「がいっ・・・ぁ、ダメっ・・・」  
サイボーグの指が命の中を掻き回す。  
くちゅくちゅと、いやらしい音がメンテナンスルームに響いた。  
やがてそれは次第に激しくなり、命の声も色っぽさを増していく。  
「こんなこと・・・ダメよ、んぅ・・・」  
「ごめんな、命・・・我慢出来ないんだ」  
「・・・だからってぇ・・・」  
半泣き状態で鋼のからだに身体を預ける。  
それを、彼は優しく迎え入れた。  
 
 
これが、モニターに映し出されている映像である。  
それを見て、GGG機動部隊隊長・獅子王凱は呆然としていた。  
「これは昨日20時頃の凱隊長のメモリーから取り出したものですが」  
ボルフォッグが尋ねる。  
「・・・」  
「間違いないですね?」  
「俺は、こんな事、・・・してない」  
「隊長は嘘をつくのが下手ですね」  
モニターには未だに命の涙ぐんだ顔が映し出されている。  
「卯都木隊員は昨日、勤務が19時に終了したにもかかわらず21時に帰宅しています」  
「・・・」  
凱の顔がみるみる赤くなってゆく。  
「違う、違う・・・俺は、そんな事・・・」  
自分に暗示をかけるようにつぶやく。  
「なら、6日前のこの映像はどうなりますか?」  
 
「やだ、やだっ、凱っ!こんな場所でダメだってば!」  
「・・・もう無理だよ、命っ」  
数少ない休暇を楽しんだふたりは、夜の公園で愛を交わそうとしていた。  
「誰か来るかもしれないでしょ・・・んんっ」  
唇でその言葉をとめる。  
凱は命のブラウスのボタンを、ひとつずつ外してゆく。  
「やだ、やだぁ・・・」  
やがて、ピンクのブラジャーがあらわになった。  
すぐさまブラジャーをずらし、小さな乳首にしゃぶりつく。  
「命・・・」  
「んぅ・・・凱・・・」  
 
 
「なっ・・・!」  
思わず言葉が漏れる機動部隊隊長。  
「夜の公園とは・・・凱隊長、もう少し場所を選んではどうですか?」  
ボルフォッグの追い撃ちの言葉。  
凱はただ、涙目になるしかなかった。  
「どうしましょうかね、この映像。卯都木隊員にでも」  
「それは、それだけはやめてくれ!」  
発狂して死んじまう、と後に付け加えて叫ぶ。  
「・・・わかりました。では麗雄博士に」  
「親に見せられるか!」  
「困りましたね・・・」  
(困らなくていい、困らなくていいから・・・!)  
そんなとき、ふと素晴らしいアイデアが頭をよぎる。  
 
「何が欲しいんだ?」  
「・・・は?」  
「俺のメモリーを探るということは、何かの映像が欲しいんだろ?」  
「うっ・・・!」  
ボルフォッグがうろたえる。あっという間に形勢逆転だ。  
「・・・そうだ、護とのメモリーならコピーしてもいいぜ!」  
「・・・隊長は物分かりがいいですね。それで手を打ちましょう」  
 
そうして契約は結ばれた。  
この日の後、凱は事あるごとにボルフォッグにゆすられることになるのだが、  
彼はそんなこと知る由もなかった。  
 

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