とつながることを恐れるあまり  
人を傷つけることを選んでしまう  
神楽と逆である。  
 
でも わたしはもう 恐れなくてもいい  
人を傷つけずに 満たされる方法を わたしは手に入れた  
血を見ることでしか 満たされなかった  
夜兎の自分が  
戦うよりも興奮し  
血を見るよりも高揚し  
人を傷つけるよりも幸福なこと を  
 
「何人の顔じろじろ見てんだ。食いもんなんて持ってねーぞ。」  
 
教えてあげるヨ  
 
「そんなものはいらねーヨ。」  
食欲ではない 満たしたいのは性欲だ。  
「用があるからここに来たアル。もてなすヨロシ。」  
どっかりと、部屋中央のソファに座る。  
「ふざけんな。俺は仕事中だ。  
それに真選組の勤務時間はとうに終わってんだよ。  
こんどにしろ、こんどに。帰れ。」  
「いやヨ。」  
「いやじゃねーんだよ。ここは託児所じゃねぇんだ。帰れ。」  
「子供扱いするなアル。」  
「子供だ。帰れ。」  
こいつさっきから帰れしか言わないアル  
しかもさっきから子供扱いもいいとこアル  
  苛っとする。  
ソファから少し離れたところにある机の前で  
土方も苛々と煙草を吹かしている。  
マヨネーズよりカルシウム取れや。  
 
ふと床を見ると、なぜか薔薇が一輪落ちている。  
血のように赤い。くらくらする。  
不意の眩暈に頭を抑える。  
 
「おい、大丈夫か?」  
見上げると土方がソファの前に移動していた。  
優しげな言葉とは裏腹に、その目は冷たい輝きを放っている。  
隙がない。  
「・・平気ヨ。」  
「・・・用ってそよ姫のことか?」  
「!?」意外な人物の名前の登場に、神楽は思わず目を見開いた。  
「姫様のことなら安心しな。元気でやってるよ。」  
真選組は幕府直属の機関である。  
一般隊員はさすがにないが、局長・副長クラスは挨拶などの用で  
城内に上がることもある。  
「この前ちらっと見たが、元気そうだった。  
・・・何かの機会で、また会うこともあるだろ。」  
ぽんぽん と神楽の頭を叩く。  
子供扱いMAXだ。  
 でも  
これはちょっとうれしかった。  
「ん・・。」  
神楽はそよと遊んだ一日を思い出し、温かい気持ちになった。  
 
「煙草ってどんな味がするアルか?ちょっと吸わせるネ。」  
土方はまた新しい煙草に火を点けていた。  
「子供は知らなくていい。未成年の喫煙は法律で禁止されてんだよ。  
大人になってから吸いな。」  
ふう――と神楽の顔に煙を吹きかける。  
「けほっけほ、むかつくアル!」  
見ると、目が笑っている。子供をからかう目だ。  
むかつく がその様子に少し胸が高鳴る。  
隙がないようで隙だらけで  
隙だらけのようで隙がない  
その絶妙なバランスが女を惹きつける。  
 
土方の煙草を持つ手を見る。  
きれいな手をしていた。 でもそれは  
女のように美しい手というわけではない。  
剣だこがあり、骨ばっていて血管が浮いている  
全体的に無骨な手だ。  
ただ、細く長い指が妙な色気を出している。  
この手も女を惹きつける。  
 
 あの指は 女を悦ばせる時 どんな動きを見せるネ  
 
男の腕や手は男性器の象徴であるという。  
神楽はそのことを知らずに       
 
充分欲情した  
 
 
「っ!!」  
不意をつかれた。  
自分とも在ろう者が、隙を見せていたらしい。  
「・・てめぇ、何のつもりだ。」  
口を手の甲で拭う。  
「煙草の味を確かめただけネ。」  
にぃ と神楽は勝ち誇った笑みを見せた。  
 
土方が自分の間合いに入られることはほとんどない。  
いくら相手が子供で気を許していたとしても  
いきなりキスされるのをやすやすと許してしまった。  
軽い屈辱感と羞恥心で、頭の芯が熱くなる。  
 
「・・どこで覚えたこんなこと。」  
こいつ、舌入れてきやがった。  
「秘密ネ。ところでお前の口内、苦いヨ。  
煙草まずいアルね。酢昆布の方がうまいヨ。」  
「帰れ。」  
このガキ大人おちょくりやがって。  
 
「他人が少しでも自分の領域に入ると、すぐに拒絶するの やめるヨロシ。」  
「!?」  
「何を恐がってんだヨ。余裕がない男ネ。」  
神楽の真っ直ぐな視線は、  
土方の心の暗闇を覗いている。  
 こいつ、俺の核心を突いてきやがった―――  
 
「わたしは 簡単に壊れない から」  
神楽が手を伸ばし、土方の頬をやさしく撫でる。  
「安心し て 」  
神楽が土方の胸に顔を寄せる。  
土方の鼓動が早くなる。 神楽に聞こえてしまう。  
見透かされてしまう。  
体中の血が逆流する。  
 
「わたしを感じるといいネ」  
あぁ、この感覚は  
剣を握っているときと 同じものだ  
 
「知らねーぞ。」  
きっと止まらない。  
「望むところネ。」  
「上等だ。」  
 
この二人の行為は きっと互いを激しくぶつけ合う  
            互いに剣を交じえるかのように  
 
 
「!っ・・・・・。」  
土方は神楽の口腔に乱暴に舌を入れてきた。  
速過ぎて音すら鳴らない。  
ただ乱暴に口内を味わう。  
くちゅくちゅとした淫猥な音が二人の頭の中で響く。  
 
新八とは違う  
泰三とも違う  
一方的で自分勝手なキス。  
しかし、激しく情熱的なキス。  
神楽も自分の欲望をぶつける。  
土方の舌を吸い、睡液を吸い、自身の睡液と交ぜる。  
すると土方も巧みに舌を動かし、それに応える  
神楽の舌を吸い、睡液を吸い、自身の睡液と交ぜる。  
 
神楽の腕はしっかりと土方の首に巻きつき  
土方の手はしっかりと神楽の後頭部を引き寄せる。  
二人の口はぴったりと密着していた。  
そうしていないと死んでしまうとでもいうように。  
 
土方の口内に残る煙草のヤニの味は  
すでに神楽の口内にしっかりとなじんでいる。  
はじめに感じた苦さは、今では神楽の官能中枢を刺激する  
媚薬の役割を持っていた。  
互いをぶつけ合う激しいキスは  
二人の境界線すら溶かしていく。  
あまりに官能的なキスに  
神楽は自分の体が土方と交じりあい  
溶けてなくなるような錯覚を覚えた。  
 
不安になって  
神楽は目を開け、土方を見る。  
ふと、目を開けた土方と、視線がぶつかった。  
開き気味の瞳孔は  
奥に鈍い光を宿している。  
獲物の息の根を止めるときの  
嬉々とした光だ。  
きっと、自分の目も同じ光を宿している。  
お互いにそれを確認した後、ふたたび目をつむり  
聴覚と触覚だけでお互いを味わう。  
 
「ふ・・・・むっ・・・・」  
上手く息が出来ない。  
いつの間にか土方の右手は神楽の胸を  
服の上から揉みしだいていた。  
神楽の体が土方の手で捏ねられ  
自由に形を変えられてしまうのではないかというほど  
強い力での愛撫。  
 
少し痛い。  
しかし、土方がぶつけてくる熱を 昂ぶりを 剥き出しの感情を  
神楽はその小さな体全てで受け止めていた。  
 
土方が乱暴に神楽のパンツを引き下ろす。  
「挿れるぞ。」  
互いに服を着たままの結合。  
土方は神楽をソファにうつぶせに押し付け スカートをめくり上げ  
充分に昂ぶったソレを  
後ろから乱暴に挿入させた。  
 
「あぅ!っ・・」  
 
神楽の体は  
充分な愛撫を受けていないのに  
すんなりと土方を受け入れた。  
 
何重にも重なり潤う そこは  
一度かかった獲物を 二度と離すまいとする   
野生の獣によく似ていた  
 
「くっ・・・・く・・!っ・・・」  
土方は神楽のことなどおかまいなしに  
激しく腰を打ちつけ、自分の昂ぶったものを奥に当てる。  
神楽の体が壊れてしまいそうなほどに腰を動かす。  
壊してしまいたいのかもしれない。  
セックスも戦いのときと同じ破壊衝動を引き起こす。  
だから、今までの女達と 一線を引いてしまっていたのかもしれない。  
 
しかし 神楽は受け止めると言ってくれた。  
そして 今実際に受け止めてくれている。  
土方の剥き出しの本能を、まるごと神楽の体にぶつけても  
神楽はその全てを受け止める。  
 
 こい つ なん て 体してやが る―――  
神楽の内部は土方を捕まえ離すまいと  
ぴったりとはりつき締め付ける。  
襞と襞の奥で小さな痙攣がはじまっていた。  
まだ、その動きに捕まるわけにはいかない。  
土方は腰のリズムを変え、  
ゆっくりと深い挿入にした。  
「はぁ・・はっ・・あ・・んっあ・・やぁ・」  
神楽の奥を突くたびに、ぴちゃ といやらしい音が漏れ  
神楽の苦しげな声が漏れる。  
 
「どう だ 苦し かったら 苦し い って言え 」  
「全 然へい き ヨ」  
二人は一声一声、喘ぐように会話する。  
強がる神楽を屈服させたくて、土方は神楽の片足をソファの上に乗せ、  
さらに強く深く押し込む。  
「あっぁっ・や・」  
神楽の体は体中に広がる快感にうちふるえている。  
 
  征服欲か独占欲か  
  自分は そんなもので満たされる   
  くだらねぇ男だ  
 
「だ い じょう ぶ」  
首をこちらに向け、土方に向かって苦しげに笑う  
神楽の目は  
 
  わたしも 同じ  
 
そう言っているように見えた。  
 
土方のリミッターはそこで切れ  
何も考えずに欲望の赴くまま、腰を打ちつけ始めた。  
速く 強く もっと 奥に  
 
「あ あっ・だ めっアル・・や っ・は」  
神楽の内部の動きから限界が近いことがわかる。  
「イ クと きは そう言 え・・!」  
土方もそろそろ限界を迎える。  
「い・・や・あ・ んっ イっちゃ う ヨ・・」  
神楽の体が喜びに奮える。  
「くっ・ィク ぞ・・」  
「や・・!!あっ・・!あっ・・・・」  
 
――――――――。  
「はぁ・・アル」  
神楽はくたりとソファに崩れた。  
「ふ・・ぅ」  
土方は、神楽とつながったまま、荒い呼吸を整える。  
「このまま行くぞ。」  
「?」  
一度の放出では、土方のモノは硬さを失っていない。  
興奮もまだまだ冷めていない。  
神楽から抜くことなく、すぐに2回戦をはじめようとした  
そのとき  
 
「どこへ行くってんですかィ? お二人さん。」  
 
精悍な顔つきの沖田が  
顔色をなくし   
ドアの前に立っていた。  
 
 

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