それは入学式から一週間ほど経ったある日の放課後のこと。  
 
「あめんぼあかいなあいうえおっ!」  
 
毎日のように繰り返される、少年の絶叫と、  
 
「んー、まだまだだねぇ、ブルマ分が足りないのかなー?」  
 
よく通るけどなんだかとんでもないことばかり言っている、少女の声。  
演劇部の部活動だとかいうこの恒例行事に在学生も新入生もすっかり慣れてきてしまった今日この頃である。  
その当事者の片割れが今、部室で頭を抱えていた。  
 
「うむむ・・・」  
「どうしたさくら、やっぱり良くないのか?」  
「はい・・・良くはなってきているんですけどね、まーだ照れが抜けきれてないのと、  
 なかなかコツを掴んでくれなくて・・・うーん」  
「ま、お前の無茶なメニューにもちゃんとついて行ってるし、  
 どうやらウチにも居着いてくれそうだしな、気長に面倒見てやれよ」  
「勿論そのつもりですが、折角入部してくれたんだから、公演だってやってみたいし・・・  
 そうなると、やはり・・・あの手しか・・・」  
 
さくらにしては珍しくちょっと思いつめたような顔になり、  
それからすぐに、にやーっとした邪悪っぽい笑みを浮かべる。  
 
「あの手とは何だ?」  
「あ、いえ! 別に敢えて言うほどのものでもないです!  
 ・・・ところで先生、明日は確か職員会議でしたよね?」  
「? あ、ああ、そうだな、多分こっちには顔を出せないだろうから、平井と二人でよろしくやってくれ」  
「は〜い、それはもう♪」  
「?」  
 
なんでもない冗談が既にさくらの中で冗談でなくなりつつあるとは、  
流石の尾形先生にもわからなかったそうな。  
 
そして翌日。  
今日も今日とて平井は可愛いけれど子悪魔のような先輩の指導のもと、  
声出しと腹筋強化のトレーニングに精を出す。  
騙されて拉致されてついでに弱みまで握られて、  
この先輩には逆らうことすらままならず渋々入部することになった演劇部。  
最初の2、3日は彼にとって悪夢のような日々であった。  
入学早々、人生初の不登校という選択肢すら考えもしたが、  
自分がいない間にあの先輩が何を吹聴するかと思うと、落ち着いて家になんぞ居られる訳が無い。  
そんな訳で諦めと自棄とでなんとかこの一週間を乗り切った訳だが、  
人間うまく出来ているもので、こんな有り得ないと思っていた生活にもしっかり慣れてしまうものである。  
 
「お〜、声量はまだまだだけど、ちゃんと通る声の出し方が身についてきているみたいだね、  
 こうして目の前で恥ずかしいブルマ姿をちらつかせていた甲斐があるってものだ、うんうん!」  
「だからその恥ずかしいことを通る声で言わないでくださいっ!」  
 
慣れ、というより開き直りかもしれない。  
だが、当人も気付かぬ間に彼の中の何かが変わり始めているのかもしれない。  
過去のトラウマさえ払拭できれば、案外に舞台慣れも早いかもしれないね―――  
などとかわいい悪魔のような先輩は改めて思い、  
―――ならば、やはり・・・決して逃れられないようにもう一手、  
―――トレーニングもかねてやっておきますか♪  
と、不穏なことを考えていた。  
 
 
「さ、それじゃー部室に戻ろうか!」  
「あれ・・・今日はちょっと早めですね?」  
「うん、今日はこれから、部室で秘密の特訓なのだよ!」  
「秘密の特訓、ですか?」  
「うむ! では平井二等兵、すぐに部室に来ること! 遅れたらキミが如何にブルマ好きかを皆の前でとうとうと・・・」  
「行きますっ! すぐ行きますからっ!」  
 
何気ない会話のようでいて、実はさくらは校庭に、平井は屋上にいたりする。  
さくらを待たせないようにと彼は全速力で階段を駆け下りて、  
そのままの勢いで部室まで一気に走りきって、ぴた、とその足が止まる。  
何故か窓に暗幕が。  
外からの光を遮断した屋内で一体何をやらかそうというのか、  
どうにもよろしくない想像ばかり掻き立てられて、そのまま中に入るのが著しく躊躇われるのだが・・・  
 
―――まぁ、いいか。  
 
彼女のすることにいちいち尻込みしていては、演劇部員は務まらない。  
務めたくて務めている訳でもないのだが、どうせ逃げることもできないのだ。  
それに、暗幕で外から見えないのなら、少なくとも目立つことはない。  
・・・などとしばし逡巡の後に、  
 
「戻りましたー!」  
「うむ、ご苦労!」  
 
入ってみれば、窓に暗幕がかけられている意外は別に何の変哲も無い、  
いつも通りの部室である。  
強いて違いを上げるならば、顧問の尾形先生がいないのと、机の上がきれいに片付いているくらい、だろうか。  
 
「さ、じゃあ平井くん、そこに座って」  
「あ、はい」  
 
さくらに勧められるままに椅子に腰掛けると、彼女は歩きながら・・・  
 
「どう、平井くん、演劇部には慣れたかな?」  
「え・・・あ、まぁ・・・とりあえず、先輩がどういう人かはわかりましたよ、あはは」  
「ふむふむ、やっと私の偉大さが理解できたってことだね!」  
 
等ととりとめの無い会話をしつつ、さくらは部室内を歩き回る。  
 
「・・・でも、やっぱり悪いことしちゃったかな」  
「え?」  
「んー、ほら、平井くんが入部する経緯ね・・・ちょっと強引だったかなって」  
「ま、まぁ・・・ちょっとどころじゃない、っていうか・・・」  
「そのこと、怒ってる?」  
「い、いえ、べ、別に・・・もう、なんていうか、その・・・」  
「? どうしたのかな?」  
「あ、いえ・・・あー」  
 
近い。  
さくら先輩が近い。  
話している間にだんだんと近づいてくる、それはいい。  
だが、それにしても、ちょっと・・・  
 
「もしかして・・・やっぱり、怒ってるかな・・・」  
「い、い、いいえ! けけ決して、そんなことは・・・」  
「そう? よかったー!」  
 
嬉しそうに声を上げる彼女の息が、顔にかかるんじゃないかと思うくらいに彼女が近い。  
 
黙っていればキレイで、地が出ると可愛い顔が、  
小柄な割に大きな胸が、  
高校に入るまで意識したこともなかったブルマと、そこから覗くすらりとした白い太腿が・・・  
なんというか、身体の一部が健康な青少年的に正常な反応を示してしまわないかと危惧するくらいに、近い。  
なので、とりあえず身体を仰け反らせて少しでも距離を取ろうと試みるが、  
 
「どうしたの、平井くん?」  
「い、いえ・・・あの、ちょっと・・・」  
 
不思議そうに身体を乗り出してくるものだから、余計にその顔と胸が近づいてくる。  
 
―――や、やばい、なんていうか、これはやばい・・・  
 
「ふぅん? まあいいや・・・」  
 
―――わざとだ、この人は絶対にわざとやってる!  
 
入部してからの一週間で、平井はこの先輩のことはある程度わかってきていた。  
彼女がこういうことを気付かずにしてしまうような天然さん等では断じてないこと。  
今のような場合、間違いなく何かを企んでいるであろうこと。  
だが、はっきり言って今はそれどころではない。  
性格がどうであろうがどんな恐ろしいことを考えていようが、  
彼女は美人でスタイルが良くて、しかも露出の高い服装で恐ろしく至近距離にいるということの方が、  
何よりも今の平井にとっては重大である。  
 
「ねぇ、平井くん・・・」  
「は、はははい!?」  
 
あからさまな平井の動揺っぷりに、さくらはくすり、と笑みを洩らす。  
 
「でもね、勧誘が強引だったことには変わりないし・・・だからね、お詫びの印に―――」  
 
ただでさえ近い顔を、更に寄せて・・・  
 
「私のこと、好きにして、いいよ」  
「―――――――――!?」  
 
がたたん!  
と、椅子を倒しそうになりながら、平井は腰掛けたままで思い切り後退する。  
あまりと言えばあまりな発言に、真っ白になりそうな意識をなんとか踏みとどまらせて、  
必死に頭を働かせる。  
 
好きにして、いい・・・って、それって、ええとつまり、そういうことなのか!?  
いやまて! 相手はあのさくら先輩だぞ!  
ヘタなことしたらそれこそ弱みを握られるようなものだし、  
なによりそもそも本気にしちゃいかん!  
何か絶対裏がある罠がある!  
とにかく気をつけるんだオレ!  
 
・・・だが、彼に意識をクリアに保とうとするだけの隙を与えるさくらではない。  
椅子ごと後退した分だけの距離を詰められてしまえば、結局はさっきと同じ状況になる訳で・・・  
 
「平井くん、そんなに慌てないで。 それとも、私に近づかれるの、イヤなのかな・・・?」  
「い、いえ、そ、そういう、わけじゃ・・・」  
 
少し恥ずかしそうに、そして悲しそうにしながら、そんな声をかけてくる彼女は、  
間違いなく演技をしている。  
それは平井にも充分に分かるのだが、問題が一つ。  
・・・とにかく、彼女の演技は上手いのだ。  
だから、それが演技とわかっていても、罠があるとわかっていても、それでも尚、引き込まれてしまう。  
 
「じゃあ・・・いいんだよ、私のこと・・・平井くんの好きなようにして・・・」  
「そ、それは、でも、ちょ、ちょっとマズいんじゃないかな、とか、あは、あはは・・・」  
 
ガタガタと音を立てながら、椅子ごと後退する平井と、  
ゆっくりと歩いて後を追うさくら。  
それでほんのしばらくはギリギリの距離を保てこそしたが、場所は何せ狭い部室。  
そんなことをしていれば当然ながら・・・  
 
ごん。  
 
「・・・あ・・・」  
 
椅子は壁にぶつかり、それ以上は後退できない。  
そこへ、ゆっくりと近づくさくら。  
さっきのように・・・否、さっき以上に身体を、顔を寄せてきて、錯覚でなく吐息を肌で感じてしまう。  
色々な意味でこれ以上はマズい―――そう察知した平井は必死で、  
 
「さささささくら先輩! こ、ここ、これ以上は、マズいですからっ! いやマジで!」  
「どうして?」  
「ど、どど・・・」  
「言ったでしょ? 好きにしていいって。  
 平井くんも、なったばかりとは言え高校生のオトコノコだし、ちゃんと意味は、わかるでしょう・・・?」  
 
いつも元気な表情の彼女が、今は優しそうに微笑んで、少し顔を赤らめて、  
くすぐったいくらいに吐息のかかるところにいて、  
そんなとんでもないことを言う。  
これが演技だとわかっていても、位置的にもはや逃げるのは不可能、  
ならばなんとか言葉で・・・  
 
「だだだ、だけどっ! こ、こういうのは、ホラ、ちゃんと、その、好きな人同士じゃないと・・・」  
「じゃあ、平井くんはやっぱり、私のこと・・・嫌い?」  
「い・・・いえ・・・」  
「うむ♪ なら、問題ないよねー?」  
「い、いやでも! まだ、オレ、先輩と会って一週間しか経ってないし!」  
「うん・・・でも、一週間で好きになるのって、そんな変なことかな?」  
「――――――っ!」  
 
話せば話すほど、余計に深みにはまっていく気がしてならない。  
いや、気のせいでなく、自分の心が削られて行くのがわかる。  
このままでは・・・本当に、目の前の先輩を押し倒してしまいかねない・・・  
 
「それにね・・・入学式でキミとぶつかって、そのまま拉致しちゃったこと・・・偶然だと、思う?」  
「え・・・」  
 
何気に不穏な言葉が混ざっていたが、それどころではない。  
平井自身が疑問に思っていたところでもあったのだから。  
が、  
 
「ま、押しに弱そうで、かつああいうシチュエーションに弱そうってことで目をつけたダケ、なんだけどね〜」  
「・・・・・・は?」  
 
一転、楽しそうに笑うさくらと、唖然とする平井。  
唖然としてから、ちょっと残念に思い、そんなふうに思っている自分に気付いて、苦笑する。  
 
―――なんだ、なんだかんだ言いながら、やっぱり期待してたのか、オレ。  
 
そして、この悪ふざけもいい加減終わりだろうと警戒を解きかけるが―――  
 
「・・・でもね、キミが入部してくれてからの一週間は、ずっとキミを見ていたんだよ?」  
「え―――」  
「私があんなにずるい手を使って、いいようにからかって、引っ張りまわしたのに、  
 キミは嫌な顔しながら、泣き言を言いながらでも、ちゃんとついてきてくれたよね」  
「そ・・・れは・・・」  
 
そうしないと、余計にマズいことになりそうだったから、  
仕方なく・・・だったハズだ。  
だが、こんな風に言われると何故かそれ以外の理由がありそうに思えてしまう。  
 
「わたし、こんな性格だからね・・・なかなかついてきてくれる人、いないんだ」  
「・・・・・・」  
「だからね、平井くんが一週間、ちゃんと続けてくれて、すごく嬉しかった」  
 
またそろそろオチがくるハズだ。  
それ以前に、どうしてオレはすぐにこう引き込まれてしまうんだ。  
・・・と、思う部分もあるのだが、それでも彼の基本的なスタンスは、その先を期待してしまっている。  
要するに、自分は彼女の・・・さくら先輩の術中にはまっているのだ。  
 
「・・・だからね、キミとなら・・・キミになら、いいかな・・・って、思ったんだ・・・」  
「は・・・」  
「ねぇ、平井くん・・・キミは、どうなのかな?  
 もし、ちょっとでもわたしのこと、かわいいな、とか・・・  
 ブルマがいいな、でもいいから・・・そんな風に思ってくれてるなら・・・」  
 
一瞬、ひっかかる単語が聞こえた気がしたが、もう、どうでもよくなりつつあった。  
さっきのように、最終的には冗談だったってオチがついても、別にそれでいい。  
ただ、もし最後までそんなオチがつかなかったら、その時は、もう・・・  
 
「今日はね、尾形先生も会議でこっちには来られないし、暗幕だってちゃんと張ったから、外からも見えないよ。  
 声も・・・頑張って抑えるから、だから・・・ね・・・」  
 
だから・・・何なのか・・・  
オチをつけるなら早くしないと、このままじゃ、本当に・・・  
 
「わたしのこと、平井くんの好きなようにして、いいよ・・・」  
 
かちん、と頭の中でスイッチが切り替わった音がしたような、気がした。  
もう、平井の頭のなかから、騙されてるとか罠があるとか、そういう認識は全て消えた。  
興味は全て、目の前のきれいで可愛くて、小さいけど何気にスタイルの良い先輩そのものに移る。  
だが・・・その先輩に、したいことは幾らでも浮かぶのに、どうしたらいいか、わからない。  
心の準備もなしにいきなり迎えた状況に、身体が動いてくれないのだ。  
 
「平井くん・・・?」  
 
未だに手を出そうとしない平井に、すこし戸惑うような声をかけてから、  
 
「あ、そうか・・・こういうのって、順序があるよね・・・じゃあ、平井くん・・・いくよ」  
 
何を、と疑問を口に出す前に、もともと目の前にあったさくらの顔がもうちょっとだけ近づいて、  
柔らかい感触が、  
平井の唇に、触れた。  
 
 
何が起きているのかは、一応、わかる。  
さくら先輩の柔らかな唇が、自分の唇に優しく押し付けられている。  
要するに・・・さくら先輩に、キスをされた・・・いや、されている。   
 
心臓が、バクバクとうるさいくらいに高鳴っている。  
先輩の鼻から洩れる息がこそばゆい。  
罠だとか冗談だとかいう認識は既に消えた。  
有り得ないという思いも、唇を塞ぐ柔らかな感触に溶けて、消えた。  
残ったのは、今ある現実。  
さくら先輩がキスしてくれたこと。  
そして・・・彼女を、好きにしていい、と言ったということ。  
 
「ん・・・っ」  
 
鼻の奥から甘い吐息を洩らしながら、さくらが唇を離す。  
その赤く上気した顔に、平井の意思のこもった視線が向けられる。  
そこにあるのは先ほどまでのような戸惑いやおののき等ではなく、  
男として、その視線の先にあるものを求める、物欲しげな、欲のこもった視線。  
そんな平井の無言の訴えに、さくらは顔を赤らめたまま、頷いて返す。  
 
―――いいよ、と。  
 
平井はゆっくりと両腕を伸ばすとさくらの腰のあたりに触れる。  
その手を少しずつ上に滑らせて、体操服の上から彼女の身体の輪郭をなぞる。  
ゆったりした体操服の下にある肢体は思った通りに細く、  
それでいて服の上からでもわかるくらいに柔らかい。  
 
「あ・・・ん、おなか・・・腹筋ついちゃってて、かたくて・・・女の子らしく、ないから・・・  
 あまり、さわっちゃ・・・ダメ」  
 
そんな恥ずかしげな声も、普段なら“そうやってどう騙そうとしているのか”としか思わないところだが、  
実際に触れながらとなると、“あの”さくら先輩も本当はか弱い女の子なんだ、としか思えなくなってしまう。  
それに・・・  
 
「そんなこと、ないですよ・・・先輩のおなか、柔らかいです・・・」  
 
あれだけの声を出せるのだから、力めばかなり引き締まった腹筋が露になるのかも知れない。  
だが、今、平井の手が服越しに触れるさくらのお腹は、  
彼が想像していたとおりの、柔らかな女の子の感触だった。  
 
「ん・・・うれしいな・・・ね、ほかの、ところも・・・いいんだよ?」  
 
さくらの言葉に後押しされるように、平井の両手は再び動きだし、彼女の服を這い、登る。  
彼女の身体は小さく、故にその胴を這い上がる手が胸の膨らみに達するまでにさしたる時間はかからなかった。  
 
「あ・・・っ、ん・・・ぅ」  
 
身長の割に豊かなさくらの胸を下から掬い上げるように触り、掴む。  
少しずつ心のタガが外れてきているのか、その動作に躊躇は感じられない。  
 
「ん・・・あ、っう・・・ん」  
「先輩の胸、結構大きいですよね・・・それに、柔らかい・・・」  
「そ、うかな・・・ん・・・は・・・っあ」  
 
彼女が痛がったりしないよう、優しく、ゆっくりと手中の乳房を揉み、その柔らかな弾力を楽しむ。  
 
「ん・・・ふっ・・・平井、くん・・・ブルマだけじゃなくて、あ、っく・・・ん、  
 おっぱいも、好き、なんだね・・・ぁん・・・」  
「・・・・・・」  
 
平井としては色々と言いたいところもあるのだが、  
今はそういう議論をする気はないし、完全に否定出来ないのもまた事実であるだけに、何も言えない。  
それよりも、今はもっと・・・  
 
「先輩、あの・・・」  
「ん・・・ふ? なぁに?」  
「先輩の胸・・・直に触りたい・・・」  
「んふ・・・平井、くん、だんだん調子に、っう・・・乗って、きたね・・・」  
 
そう言われてちょっと困った顔をする平井に、艶を帯びた笑みを向けて、  
 
「私の許可なんか、取らなくていいよ・・・あ、ん・・・全部、平井くんの好きにして、いい、から・・・」  
 
何度も言われてきたことを、また繰り返される。  
始めは半信半疑だったその言葉から、もはや疑いの余地は失われていた。  
彼女から望み通りの答えを得て、今はただ望むがままに手を動かす。  
さくらの胸を離すと、邪魔になる体操服の裾に手をかけようとして・・・  
めくり上げようとした服は、勝手に上に上がってしまう。  
勿論、そんな舞台装置が準備されていた訳などなく、  
 
「はい、こうしたら平井くんもしやすいでしょ・・・  
 あ、でもブラは自分で外すんだよ? 女の子のブラを外すのって、自分でやる方がドキドキするでしょ〜?」  
 
見透かされているような恥ずかしさを覚えつつも、  
目の前で服をめくり上げて、下着に包まれているとはいえ胸を晒すという挑発じみた行為をされては、  
手が動いてしまうのを止めることは不可能だったし、止めるつもりもなかった。  
平井の手は躊躇なくさくらの胸に伸び、その柔らかな双丘を先程のように包みこみ、揉みしだく。  
覆うものが薄い下着だけとなったそこは、掌に遥かに生々しい感触を味わわせてくれる。  
だが、今の平井にはこれでは物足りない。  
さくらの胸を一旦解放して、ブラに沿って彼女の背中に手を伸ばし・・・  
 
「ん、そう、よくわかったね、ホックが背中にあるの・・・もしかして、慣れてる?」  
「ち、違いますよ! ほら、前に何もついてないし!」  
「あ、そっか。 ふむふむ、つまりそれだけ私のおっぱいを凝視していた、と」  
「もう・・・否定はしません・・・よっ」  
「え・・・あっ!?」  
 
あっけなくブラのホックは外されてしまい、緩んだ下着は胸の上にずらされて・・・  
 
「さくら先輩の胸・・・キレイですね・・・」  
「あ、え、あ〜、うん・・・その・・・あ、ありがと・・・」  
「? なんだか随分恥ずかしそうですね、今更」  
「あ・・・うん、その、ね・・・平井くん、きっとてこずるだろうって思ってて、  
 心の準備が、いまいち・・・んっ!」  
 
これまで羞恥に頬を染めることはあっても先輩としての余裕だけは常に保っていたさくらが、  
初めて平井の前で動揺を見せる。  
それは僅かな心の揺れに過ぎなかったが、それでも彼にとっては十分に驚くべきことであり、  
新鮮で、嬉しくもあった。  
自分の手が、演技で守りを固めた彼女の“素”の部分を引き出したのだと直感したから。  
ブラをあっけなく外せたのは単なる偶然。  
だがそんな偶然のお陰で、今なら彼女の“素”を露わにできるかもしれない―――  
・・・そう思うが早いか、彼の手はこれまでと段違いの積極さで動きだす。  
 
「っふぁ!? 平井、くん・・・!? あ! ぅんっ! ちょ、そんな、急に・・・ぃっ!」  
「・・・先輩の胸、マシュマロみたいな手触りで・・・でも、ちゃんと弾力もあるんですね・・・  
 触ってて、凄く気持いいです・・・」  
 
さくらの訴えに答えず、一方的に言いたいことを言い、したいようにする。  
 
「それに先輩のここ、とがってますね・・・感じてくれてるの、演技じゃないんですね・・・」  
「あく・・・! や! ん・・・っ! そん、なっ! そこ、や・・・あまり、弄っちゃ、ダメ・・・ぇ」  
 
当然ながら母親以外の女性の乳房や乳首に触れたことなど初めてで、  
故に慎重に、痛がらせないようにと意識して、二つの頂を丁寧に愛撫する。  
そんないじらしい、焦らすような指づかいがさくらの身体を燻らせ、悩ましい声を上げさせる。  
 
「は・・・うんっ、あ・・・くぅ! ひ、ぅ・・・なんで、ひらい・・・くんっ! そんな、上手なの・・・!?」  
「いや・・・上手いとか、よくわかりませんが・・・  
 でも、オレが上手いってより・・・先輩が、感じやすいんじゃないんですか?」  
「な、なー! そんな、ことっ! ないよっ!」  
 
さくらの慌てぶりに勢いを得て、平井の行為はエスカレートしてゆく。  
椅子から僅かに腰を浮かせ、目の前で小刻みに揺れる半裸の肢体に顔を寄せて・・・  
 
「ひゃうっ!? ちょ、平井くんっ!? やめ、あ! そんな! あ! んぁあ!」  
 
ちゅ、ぴちゃ、ちゅぷ・・・と、  
湿った音を立ててさくらの乳房を舐め、唇を押し付ける。  
 
「ふ・・・んぁ! は、ひぁ! ひ、らい・・・く・・・ンぁあ! やめ・・・!  
 ソコは、あ! 舐めちゃ! や、だめぇ!」  
 
平井の舌が双丘の頂点に達するとさくらの声は更に上擦り、  
敏感な器官に加えられるねっとりとした愛撫に、切なげな呻き声を上げる。  
 
「は・・・ふっ! ひぁ、ひ、らい、くんっ! いくら、おっぱい好きだから、って、うぅ・・・  
 そんな、ネチネチするのは、ダメだよぅ・・・っ」  
 
あくまでさくらはいつもの調子を演じようとするが、  
顔を真っ赤に染めながら余裕を見せようとする様はいじらしく、  
そんなさくらをもっと苛めてみたい、もっと責めたててやりたいという、  
嗜虐的な欲求が平井の中で鎌首をもたげる。  
 
「先輩こそダメですよ・・・そんな声を出されると、もっと意地悪したくなっちゃうじゃないですか・・・」  
「や、平井くん!? え、あ! ひう! ぁん! あ、ぁあ・・・んんん―――!」  
 
一方の乳首を三本の指で執拗にこねくり回しながら、もう一方には唇でちゅぅう―――と、吸い付く。  
そのまま乳房を限界まで引っ張ると、やがて“ちゅぽんっ”と弾けてさくらの乳房が揺れる。  
 
「んあぁあ! ダメだよっ! そんな、乱暴にっ! しちゃ、あぁあっ!」  
 
そんな責めを何度か繰り返してから、す―――、と顔を離し椅子に座り直す。  
あられもなく乱れた声を垂れ流し身体をがくがくと揺らす先輩が、どんな表情をしているのか見たくなったのだ。  
後輩の唇に胸を弄ばれ、今なお片方の胸を指で弄られ続けている彼女の顔からは、  
いつもの勝気な表情は消えていた。  
八の字に歪んだ眉根に、切なげに薄く閉じられ潤みきった瞳。  
頬は朱に染まり、汗の浮き出た額には彼女の美しい黒髪が貼りついている。  
本人の意思を無視して勝手に喘ぎを奏でる唇の端からはかすかに涎が垂れ落ち、  
それら全てがさくらという少女の現状―――  
後輩の愛撫にされるがままに乱されて、与えられる快楽に翻弄されている、ということを如実に示していた。  
 
「さくら先輩、本当に気持ちいいんですね・・・すごく、いやらしい顔ですよ・・・」  
「・・・! や、ダメぇ・・・ あ、っく! そんな、恥ずかしいこと、言っちゃ・・・やだよ・・・」  
 
羞恥で泣きそうな声をあげる彼女に満足しながらも、更に彼女を責めたてよう、いや、悦ばそうと思う。  
その前に、ふと悶える彼女の全身を見たいと思い官能に蕩けつつあるさくらの顔から目線を離し、  
上から下へと視野を下げて行って・・・  
平井の目は彼女の腰から少し下がった所で止まる―――いや、釘付けになる。  
 
そこにあるのは、あまりに毎日毎日言われ続けるから、  
いつか本当に気になってしまいそうな彼女の濃紺のブルマとそこからすらりと伸びる白い太腿が、  
切なげにもぞもぞと擦り合わされている光景だった。  
平井の視線に気付いていないのか、それとも無意識に身体が動いてしまっているのか、  
さくらの両足の悩ましげな動きは一向に収まる気配はない。  
その動作から、さくらが―――本人が意識しているかどうかはともかく、  
彼女の身体が何を求めているかは経験の無い平井にもよくわかった。  
そのことを指摘してやってさらに彼女の羞恥を煽ろうかとも考えたが、  
これ以上追い詰めることもないと思い―――と言うより、  
目の前で切なげに、もどかしそうに、物欲しげに蠢く白い太股の付け根・・・  
彼女がやたら強調したがるブルマの中身がどうしようもなく気になって、  
言葉より先に、手が伸びた。  
 
「ひぁうっ!? い、ぁあ! っんぐ! や! ちょ・・・っ! ひらいくんっ!?」  
 
さくらの声が半オクターブ跳ね上がる。  
自身の体操服を捲り上げていた手を離し、慌てて急所を弄る彼の指を妨げようとするが、  
平井の指が“そこ”に押し付けられる度にさくらの身体はがくんと揺れ、  
背筋を通って脳天へと駆け上がる鮮烈な快楽に全ての動作は封じられてしまうのか、  
平井の手に両手を添えることは出来ても力が入らず、自分の秘所から引き剥がすことは出来なかった。  
 
「あ、あ! ひら、い、うく―――っ! あん! ぁう! んぁあ!」  
 
ブルマ越しにさくらの秘所に指を押し付けると、  
彼女はまるでそういう仕組みのおもちゃのように、敏感に、そして過剰なほどに激しく反応を示す。  
それは平井がまるで彼女を・・・いつも自分をからかってばかりいる先輩を支配しているかのように錯覚させ、  
彼の中の嗜虐欲、征服欲を膨張させる。  
これまで感じたことのなかった淫靡な悦びは、  
服越しとはいえ初めて女性のそこに触れているという緊張を平井から忘れさせる。  
今の彼は、ひたすらにさくらの声や揺れる身体、それに秘所の感触を楽しんでいる。  
そしてそれ故に、指先に伝わる感触の変化を敏感に察知することもできた。  
 
「さくら先輩・・・ここ、じっとりとして・・・濡れてきました・・・」  
「あっ! うく・・・! え、えぇえ!? そん、な、っひう!」  
「よく見ると、ブルマーにちょっとだけ染みが出来てて、ほら、こうすると少しずつ広がってく・・・」  
 
言いながら、指をブルマー越しにさくらの秘所にぐりぐりと擦り付ける。  
 
「うっ・・・んぁあっ!? や、ひ! やはっ! や、め―――!」  
 
平井の指の動きに合わせて浮き出た染みは確実に広がり、  
微かに絹ずれの音を立てるのみだった“そこ”からは少しずつ湿った響きが生じる。  
 
「先輩のここ、ブルマ越しなのにこんなになるなんて・・・この中、すごく濡れてるんですね」  
「ん・・・あ、やぁ・・・しらな、いぁあ! そんなのっ! 知らな、いっ、よぉおっ!」  
 
羞恥と快楽に翻弄されながらも、さくらは必死で先輩らしく、強がろうとする。  
身体は依然、平井の愛撫に震え悶えるばかりだが、  
それでも少しはこの刺激に耐性ができたか、呂律は先程よりしっかりしてきている。  
だが、平井は別に気にしない。  
何故なら―――すぐにまた、動転させられることがわかっているから。  
 
「じゃあ、見せて貰いますね・・・先輩のブルマの中身」  
「え・・・ちょっ! まって! や――――――!」  
 
ブルマごと下着をずり下げようとして僅かに逡巡し、  
秘所を覆う部分に指をひっかけると、横にずらして隠されたところを剥き出しにする。  
あれだけ彼女が強調し続けたモノだし、敢えて脱がさずにおくのもいいだろうと思ったのだ。  
 
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」  
 
平井の愛撫によってじっとりと濡れ、熱を帯びた秘所を冷えた外気に晒されて、  
もぞもぞと動いていた太腿がぴたりと止まる。  
本来、特別な相手にしか決して見せることの無い秘めたる器官を異性の、後輩の目前に晒し、  
じっくりと凝視される恥ずかしさからか・・・  
さくらは声を出すことも手で平井の視線を遮ることもせず、ただ息を呑んで静止している。  
彼女の秘所から分泌される蜜は下着とその上に重ねられた服を濡らすほどで、  
受け止める布地が取り去られた今、重力に従って“つ―――ぅ”と太腿を伝い、垂れ落ちてゆく。  
 
自ら暴き出した目の前の薄桃色の狭い裂目から、平井は目を離せない。  
年齢的に本来は許されない雑誌やインターネットを介して、  
女性の“そこ”がどういうものかは知識として知ってはいた。  
だが、眼前にある“それ”は余りにリアルで、それまでの勢いも忘れてただ見入ってしまう。  
そこは僅かにひくひくと震え、透明な液体が湧き出ているのがわかる。  
溢れ出た液体が雫となって“つぅ”と太腿を垂れ落ちてゆくのを見て、  
平井は半ば無意識にそれを舌で掬い取る。  
 
「ひゃうっ!?」  
 
陰部にごく近い太腿を直に舐められた刺激に、そしてその甲高い悲鳴のようなさくらの声に、  
二人はそれぞれ忘我に近かった状況から目を醒ます。  
さくらは慌てて自分の秘所を両手で覆い隠すが、  
 
「あひ・・・! や、あ、うぁあっ! やめ、ひら、あ、ひぁあっ!」  
 
足の間から差し込まれた手は簡単にそのガードの下を掻い潜り、さくらの蜜が溢れる秘裂へと指を這わせる。  
片方の手でブルマと下着を脇に寄せておいて、  
もう一方の手が秘裂に溜まった蜜を描き出すかのように上下に動き、  
くちゅり、くちゃ、ちゅく・・・と卑猥な音を奏でる。  
 
「あ、んぁ・・・! や! ひらい、く・・・んぁあ! あふ、ん! ひあ! んなぁあ!」  
 
敏感すぎる秘部を直に触り撫でられる感触にさくらの声のトーンがまた少し上がり、  
がくがくと揺れる両足を伝う彼女の蜜は、僅かだが確実に、その量を増している。  
 
「すご・・・さくら先輩の、ここ・・・どんどん、溢れてくる・・・」  
「ひん・・・っ! あ、ふ! ん、くぁあ! あは・・・恥ずかしい、こと・・・あん! 言っちゃ、だめ・・・」  
「でも、ホント・・・すごい・・・ぬるぬるして、温かくて・・・」  
「だか、らぁ・・・っ! あん・・・あ! ふぁ! っう・・・や、つよ・・・んぁあ!」  
 
さくらの悶える様と、拙いはずの自分の愛撫に敏感に反応してくれる彼女の秘所の蕩け具合に、  
平井の興奮はイヤがおうにも昂ぶり、指使いは徐々に強く、荒くなる。  
 
「ひ・・・っく! ぅあ! あ、ふ・・・んっ!」  
 
耐えかねたのは快楽か、痛みか・・・さくらは更に高い声で呻きながら、よろめくように一歩、二歩と後退する。  
距離を置いて秘所を責め立てる後輩の指から一度は解放されるが、  
その間合いも平井が椅子から腰を上げてしまえば一歩で詰められてしまう距離に過ぎない。  
 
「あ・・・ぅうっ! あん・・・っ! や、つよ・・・ぅく! だめ、あ、ひぅっ!」  
 
立ち上がった彼の腕は呆気なくさくらの秘所を捕捉して、より強い愛撫を加える。  
あとは、先程と逆の光景が展開されるのみだった。  
椅子に座った平井をさくらが壁際に追い詰めたように、今度は平井の指がさくらを追い立てる。  
 
「ひぅ・・・! ん、ふ・・・っ! あふ! あ、んぁああ! やめ・・・っ! 押し付けちゃ・・・あ、あぁあ!」  
 
ガクガクとよろめく脚でさくらは半歩、一歩、また半歩・・・と、よろよろとあとずさり、  
彼女が後退した分だけ平井は歩を進め、決して愛撫の手を緩めない。  
ちゅく、ちゅぷ、という卑猥な水音と、拒絶と陶酔がない交ぜになったさくらの喘ぎ声をBGMに、  
二人はゆっくりと部室を横断する。  
秘所からはとどまることなく蜜がこぼれ、さくらの太腿を幾筋もの流れとなって伝い落ちる。  
また、秘裂に食い込む平井の指にも生温かい蜜は絡みつき、  
ぽた、ぽた、と雫となって床に跡を残す。  
壁際の椅子の傍から始まった淫蜜の道標は部屋の中央へと続き、やがて・・・  
 
「・・・あっ!?」  
 
どん、と鈍い音がしてさくらの身体が大きく揺れる。  
彼女の背後にはいつの間にか部屋中央のテーブルがあった。  
 
「や・・・ひら、い、く・・・あ、や! まって! ひぁ! ひゃぅ! あ、んく・・・ん! んぁあ!」  
 
これ以上後退できないさくらの秘所に平井の指が食い込み、秘裂の浅いところに指を擦りつける。  
さくらの上げる嬌声はいまだ限界を迎えることなく高く大きくなり、悲鳴のように響くことさえある。  
だが・・・  
 
「先輩・・・本当は、嫌がってないでしょう・・・っていうか、悦んでません?」  
「ひ・・・っく! んぁ・・・な、なぁ・・・っ!? あふ! そ、んな、ことっ! な、あ、ふわぁあ!」  
「だってほら、濡れてるのは言うに及ばずとしても、手で押さえる訳で無し、脚だって閉じないし・・・」  
「あふ・・・! む、むー! だ、って、んく! っは・・・ほ、ら・・・あ、んぅっ!」  
 
さくらが頬を真っ赤に染めているのは変わらないのだが、  
それまでは眉根を寄せて、薄く閉じた目尻に涙すら浮かべて泣き出しそうな表情だったのが、  
平井に指摘されてからは見開いた目をぱちくりさせて、隠し事がバレて恥ずかしくてたまらない、  
といった感じに慌てふためいているように見える。  
そして、甲高い嬌声の合間にぼそぼそと弁解するような小さな声で・・・  
 
「だ・・・って、あ、ふぁ! ん・・・平井、くん・・・その、んく! あぅ・・・、上手、なんだもん・・・」  
「じょ、上手、ですか?」  
「っひぅ! そ、そうだよー! こ、れま、で・・・っ、あん!  
 いったい、何人のコに、ふぁ! あ、いひ! っ、ブルマ穿かせて、・・・んぁあ! 泣かせてきたのかなっ!」  
「穿かせてないし泣かせてないですよっ!」  
 
思わずさくらを責める指に力が入り、  
 
「!? んぁあああっ!」  
 
いきなりの強烈な刺激にさくらは背中を仰け反らせてガクガクと身体を揺らすが、  
それが苦痛や羞恥ではなく快楽によるものだとは、もはや疑い様も無かった。  
 
「せ、先輩こそ! こうやって何人騙してきたんですかっ!」  
「なー! だ、騙してなんか、あぅ! いな、あんっ! いない、よおっ!  
 それに・・・ぃあ! あふ、っく・・・ぅ、こんな、こと、するの・・・  
 ひらい、くんが・・・はじめて、だよ・・・っ」  
「え・・・いや、そんなまたまた・・・だって、初めてで、好きにしていいだなんて、普通は・・・」  
「んく・・・じゃあ・・・確かめて、みる・・・?」  
 
さくらの言葉に、思わず平井の指が止まる。  
“はじめて”であることを、“確かめる”ということ。  
確かめるのは、理屈としては簡単―――すれば、わかる・・・はず。  
だが・・・  
 
「いいん、ですか・・・本当に?」  
 
 
ごくり、と唾を飲み込んで、彼女の真意を問う。  
何処までが演技で何処までが本気か、そもそも本気というものが有るのかすら謎である先輩に、  
こんなことを問うこと自体、無意味だとわかっているのだが、それでも問わずにいられない。  
その何度も繰り返された問いに対し、  
さくらは朱の差した表情に笑みを浮かべることで、答える。  
 
―――きみの好きなようにしていいよ、と。  
 
言葉もなしに平井がそれを理解できてしまったのは、彼女の表現力の故だろうか。  
こうして、最後の心のタガが外れようとしている彼を後押しするように、  
さくらは腰を浮かせてテーブルの縁に座ると平井の前で脚を開き、  
自らの指で秘所を覆うブルマとショーツを横にずらして見せて・・・  
 
「ほら、ここ・・・平井くんがあんなに弄ったから、もう、こんななの・・・  
 このまま・・・平井くんの大好きなブルマ、穿いたままでいてあげるから・・・ね?」  
「い、や・・・ぶ、ブルマは・・・」  
 
どうでもいい、とすら言葉が続かない。  
さっきまで散々に弄りたおして、例え彼女の演技だったとしてもあれだけの嬌声を上げさせていたはずなのに、  
今は完全に彼女に圧倒されている・・・というより、頭が真っ白になってしまっている。  
目の前で挑発するかのような態度を取る先輩を抱きたい、彼女の中に入りたい、と思うのだが、  
その為の手順が全く浮かんでこないのだ。  
 
「平井くん・・・ブルマが好きで眺めていたいのかも知れないけど・・・  
 わたしだけ、こんな風に見せてるのって・・・恥ずかしいから、平井くんのも・・・見せて・・・ね?」  
「あ、は、はい!」  
 
もはやブルマのことを突っ込むことすら放棄して、慌ててジャージの紐を解きにかかる。  
覚束ない手つきではあっても、作業はジャージとトランクスを下ろすだけのこと、  
呆気なくことは済み、平井も先輩に倣って己の性器を露出させる。  
 
「わ・・・すご・・・い、そんなに、なるんだ・・・」  
「それは・・・先輩が、あんな声出して、そんな格好するから・・・」  
「そうなの? 嬉しいな・・・でも、こんな格好でそんな風になるなんて、やっぱり平井くんってブルマ好」  
「ちがいますって!」  
 
流石に連続でスルーすることは出来ず、思わず身を乗り出して抗議して、  
それから・・・  
 
「・・・あ」  
「もう・・・平井くん、焦っちゃダメだよー? 逃げたりしないから、ね・・・」  
 
勢いでテーブルに横たわるさくらに覆い被さるような体勢になってしまったことに気付く。  
 
「じゃ、じゃあ・・・先輩・・・」  
「うん、いいよ・・・きて」  
 
結局、さくらに導かれるままにここまで来てしまったようなものだが、最早そんなことを気にはしない。  
ただ、求めるままに己の腰を彼女の腰に寄せて、  
そそり立った肉茎の先端を、彼女の濡れた裂目に狙いをつけて・・・  
 
「先輩・・・いきます」  
「ん・・・優しくして・・・ね?」  
 
 

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