「よく食べるとは聞いてたけど、まさかここまでとはなァ」  
沖田が目の前でガツガツと飯を平らげている神楽と、その愛犬の定春とを見て、ハァと溜息をついた。  
つい数十分間前、公園で定春の中の彼女と出くわしたのだが…良かったら屯所へ遊びに来ないかと誘った所、何か食わせてくれるのならいいとの返事が返ってきたのでしめたと言わんばかりに連れて来たのだ、が。  
目の前の彼女は顔見知りといえど、あまり知らない男に無防備にもホイホイと付いて来たくせに  
わかっているのかいないのか、屯所に着いた途端  
『ご飯ご飯ー!やったアルよ定春!今日はお腹一杯ご飯食べれるアルよー!』と騒ぎ出したのだ。  
同僚達の前でそう騒がれては引けないものもあるし、何よりも、  
花見の時以降、好意を抱いている女の子が目の前で無邪気にはしゃいでいるのを裏切る理由は無い。  
そんな訳で、今こうして屯所付属の食堂でフードファイト…いや、間違えた、向かいの席の神楽が、  
俺の胃袋は宇宙だと言わんばかりにガツガツと飯を食いつづけているのである。  
その見事とも言える神楽の食いっぷりに、食堂のおばちゃん達の視線は釘付けだ。  
オマケに、いつの間にやらワイワイと同僚達もが集まってきて、むさ苦しい男供のギャラリーが  
自分たちの机の周りに出来てしまっている。本来なら関係者以外は立ち入り禁止だが、  
沖田の連れと言う事もあって誰も何も言わないのだろう。しかしこれだけの騒ぎになれば、上司である土方から何か言われるのは目に見えている。それを今日はどうおちょくってやろうかと沖田が考え始めた時だった――  
 
ガタン  
目の前の椅子が動いた音を聞いて、我に帰る。  
見ると、神楽がいつの間にやらおかわりの大盛炒飯を持って席に着いた所だった。  
…一体いつまで食べ続けるつもりなのだろうか。  
「あーあーあーあー。そんなに食べたらやること出来ないじゃないですかィ」  
沖田の言葉に、一瞬周囲のギャラリーが凍りついた。  
そうしてから、一斉ににやにやと口元を緩ませて、しきりに冷やかしの言葉を飛ばしてくる。  
神楽はおかまいなしに、ひたすら食べつづけていた。  
勿論、沖田もまわりの冷やかしなど目にもとめずに、すかし顔をしている。  
「隊長、警察が犯罪犯してどうするんですか。前科も十手も持ってる奴なんて聞いた事ないですよ」  
沖田の隣に立っていた山崎が、その肩を掴んで彼を振り向かせた。  
周りの誰から見ても、沖田の目の前の彼女は『大人の女性』とは思えない。  
田舎村から、家族を食わす為に身体を売るために上京してくる娘っこはごろごろいるが、  
神楽はどう見てもその娘っこ達よりも更に年下に見える。  
そんな訳で、さっきから『いい趣味してますねぇ』等のからかいが周りから飛んでくるのだが、  
山崎が気に掛けた事なんてのはギャラリー達はちっとも気にしていない様子だ。  
「何も犯そうなんて誰も言ってないじゃないですかィ。まったく何想像しちゃってんだか、山崎ったらやーらしーィ」  
山崎の言葉を軽くかわす沖田の言葉に、周りが便乗して『山崎やーらしーィ』コールが起こる。  
そんな中でもガツガツと神楽は食いつづけていた。  
よくこんな衆人環視のもとと、ざわめきのなかで食欲が出るものだ。  
 
「ふざけないで下さい。局長にいいつけますよ」  
負けじと山崎がチクリ大作戦に出る。一斉に『山崎やーらしーぃ』コールが『山崎チクリ魔ー』コールに変わった。  
「たっくうるせぇなァ、オメーは俺の母ちゃんですかィ!いい加減にしねーとラケットのガット滅多切りにしますぜ」  
「すいませんでしゃばりましたどうぞ隊長のご自由にして下さい」  
即答で、上司の過ちより愛用ミントンラケットの命を優先する。  
部下の態度の急変に、『わかればいいんでさァ』と口の端を引き上げながら返してやった。  
同時に、乾いた笑いが周囲を包む。  
「オマエ等、さっきから何をごちゃごちゃと言ってるアル」  
掻き込むようにして食べていた炒飯の大皿を、どんと置いてからようやく神楽が口を開いた。  
5杯目になる大皿がまたしても先ほどの用に空になったのを見て、ギャラリーから歓声があがる。  
「何でもないでさァ、こっちの話ですぜ、こっちの話。それより腹は満たされやしたか?」  
「話逸らしてんじゃねえヨ。オメーの魂胆見え見えなんだよこのロリコンショタが」  
天使のような悪魔の微笑みで話を逸らそうと仕向ける沖田に、惑わされるどころか目もくれずにぐいっと袖で口を拭って、お得意の毒舌で神楽が反抗する。思いがけない展開に、ギャラリーが固唾を飲んだ。  
そんな神楽の反抗にも怯まずに、沖田は肘を支点に手を組んで顎を支えると、改めて目の前の彼女を見やる。  
「…わかってんなら話は早い。きっちり飯代分、奉仕してもらいやすぜ」  
「断る」  
予想外の神楽の即答に、思わずガクっと頭をうなだらせた。  
剣の腕前と同僚イジメなら真撰組一を歌われる沖田が、10代後半にも満たないだろう少女に押されている…  
先日の花見の時以降、滅多に見れない光景にギャラリー達が息をするのも忘れて魅入る。  
と、垂れた頭を、勢い良く沖田が上げた。同時に、叫ぶ。  
 
「タダ飯など言語道断、野郎供!こいつをひっとら――…」  
「オメー等何やってんの」  
空っぽの頭で必死に考えた沖田の言いかけのカッコイイ台詞に、  
周りのギャラリーが『オゥ』の掛け声と共に神楽に飛びかかろうとした時だった。  
開きっぱなしの食堂の入口から、冷静な声がかかったのだ。一斉に、その場に居た全員が声のした方を向く。  
見ると、タバコを口に咥えたふてぶてしい男がだるそうに立っていた。  
「土方さん、別に何でもないからとっととあっち行ってくだせェ」  
「そーか?俺にはでっかい犬が見えるんだが…」  
「マジックマッシュルームでも食べたんですかィ?でっかい犬なんて居やしませんぜ」  
明らかにサイズのおかしい犬がいるのは確かなのだが、いまいち状況を理解出来ない土方がごしごしと目を擦る。  
その隙に、沖田は席を立つとギャラリーを掻き分けて神楽の隣に立った。  
腹が満たされて、満足して落ち着いている神楽が、隣に立った彼の出方を窺う、と、突然体が軽くなった。  
「何するアルか!」  
沖田が、神楽を抱き上げたのだ。予想していなかった彼の行動と、突然の浮遊感に、彼女の体が強張る。  
沖田はそのまま、呆然とするギャラリーの間を強引に押し進んで、ガラス戸を開けた。  
此処は一階なので、すぐ石畳が目に飛び込んでくる。  
「今…女の声が」  
沖田がそうしている間にも、先ほどの神楽の声をばっちり聞いた土方が訝しげな表情を作って、  
『してないしてない』と息を合わせて言うギャラリーが集っている方へと歩いてくる。  
まずい―そう悟った沖田が、ガラス戸から身を乗り出しつつ、山崎へと振り返った。  
 
「山崎、此処はお前に任しやしたぜ。日頃の恨み、土方さんで晴らしやせえ」  
「…いいんですかね」  
「いいさいいさ。存分にやればいいですぜ、俺が許可してやらァ。なんなら後でミントン付き合ってやってもいいですぜ」  
「よっしゃー!!此処は俺に任して隊長は早く行って下さい!!」  
沖田の言葉に活気付いた山崎が、くるりと土方の方へ向き直る。  
と同時に、沖田は神楽を抱えたままガラス戸の外へと飛び出した。それを定春が追おうとするが、幅の狭いガラス戸につっかえてしまう。  
「おい!総悟!?どこ行くんだ!」  
慌ててガラス戸の方へ駆け寄る土方の前に、ミントン山崎率いるギャラリー達が立ちはだかった。  
「お前等…何のつもりだ」  
「皆…きっかけを作ってくれた沖田隊長に感謝しよう。今こそ、下克上の時だ。日頃のミントン狩りの恨み、今晴らさせてもらう!!でいやぁあぁああああ!!!」  
「下克上って…おい!」  
気合の掛け声と共に、何処から出したのか山崎は、いつのまにやら手にしていたラケットを土方の脳天目掛けて振り落とす…  
も空しく、軽々と片手で受け止められてしまった。  
攻撃を防げた土方がほっとしたのもつかの間、山崎の攻撃を合図に一斉に皆が襲い掛かってくる。  
「日頃の土方さんの荒っぽいやり方には俺たちうんざりしてたんですぜ!」  
一人の言葉に、『そーだそーだ』と全員が息を合わせて叫ぶ。  
土方はもう、右から飛んでくる拳を避けて左から飛んできた蹴りを叩き落として…  
後ろから来たひざかっくんには対処しきれずにガクッとバランスを崩す。  
「オイィイイィ!!誰だ今膝カックンしたの!!ガキの喧嘩かァアアァアア!!!つーかお前等のやり方のが荒っぽいっての!!落ち着け!!」  
避けても受け流しても次々と飛び掛ってくる部下達を相手に、土方が必死になって叫ぶ。  
 
「問答無用!俺たちの恨みは海よりも深く、山よりも高いんだ!!」  
「そーいう言葉は女への愛の囁きに使えぇえぇええ!!!!チクショー総悟の奴!!覚えてろぉおぉ!!」  
良いように沖田にコントロールされてる事はつゆ知らず、  
誰一人として今の状況を疑問に思わずに土方に飛び掛っていく。  
おばちゃん達はとっくに避難している食堂に、野郎供の喧騒の中で土方の叫びが空しく響いたのであった。  
 
 
 
 
 
 
 
「灯台下暗し。此処ならきっとバレませんぜ」  
パタンと副長室の襖を後ろ手で閉めながら、自分の腕の中で暴れている神楽のブーツを脱がせつつ、彼女に言った。  
先ほどから『放すアル放すアルー!』と騒ぎつつ足をばたばたさせる神楽を見て、  
そういえば女を抱くのは久し振りだなぁと沖田が思う。  
彼はそのまま窓ガラスの方まで歩くと、障子を閉めた。  
途端に、本気でまずいと悟った彼の腕の中の少女が、先ほどより更にバタバタと足を動かす。  
「放すアル放すアルー!!」  
「まあまあそう暴れんでも、今下ろしてやりますぜ」  
そう言うと彼は畳の上にそっと神楽を下ろして、自分はその上に圧し掛かるに覆い被さった。  
途端、何度も脇腹に入ってくる両拳を掴んで、彼女の頭の脇でぐっと抑えつける。  
腕の自由を奪われたのなら、と今度は足を動かし始めた。  
けれど沖田が乗っかっていて自由の利かない下半身は、もぞもぞと上下するのみ。  
密着している彼の下半身がそれに反応しているのを感じて、逆効果だったと悟った彼女が動きを止める。  
「どうして逃げないんですかィ?」  
「お前が押さえつけてるからダローガ」  
「神楽ちゃんの力なら、俺から逃げるのは容易いでさァ?」  
神楽は沖田から顔を逸らした。  
自分でもわからないが、何故か力が出ないのである。  
自分の下で、いつもは強気なくせに、今は戸惑っている少女を見て彼がくすっと笑った。  
 
「嫌と見せかけて、内心期待してるんですかィ?それとも、俺を興奮させる為の演技…?」  
「どっちもちがっ…――」  
彼の問いかけに、神楽が反論しようとした時だった。彼女の唇が、沖田の唇によって塞がれたのである。  
一瞬身体を硬直させてから、思い出したように神楽が腕に力を込めて抵抗しようとする。  
暫くして顔を離してから、また彼がくすっと笑った。  
「接吻もした事ないんですかィ?」  
「…」  
反論の言葉をなくして、神楽が押し黙る。  
黙ってしまった彼女の顔を彼は覗き込んで、楽しそうに口元を歪ませた。  
途端に眉を寄せてしかめっ面をした彼女を確認してから、下半身はそのままに身体を少し下にずらして、  
真っ赤なチャイナ服のスリットから伸びる中々に肉付きが良い、真っ白な太ももを撫でつける。  
馴れない感覚に、ビクリと神楽の体が跳ねた。彼女のあまりにも可愛い反応に、沖田が興奮を抑えきれなくなる。  
そのまま、するするといやらしく太ももを撫でつづけた。  
たまらずに神楽はびくびくと身体を硬直させて、開放された手で沖田の隊服を掴む。  
微かに零れた甘い吐息を、熱心に太ももを撫でまわす彼の耳が捉えた。  
「可愛いなァ神楽ちゃんは」  
「黙れ。やるんならとっとと済ませるアル!」  
「まぁまぁ、そう焦らずともこれからじっくり可愛がってやりますぜ。…それで、これどう脱がせばいいんですかィ?」  
ただでさえ見慣れない服をいざ脱がそうとして、  
構造がまったくわからない事に気付いた沖田が着衣している本人に助けを求める。  
小首を傾げてこちらを見やる彼を見て、『教えてやんねー』と言わんばかりに神楽はそっぽを向いてしまった。  
仕方なしに破いてしまおうかと沖田は一瞬考えるが、絶滅寸前の夜兎の民族衣装を無下に扱うなど、あまりにも勿体無い。  
ふぅと溜息をついてから、一先ず沖田は邪魔な隊服の上着とベストとスカーフを取っ払った。  
弱い風を巻き起こして、無造作に投げ捨てられた上着を、神楽の視線が追う。  
 
「神楽ちゃん、脱がねえと折角の服が汚れちまいますぜ」  
すぐ上から降ってきた言葉に反応して、神楽が視線を薄いシャツ姿になった沖田へと戻した。  
綺麗な顔が白いシャツに良く映えていて、一瞬ドキッとする。  
「何で汚れるアル?」  
行為の知識に乏しい神楽が、さもわからないと言うように、沖田の瞳を覗き込んだ。  
返答に困ると共に、純粋すぎる瞳を受けて、今更の用に少し背徳の念に狩られる。  
「んー…まぁ、やれば嫌でもわかるってもんでさァ」  
「フーン…」  
口を尖らせてつまらなさそうに返事した神楽の胸元を見て、ふと飾りに目が止まった。  
よく見ると、丸まった紐に輪を潜らせて止めているだけの、簡単なボタンである。  
しめたと言わんばかりに、手先には自信のある沖田が器用にそれを外していく。  
それを見た神楽が、慌てて沖田の腕を掴んだ。  
「何するか!止めるアル!」  
「手を放しなせえ神楽ちゃん。往生際が悪いですぜ」  
鋭い瞳で見られた神楽が怯んだ隙に、肌蹴させた服の間から彼は手を滑り込ませる。  
寝ている所為もあるのか、小さな胸を沖田の手が鷲づかみにした。それに反応して、彼のシャツを神楽が掴む。  
「やだ…放すアル」  
顔を蒸気させて手を放すように乞うも、それはますます沖田を興奮させる事になってしまい、  
彼はそのまま小さな乳房を揉みしだきはじめた。骨っぽい手が、神楽の乳房を執拗に弄り回す。  
『やだ、やだ』とワガママを言う子供の用に、神楽がイヤイヤをする。  
今まで見たこともないその反応に、ニタァと沖田が頬を緩めてから、弄んでいる乳房の先を摘んだ。  
びくっと、神楽の肩が跳ねる。  
「や…だ…」  
大人しくなってしまった神楽の反応を楽しむように、掴んだ乳房の先をくりくりと弄くり始めた。  
身体をよじらせて逃げようとする神楽の身体を、空いている方の手で抑える。  
「あっ…やだ…やだぁ…」  
眉を寄せて、目を細め、口からは上気して乱れた呼吸と、切ない喘ぎ声が零れた。  
この間の花見の時では想像もつかない、彼女の『女の顔』を見て彼の男根が興奮にそそり立つ。  
欲望のままに、彼は神楽の唇を貪った。何度も角度を変えて下を差し込むと同時に、激しく身体を擦りつける。  
態度が急変した沖田の肩に、神楽がすがり付いた。  
 
「んっ…ふっ…」  
口内を生暖かい物が進入してきて、歯列をなぞり、自分の舌を器用に絡めとったり、吸い付いてきたりする。  
初めて味わうその感覚と激しい動きに上手く息継ぎが出来ず、神楽は沖田の二の腕掴む手に、力を入れた。  
それに気付いた沖田が、顔を離す。目の前に現れた沖田の顔に神楽がはっとした。  
先ほどまで、いやらしい笑みを浮かべていた彼の顔は、今やすっかり雄の顔へと変貌を遂げていたのである。  
その彼の表情に、戦場に赴く前と似たような、ぞくぞくとした感覚が神楽の身体に走った。  
神楽の呼吸が整うのを待たないで、今度は彼女の耳朶へと噛み付く。目を瞑って、びくりと反応する神楽が可愛らしい。  
彼はそのまま、チロチロと舌先を使って、彼女の耳を舐め始めた。右手は、再び彼女の衣服の下へ滑らせて、乳房を弄くり始める。  
「あん…あっ…やぁ…」  
耳と乳首を同時に弄くられて、神楽は堪らずに喘ぎ声を零す。  
沖田はそのまま、耳から首筋へと舌を這わせた。時折わざと音を立てながら肌に吸い付いて、跡を残す。  
真っ白な肌に、赤い斑点がよく映えた。そうしながら、段々と下へ降りていく。  
沖田の柔らかい髪の毛が肌に掛かって、神楽は心地良さと共にくすぐったさを覚えた。  
繰り返される刺激に、やっと神楽の体が慣れてきた頃だった、沖田の口が神楽の乳房まで下がってくる。そのまま、彼は目の前の乳房に吸い付いた。  
「!や、やだっ」  
反射的に状態を上にずらして、逃げようとする神楽の肩を掴んで畳に押さえつけてから、彼女の乳房を、吸ったり、舐めたりして弄くり始める。  
ぬめぬめとした感覚に、一際甘い声を出しながら、快感に神楽の腰がびくびくと動いた。  
「こっちも触って欲しいんですかィ?」  
ペロっと、先を舐めてから顔を上げて、微かに動いている腰のほうへ手を持っていき、女陰へと向かわせた。  
それを見た神楽が、フルフルと首を横に降る。神楽の可愛い反応にめちゃくちゃにしたくなる衝動に駆られる。  
沖田はなんとかその衝動を抑えると、神楽の服に手を掛けた。先に脱がそうと言うのだ  
 
袖を抜いてから一気に下へとずり下げる。神楽は、もう抵抗する気力が無いのか、沖田の成すがままになっていた。  
チャイナ服を取っ払うと、幼い体が露になる、と同時に、またしても見慣れないものが彼の目に飛び込んでくきた。  
「これは…何ですかィ…ぶりーふってやつですか…?」  
神楽の股に、三角形をした布があり、沖田がしどろもどろしつつ本人に聞いてみた。  
異国の文化が流れてきて、最近では下着も変わってきている事は知っているし、何より自分も試しに『とらんくす』とやらを履いた事があるのだ。  
その時の感想は…兎に角、股がすーすーして落ち着かなかった事を覚えている。  
「違うアル。パンツアルヨ」  
「へぇ、ぱんつねぇ…」  
神楽の言葉に、物珍しそうにして、ぱんつとやらを掴んで、放す。  
パチンと、音を立てて伸びたそれが元に戻る、と同時に、神楽に頭を叩かれてしまった。どうやら、夜兎の国ではタブーな事らしい。  
「まぁいいや、そんじゃ失礼しますぜ」  
そう言うと、沖田は神楽のパンツをずり下げて脱がした。頭の毛色と同じ、桃色の茂みが露になる。  
それを見た沖田が、ヒュゥと口笛を吹く。じろじろと見られて神楽は恥ずかしいのか、顔を真っ赤にしている。  
「男に見られるのは初めてですかィ?」  
無言で、神楽が頷いた。初心な彼女の身体に、沖田の男根が疼く。  
恐らく、自分で弄くった事さえないんだろうなと思いつつも、神楽の女陰に手を伸ばした。  
「…あっ―!」  
彼女の体が、今までよりも一際大きく跳ねる。  
にやりといやらしい笑みを作ってから、沖田は巧みに指を使い、彼女のそこを攻め始めた。  
振動する下半身が、彼の指が動くたびに身体に電撃が走る。  
感じた事の無い刺激に、戸惑いつつも快感に神楽が震えているところだった。  
 
―――ドゴン―!!  
 
勢い良く音を立てて、襖が吹っ飛んだのである。  
瞬時に、沖田は側に置いておいた刀を手に取りながら振り向く、と、そこにいたのは、神楽の愛犬―定春だった。  
「ワン!」  
「定春!!」  
ぱぁっと、神楽の顔が輝く。沖田は、予想していなかった出来事に半場呆けつつもすぐに気を取り直して、  
刀を置くと止めていた手を再び動かし始めた。  
先ほどのしびれるような甘い感覚に、また神楽の表情が『女』に戻り、喘ぎ声を絶え間なく発する。  
主人の見た事もないあられな姿に、側にいる男に犯されていると言う事を本能的に理解した定春が沖田の肩に食いついた。  
「なんでぇ…わんっころ。これでも舐めときんさィ」  
予想外に定春の顎が強く、少し顔を顰めると沖田は愛液の絡む手を定春の鼻の前へと出した。  
主人の匂いのする沖田の手を、くんくんと嗅いでから、ベロリと舐める。  
その行動に、神楽の顔が一瞬血の気を失ってから、真っ赤になり始めた。  
「定春!そんなもの舐めちゃ駄目アル!」  
真っ赤になりながら、愛犬の行動を咎めようと起き上がろうとする神楽を沖田が押さえつけた。  
そしてまた、今日何度目になるかわからない、いやらしい笑みを作る。  
嫌な予感がして、サァっと神楽の顔が血の気を失う。  
「こりゃぁいいや、わんころ、おいで」  
沖田が、定春の頭を掴んで神楽の股へと向ける。  
定春は最初は嫌がっていたものの、主人の、雌の香に誘われて、次第に自分から進んで股へと顔を近づけていく。  
自分が何をさせられるのか完全に理解した神楽が、顔を真っ青にして逃げようとするのを、沖田が自分の体重を掛けて抑える。  
 
「やだ…!やだ!!」  
神楽の叫びも空しく、定春はくんくんと鼻を押し当ててソコの匂いを嗅ぐと、ベロリと舐め始めた。  
神楽は、ビクンと体をはねらせて、イヤイヤと首を振る。  
「やだ!ヤメテ定春!!いやあぁっ…!!」  
主人の必死の抵抗も聞かずに、定春が神楽の女陰を舐めるのに夢中になる。  
股よりも大きな定春の舌は、大量の唾液と共に、びちゃびちゃと音を立てながら神楽のソコをぐちゃぐちゃにした。  
神楽は、先ほどまで青かった顔を真っ赤にして、目に涙まで溜め、ほぼ絶叫に近い声を上げつづけている。  
「こりゃぁ…すげえや」  
初めて生で見る獣姦に、沖田が興奮を隠せずに息を蒸気させて自分のモノを取り出す。  
大分前から既に盛っていたそれは、触ってもいないのに先走りの液をたらしていた。恥らう事も無く、片手で抜き始める。  
「あぁっ…やだ!定春!やだぁあっ…!!変になっちゃう!変になっちゃうーー!!」  
神楽が、甘い声で叫び続ける。下半身がしびれるような感覚が絶えず続いて、頭の中がだんだんと真っ白になっていく。  
耐え切れずに、ポロポロと涙を零しながら、神楽は絶頂へと上り詰めている。  
その様子を見た沖田が、自分も絶頂に導くように、目を閉じて自慰行為に集中した。  
「ああぁあっ!やだ、やだ!あぁっ――――…!!」  
一際大きく叫び、身体が硬直してから、全身の力が抜けていく。肩で息をしながら、乱れた呼吸を整える。  
定春は、神楽のソコから溢れ出てきた愛液と、潮吹きを舐めまわしてから、反応しなくなった股から顔を離した。  
「イッたんですかィ…じゃあ、俺も……っ!!」  
沖田も、抜く手を早めて自分の男根を解放する。  
びゅっと、勢い良く出た白濁液を、放心状態で、未だ息を荒くしている神楽の胸元に注いだ。  
 
 
「…疲れたアル」  
「大丈夫ですかィ?」  
当初の予定では犯す気マンマンだったのだが、あまり長居は無用と言う事で、  
ごろんと寝転がって動こうとしない神楽に服を着せ、自分も上着を着込み、一息ついた所だった。  
「大丈夫じゃないアル」  
「んじゃ送りますから、安心してくだせぇ」  
相変わらずふてぶてしく寝っ転がったままの神楽の頭を、沖田がよしよしと撫でる。  
子ども扱いされたのが悔しいが、怒る気力もなしに、ごろんと寝返りを打って沖田から顔を逸らした。  
神楽のその態度を見た沖田が、楽しそうに口の端を吊り上げる。  
「本当は、種付けでもしてとっとと嫁に来て貰おうと思ってたんだけどなァ…あ、でもそしたらえっち出来ねえか」  
「何ワケワカンネー事イッテンダヨ」  
まだ数回しか会った事のない女の子に言うような言葉じゃない事を、『ワケワカンネー』と神楽が称した。  
ごもっともなその言葉に、沖田が自嘲するように笑う。  
「まぁ、一目惚れってやつでさァ」  
「一目惚れで犯されたらたまったもんじゃネーヨ」  
「まんざらでも無かったくせになァ」  
そっぽを向いたまま黙ってしまった神楽をそのままに、沖田が窓のほうへと移動して、障子に手をかけた。  
「で?土方さんはどうなりやした?」  
スパァンといい音を立てて障子開くと同時に、窓の向こうに居た山崎とご対面する。  
いつから自分がいることに気付かれていたのか、動揺した山崎が梯子からバランスを崩しそうになった。  
そう、此処は二階。そこまで気になるのかと半場呆れつつ下を見下ろすと、蜘蛛の子を散らすように隊士達が逃げ惑っている。  
「おめーら今更逃げても無駄ですぜ!」  
沖田の声を聞いたのか聞いていないのか、とっとと山崎を置いて逃げ惑う。置いていかれた山崎が、半場涙目で下を見た。  
畜生…梯子を支えてた奴まで逃げるなんて…俺にどう降りろと言うんだ…  
 
「それで?土方さんは?」  
ギギギギギ…まるで錆びてしまったように、恐怖で固まっている首を無理矢理上司の方へと向ける。  
「今は…伸びてますけど…時間の問題かと」  
「そうかィ。山崎、顔が青いですぜ?腹でも下ったんかィ?」  
ガクガクと振るえながら、山崎が首を横に降った。  
「何かしらねえが、俺は別に怒っちゃいやせんぜ?」  
そう言って、沖田が、人の良い微笑みを山崎に向ける。その言葉に、ほっと山崎が胸を撫で下ろしたところだった。  
 
―――ズパァン!!  
 
勢い良く、山崎の額に沖田の掌が飛んできたのである。  
バランスを崩した山崎が、慌てて窓の淵へと伸ばした手を、追い討ちをかけるように沖田が払い落とした。  
「アバヨ、山崎、達者でなァ」  
ピシャリと、障子が閉じられたのを目の端にとらえて、とうとうバランスを保てなくなった山崎の体が宙に舞う。  
―もう、沖田隊長なんか信じねえっ…!!――  
 
「さーさ神楽ちゃん、帰りやすぜ」  
沖田が振り向いたと同時に、何かが落ちたような、ズドンという音が聞こえた。  
だが、落とした本人の沖田はもちろん、神楽も気にしていない。  
「…おんぶ」  
すっと、神楽が手を天井に向けて伸ばした。それを見た沖田が、くすっと笑う。  
「へいへい、おんぶでもだっこでも何だってしてやりますぜ」  
その言葉を聞いて、神楽が勢い良く沖田の背中に抱きついた。  
突然の背中の重量に、おっとっとと身体のバランスを崩してから、体勢を立て直す。  
「そんじゃぁ、うちへ帰りやすか」  
「オメーのうちじゃねーけどな」  
沖田の言葉に、背中から元気良く神楽が返事をした。  
 
 
 
end  
 

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