ピア・デケムの中枢部、赤の星で創られし生体兵器アルマ、すなわち戒道幾巳が床に仰向けの状態で横たわっていた。
そして、まだ幼き少女の姿をしたソール11遊星主の一人であり、またアルマやソルダート師団の生みの親でもあるアベルが、その姿を静かに眺めていた。
「うう・・・ここは・・・?」
「気がついたようですね、アルマ・・・」
戒道が目覚めると、アルマがそっと声をかける。
「・・・・・・!・・・お前は・・・アベル・・・!・・・ここは・・・!?」
「ピア・デケムの中枢部・・・つまりメインコンピュータールームです。
今、自分がどういう状況にいるか、わかりますか?」
「お前たちに捕らわれている・・・違うか?」
戒道は鋭い視線でアベルを睨みつけた。
「フフ・・・正解です。」
「僕をどうする気だ!?」
「あなたには、ピア・デケムの生体コンピューターになってもらいます。
ソルダートJ-002の拘束が、何者かによって解かれないとも限りませんから・・・」
「くっ・・・僕に、Jたちを倒す手伝いをしろと言うのか!?」
より戒道の口調が強まり、怒気が混じる。
「安心して下さい、ピア・デケムに組み込まれている間は、あなたの意識はありません。」
「そんなことを聞いているんじゃない!」
叫びと共に、戒道の背に孔雀のような4枚の赤い羽が現れ、全身が赤く発光する。
そして、数メートル空中に跳び、左手をアベルに向けてかざす。
「はあああああああ・・・・・・!!!」
そして、左の掌へ力を集め、光線を放とうとした。しかし、
「いけませんね・・・アルマ・・・」
アベルが戒道と同じような赤い光を纏い、左手を戒道へ向けかざすと同時に、戒道の動きが止まる。
「か・・・体が・・・」
体から赤い光が消え、戒道はゆっくりと床へと落下した。
「生みの親である私に逆らうなんて・・・悪い子ですね、アルマ・・・」
アベルは悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「なにを・・・する気だ・・・」
「悪い子には・・・少しお仕置きが必要ですね・・・」
そう言うと、アベルは、自分の顔を戒道の顔に近付けた。
「な・・・なにを・・・!」
アベルはそのまま顔を近付け、静かに唇と唇を重ねた。
「んっ・・・」
数秒間軽いキスをした後、アベルはそのまま戒道の口内に舌を進入させ、舌と舌を絡ませる。
「んっ・・・んんっ・・・」
戒道は必死にアベルを引き剥そうとするが、先ほどのように動きを封じられ、されるがままとなっている。
性体験はもちろん、普通のキスすらしたことのない戒道にとって、今まで感じたことのない快感に襲われ、息が荒くなり、目も虚ろになってきている。
「ん・・・」
アベルは戒道から唇を離し、背中に手を回す。
「はあっ・・・はあっ・・・」
「どうしました、アルマ? まだまだお仕置きはこれからですよ・・・」
背中側にあるチャックを下ろし、そのままゆっくりと戒道の体から服を脱がせる。
首から足まで全て一体となっているその服が無くなり、戒道の体を覆うものはパンツ一枚だけとなる。
「やめろ・・・やめてくれ・・・」
「かわいいですよ・・・アルマ」
目に涙を溜めながら訴える戒道の言葉も聞かずに、アベルは胸や乳首をその小さな口と舌で愛撫する。
まるでその喘ぎ声を楽しむかのように。
「あうう・・・はああっ・・・」
「さて、次はこっちですね・・・」
パンツを完全に固くなっているペニスを撫でながら脱がせ、戒道は一糸纏わぬ姿になった。
「おやおや・・・よほど感じていたんですね・・・もうこんなに溢れてますよ・・・」
アベルの度重なる愛撫により、戒道はもはや限界状態だった。
「今楽にしてあげます・・・」
アベルは戒道のペニスをくわえ、その先端をなめる。と、同時に、アベルの口内に勢いよく精液が放出される。
精液が喉の奥に入り込み、苦しくなったのか、アベルは一旦口を離した。
「げほっ・・・げほっ・・・」
「あ・・・ああ・・・」
戒道の心は、屈辱と羞恥、そして快感でいっぱいになり、悔しさや恥ずかしさで声も出ない状態になっていた。
「そうです・・・もっと、もっと出して下さい、アルマ・・・」
些かも衰えていないペニスを再びくわえると、ゆっくりと顔全体を上下に動かす。
「うああああっ!」
戒道は今までに味わったことのない快感の前に、もはやまともに考えることもできず、ただアベルに身を委ねるのみとなっていた。
そして、数秒後、再びアベルの口内に精液が発射された。
「けほっ・・・さすがに早い・・・よほど溜まってたんですね・・・アルマ・・・」
そして、自らの体を覆う一枚の布を脱ぎ捨て、彼女もまた、一糸纏わぬ姿となる。
「そろそろ終わりにしましょう・・・」
そう言うと、アベルは戒道のペニスに自らの秘部をあてがい、そのまま腰を下ろした。
「はああああん・・・アルマぁ・・・」
「うう・・・」
アベルは恍惚とした表情で、アベルの玩具同然となった戒道を見下ろす。
「いきますよ・・・アルマ・・・」
その言葉と共に腰を上下させる。
「はあっ、はあっ、いいですよ、アルマ!」
「ああああ・・・気持ちいい・・・」
お互いのペニスが擦れる淫らな音と、喘ぎ声のみが無気質な空間に響く。
そして、暫くし、二人にほぼ同時に限界が迫る。
「ああっ、アルマ・・・もう・・・私・・・」
「うわあああっ!」
二人は同時に絶頂を迎えた。
戒道はそのまま気絶し、アベルは暫くその余韻に浸っていた。
そして、アベルは戒道のペニスを引き抜くと、気絶している戒道に軽くキスをした。
「・・・・・・・・・ふう・・・」
「おやおや、アベルともあろうお人が、こんな坊やにお熱とはねえ・・・」
「誰です?」
突如天井から声がした。
既に冷静さを取り戻していたアベル、取り乱すこともなく声のした方向を向いた。
「フフフッ、その坊や、苛め甲斐がありそうねぇ・・・」
「ピルナス・・・!」
そこにいたのは、ハチのような羽根と針を持つ女性のような風貌をしたソール11遊星主の1人、ピルナスだった。
「姿が見えないからどこにいるかと思えば・・・フフッ」
「アルマが私に逆らうようなので、お仕置きをしたまでです」
「お仕置き・・・ねえ・・・私に任せてくれれば、もう少し面白くなったでしょうに・・・」
ピルナスは戒道の方を見て、舌なめずりをしながら言った。
「あなたがやれば、アルマを傷つけていたでしょう?
これ以上傷つけば、生体コンピューターとしての運用に支障をきたしかねません。
それではアルマを捕らえた意味が無くなってしまいます」
「わかっているわ・・・それに、今は相手をしなきゃならない娘もいるしね・・・」
「そのとおりです。それに・・・」
アベルの表情がより真剣になる。
「ええ・・・そろそろ来るころかしら・・・あれくらいで音を上げちゃあダメですものねえ・・・子猫ちゃん・・・」
「私はアルマをここに組み込んでから向かいます・・・」
「わかったわ・・・まあ、私やピア・デケムだけで十分でしょうけど・・・」
言い終わると共に、ピルナスはその場から姿を消した。
「さて・・・アルマ・・・私のためにその力・・・存分に使って下さい・・・あなたがいるべき場所は、創造主であるこの私の側だけなんですから・・・」
アベルは、戒道を抱き抱え、静かにそう呟いた。
FINAL5巻に続く