「しかし、今日も頑張ったなぁ…なんや、お腹空いてきたわ…」
「あ、あたしも!!一生懸命、声出ししたけん!!お腹減ったんよ〜」
部活が終わって、みんなで着替えてる時やった。
イモッチとヒメの二人は、口を揃えて不平をもらした。
食いしんぼうの二人らしく、彼女達はいつも、部活が終わった後に
決まって、こんな事を言い出す。
いわゆる、お約束の台詞ってやつやね。
二人の横で、リーが深い溜息をついた。
これも、いつもの事やった。
「なんやの、あんたら二人揃ってだらしな………あっ、その、あの、なんや…き、今日も疲れたなぁ!!」
だらしないな!!
そう、いつもの台詞をリーが言う前に、ぐーっと大きな音がなった。
イモッチとヒメは一瞬、何が起こったのか分からんかったみたいやった。
音の正体に気づいた二人は、なんや、にやにやしだしたんよ。
「なんや、リーもお腹空いてるんやないの?」
「そうや、そうや、素直になり、お腹空いてるんやろ〜?」
「違うわ!!いまのは、あれや、その、き、気のせいや!!気のせい!!疲れてるから、筋肉が痙攣したんよ!!」
リーは、顔を真っ赤にして、訳の分からない言い訳をしとる。
そんな、リーの様子にイモッチとヒメは顔を合わせて笑った。
いつもと、変わらない三人のやり取りを見て
私もつられて笑っとった。
「なぁ、なぁ、これからメルボルン行かへんか?」
「賛成〜!!!」
「な、ちょ、ま、うちら、来年が最後の大会なるんよ!!!そんな余裕ある訳ないやろ!!…なっ、ダッコ?あんたも、そう思うやろ?」
リーは、隣にいるダッコに助けを求めとるみたいやった。
いつもと、変わらない展開に私は、笑いを堪えるんで必死やった。
みんな、変わってへんなぁ…
イモッチも、ヒメも、リーも、ダッコも変わっとらん。
変わったんは、私だけや…
「ええんやないの?たまには、休みも必要やろ?それに………」
ダッコは、リーの頬を両手で覆った。
なんや、これ、もしかして…もしかすると、あれなんやろか?
ダッコと私が初めて会った時の………
「な、なんやの?」
「あんたもお腹空いてるんやろ?」
ダッコは、そう言うと、リーの頬をぎゅっと潰した。
悔しそうに、眉間に皴を寄せるリーを見て
ダッコは、にやっと歯を出して笑った。
そんな、二人の様子を見とると最初、あんなに仲が悪かったのが信じられん位や。
人の事、言えんけど二人共気が強いけん。
やから、こんなに仲良くなるとは私も思ってなかったんよ。
喧嘩するほど仲が良いってこういう事を言うんやろね。
「え、え、悦ねぇはどう思うん?」
私の見方やろ?よ言いたげな顔のリー
もちろん、私の答えもいつも通りやった。
「ええんやないの?ダッコの言う通りや。たまには、休むのも必要やと思うよ」
「やったー!!決まりやね!!」
「決まったら、善は急げやね!!国語の先生が言っとったよ!!」
イモッチとヒメの二人は、楽しそうに笑いながら両手を取り合った。
そんな、二人を見て、リーは、また、溜息をついた。
「あーもう…しょうがないなぁ…今日だけやで!!」
リーも腹減っとる癖に………
リーの意地っ張り………
まっ、そんな意地っ張りなとこがリーの良いところやと思うんやけどね…
「あれっ?悦ねぇは行かんの?」
鞄を持とうともせず、ぼーっと立っていた私の顔をヒメが覗き込んだ。
や、やばい………
な、な、何て言い訳すればええんやろか………
普段は、おっとりしてるヒメやけど
なんや、知らんけど、こういう時のヒメはやたらと鋭いけん。
「えっ、あ、わ、私、ちょっと用事があるんよ。せやから、今日は行けん。ごめん」
習い事も、バイトもしてないのに何の用事があるんよ!!
自分で、言うのもなんやけど、もうちょっと上手い言い訳が思いついてもええ筈や。
ええ筈なんやけど…私には、これが精一杯の言い訳やけん………
お願い、ヒメ、あんま、突っ込まんといてや………
「えー、悦ねぇ行かんのー!!てっきり、行くもんやと思っとったのに………」
リーが、恨めしそうに私の方を見て口を尖らせる。
「なんでや、行こうや〜悦ねぇ〜!!!」
「そうやぁ、悦ねぇがおらんと…なんや、うちら、寂しいんよ…やから、行こうや〜!!」
ヒメとイモッチも恨めしそうに私を見つめとる。
額に脂汗が流れてくるのが分かった。
「え、えっと、その、あの………」
気がついたら、私は三人に壁際まで追い込まれとった。
三人の真剣な眼差しに私は、どうしてええか分からんかった。
で、でも、本当の事を言うわけにはいかん!!
絶対に、死んでも………
言うわけにはいかん。
「もう、止めとき!!!」
ダッコの大きな声が部室中に響いた。
私達は、驚いてダッコの方を見た。
腕を組み、目をきつくし、私達の方を見とる。
不謹慎かも知れんけど、こうして見るとやっぱり、ダッコは美人さんなんやな………
凛としたその表情は、例える物が思い浮かばんぐらい怖くもあり、綺麗やな………と思った。
「ダッコ………」
「悦ねぇには、悦ねぇの事情があるんやろ?仕方がないやんか?ほんとは、悦ねぇだって行きたいと違うん?
でも、用事があるなら仕方がないやろ。私達の我儘につき合わしたらいかんよ。
ほんとは、うちだって悦ねぇおらんと寂しいけど…
しょうがないやろ。だから、うちら、四人で行こうや!!なっ、それで、ええやろ!!!」
ダッコが最後にぼそっと小さな声で、悦ねぇがおらんと寂しいのはみんな、同じや………と
言ったのが聞こえた。
そんな、ダッコを見てたら胸が締め付けられる思いがした。
ダッコ、ごめんな…
ほんと、ごめんな………
辛い思いさして………
「で、でも………」
「やっぱり、悦ねぇがおらんと………」
「何や、寂しい………」
ダッコに怒られた、リー、ヒメ、イモッチは親に怒られた子供の様に
小さくなって、ダッコの方を見た。
普段なら、こういう役をするんはダッコやなくてリーやのに…
なんや、今日のリーはいつもの、リーと違って子供ぽく見えた。
こういうリーも可愛ええな………なんて、思っとる場合やない。
「分かった、今日は私の奢りや!!これなら、ええやろ??」
ダッコは、私の方を見るとぱちっとウィンクをしてきた。
さっきまでの、怒った顔とは打って変わって
優しい穏やかな顔つき
胸の鼓動が早うなるのが分かった。
な、なんや、調子狂うわ。
女同士やのに………
「えっ、マジか?!ダッコ!!!」
「ダッコ、大好きやー!!!」
「そ、そう言う事ならしゃぁないな………」
やっぱ、リーはリーやな………
ほんとは、嬉しい癖に………
でも、素直やない意地っ張りのリーが好きやからええけどな………
「さ、そうは決まったら善は急げやな!!誰が先にメルボルンに着くか競争や!!さっ、よーい………」
ダッコがちらっと、私の方を見た。
分かっとるよ、ダッコ
「あ、ちょ、ちょっと、ま、待ってや、ダッ………」
「ドン!!!」
ぱちんっと手を叩き、大きな声を出すと
四人は一斉に走り出した。
「あっ、悦ねぇ………」
途中、ダッコ立ち止まり、振り返って私の方を見た。
「うん?何や、ダッコ???」
ダッコは、何か言いたげな顔をしとった。
「ううん、何でもないんよ。じゃっ、また、明日な…!!!」
「うん、また、明日な!!!」
ダッコは、別れの言葉を口にすると走って行ってしまいよった。
ダッコは言葉の続きを言わんかった。
ほんとは、引き止めて聞きたかったんやけど、止めた。
ダッコには、ダッコの事情があるんやろう…
そう思った。
「みんな、ごめんな…ほんと、ごめん………」
みんながいなくなった部室は、なんや、さっきまで、賑やかだったのが嘘みたいに
静かで、寂しくて…
自分一人だけ、取り残されとるような気がした。
なんや、私らしくない………
──ガチャっとドアの開く音がした。
ドアの方に目を向けると、そこには、今、一番会いたくない人物が立っとった。
部活の最中、中田三郎が私に目配せをする…
それが、うちらの合図になったんや。
「中田三郎………」
いつもの事や
自分に強く言い聞かせる。
いつもの事や
やから、辛い事なんか一個もない。
「待たしたか…?」
「えっ、あっ、べ、別に………んっ………」
待ってない…
その言葉を告げる前に塞がれた唇
舌は強引に、口内に割って入ると荒々しく舌を絡ませてきた。
「んっ…んんっ!!んっ………」
舌と舌とが絡み合って
なんや、脳味噌が溶けてしまうんやないやろか…?
そんな、錯覚を覚えた。
中田三郎はスカートの中に手を入れると
ショーツの上からそこを愛撫しだした。
すっ、すっ、とショーツの上から強くそこを擦られる。
それだけで、達しそうになってしまう…
ショーツが段々と、湿り気を帯びていくのが自分でも分かった。
指で擦られる度に、そこはイヤラシイ液体が溢れ出し
ぬちゃぬちゃと音がする様になった。
「んっ…ん─んっ!!!んっ………」
あまりの気持ち良さに膝に力が入らなくなって
がくがくと震えだす。
もう、少しでいける…
そう思った、その時やった。
中田三郎が指と唇を離してしまった。
「やっ…中田三郎…なんでぇ…?」
あと少しやったのに…
あと少しでいけるとこやったのに…
中田三郎を見つめる目に熱が篭るのが分かった。
たぶん、今の自分はとんでもなくイヤラシイ眼つきになっているんやろうな…
「欲しいんか?なんや、やらしいやっちゃのう…」
私を見下ろす、中田三郎の眼はひどく冷めとった。
その眼に、屈辱感を覚えたんは最初のうちだけやった。
中田三郎の手が太腿を優しく撫でていく。
手は、太腿から内腿を進み
ショーツに触れるか、触れない
ギリギリの線をなぞっていく。
その刺激だけで達しそうになる。
「あっ、あぁっ…そんな事…言わんといてや………」
気持ち良さのせいなんやろか?
頭がボーっとして、ろれつが回らなくなり
舌足らずな声になってしまう。
「欲しいんやったら、自分でパンツ脱ぎ!!!それで、壁に手を付くんや!!!」
「わ、分かったけん…」
もう、私に羞恥心なんてもんは存在せんかった。
あるんは、早く良うなりたい。
中田三郎にひどい事されて、虐められたい………
それだけやった。
ショーツを脱ぎ捨てると、中田三郎の言う通り壁に手を付いた。
嫌でも、私の恥かしいところが丸見えになってしまう格好…
見られとる…中田三郎に…私の恥かしいところ………
自分の意思とは関係なく、そこから蜜が流れ落ちていくんが分かった。
「いやらしいのう…こないにひくつかせて………」
中田三郎はそう言うと
あろう事か
私のそこに息を吹きかけてきた。
「んっ…!!!」
生温かい空気に、触れたそこが
ひくひくと、ひくついとるんが分かった。
目から、大粒の涙が零れ落ちていった。
それが、悔し涙なんか、悲し涙なんか
分からんけど
少なくとも、嬉し涙やないんは分かっとった。
「やぁっ…中田三郎…早う…おねが………」
涙を流しながら、中田三郎にお願いをする自分の姿は
惨めったらしいと思う。
やけど、体が…言う事聞かん…
ほんとは、こんな事言いたくない!!!
ちっとも、言いとうない!!!
やけど…口をついて出るんは中田三郎にすがり付くような言葉ばかりや…
「ええよ、あげたるわ」
ガチャガチャと、ベルトを外す音がした。
ベルトを外す音は、恐怖である同時に気持ちようさせてくれる合図の音でもある。
自分でも、認めとうないんは山々やけど…
それを、待ち望んでいる自分がおる…
「ああっ!!んっ─あっ─あぁっ─!!んっ、はぁっ─」
待ち望んでいたものが、私のそこに突き入れられた。
イヤラシイ汁で溢れた私のそこは、簡単に中田三郎を受け入れてしまった。
熱く、固い、それは、私の全てを溶かしてしまうかのようやった。
「あっ─んっ─はぁっ─なか、た、さぶろ…あっ、あぁっ!!!」
中田三郎は腰を淡々と打ち付けてきよる。
快楽から逃げようにも腰を固定されて動こうに動けん。
ぱんぱんと、乾いた音が部室中に響きよる。
その音は、私と中田三郎が繋がっている良い証拠でもあった。
他の事を考えて気を紛らそうとしても、すぐ現実に引き戻される…
この乾いた音が嫌いやった。
腰は固定していた、手を片方離しもう、片方の手を胸に持っていくんが分かった。
「やぁっ!!!そ、それ、ダメや!!!んっ…んんっ!!!」
中田三郎は器用に左手で腰を支えると、右手で胸を弄り始めてきおった。
急に与えられた強い刺激は、気が狂いそうな位気持ちよくて…
自然と腰が動いてしまう………
自分で、腰なんか振って………はしたない………
「自分で腰動かしおって………イヤラシイやっちゃのう………」
中田三郎はそう言うと、胸を愛撫しとった手を尻の方に持っていった。
イヤラシイやっちゃのう…
その言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡る。
いつからなんやろか…中田三郎にこうされるんが楽しみになったんは…
いつからなんやろか…中田三郎が変わってしまったんは…
「んっ…はぁっ─やぁっ─叩かんといてよぉ………」
中田三郎が私の尻をぺちぺちと叩いてきよった。
叩かれる度に、じんじんと中に振動が伝わってきよって
痛いんだが、気持ち良いんだが分からん………
でも、もっと、叩いて欲しい…そう思ってしもうた…
「嘘吐きさんやのう、こないに俺を締めつけとる癖に………」
中田三郎は、耳元でそう囁くと私の良いところをついてきよった。
「うっ─はぁっ─やっ─あっ─やめっ…んっ!!!」
段々と腰を打ち付ける速さが増していくんが分かった。
私も、もう、限界やった。
「嘘吐きさんにはお仕置きや………」
中田三郎が深く、腰を突き上げたと同時に精を放ったんが分かった。
もちろん、逃げれないように…腰は固定されて………
「いやぁ…いややぁ…あっ、いややぁ!!!」
分かっとった。
分かっとった。
やけど、悔しかった…
私の中が中田三郎で満たされるんが悔しくて、悲しくて………
どうしようもなかった…
ブー…ごめんな………
私、汚れとるけん………