「おう、貧乏娘。今日もせいぜいご奉仕しろよ」
「何言ってるアルか。誰のおかげで生活できてるのか
胸に手をあてて考えるがいいネ」
「言ってろ、不良博打娘」
その言葉を皮切りに、神楽は銀時の性器に舌を這わせた。
朝。それもとびきり清々しい朝だ。
爽やかな風が窓から吹き込み、まばゆい光が少女の髪をキラキラと輝かせている。
チュンチュンとさえずる小鳥の声に混じって、
全くその場に似つかわしくない、ちゅる、という性器に唾液が絡む音が聞こえた。
(やっぱ朝立ちも処理してもらうに限るな、うん)
くぁ、とあくびをすると、容赦なく顔面にパンチが飛んできた。
「いって!!うお、鼻から血が出てきた!
おい、お前真面目に銀ちゃんジュニアを可愛がれ!」
「人が真面目にシャクハチしてるのに欠伸するとは何事アルか。
だいたい銀ちゃんのチンコくさいヨ!やる気なくすヨ!」
「おま…っ、年頃の女の子がチンコなんて言うな!
『銀ちゃんのおっきいの』と頬を赤らめていえ」
偉そうに腕組みする目の前の男を一瞥すると、
この粗チンが何いうアルか…と、ため息をついて、再び銀時の雄をくわえ込んだ。
神楽は実をいうと、朝のから行われるこの行為が嫌いではない。
ぼーっと窓の外を眺める銀時は穏やかな表情をしている。
夜の、自分が知らないようなカオを見せる彼はまだ少し怖かった。
神楽は夜の銀時には何故か逆らえなかった。
ちゅ、と思い切り吸うと、あっけなく銀時は果てた。
口から萎えた性器を吐き出し、腕で口を拭こうとすると、銀時が袖で精液を拭ってくれた。
「そんな汚い服で拭かれても意味ないネ」
「は、口のへらねえ嬢ちゃんだな」
いつもと同じ朝、隣に銀時。
その平凡な幸せを、神楽は密かに大切に思った。
「はぁっ、あ」
神楽は目を伏せて快楽に身を委ねる。本能のまま腰を動かせば、すぐに絶頂は訪れた。
「あ、あ、あ、んんっ!」
背を弓なりに反らせて震えて、そのままクタリと銀時の上に倒れ込む。
軽く意識を失っている神楽の中でまだ銀時は欲望を放っていない。
「おい、何一人でキモチヨクなってんだ」
ため息をつくと、神楽の腰を掴んで強引に下から突き上げた。
「う、あ…や、銀ちゃ…」
力が入らない。突き上げられるまま、神楽は声をあげるしかなかった。
しばらくして、銀時も達した。
こうして性交する時、二人はほとんど言葉を交わさない。
愛の睦言など尚更だ。いつも衝動でこうした行為にふける。
それはお互いの暗黙の了解と言っても良かった。
同じ屋根の下にいる新八でさえ、二人の事には気づいていないに違いない。
「恋人」。そんな言葉から一番遠い位置にある関係。
それでも神楽は今、銀時自分の中を満たしていく感覚を愛しいと思った。
「おー、今日も天気がいいな」
銀時が新聞を片手に窓から空を見上げ呟くのを、神楽は只聞き流した。
黙々と目の前にある食事を平らげていく。
「もうそろそろ買い置きの菓子も無くなる頃か…」
顎に手を当て暢気に欠伸をする銀時に新八が提言した。
「銀さん、甘いものドクターストップかかってるんでしょ?駄目ですよ、お菓子なんて」
「いや〜かりんと日和だな、これは」
「ちょっとは人の話聞いて下さいよ…」
新八の声が聞こえているのかいないのか、銀時は眠たげな目を神楽に向け言う。
「おい神楽、お前買い出し一緒に行くか?」
神楽は瞬間、箸を止めて銀時を見た。
「…酢昆布、食べたいヨ」
「ああ、いくらでも買ってやらぁ」
「行くアル。これ食べ終わったらすぐ行くアル」
銀時が言い終わらないうちに、神楽は頷いて再び箸を動かし始めた。