「銀ちゃん」  
「あぁ?」  
万屋のソファに寝転がり、だらりとしていた銀時は神楽に呼ばれて顔を上げる。  
神楽は何故か銀時のすぐ側まで近寄り、徐に銀時の腹部に両手突っ込んだかと思うと  
ズボンをずり下げた。  
「なァァァァ!!?」  
「雪祭りの時マダオの雪像で見たヨ。銀ちゃんのも見せて」  
銀時は引きずり下ろされるズボンを押さえようと必死になるが、神楽の力は見た目以上に強い。  
(ちょ、待っ、これって逆レイプじゃね!?少女に股間を無理矢理見せる…でなくて見られる  
男ってどうよ!!?これはハタから見れば俺のせいか?世間はそう決め付けるんじゃねぇのか、  
そんでおれは豚箱にってオチですか!?)  
銀時の葛藤もつゆ知らず、神楽は好奇心でいっぱいだ。きっとそういう年頃なのだ。たぶん。  
「銀ちゃん、抵抗は無駄ネ。ほら、そのパンツも脱ぐヨロシ」  
「ギャー!!!!」  
神楽の無邪気で無慈悲な手は銀時の最後の砦、パンツをいとも簡単に下ろした。  
その先から、ぶらりと下がった銀時のモノが現れる。  
「銀ちゃんのネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲、だらしないアル。  
こんなのじゃ大砲の弾撃てないヨ」  
「いつでも上向いてるもんじゃねーんだよこれは…」  
思わず普通に答えてしまった銀時は半分諦めていた。  
これで興味を失うだろうと考えていたら、眺めていた神楽が銀時の主砲を抓んだ。  
ひょい、と上を向け、手を離すと重力に引かれぶらりと落ちる。  
銀時が驚愕し顔面蒼白になっていることにも気付かず、神楽はもう一度指先で  
上を向かせ、今度は握った。  
「主砲、装填準備中であります!」  
「神楽――――ァァァ!!!!」  
銀時は神楽の頭を必死で押しやるがそれ以上の力で抵抗される。  
というより、神楽にはちっとも堪えていない。  
神楽は主砲に興味津々で、銀時が押しやろうとするために神楽の手に力が入ったり  
緩んだりする。要するに、"にぎにぎ"されている。銀時の意思とは別に股間には血液がいく。  
「うお?なんか大っきくなったヨ」  
神楽が不思議そうにアームストロング砲に顔を近づける。  
銀時はあまりにも奇妙な成り行きに動揺していた。身体は正直だった。  
神楽の、色より好奇心に満ちた手の動きで主砲は勢いを増すばかりだ。  
どうすることもできない。  
 
神楽が手を離すと主砲は揺れた。が、先程までのだらしなさはない。  
神楽からすればおかしな角度で止まり、突付いてみるとピクリと動き、跳ねる。  
「銀ちゃんのこれ面白いアル!」  
「神楽…、それ擦ったらもっと凄いことになるぞ。…そういっそやっちゃってくれ!」  
銀時は首をぶるぶると振り、この状況を楽しめと必死で自分に言い聞かせていた。  
(そうだ、酢昆布くさいとはいえ神楽は色白でなかなか可愛らしいじゃないか、  
少女に弄られる俺……いや楽しむんだ、楽しむしか道はあるまい!!)  
銀時の葛藤など知らない神楽は言われるまま、主砲を鷲掴みし上下に擦る。  
あまりに稚拙な動きに、銀時は少女の手に自分の手を重ねて動きを教えた。  
「…こうするんだ」  
「銀ちゃん」  
銀時を見上げた神楽の顔が心持ち上気して見えた。  
ピンクに染まった頬と薄く開いた口を見た銀時は心臓が鳴った。己の主砲の勢いが  
増したのも神楽の手を通して伝わる。  
神楽のもう片方の華奢な指先が先端に触れた。  
「先っぽからなんか出てるヨ」  
「発射準備が出来たからな」  
手の動きは速度を増し、二人の呼吸は無意識に激しくなる。  
ソファに腰掛けた銀時は上体を倒し神楽の頭を抱える。  
神楽が顔を寄せているのを知った上で銀時はネオアームストロングサイクロン  
ジェットアームストロング砲を発射した。  
「あっ!」  
「悪ぃ、神楽」  
神楽の顔が白い液体で濡れる。銀時は自分の中で何らかの欲が満たされたことを感じた。  
「あ、まだ出てくるアル……でもなんか生臭いネ」  
目を瞬いた神楽は銀時の股間を不思議そうに見つめていた。  
銀時は出しきってしまうと頭が冷える。慌ててちり紙を取り、神楽の顔を拭く。  
大人しく拭かれる神楽は驚いた顔をしてはいるがちっとも嫌がる素振りを見せない。  
神楽からしてきた行動とはいえ、これは大問題だ。  
「神楽」  
「何ヨ」  
「男は獣だからな。他の野郎のアームストロング砲なんてぜってー見んじゃねぇぞ  
無理矢理見て触るなんてもっての外だ!分かったか!?」  
「分かったヨ」  
こくり、と神楽は素直に頷く。  
頭を撫でてやると銀時の腿に頭を乗せた。  
甘えるようなあまりに無防備な仕種に銀時は不安を覚えるのだ。  
 
「…変なコート着たおっちゃんが道端で股間見せてくるのはどうしたら良いアルか?」  
「逃げるか玉蹴るか警察呼べ。って今までどうしてたんだオイ」  
「短小って言ったら泣きながら行っちゃったヨ」  
「そうか…」  
銀時は神楽に主砲のサイズを尋ねることはやめようと誓う。  
可愛らしい少女の口から早漏短小と罵られた日には立ち直れない気がする。  
コートを着た変態に怒り以上に深く同情した銀時だった。  
 
終  
 
 

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