地球に平和が戻り、約一か月が経った。  
街は、機械新種による物質消化の被害などまるでなかったように機能している。  
 
そして、細かな復旧作業に徹していたGGGにも、久しぶりの休暇が与えられた。  
 
凱と命は、久しぶりにゆっくりと夜の街を歩いていた。  
 
「こうやって街を凱と歩けるのがウソみたい」  
ぽつりと命が言う。  
「・・・本当だな」  
凱は穏やかな表情で相槌を打つ。  
彼がサイボーグになる前によく見せた顔だった。  
「まさか、こんな風に手を繋いで、  
街に出かける日がまた来るなんて思わなかった」  
と言いながら、命に笑顔を見せる。  
 
あちこちで光っているネオンライトが二人を祝福しているようだった。  
 
しばらく歩くと公園に着いた。二人はすぐそばにあるベンチに腰掛けた。  
サワサワと木の葉が擦れる音がする。  
近くには誰もいなかった。  
 
しばしの沈黙の後、命は俯きながら口を開いた。  
「ねぇ、凱。わたし、凱にしてほしいことがあるの・・・」  
「なんだ?」  
「・・・えっとね・・・」  
命が顔を赤らめる。  
「どうしたんだ?」  
凱はあまり察していないのだろうか、命の顔を覗き込む。  
顔を赤く染めた彼女は、小さな声で、呟くように言った。  
 
 
「抱いて、ほしいの・・・」  
 
 
「・・・なっ・・・!」  
命からの突然のお願いに、思わず凱の顔も赤く染まってゆく。  
「あっ、ごめんね!わたしったら・・・」  
必死に手を振りながら謝る。  
「ごめん、今の言葉・・・  
「・・・いいよ」  
「命がやって欲しいのなら、俺は・・・」  
と言いながら、命の身体を抱きしめた。  
「えっ!?ぁっ・・・」  
突然の抱擁に、心臓の鼓動が一気に速くなる。  
お互いの身体が密着する。  
「命、顔上げろ・・・」  
凱の声が心なしか、熱っぽく聞こえる。  
命は、彼に言われるがままに顔をあげた。  
すると、命の口が、凱の口で覆われる。  
命は、そっと目を閉じた。  
 
しばらく経ち、やっと命の口が自由になる。  
「やだ・・・こんなところで・・・誰かが見てるかも知れないのに・・・」  
「大丈夫、こんな何もない公園に来るモノ好きなんて俺達ぐらいしかいないだろ?」  
と、いささか無理やりな回答をして、すぐさまキスの続きを始める。  
今度は、命の口内に彼の舌が侵入してきた。  
「んっ・・・!」  
思わず声を漏らす。  
木の葉が奏でる音に遮られ、舌と舌が触れ合う音は二人だけにしか聞こえなかった。  
 
命にとって、悠久の時に思えたディープキスが解かれた。  
見つめ合う二人。  
重い沈黙。  
その沈黙を先に破ったのは凱だった。  
彼は、照れくさそうに  
「・・・どこか、ホテルでも行こうか」  
と言った。  
 
 
ふたりはいちばん近くにあるホテルに入った。  
凱は手早く手続きを済ませ、エレベーターに乗り込もうとする。  
「どうしたんだ?早く行くぞ」  
「あ、ゴメン・・・」  
ぎこちない返事。  
彼女は決して目を合わそうとしなかった。  
いや、できなかった。  
「・・・命?」  
「・・・」  
そのまま、黙り込んでしまった。  
 
 
部屋に着いた。  
命はまだ沈黙を保ったままベッドに座りこむ。  
続いて凱も腰を下ろす。  
しばらくすると、命の唇が動いた。  
「凱、さっきの続き・・・」  
 
「さっきの続き、してほしいな・・・」  
上着をつかむ。  
凱はそっと頭を撫でてから、ゆっくり唇を重ねた。  
今度は音を遮るものはない。  
舌と舌が触れ合い、絡み合う音が部屋中に響いた。  
命は凱に抱きつきながら、負けじと舌を動かす。  
すると、凱の手が彼女の胸に触れ、揉みしだいた。  
「ぁ・・・」  
声が漏れる。  
彼は唇を離すとそのまま彼女の服をたくし上げ、  
そのまま手を休めることなくブラジャーを外した。  
命の、大きい胸が露になる。  
 
「や・・・」  
命がわずかに抵抗する。  
「抱いて欲しいって言ったのは命だろ?」  
凱はそう言いながら自分の恋人の胸にある、小さな蕾を優しく舐めはじめた。  
「やっ・・・!」  
いきなりの愛撫に命は驚く。  
次第に桃色の蕾は固くなってきた。  
「相変わらず敏感だなぁ」  
凱は意地悪く笑った。  
「ちがうもんっ・・・!」  
うっすらと涙を浮かべながら命は否定する。だが、彼女の体は普段の倍以上、熱を帯びていた。  
それは凱も同様である。彼の澄んだ青の瞳はどことなく潤んで見える。  
 
しばらくして、彼は愛撫をやめた。  
「命。・・・もうそろそろいいか?」  
「えっ?」  
「もうそろそろ、その・・・我慢出来ないんだ・・・」  
確かに彼の股間あたりが盛り上がっているように見えた。  
命は戸惑ったが、すぐに首を縦に振った。  
そして、凱を押し倒す。  
「みっ、命!?」  
予想外の展開に凱は焦る。  
「次は、私が気持ち良くしてあげるから・・・」  
そう言いながら、彼のズボンのチャックに手をかけた。  
 
するすると、凱のズボンが下げられた。  
命はそんな自分の恋人の姿をちらりと見ながら、下着にも手をかける。  
「命・・・」  
凱は、今までに無いくらいの緊張感に襲われていた。  
どんな危険な任務を遂行している時にも感じなかった、体中が火照るような、瞳が潤んでくるような感覚。  
サイボーグじゃなくなったからかな、と勝手に理由を考えている間に、彼の下半身は生まれたままの姿になっていた。  
ただひとつ違うのは・・・  
「凱の、こんなに大きかったんだ・・・」  
彼のものが天井に向かってぴん、と立っていることである。  
命はゆっくりと、唇でそれに触れる。  
途端、凱の体に電気のようなものが走った。  
「あっ・・・」  
意識していないのに、唇から声が漏れる。  
命はその声を聞いて、一気に彼のものを口に含んだ。  
「んぁっ・・・命ぉ・・・」  
普段の凱からは想像出来ないような声で、彼は快楽を求め続ける。  
命にはその喘ぎが、どこか赤ん坊が甘えているような声に聞こえた。  
母性本能であろうか。そんな凱が堪らなく愛しく感じた。  
 
彼のものを舐め続けて数分経っただろうか。  
命は凱の顔を見つめながら問う。  
「がい・・・きもちいい?」  
「あ、あぁ・・・。もう我慢出来ないぐらいにな・・・」  
そう言いながら、凱は体を起こした。  
視線が真っ直ぐ命を捕らえる。  
どろどろとした、熱い何かが外に出ようとするのを押さえるのも、限界に近づいて来たようだ。  
「凱・・・」  
見つめられた彼女は、自分の顔が再び赤く染まるのがわかった。  
しばらくして、凱は命の細い肩を優しく掴んだ。  
 
「挿れるぞ、命・・・」  
 
そう言った口を命の唇に押し当てた。  
すると、凱の口の中に舌が侵入してきた。  
凱はわざと音を立てるようにして舌を絡ませる。  
 
そうしながら、指で命の腰をなぞる。  
ぴくん、と彼女の体が反応するが、彼はお構い無しといった様子で指を下に進める。  
そして、そのままスカートの中に潜り込ませた。  
命は声をあげそうになったが、それは激しいキスで阻止された。  
いつの間にかキスの主導権も凱に奪われていたのだ。  
すぐさま、凱の指がパンツの上から刺激してくる。  
「んっ・・・!」  
言葉が上手く発音出来ない。  
(凱のいじわる・・・)  
命は、心の中でそう思うしかなかった。  
やがて、キスが解かれる。  
凱は命以上に息を乱していた。  
しかし、彼は休憩など一切取らずに命のパンツを下げる。  
「はぁ、はぁっ・・・命、痛くなったら言えよ・・・」  
「・・・うん」  
「じゃあ、力抜いて・・・」  
命は言われるがままに、出来る限り力を抜く。  
それを見て、凱は命の中に自身のものをゆっくりと挿れた。  
「・・・あっ」  
そのままゆっくり、ゆっくりと腰を動かせる。  
「んっ、あっ・・・!凱っ!!」  
さっき出せなかった、喘ぎ声が出始める。  
不思議と痛みは感じなかった。  
腰の動きは次第に速さを増していく。  
「っ!命・・・命っ!!」  
凱は襲いくる快感に身を委ね、自分の恋人の名を口にする。  
「凱っ!」  
名を呼ばれた当人は、うっすらと涙を浮かべて、凱にしがみついた。  
「あっ・・・!イくっ!!命っ!!」  
「凱っ、凱っ・・・!」  
凱は背筋をぴんと伸ばしながら、命の中に熱いものを思いっ切り出した。  
命も、それを絶頂の中で受け止めた。  
 
 
 
「命、ゴメンな」  
シャワーの音が響く中、凱はぽつりと呟いた。  
「え?どうして?」  
浴槽でくつろいでいた命は思わず問う。  
「お前が抱いて欲しいって言ったのにさ、その、フェラなんかさせて・・・」  
「いいの。私が勝手にした事だもん。それに・・・」  
「それに?」  
「凱の気持ち良さそうにしてる顔、好きなの」  
 
−−−その言葉を聞いて。  
「なっ・・・!」  
彼のものが再び反応した事は言うまでもない。  
 
 
 

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