バンクーバーで記録的な惨敗を喫したタズサ…  
 文字通り、逃げ出すようにカナダを離れ、ロシアの田舎―ユリスクの町にあるマイア・コーチの  
ログハウスに逃げ込もうとした彼女だったが、その途中で見ず知らずの男たちに捕まり、  
彼女が気付いた時には、所在の知れぬスケートリンクの中央に、その男たちが取り囲む中、  
両手を高く縛り掲げられた状態で吊り下げられていた。  
 
「ちょ、ちょっと…どういうつもりよ、放してっ、放しなさいってば!」  
「残念ながら…貴女に関する権利は、我々が全て代理人の堂島瑞希氏より正当に手に入れさせて頂きました」  
「商品価値の暴落した貴女の権利を、堂島氏は我々に殆ど二束三文で譲り渡してくれましたよ」  
「えっ…!?」  
 
 少なからず信頼もしていた代理人の、半ば裏切りのような手の平返しに、タズサは思わずショックを  
受けてしまう。  
損な彼女に追い討ちを掛けるように…  
 
「よって最早貴女には、貴女自身のことを決定する権利すらありません」  
「お忘れになっていたかもしれませんが、貴女が勝手に世界中に吐いた「リア打倒」の大言壮語  
その挙句の記録的な惨敗のせいで、貴女と契約をしていた各企業に多大な損失を与えてしまったのですよ」  
「貴女にはその損失を埋め合わせる義務があります」  
「氷の上では最早、価値のない貴女ですが、この美貌と身体――こちらの方にはまだまだ『商品価値』が  
残ってそうですので、『有効に』活用させて頂きます。」  
「カオはともかく、カラダの方はもう少し肉付きが欲しいところですが――ね…」  
「や、やめ――離してっ、触らないでっ!いやっ!」  
 
 顔と身体をいいように弄られ、まさぐられ、周りを取り囲む男たちの表情が好色に歪んでいくに従って  
タズサはようやく、自分がどんな目に遭わされようとしているのかを認識し、必死に抵抗を試みようと  
するものの、両手を縛られ身体を殆ど宙吊りのようにされている状態では、せいぜい身体を捩らせる  
程度のことしかできず、その姿は却って男たちの嗜虐心を刺激するものでしかなかった。  
 
"やだ…無理――も、もう入らないったらぁ――"  
 
そんなタズサの目の前に小型のテレビが突きつけられる。その液晶画面の中では、彼女の見知った  
毛先の跳ね上がったプラチナブロンドのショートカットの可憐な少女が、フィギュアの衣装のまま  
複数の男たちに陵辱を受けていた  
 
「キャン…ディ…?」  
「そう、キャンドル・アカデミア嬢。彼女も随分と期待を裏切ってくれましたから…まあ、商品価値の  
無くなったアイドルの末路は、何処もそう変わらないモノですよ。もっともメッキの剥がれた偶像でも  
ミドルティーンの美少女を滅茶苦茶に出来るのなら、金に糸目はつけないっていう好事家は、  
何処にでもいるものですよ」  
「酷い…」  
「酷い?貴女が彼女にしたことも相当なものだと思いますけどね…とりあえずは予習のつもりで  
見ておいたほうがいいですよ。貴女のオリンピックでの失態は、このキャンドル嬢の比では無い以上、  
少なくとも彼女よりも酷い目に遭わされるのは間違いありませんから…」  
「あ…あぁ…――」  
 
 まるで死刑の宣告のような、非常な言葉を受けながら、タズサは画面の中でキャンディが受けている  
目を背けたくなるような光景に、それでも目を逸らすことも出来ず、注視してしまう  
 
"さあ、次はボクの番だよ、キャンディ"  
"お願イ…もう、これ以上無理だかラ…入らないカら――"  
"何、言ってるの。まだ十個目じゃない。女のココは赤ん坊が産まれるように出来てるんだから  
こんなアメ玉の十個や二十個、入れられたって楽勝でしょ?"  
"無理っ…もウ無理だって…壊レる…裂けちゃうぅ――"  
 
 おそらくは彼女の愛称を捩った、下品な趣向と思われる『アメ玉』を袋を破って取り出し  
軽く口の中で舐った後、だらしなく開いた股の間、捩れたレオタードの隙間からのぞく、白濁に塗れた  
まだ幼さを残す秘唇に押し込み、すぐさま『栓』をするように肉棒をねじ込む  
 
"ひ、ぐぅっ…や、ア、あァあぁぁ…――"  
"キツキツのオマンコにアメ玉がゴリゴリ当たって、痛気持ちイイってカンジ?ちょっとコレ、  
クセになるかもw"  
"お腹が…中で、ゴリゴリ擦れテ…アぎぃっ、う、んがぁ…ぐ、くぅう"ぅぅ――"  
 
 十数個のアメ玉で膣内をかき回される、その異常な異物感にキャンディのエメラルドグリーンの  
大きな瞳は半ば白目を剥き、バラの花びらを思わせる可憐な唇からはだらしなく涎が零れ落ちて――  
そんなアイドルらしからぬ彼女の様子が、彼女が今受けている陵辱の凄まじさを物語っていた。  
 
「キャンディ…」  
 
 行きがかりの上でキャンディとやりあった事もあるタズサだったが、それでも彼女に特別な恨みを  
覚えているわけでもなく、むしろ奇妙な親近感すら覚えているほどだったが、それだけに彼女が今  
受けている陵辱は、タズサに女として未知の恐怖と嫌悪植えつけるのに充分だった。  
 
"う、うぅ…イクよ…出すよキャンディ…キャンディのナカに精液をたっぷり出してあげるから…"  
"や、やあぁ…もう、もうナカで…ナカで出すのは…やめ――"  
"くうぅっ…!"  
"あぁっ…また…ナカに――"  
 
 男がキャンディの細い腰に、自らの怒張を激しく叩きつけ、その膣内奥深くに欲望の塊をしとどに  
吐き散らした瞬間、タズサはとうとう目を塞ぎ、画面から目を逸らしてしまう。  
 その映像の中では、秘唇から零れ落ちた精液に塗れたアメ玉を男が拾い上げると、  
茫然自失のキャンディの口の中へと捻じ込んでいき――そしてブラックアウトしていく…  
 
「ボーっとしてる暇はありませんよ。次は貴女の番なのですから…桜野タズサさん」  
 
 画面が切り替わり、正気を失い爛れた表情で白濁にまみれたキャンディの姿が映し出されると  
流石のタズサも息を呑み、迂闊にもその姿を見てしまったことに、見なければよかったという後悔と  
見てはならないものを見てしまったという罪悪感を覚えてるのだった。  
 
「キャンディ…」  
「他人のことを気にする余裕なんて、貴女には無いでしょう…桜野タズサさん」  
「――っ、ぐぅっ!?」  
 
 男が言葉を言い終わる刹那、タズサの胸に突然鋭い痛みが走り、思わず口から苦悶の声が漏れる。  
力任せに胸を鷲掴みにされ、その直接的な苦痛に加えて、見ず知らずの異性に胸を触られることに対する、  
処女としての本能的な恐怖が、タズサが被っていた強気の仮面を捨てさせる。  
 
「い、痛――いぃっ…離して、触らないでっ!…なんで私が、こんな――」  
「顔は申し分ないですが、身体のほうはもう少し肉づきが欲しいところですね…弾力はあるのですが  
ボリュームと柔らかさが…」  
 
 男の胸をまさぐる手の動きが、力任せの鷲掴みから、やがて強弱をつけたものに変わり、  
指先で乳頭を探るようになぞり始めると、タズサの嫌悪感と恐怖もいよいよ頂点にさしかかってくる。  
 
「いや、嫌あぁあぁぁっ!やめて――やめてったらぁっ!気持ち悪い!離して、離しなさい!…やあぁあぁぁ――」  
「おや、随分と可愛らしい初心な反応ですね、たかが胸を触られたくらいで…天下の桜野タズサさんなら、  
もう既に、男とヤリまくってるものだと思ってたのですけどねぇ…」  
「そんなこと…貴方には、関係ないでしょう!」  
 
 おそらくはタズサの男性経験のことなど、とうに調べあげた上での戯言だが、タズサにしてみれば  
積み重ねてきた氷の上での思いと努力、その裏側にある顔も知らぬ少年との100日間に及ぶ奇妙な  
共生生活の思い出までも踏みにじられることにも等しかった。  
流石の彼らも、そこまでは知る由も無かったが…  
 
「では、男性経験のないタズサさんのために、素敵な初体験をプレゼントすることにしましょう」  
「な、何を…」  
「まあ、色々とありますが…とりあえず、その汚らしいトレーニングウェアは着替えた方がいいですね」  
「あっ…や、やめっ――」  
 
 タズサがとっさに反応した時には既に、男の手はスウェットのズボンの縁にかかり、タズサが足を  
ばたつかせるのも虚しいくらいにあっさりと足元まで下ろされ、その下のショーツもまた、同じように  
あっさりと抜き取られてしまう。  
両手を縛られて、吊り下げられているタズサにそれを防ぐ手立ては無く、引き締まった腰のくびれ、  
形の良い臍からまろやかな美しい曲線を描く尻、そして両脚を閉じ合わせても隠し切れない股間の叢が、  
男たちの下卑た視線の下に露わにされていた。  
 
「や、やだ…」  
「いい格好ですよ、タズサさん。下半身丸出しで…その格好で演技すれば、どんな審査員でも満点を  
出すんじゃないですか」  
「――っ!!」  
 
 フィギュアスケート…採点競技に対する根本的な侮辱とも取れる男の言葉に、タズサは思わず  
憤りと抗議の視線を男に向けるものの、何も身につけていない無防備な下半身に対する不安もあって  
両足を硬く閉じ合わせ、もじもじとどこかよそよそしい仕草になってしまう。  
 
「どうしたのですか?いつもみたいに威勢のいい台詞を吐けばいいじゃないですか。『フィギアの  
素晴らしさとか』『採点競技の公正さ』とか、ね」  
 
 それもまたタズサの性格や反応を見透かした上での挑発だと理解し、思わず頭に血が上るのを  
実感するものの流石に無防備な下半身をいつまでも晒しておけるほど、タズサの神経は太くもなく、  
最も敏感な部分に冷たい空気を感じるたびに、否応無しにそちらに意識を向けざるを得ない。  
 
「なるほど、下半身だけが裸だから落ち着かないのですね。ならばいっそ、上も脱いで、まっ裸に  
なってみてはどうですか?」  
「な、あっ…やめ――」  
 
 男がタズサの背後に回りこむと、今度はトレーナーの縁に手をかけ、そのまま下に着ていたTシャツごと  
頭の上まで一気に捲り上げてしまう。両手を括りつけられている為、抜き取ることは出来ないものの、  
トレーナーもTシャツも既にその役目は果たしておらず、かろうじて今タズサの体を覆っているのは、  
質素なデザインのブラジャーと薄手の生地のソックスだけだった。  
 
「この、肩のヒモが邪魔ですね」  
「あっ…」  
 
 男が取り出したナイフの冷たい感触を肩の辺りに感じたかと思うと、フリルの着いたブラの肩ヒモが  
小さな音を立てて切断される。  
そして、不意に胸元を締め付ける感触が無くなったかと思うと、足元にカサカサとした感触の布地が  
滑り落ちるのような感蝕を覚え、タズサは今、自分の身体を覆い隠している布地が、実質的には全て  
取り払われてしまったことを実感してしまう。  
 もっとも、そんな自分の状態を確認する為に、視線を下に向けることは躊躇われたが、それでも  
さっきまでは下半身だけに感じていた冷たい空気を、全身に感じられるようになったことが  
今の自分の姿を何よりも雄弁に物語っていた。  
 
「あっ、ぁあぁ…――」  
 
 なんとか皮肉のひとつ、毒舌のひとつでも吐こうとするが、口の中がカラカラに乾いて上手く  
舌が回らない。いつもなら幾らでも浮かぶ反撃の言葉が、頭の中が混乱して何も考えられない…  
 フィギュア競技を通してなら、実績と実力に守られ浮き彫りになることは殆どないものの、  
タズサの神経の本質的な部分は脆く繊細で、ましてや複数の男たちの前で無防備な裸を晒して  
傲慢に振舞える事など、たとえバンクーバーの地で全てを失ったと思っていたタズサでも、  
到底耐えることなど出来ない羞恥だった。  
 
「おやおや、随分と拍子抜けですね。いつもの傲慢な態度はどこへ行ったのですか」  
「こ、これだけ私を辱めたらもう充分でしょ。もう、下ろしなさいよ…」  
「ははは、これで終わり?冗談を…まだスタートラインにも立っていませんよ。何の為キャンドル嬢の  
ビデオを見せたと思ってるのですか。それに言いましたよね…少なくともキャンドル嬢より酷い目に  
遭うって…」  
 
 キャンディの映像のことは忘れていたというより、考えたくなかったという方が正解だった。  
男たちの前で裸を晒しているだけでも、死にたくなるほどの羞恥なのに、キャンディよりも  
酷い目に遭わされることなど想像もしたくない。  
 
「…おお、やってるじゃないか、どうだ?順調にやってるか、桜野は――」  
 
 タズサを含め均整の獲れたスタイルの人間が揃う中で、不釣り合いなほど締まりのない肥満体型の  
男がリンクに割り込んでくる。  
以前に会ったときより狂気を増した豆粒のような目を持つこのぜい肉の塊のような男の姿をタズサは  
意外なほど早く記憶の底から掘り出してきた。  
それはある意味、タズサが出会った男の中で最も下衆な男として、負の記憶として強く残っていたから…  
その男は日本スケート連盟の矢島"前"副会長  
 
 無防備な姿を晒すタズサを前に、その下衆な男の狂気をはらんだ小さな目が醜く歪む…  
 
タズサの絶望の宴が今始まろうとしていた…  
 
(つづく)  
 
 

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