私は桜野タズサ、100億ドルの美貌を誇ると同時に世界選手権銀メダルの  
実力を持つフィギュアスケーターよ。  
 そんな私なんだけど、とんだ失敗しちゃったのよね。練習中に転倒したとき  
に膝を変な具合に捻っちゃって靭帯やっちゃったのね。  
 もォ〜、入院なんてやんなっちゃう、欝になっちゃうわ。そういう訳で主治  
医の先生からは安静を命じられたんだけど、そんな指示におとなしく従う私じ  
ゃないわ、フフ。  
 陰気臭い入院生活なんてこりごり。気晴らしを求めて、病院には無断で外に  
出て来ちゃった♪  
 それが、私にとってのとんでもない大ピンチにつながるなんてその時は思っ  
てもみなかった――  
 
 帽子を目深にかぶって、顔には黒いサングラス。変装はバッチリよ。これで  
私が桜野タズサだとはわからなくなった……はず。  
 最近は五輪、世界選手権での活躍で、私の顔も世間で有名になってきたから  
無断で外出してる今、他人に気付かれるわけにはいかないのよね。  
 それでなくても、私ほどの美貌とスタイルの持ち主が人目を引かないはずが  
無く――  
 服装はお気に入りの薄い青のブラウスにミニスカートよ。ちょっと、滑る時  
のドレスに似てるかなあ。  
 それにしても、電車ってすごく混んでるわね。久しぶりに乗ったけどうんざ  
りだわ。身動きもできないくらいのギュウギュウ詰め。朝の通勤ラッシュの時  
間に出てきたのが間違いだった。  
 と、その時――  
 
 なにか私のお尻に何かもぞもぞする違和感を感じた。  
――えっ!? ひょっとしてお尻を触られてるの?  
 満員電車の中で逃げることもできない。わずかな空間で身体をモジモジさせ  
てみたが、お尻を触られる感触は取れなかった。  
――間違いない、私痴漢されてる!  
 いやっ! 冗談じゃないわ。痴漢されるなんて生まれて初めての経験だった。  
だいたい今まで電車に乗ることなんて、ほとんどなかったから。  
 それにしても、よりによってこの桜野タズサに痴漢を働こうなんて、こいつもい  
い度胸してるわ。  
 人一倍負けず嫌いの私が、お尻を勝手に触られて黙っているはずもない。腕  
を捻り上げて突き出してやろうと思ったんだけど、ここで気がついた。  
――ダメだ。それはできない!  
   
 私の今日の外出は病院にも黙って出てきたわけだし、他人に知られる訳に  
はいかなかった。  
 もし、この無断外出をマスコミにでも嗅ぎつけられたら大変だ。私に激しい  
敵意を抱いている彼らがよく書いてくれるはずがない。  
――タズサ治療サボって無断外出!――だの  
――タズサお尻を触られちゃった!――とか  
 興味本位の見出しで悪意に満ちた記事を書き立てるに決まっていた。ゾッと  
するわ。  
――悔しいけど、我慢しよう。  
 私らしくもない結論になってしまった。そう、それが大きな間違いだった。  
せめて声でも出して痴漢を追い払っていたら、あんなことにはならなかったか  
も知れない。  
 
 スカートの上から、私のお尻を撫で回す手の動きはだんだん激しくなってい  
った。ああっ! いやだ、気持ち悪い。ゾクゾクする嫌悪感が私の全身を走っ  
ていった。  
 何の抵抗もできず、ただただひたすら我慢なんて、私の流儀じゃなかった。  
だが、次の瞬間だった。  
――ええっ!  
 わたしは驚愕した。スカートの中に無遠慮に男の手が入り込んできたのだ。  
それも二本も!  
 おそらく、スカートの上からお尻を触っても私が何も抵抗を示さないので  
この女はおとなしくて抵抗しない、とでも判断したのだろう。  
――違うわ、それって勘違いよ!  
 
 二本の腕の持ち主は、それぞれ別人だった。私の背後にピッタリとくっつ  
いて、左右両方から周囲から巧みに見えないような位置取りで私のスカート  
の中に手を忍ばせて来ていた。  
――こいつら、痴漢のプロね!  
 それにしても見事な連携プレイ。まるでフィギュアスケートの一流のペア  
みたい、などと場にそぐわない感想を抱く私だった。  
 二本の手はパンツの上から私のお尻を好き放題に撫で回した。  
――ううっ……いやあっ……  
 大声を出して、助けを求めたかったんだけど、他人に気付かれてはならな  
いっていう気持ちが私を金縛りにしていた。  
――耐えるのよ、ひたすら耐えるの。  
 そうやって、自分を励ましていた。しかし、彼らの蛮行はこれに留まるこ  
とはなかったの――  
 
 そうこうしているうちに、やつらは協力してわたしのパンツをお尻の割れ  
目に押し込み始めた。  
――な、なにをするの!  
 と、心の中で叫ぶしかできなかった。あっという間にパンツはTバックみ  
たいに、お尻に食い込まされてしまったのね。  
――いやん! 私、普段はTバックなんて穿かないのに!  
 
 フィギュアスケートの演技の時は、下着がはみ出たら減点になるから、  
中にはウェアの下には何もつけない選手もいる。でも、私はそれじゃちょ  
っと、なんだから、ハイレグでTバックになってるアンダーショーツを着け  
ていた。でもそれは氷の上だけの話なのに……  
 
 パンツが食い込む違和感が嫌だったけど、男たちが丸出しになった私  
のお尻を直接、なで回し始めると、もう、泣きたくなるくらい情けない気持  
ちに襲われた。  
――ああっ! 汚らわしい手で触らないでっ!  
 だが、それすら私にとっては、まだまだ甘い拷問に過ぎなかったのね。  
 
 私のパンツをTバック状態にして、お尻の肉を好き放題になで回していた  
男たちの手が突然止まった。  
 
 それまで、歯をくいしばってこの屈辱に必死に耐えていた私だけど  
――やっと、終わったの?  
 少しホッとした。でも、それは勘違いに過ぎず、すごく、すごく甘すぎる  
考えだった。私のアリ地獄はそれから先が本番だったのね。  
 
 その日の私のパンツは、いわゆるヒモパンてやつで、両サイドを細いヒモ  
で結ぶタイプだった。白い布地に青い水玉模様がプリントされてる可愛らし  
い下着で、私のお気に入りだったんだけど、なんと、卑劣な痴漢たちは、こ  
のサイドのヒモに左右から手をかけてきたのね。  
 
――えっ!? まさかヒモをほどく気なの!  
 と、思う間もなく、私のお気に入りにのパンツのヒモは一瞬にしてスルッと  
ほどかれてしまったの。  
 
 サイドで結んでいたパンツのヒモをほどかれちゃった私は   
――ああっ!  
 と、電車の中で大声を出しそうになるところを辛うじてこらえた。周りの  
人たちに気付かれるわけにはいかなかったの。  
 
 こともあろうに、人がいっぱいの満員電車の真っ只中でそんな目に逢うな  
んて信じられなかった。  
 そして、もっと恐ろしいことに次の瞬間にはパンツの布が、後ろの方に引  
っ張られる感触が伝わってきた。  
 
――いやっ! 私のパンツを脱がすつもりなのね!  
 痴漢どもの邪悪な意図に気付いた私は、太腿を閉じてパンツを脱がされる  
るのを防ごうとした。でも、それは遅かったの。  
 
 痴漢の一人が、私の両脚の間に自分の片方の脚を差し入れていた。その  
ために私は脚を十分閉じることができず、太腿の間に空間ができていた。そ  
れで、パンツの布はいとも簡単にスルッと抜き取られてしまった。  
 
 つまり、桜野タズサはノーパンになってしまったわけ。  
――ちょっと、マジ? 満員電車の中でパンツ脱がされるなんて!  
 
 スカートの下に何も着けていない状態にされた私は、恥ずかしさで顔が真  
っ赤になるのがわかった。  
 これでますます窮地に立たされてしまった。絶対にこの事が他に漏れるこ  
とは許されないの。だって私のネガティブな記事を狙っているマスコミにと  
っては、格好の餌食。  
 
――タズサ、電車内でパンツ盗られちゃった!  
――タズサ、満員電車でノーパンに!  
 などと、先ほどの想像よりもっとセンセーショナルに書き立てられるのは  
わかり切っていた。  
 
 そうなったら、もう選手生命は終わりだ。それどころか、二度と陽の下を  
歩くことができなくなるかもしれない。  
 絶対に他人に知られることなく、この大ピンチを切り抜けなければならな  
いのだ。  
 
 要するに、何をされてもひたすら、我慢、我慢。辛抱強く耐えるしかなか  
ったの。はっきり言って、私にはニガテな状況だった。  
 
 それにしても、痴漢された上にパンツまで脱がされちゃったのに、何にも  
抵抗できないなんて、ひどい……  
 
――くやしい! くやしいっ!  
 私のカラダは恥ずかしさと共に怒りで震えていた。ちょっと〜、どうして  
こんな事になっちゃったの?  
 そんなことを考えている内にも、私のお尻は痴漢たちに撫で回され続けて  
いたのだけれど、その片方の手がお尻の方から前にスウッと回ってきたのだ。  
 
――ええっ!  
 とビックリする私の思いなど、まったく無視して男の指は私の股間のあた  
りを探り始めたのだった。  
 
――や、やめて! いやよ! そんなところ触られたくない!  
 痴漢の狙いを悟った私は、慄然とした。明らかに男の指は、私の一番恥ず  
かしい部分、女の子にとっての聖なる場所を狙っていたのだ。  
 
――ああっ、いや、いやっ! 触らないで!  
 私は必死に抵抗したかった。でも、悔しいけど、悔しいけど、なんにもで  
きなかった。そして、いやらしい指は守るものがなくなった私の股間をいい  
ようにまさぐっていく。  
 
――や、やめて! 汚らわしいっ!  
 だが、私のその願いも空しく、その動きはけっして止まることはなかった。  
そして、ああ、とうとう女性の一番敏感な場所を探り当てられてしまったの  
だった。  
 
 男の人差し指が私のクリトリスに触れた時、ビクッとするような衝撃が全  
身を走り抜けた。ちょうど電撃を受けたような。  
 
 そこは、それまで誰にも触らせたことのない秘密の聖域だった。フィギュ  
アスケート一筋で生きてきて、私に釣り合うような男なんて一人も現れなく  
て、誰にも、誰にも、許したことのないソコを、よりによって卑劣な痴漢男に  
触られるなんて、信じられなかった。  
   
 そして、女体の秘密にまるでウブな私にとって信じられない出来事が更に  
続いていったのだ。  
 
――ああ……早く終わってよ。  
 らしくもなく、すっかり打ちひしがれた私は、ただただ、この痴漢地獄が  
早く終わることだけを考えていた。  
 
 私のクリトリスを探り当てた男の指は、さきほどまでのお尻の揉み方とは  
対象的に、優しくゆっくりと捏ね回し始めた。  
 
「……ぁ……」  
 感じてしまったのだ。思わず、小さく声が洩れてしまい、慌てて口をつぐ  
んだ。  
 
――ダメ! 周りに気付かれちゃう!  
 五輪代表選手がノーパンにされて、恥ずかしいところを触られ感じたなん  
て事が知られたら、私は破滅だった。絶対バレてはいけない。  
 それにしても、自分が痴漢されて、感じちゃうなんてことが信じられなかっ  
た。  
 
 男の指は、私のクリトリスを好きなように弄びはじめた。  
――あ、ああ……か、感じてしまう……  
 
 私の頭の中では、懸命に抵抗をしているつもりなのだが、男の巧妙な指  
戯に私の性感は翻弄されてしまっていた。  
――い、いやっ……私、痴漢されて感じるような、はしたない女じゃない!  
 
 無理にそう思おうとしても、身体の方は快感の波に逆らうことはできな  
かったの。  
 そして、私のカラダからいやらしい液が溢れ出していた。  
――う、うそっ、痴漢されて濡れるなんて……  
 
 エッチな声が出そうになるのを食い止めるのがやっとだった。そして、  
陰部からの責めに気をとられている間に、お尻の方も大変なことになって  
しまっていたの。  
 
 もう一人の痴漢は私のお尻をずっと撫で回していたんだけど、その動き  
を止めて、お尻の割れ目に沿って指先を這わせ始めた。  
 
 痴漢の指先は私のお尻の割れ目をまさぐり始め、そして肛門のところに  
くると、ピタッと止まった。  
 
――えっ! お尻の穴に指を入れるつもりなの!?  
 私は心臓が止まりそうなくらいドキッとした。こんなことされるなんて  
嘘よ。これは悪夢なんだわ。  
 
 思ったとおり、男の人差し指は私のお尻の穴に強引に侵入してきた。  
――いやあっ!  
 と大声で絶叫しそうになるのを、またしてもこらえた。  
 
――いや! いやっ! いやっ!  
 頭の中では必死に拒絶するのだが、身体の方は痴漢どもの責めを受け入  
れてしまっていた。前から後ろから責め立てられ、快感に溺れさせられて  
しまう。  
 
――ああっ! 声が、声が出ちゃう!  
 いやらしい喘ぎ声が出るのだけは、懸命にこらえていた。でも、それも  
もう限界だった。電車の中で喘いだりしたらおしまいなのに。  
 
――も、もうダメ、イッちゃう!  
 喘ぎ声が出そうになる一歩手前に追い込まれたその時だった。電車が  
止まった。次の駅に着いたのだった。ドッと人が流れ出していく。痴漢た  
ちもその流れに乗って消えていったのだった。  
 
――えっ、助かったの?  
 イカされる寸前に、電車に取り残された私は一人呆然と立ち尽くして  
いた。  
 お尻になにか挟まっている違和感がする。手を伸ばして取ってみると  
小さく折りたたんだ一万円札だった。  
 
――な、なんのつもりなの!?  
 私は憤慨したけど、ノーパンのままでいる訳にもいかない。次の駅で  
降りて、そのお金で新しいパンツを買ったの。  
 
 それにしても、この桜野タズサ様があんな屈辱的な目に会うなんてね  
もう、悔しいったらないわ。誰にも話せないこの悔しさ、氷上で晴らすしか  
ないわね。次の五輪見てなさいよ。じゃ、チャオ!  
 
-fin-  
 
 

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル