「そうやったん、悦ねぇったら随分と大胆やねぇ………」  
白い肌に馬鹿に黒髪が映えて見える少女は  
熱心に話しに耳を傾けていた。  
自慢の黒髪を指で弄び微笑むその姿は美少女と言う言葉が良く似合う。  
「でっ、どうやった?良かったやろ?」  
少女は意味深な笑みを浮かべるとまた微笑んだ。  
電話口からは少女の動揺した声が聞こえる。  
上ずった声から想像するに少女はかなり動揺しているのだろう。  
少女は満足気に微笑む。  
「良かったんやろ?悦ねぇ」  
電話口から少女の声が消えた。  
少女は気に留める風でもなく話を続ける。  
「なぁっ…良かったんやろ?悦ねぇ?隠す事ないんよ?別に恥ずかしい事やないけん」  
甘い声で少女は囁く。  
まるで、少女が目の前にいるかの様に甘く優しく語り掛ける。  
電話口の少女は観念したのだろう。  
消え入りそうな声で  
「良かった………」  
と一言だけ呟いた。  
少女の瞳が怪しく光る。  
「可愛い悦ねぇ………」  
「えっ??ヒメっ?!今、なんていっ──あっ、キャッチ、ヒメ、じゃぁ、また今度電話するけんね」  
そう口早に言うと電話口の少女は電話を切ってしまった。  
少女は顔をしかめつつもちらりと携帯の画面に目をやった。  
携帯の画面には少女の彼氏の名前が映し出されている。  
もっとも彼氏なのか、友達なのか、はたまた、下僕なのかは  
少女自身知るよしもない。  
気がついたら付き合ってました。  
ただ、それだけだ。  
少女は深い溜め息をつくと電話に出た。  
 
「どうしたんですか?部長さん」  
少女は悪びれもなしにそう冷たく言い放つ。  
部長さんと呼ばれた青年の体が強張るのが分かる。  
可愛そうに青年は未だ名前では呼んでもらえず部長さんと  
呼ばれている。  
これじゃぁ、付き合う前となんら変わりはない。  
可愛そうにのう………二人の特殊な関係を知る数少ない友人の一人は  
二人を暖かく見守りつつもそう複雑な心境を漏らす。  
太っていて体格の良い彼は性格も穏やかで  
部員の人気者であった。  
男子部員に隠れて女子ボート部を助けたりと  
男子だけでなく女子部員にも評判は良い。  
特に安田とは親友と言っても言いぐらい仲が言いのだ。  
そんな親友に彼女が出来た時彼はまるで自分の事に様に喜んだ。  
と同時に複雑な思いを抱くのに時間はかからなかった。  
「いや……その、鍵を忘れてしもうてな。開けてくれんか?」  
本来、地方からの学生の殆んどは寮に入る。  
敦子とて例外ではなかった。  
寮と言えば聞こえは良いが実際は共同生活の上に  
門限などの規則。  
寮費自体は安いのだが、やはり、寮生の本音は  
お金を工面出きるなら一刻も早く寮を出たい。  
この一言に尽きるだろう。  
共同生活は何かと気を使う。  
慣れれば平気と強がる学生もいるがやはり、一人になりたい時もある。  
実際、敦子だって最初の一ヶ月は良かったものの  
段々と嫌気が差してきたのだった。  
そんな敦子に手を差し伸べたのが安田だった。  
誤解しないでもらいたいが彼等は付き合っているのである。  
付き合っている男の家に一緒に住むと言うのは  
自然な事だしなんら不思議な事はない。  
そう彼等のある事さえを除けばの話だが………  
 
「分かりました。すぐ開けますけん」  
敦子も今日は収穫があったので機嫌が良いのだろう。  
鼻歌を歌いながら玄関へと走った。  
敦子みたいな大人しく内気な女性に多いのだが  
彼女達の中には外と家とではまったく違う顔を見せる事も珍しくない。  
それだけ安心して自分を出し切ってるって事やろ?と  
安田は内心喜んでいる。  
まぁ、彼の言う事は間違ってはいない。  
現に敦子だって安心して彼に素を見せているのである。  
「いやぁ。助かった。今日も頑張って働いたけん。くたくたや」  
ドアを開けるなり安田はそう言いながら部屋へと急いだ。  
「ふぅ〜あぁー生き返るのう………」  
部屋はクーラーが効いていてとても涼しい。  
安田は冷たい感触が気持ち良いフローリングの床にごろんと床になった。  
敦子はそんな安田を見て何か考えている様だった。  
丸い瞳は爛々と輝きを増し  
物欲しそうに濡れて光る唇。  
敦子は安田の元へゆっくりと歩み寄る。  
そして、おもむろに彼に跨った。  
 
「なっ、なか、中崎?!な、ど、どうしたんじゃ?」  
「何って『なに』をするんですよ」  
動揺する安田をよそに敦子の手はチャックへと伸びる。  
「なっ、ちょっ、ま、待て。俺、シャワー浴びるけん!!!」  
「良いですよ。そんなの」  
敦子はチャックを降ろすとトランクスの上から安田の分身を触った。  
「うぁ……中崎ぃ……」  
「部長のここ。もうこんなになってますよ?」  
敦子はわざと焦らす様に触る。  
直接触れないでトランクスの上からそれを弄ぶ。  
しばらくすると、トランクスに何やら液体が染み出してきた。  
敦子はそれを見つけると嬉しそうに笑った。  
「部長さん?止めて良いんですか?止めて良いんなら止めますけん」  
意地悪そうに笑う敦子は安田の目にどう映っているのだろうか。  
「つっ……止めんでくれ…中崎……」  
「分かりました。続けて良いんですね?」  
敦子の問いに安田は力なく頷く。  
そんな安田の様子に敦子は満足そうに笑みを湛える。  
「続けますけん。頑張って下さいね?部長さん」  
敦子はそう言いおえると同時に安田のモノをぎゅっと強く握った。  
「?!」  
安田の体に緊張が走る。  
 
「冗談ですよ。冗談」  
くすくすと楽しそうに笑う敦子の顔に罪悪の色は見えない。  
彼女は安田に唇にキスをすると大胆にも舌をこじ入れた。  
「んっ………」  
くちゅくちゅと舌が絡み合う音が聞こえる。  
舌を絡み合わせている間にも敦子の手は安田を握って離さない。  
左手は安田の首に手を回し  
右手で安田自身を刺激し続ける。  
亀頭をくりゅくりゅと指で刺激するのに  
飽きると鈴口から染みているそれを手に取り  
纏わりつかせると一気に竿を扱きたてる。  
安田の顔に焦りの色が見え隠れする。  
敦子はそんな安田の様子を感じ取ると  
しごく速度を速めた。  
しゅっしゅっとテンポ良くリズムを刻んでいく。  
旋律が奏でられる度に安田は快楽の海へと追い込まれる。  
「つっ…?!な、中崎ぃ!!もう…駄目や──」  
唇を離すと安田は欲望を吐き出した。  
びゅくびゅくとそれは勢いよく溢れ出し  
敦子の手を白く染めていく。  
敦子はそれを手に取ると口元に持っていき  
おもむろにそれをぺロリとひと嘗めした。  
「す、すまん。中崎、今、タオル持ってくるけん!!!」  
慌てて立ち上がりタオルを取ってこようとした安田の  
手を敦子が止めた。  
「部長さん。そんな事よりも………」  
安田の手を引っ張り床に座らせると敦子は  
ソファに手をつき着ているキャミソールタイプのワンピースの裾を  
おもむろに捲くりあげた。  
白い肌に似合う。黒いワンピースだ。  
ワンピースの下には上下お揃いの黒の水玉模様の  
下着を纏っている。  
ショッキングピンクのフリルのそれは  
敦子の一番のお気に入りだ。  
それだけでも安田には刺激が強いと言うのに  
幸か不幸かショーツには敦子の期待がたっぷりと染みていた。  
「な、中崎!!!」  
安田は敦子のショーツを剥ぎ取ると己の欲望を濡れて怪しく光る  
淫口にそれを突き立てた。  
「あぁ…恭一さん……ええよ……」  
敦子は行為の時だけ安田の事を恭一さんと呼ぶ。  
ただ、それも敦子の気まぐれでまったく呼ばない時もあれば  
恭一さん、恭一さんと甘えた声でねだる時もある。  
 
安田としては普段から出来れば毎回、その時に呼んで欲しいのだが  
彼がその旨を敦子に伝えた事はない。  
そんな敦子の気まぐれもひっくるめて彼は敦子が愛おしいのだ。  
それだけ彼は敦子に惚れきっている。  
親友の人の良い彼に愚痴をこぼす時もあるものの  
それは本気ではない。  
人の良い彼は真に受けてあーでもない。  
こーでもないと一人悩んでは眠れない日々を過ごし  
大好物のご飯さえも喉を通らない時だってあるらしい。  
二人の特殊な関係を知ってから十キロ痩せたとか  
痩せないとか。  
「あぁっ……中崎ぃ……ええぞ。凄くええ」  
獣の様に安田は腰を突き入れ動かす。  
敦子はこうされるのがたまらなく好きなのだ。  
欲望が出し入れされる度に敦子の華壷は悦びの涙を流す。  
ゆっくりと愛を語らうセックスも嫌いではないが  
敦子はそうしたセックスより激しい方が好きらしい。  
人は見かけによらない。  
まさに敦子の為に存在してる様な言葉だ。  
「あっ…いやぁん─あんっ!!恭一さん…ええんよぉ……」  
華壷からとめどなく溢れる泉は敦子の快感の深さを物語っている。  
気づくと敦子自身も腰を積極的に振り快楽を貪っている。  
安田は離れない様に強く敦子の丸い桃の様な尻を掴む。  
「あっ──はぁん!!恭一さぁん……私もう………」  
限界が近いのだろう。  
敦子は切なげにそう言葉をもらす。  
 
「くっ……中崎ぃ!!俺もや……一緒にいこうな?」  
安田はありったけ強く腰を打ち突けると  
同時に花芯を軽く摘んだ。  
「あぁ──いっ、あぁん!!恭一さぁん!!!」  
「中崎ぃ……愛しとるぞ!!!」  
白く濁ったそれで華壷は満たされていく。  
「あっ、す、すまん。中崎、つい気持うようて中に出してしもうたけん………」  
安田は慌てて自身を抜くと床に額をつけ土下座した。  
「嫌です。許しません。部長さんなんか嫌いですけん」  
ぷいっとそっぽを向く敦子に安田の焦りはますます大きくなる。  
「な、中崎!!!俺はお前を愛しとるけん。神に…いや、ボートに誓ってもええ」  
「ボートに?」  
「あぁ、ボートの神様に誓うけん。ほら、篠村が持ってきたとか言っとって大事にしとったあの人形──」  
「豚神様の事ですか?」  
「そ、そう。それや。豚神様に誓うけん。俺はお前を愛しとる。やから、俺と結婚してくれ!!頼む!!!」  
「結婚?」  
「そうや。絶対中崎だけを愛しぬくから幸せにするから………やから───?!」  
ふいに敦子が安田にキスをした。  
軽く優しいキス。  
安田は驚いて目を見開く。  
敦子が安田の耳元に囁く。  
「今日は安全日ですけん。大丈夫です。私も部長さんを愛しとりますけん」  
安田は一瞬、ほっと胸を撫で下ろした。  
がっ、敦子が最後に口にした言葉で安田青年の  
胸が乱されるのに時間はかからなかった。  
「な、中崎……も、も、もう一度言ってくれんか?」  
敦子はそんな安田の言葉を聞き流すと  
「あっ、部長さん。汗かいたんでお風呂に入りたくないですか?」  
そうあっさりと満面の笑顔で言った。  
「よっしゃ、風呂やな。待ってろ、中崎、今、沸かしてくるけん」  
現金なもので敦子に微笑まれれば彼は何でもしてしまうのだ。  
己の要望に答えてない事など彼にはどうでも良い事だった。  
急ぎ足で浴室に向かう安田の背に  
「恭一さん……私も本当にあなたを愛しとりますけん」  
敦子がそう囁いたか  
囁かないかを知るは豚神様のみだ。  
 
 
 
「なぁっ……安田よ。俺、考えたんやけどな……」  
いつもにこにこと笑みを絶やさない彼の顔が  
珍しく今日は暗く曇ったままだ。  
安田は話を聞いているんだかいないんだか  
一人お花畑にいる。  
へらへらと薄ら笑いを浮かべ  
中崎愛しとる……と口走っている。  
彼の溜め息が漏れた。  
「やっぱり、今のままじゃいかんと思うけんね」  
「えっ?何がじゃ?」  
能天気にそう返事を返す安田に彼はまた溜め息を漏らしそうになった。  
が、そこは彼も男である。  
決める時は決める。  
「お前と中崎の事なんだが──」  
「あぁ。それか。解決したぞ」  
「あぁ…それは良かったのう……これで俺も安心──」  
彼がアイスコーヒーに手を伸ばし  
水分を補給しようとした時だった。  
「てっ、ま、待て、安田。今の言葉をもう一回言ってくれんか?」  
「せやから、解決したけん」  
彼の顔が驚きに包まれる。  
だが、安田の表情を見てみると実に明るい。  
いつもなら「中崎ぃ…俺はこんなに愛しとるのに……」とこぼす愚痴も  
今日は一言も聞こえてこない。  
「そうか……良かったな……」  
彼の瞳にうっすらと涙が滲む。  
「中崎が私も愛しとりますけんって言うてくれたんじゃ」  
「そうか。安田、何回も言うが本当に──」  
「でな、中崎ときたらな。本当に可愛ええんよ。あのおっとりした性格、可愛らしい顔に隠された………」  
「………………」  
人の良い彼にまた悩みが増えたのは言うまでもなかった。  
 
 
 

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