「知らなかったアルヨ。」  
 
神楽は家の近くの川沿いをてくてくと歩いていた。  
火照った頬に  
もうすぐ来る秋を予感させる風がとても心地よい。  
 
「こんなに楽しくて、気持ちが良くて、  
おもしろい行為がこの世にあったなんて、驚いたヨ。」  
ニコニコと、神楽の足取りは軽い。  
持っている傘をくるくると回しながらつぶやく。  
「でも、まだ満足できてないアル。」  
 
もっともっともっと  もっと。  
 
「まだまだ気持ち良くなれるはずネ。」  
ふふ と、まだ乾いていない濡れた髪を耳の後ろにかけた。  
普段はわからないが、神楽の髪は肩より少し下までの長さがある。  
いつも2つのお団子に結われている髪が、  
今は真っ直ぐに下ろされたままになっていた。  
 
桜を連想させる可憐な薄い桃色の髪が  
川から反射する光を受けて艶やかな光線を放っていた。  
 
 
――ほんの30分前  
「はぁっつ・・か ぐら ちゃん     もう  無・・・。」  
急にがくっと力が抜けたかと思うと、  
最後の力を放出し、新八は意識を失った。  
「ん、んっ・・  ん?新八、もう終わりアルか?」  
新八の上に乗り、腰を動かしていた神楽は不意の違和感に新八を見た。  
「新八?大丈夫アルか?」  
二人はまだつながったままなので、さっきまでと  
新八のモノが違うのがすぐわかった。  
 ちゅるん、と神楽から抜くとそれは くたぁ と小さくなっていた。  
「?さっきと全然違うネ。」  
つんつんとつついても、にゅにゅと押してみても、  
握ってみても何の反応もない。くにくにとやわらかいままだ。  
「玉、打ち止めアルか。」残念そうにつぶやく。  
 新八から降りて  そして ようやく冷静になった。  
自分の周りを見渡す と新八は全裸で死んだようにソファに横たわっている。   
もちろん自分も裸だ。  
今まで夢中になっていたので気付かなかったが  
服はぐちゃぐちゃに脱ぎ散らかっており、新八の眼鏡は、  
いつの間にやらテレビ近くの床まで吹っ飛んでいた。  
そして二人とも汗でべたべたである。  
特に神楽と新八の性器のまわりは、新八が何度も放ったものや  
神楽の愛液でぐしょぐしょになっている。  
いつも暮らしている部屋、いつも自分たちが座っている場所で・・・。  
神楽は急に恥ずかしくなった。  
 
「・・・銀ちゃんにばれたらなんて言われるアルか。」  
お前らガキのくせにぃぃ とか 場所わきまえろこのヤロおぉぉ とか  
俺があくせく働いてたってのによぉおおお とか   
なんで銀さんも誘ってくんないだよぉおおお とか  
きっとそんなとこだ。  
「気が付いたら、きっと新八が片付けるネ。」  
神楽はそう言うと、シャワーを浴びにお風呂に向かった。  
 
はじめての経験だったが、痛みはなかった。血も出なかった。  
夜兎族の女性はそういうものらしい。  
そのかわり、  
今までに感じたことのない  男の匂いが 神楽の精神を   
今までに味わったことのない 男の体が  神楽の小柄な体を  
興奮と快楽で満たした。  
   シャー  
シャワーを浴びながら、神楽は鏡に映った自分の体を見る。  
昨日までの自分の体と変化はないように見える。  
しかし、昨日の初潮を期に、何かが神楽の中に生まれたのは確かだ。  
「もっと、外見も大人っぽくならないもんアルか?」  
神楽は鏡に映るまだ幼さの残る体に向けてつぶやいた。  
胸を触ってみる。  
大きくもないが小さくもない。ちょうどよい大きさである。  
「銀ちゃんは大きい胸の方が好きそうネ。」  
少し顔をしかめる。  
 
決して大きくはないが、神楽の胸はとてもきれいな形をしている。  
そしてなにより 感度が良かった。  
新八は最初、神楽のきれいな胸をまぶしそうな表情で見つめ、  
震える手で優しく触っていたが、すぐにそのやわらかく弾力のある感触に  
我慢できずに、何度も揉みしだき舌を這わせた。  
そのたびに神楽は頭を突き抜けるような快感に嬌声を上げ、  
自身から熱いものが流れるのを感じた。  
 
神楽は胸に付いている赤い印を触る。新八が付けたものだ。  
正確に言うと、付けてしまった である。  
神楽は透き通るような白く美しい肌をしている。  
だから、少し強く吸っただけで簡単に後が付く。  
女性経験の無かった新八に、キスマークに気を使うことは  
微塵も思いつかなかったのだ。  
 
あぁ 新八は 本当に 気持ちよさそうだった  アル  
 
新八の、あの苦しげな表情 苦しげな声   
悩ましげというか。   とにかく、  
苦しそうな顔をしながらも、腰は休むことなく動かされ、  
新八は何度も神楽の中に侵入してきた。  
快楽の波に溺れたいという欲求が、無意識のうちに神楽の腰を動かしていた。  
そのたびに、新八は気を持っていかれまいと、必死で何かを耐えようとする。  
その表情が   
―――見たい  と思った。  
 
いつも神楽の前では 普通の顔をして普通に接してくる 男達  
私が 地球で出会った 男達   
 
  あいつらはあの時 どんな顔で どんな声を出して   
  イク アルか?   
キュ とシャワーを止め、風呂場を出る。  
 
ソファには気を失ったままの新八がまだ横になったままでいる。  
近づいて、さっきまで神楽の中にあったモノを見る。  
さっきとは全然形が違う。  
さっきは硬く、大きく、角度をもっていたのに  
今は新八の股間でくたりと申し訳なさそうにしている。  
なんだかかわいらしい。  
 
  ―――そーだ  
  あいつらは  どんな形で どんな大きさ のモノ を  
  持ってる  アルか?  
 
神楽はまた、体が疼きはじめていた。  
  だから  
 
「じゃーな新八!今日はきっと帰らないって、銀ちゃんに伝えておくヨロシ。」  
ガララ  
新八はぼんやりとした意識で、神楽が家から出て行くのを感じた。  
 
 
「なんじゃこりゃーーーーーー!!???」  
 
銀時は最初家を間違えたのかと思った。  
しかし、よく見ると銀時自身のスローガンである 糖分 が  
掲げられているし、他の家具も見慣れた自分の家のもの。  
 
「じゃぁ、なんでうちの従業員がまっぱで寝っころがってんの??  
その上、おまっ、これこの匂い・・。お前にまみれてんの、まさか、ちょ、  
勘弁してくれよ・・。」  
ちょうど新八が目を覚まし、自分は今何を・・・と考えていたところ、  
銀時が仕事から帰ってきた。  
 
「!――――ぅわぁぁあ!ぎ・銀さん!いや、その、これは、その・・」  
急いで床に落ちている服を取り、前を隠す。  
顔は真っ赤で新八自身も混乱気味だ。  
 
「何これ?どっきりか何か!?トゥットゥルー♪ってプラカード持って  
神楽が出てくんの?それとも新しい上司いじめ!?おぉ、  
仕事で疲れて帰ってきたところに、こんな状況見せられたら、  
若手の芸人だってテンション下がるわぁぁぁああ!!くせーんだよぉぉ!」  
「ちょ・ちょっと、冷静に話を聞いて下さい!ってかおかしいですよ、  
その発想!普通誰かとヤってたって考えるでしょう!?」  
「お前にそんな相手がいるわけないね!!じゃぁ何か?  
お通ちゃん想像しながら職場で一人遊びですかこのやろう!  
何プレイだああぁ!!ふざけんなぁぁぁ!」  
「このやろぉおおおお!お通ちゃんで抜くわけないだろうが、  
この糖尿天パァ!お通ちゃんを汚すなぁぁぁ!」  
「じゃぁ、相手は管理人の婆あか?キャサリンか?ハム子か?  
ハムとポークビッツで肉食品プレイですかこのやろう!!」  
「なんでそんな際どいラインナップなんですか!!っていうか、  
ポークビッツってなんだこらあぁあああああ!!アンタ人のこと言えんのかぁぁああ!?」  
「馬鹿っおまっ、・・・・・俺のは荒引きウインナーだぁぁあああああ!!!」  
 
神楽がいないと、この二人がこうなった時にツッコむ人間がいない。  
二人は散々ぎゃーぎゃー言い合い、新八がシャワーを浴び、  
銀時が部屋の換気をし――  
   
少し冷静になった。  
 
そしてやっと、新八が今日あったこと つまり神楽とのことを全部説明した。  
銀時は  
お前らガキのくせにぃぃ とか 場所わきまえろこのヤロおぉぉ とか  
俺があくせく働いてたってのによぉおおお とか   
なんで銀さんも誘ってくんないだよぉおおお   
とか言った後に、  
「で、神楽は?」と聞いた。  
 
「それが・・僕意識がぼーっとしてたものですから・・。でも確か、   
今日は帰らない とか言うようなことを言って、出てったと思います。  
―――あぁ、銀さん、定春拾ってきた時に神楽ちゃんが着てた服覚えてます?」  
「あの丈がめちゃくちゃみじけーチャイナ服だろ?」  
「そうです。ってか即答ですか。本当にエロ親父ですね。」  
「男はみんな死ぬまで少年なの。ということは男は死ぬまで思春期なの。  
ということは男は死ぬまで−」「もういいです。あの、銀さん、僕考えたんですけど、」  
 
新八は一瞬黙って また続けた。  
 
「兎ってすごい性欲が強いって話知ってます?」  
「知ってるぜ。あれだろ?放っておいたら一日中でも交尾してるってんだろ。  
すげーよな。いくらなんでも一日はきついぜ。銀さん最高でも一日――」  
「あんたの話はいいです。」  
 
一呼吸置いて、新八は続ける。  
 
「神楽ちゃん、つまり夜兎族も兎と同じなんじゃないかと思ったんです。」  
「・・・神楽の性欲が強いってのか?新八ぃ〜女を甘く見るなよ。  
女だって十分性欲強い奴は一杯いるぜー。泡「ハッスル」のみちこなんておまっ、  
どんだけだったと思ってんだよ。」  
「知りませんよそんなこと。誰ですかみちこって。  
てかあんたそんな店行ってんのかよ。給料払えよ。」  
「まーまー、新ちゃんもこんど連れてってあげるから!  
坂本に教えてもらったんだけど、これが結構レベル高くて・・。」  
「遠慮しときます。あんたほどほどにしないと病気移されますよ。  
坂本さんみたく。」「・・・・・・・・。」  
 
新八は 辛抱強く続ける。  
 
「きっと夜兎族の女性は、月に一度の生理期間中、  
ぐんと性欲が高くなるんです。  
――僕が意識を失う前に神楽ちゃんがこうつぶやいたの、聞こえたんです。」  
 
         なんだヨ  ものたりないネ――  
 
間  
 
「ぶゎはははははははははははっ!!!!!」  
「ちょっ、銀さん、何笑ってんの!?ちょっとアンタ!」  
「ひーーっ、だ・だってそれ、お前、ぶっ、も・ものたりないって、おまっ、」  
銀時は腹を抱えて笑っている。涙まで流している。  
「そ・そんなこと い・言われたら、男として立ち直れねーな!  
まーまー、気を落とすなよ。どーせ、何秒もしないうちにイッちまったとか、  
なかなか勃たなかったとか、そんなんだったんだろ?安心しろ、新八、  
誰でも最初はそんなもんなんだよ。銀さんだって最初はそりゃぁ、  
いろいろあったさ。入れる前にイっちゃったとか違う穴に入れてたとか−」  
 
「話が進まねんだよ、この天・パァァーーーーーーー!」  
新八がキレた。  
「それに神楽ちゃんとは7回連続でヤりました!  
精も根も尽き果てたけど、時間だって、最低10分は――」  
 
「なにぃぃいいいいいいいい!!!???てめっ、ふざけんなよ、  
そんな嘘ついてまで自分を誇示してぇか、ななかいだぁああ!?  
おまっ、どっちがエロ親父だよ、ちくしょう、なんですか、自慢ですか、  
そーですか、俺だってなあぁ、みちこには お客さんすごいこんなのはじめて   
 って言われたんだぞおおおおお!!!」  
こんどは銀時がキレた。  
 
「みちこの話はもういいぃ!ってか、  
そんな社交辞令間に受けてんじゃねぇぇええええ!!!」  
 
「あー、もうだめだ、人生にやる気無くした。もういい。  
早退させて下さい。ってか男の花道をリタイヤさせて下さい。  
完全にトラウマだよ、こんな地味眼鏡に持久力・スタミナともに  
負けるなんて・・・・。」  
銀時は本気で頭を抱えて机の上に突っ伏している。  
 
腹も立つが、話が進まないので  
新八は無理やり話を戻した。  
「普通の女性は、それだけやれば、満足するでしょう?」  
銀時がいつもにも増して どよんとくさった魚の目を向けて  
何か言おうとしたので、急いで続ける  
「神楽ちゃんの数々の発言といい、行動といい、  
このまま放っておくとやばいですよ。神楽ちゃん、  
あんなミニチャイナよっぽどの時じゃないと着ないのに、  
わざわざそれに着替えて出てったんですよ。  
きっといろんな男の人を相手にするつもりですよ。」  
新八は本当に心配そうな顔をしている。  
 
銀時は少し考えてから、  
「自分を棚に上げて何言ってるんですか新八君。  
いいじゃねーか。神楽が何しようが誰とはめようが神楽の自由だ。  
心配いらねーよ、あいつは強いしな。」  
 
「そ・そーかもしれないけど、子供の性教育は親の責任でしょう!  
誰でも彼でもというのはよくないでしょう!?変な男に襲われたり、  
誘拐されたりでもしたらどうするんですか!!それに、姉上に殺されます!」  
新八の顔に死相が出ている。  
 
「ま〜なぁ・・・。しょうがねぇ、探しにいくか。  
ったくよー世話やかせやがって・・。」  
銀時が立ち上がる。  
 
新八はほっとして後に続く。  
 
「しっかし、夜兎族にそんな特性があったなんてなー。  
これからは月に一度、いい思いしまくりだな。  
高い金出してみちこに会いに行かなくてもすむな!」  
「あんた何考えてんだぁああああ!それでも保護者ですか!  
ていうか、いい加減みちこからはなれろぉぉ!  
――全く、そんなこと言って銀さん、神楽ちゃんを満足させる自信  
あるんですか?」  
腹が立ったので嫌味を言ってやった。  
   しかし  
 
「おまっ、銀さんなめんなよ、攘夷派メンバーの中では  
一番のエロテロリストと崇められてたんだからな!  
銀さん・オブ・ジョイトイだぞこの野郎!」  
「あんたら何のテロ行為してたんですか。」  
 
「持久力とスタミナがなくてもなぁ、テクニックがあるんだよ。  
お前みたいな若造には想像も付かないやり方がな!  
ピ――――とか、ピ―――とか女悦ばせる方法ならいくらでも――――。」  
「アンタ人の道をリタイヤしてますよ。」  
 
 
外に出ると、街はすでに夕暮れ時だった。  
 

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