「やぁっ…中田三郎…おねが、見んといてぇ…」  
悦子の大きな瞳からぽろぽろと涙が零れ落ちる。  
瞳を涙で滲ませて力の入らない体で  
己に懇願する悦子の姿を見て三郎は激しい興奮を覚えた。  
(こないに濡らして…関野にも見せてやりたいのう…悦ねぇはスケベな淫乱ちゃんやぞってな…)  
 
「駄目や、中田先生がしっかり見てやるからの、言う事聞き!!!」  
三郎は割れ目からぴょこっと顔を出している陰核を指でぴんと弾いた。  
指で弾くと蜜壷からは嬉しそうに蜜が出てくる。  
(クリちゃん大きくしといて、何が嫌なんだか…まっ、そのうち素直にさせるから、ええか…)  
「あっ、ひぁん!!!やぁっ…中田三郎、やめっ…やぁっ─!!」  
三郎は蜜壷から、蜜を掬い取るとそれを陰核に擦り付けた。  
陰核を丸くなぞる様にゆっくると指を動かしていく。  
(ゆっくりでええ…ゆっくり教え込んだるわ…俺が一番やってな…)  
 
三郎は陰核の頂を触ろうとはしなかった。  
代わりに、陰核の横の部分を指で強く押したり小突いたりした。  
指が陰核に触れる度に悦子の体は己の意思とは関係なく  
床に蜜を垂らしていった。  
三郎を見つめる眼差しも、嫌悪に満ちたものから  
懇願するような眼差しに変わっていた。  
そこ、じゃぁのうて、ここ触ってや…お願いや…中田三郎…  
そう言っているかのようだった。  
だが、三郎はそれに答える事なく相変わらず頂きを触ろうとはしなかった。  
(もう、ええやろか?あまり、虐めても可哀相やしのう…虐めてるんは俺やけどな)  
 
「う〜ん、おかしいなぁ…ちっとも取れへんのう…あれっ?悦ねぇ、どうかしたんか?  
そないに、息荒くして…疲れたんか?よし、ほなら、止めるか…無理させとうないしのう…」  
三郎は、さも心配だから止めるんだと言わんばかりの口ぶりで悦子の顔を覗き込む。  
赤く染まった頬、涙で滲んでいる瞳、乱れた呼吸  
答えは明らかだった。  
「やぁっ…おねが、止めんといてぇ…お願いや………」  
今の悦子にはもう、羞恥心などなかなった。  
あるのは、淫らな欲望一つだけだった。  
イキタイ、イカセテ欲しい。  
ただ、それだけだった。  
 
潤んだ瞳で女にお願いされて断る男などいない。  
無意識だろうが  
上目遣いに三郎を見つめる悦子のそれは、自殺行為に等しかった。  
今、悦子に目の前にいる三郎は悦子が知っている三郎ではない。  
悦子の知っている優しい中田三郎ではないのだ。  
今の三郎を例えて言うならば、欲望に忠実な雄狼と言ったところだろう。  
いや、悦子の知っている優しい三郎など初めからいなかったのかも知れない。  
不器用な彼は、こういう形でしか悦子に愛情を伝えられないだけなのかも知れない。  
もう二度と、傷つきたくない、失いたくない、置いて行かれるのは嫌だ。  
昔の失恋が三郎を変えてしまったのだろう。  
三郎は悦子を失う事を極端に恐れていた。  
悦子の瞳が他の者を映すのを見ては嘆いた。  
それが、浩之だろうと、多恵子達だろうと  
関係なかった。  
浩之や多恵子達と楽しそうに話を交わす  
悦子の姿は三郎の心を闇で覆い尽していった。  
時には、ボートにさえも嫉妬していた。  
──自分らしくないのは分かっとる  
──でも、止まらないんや。この気持ち…抑えきれないんや  
来る日も来る日も、考えていた。  
三郎を変えたのは、さゆりでもなく、ボートでもなく  
もしかして、悦子だったのかも知れない。  
悦子を失いたくない一心で、こんな卑劣な行為に及んでいるのかも知れない。  
純粋な為に欲望を実現させただけなのかも知れない。  
純粋だから  
失いたくない気持ちが強すぎたから  
自分の物にしただけなのかも知れない。  
彼は誰よりも純粋だったから  
純粋ゆえに、暴走してしまった。  
ただ、それだけの話だ。  
 
「続けて欲しいんか?ほんなら、俺の頼みも聞いてくれるか?」  
三郎は悦子の額にキスをした。  
優しい口調で悦子に語りかける様子は  
とても、残酷だった。  
狼に捕らえられた哀れな子羊様に…  
悦子は三郎の問いに力なく頷いた。  
「そうか、なら話は早いな。単刀直入に言うぞ。悦ねぇは今日から俺のもんやぞ。ええな?」  
三郎は言葉を言い終えると同時に陰核の頂を強く摘むと軽く引っ張った。  
引っ張られた瞬間、悦子の体がびくびくと小刻みに震えた。  
唇の端からは、涎が垂れ  
蜜壷からは悦子が満足した証が流れ落ちた。  
(あぁ…こないに蜜を垂らしよってからに…どこまで、スケベやねんな…)  
 
「ふぁっ?!あっ─あぁ!!!あぁ…はっ─あっ─中田三郎…な、なに、言って………」  
達した余韻だろうか  
悦子は、舌足らずな声で三郎の名前を呼ぶ。  
三郎の言った事が理解できないと言った様子で  
三郎をじっと見つめていた。  
己を、じっと見つめる悦子の眼差しに  
視線を逸らす事なく三郎は淡々とした口調で話を続けた。  
(それでええ…俺だけを映してればええ…その大きな瞳に俺だけを映してればええんや…)  
 
「何って?まだ、分からんのか?相変わらず鈍いのう…まっ、悦ねぇらしくてええけどなぁ。  
あっ、嫌やって言うのは無しな?大丈夫や、ええ子にしてれば悪いようにはせんから…安心せえ」  
口角を上げてにっと、微笑む三郎を見て悦子の瞳からは大粒の涙が零れ落ちた。  
ぽたぽたと頬を伝う涙  
悦子は泣きながら、小さな声でブー…と呟いた。  
三郎はそれを見逃さなかった。  
「悪い子やね…俺と一緒におるのに他の男の名前呼ぶなんて…お仕置きが必要みたいやのう…」  
三郎は、ベルトを外し下着を脱ぎ捨てると蜜壷に自身をあてがい  
一気に突き入れた。  
「やぁっ!!ひぁっ…あっ─んん!!いやぁ…やぁっ!!!」  
蜜で溢れていた、そこは、いとも簡単に自身を飲み込んでしまった。  
嫌がる、悦子をよそに三郎は淡々と腰を打ちつけていく。  
(何が嫌なんだか…こないに簡単に飲み込んどいて…ヤラシイのう…)  
 
「やっ─はぁっ─や、やめぇ…ひっ…やぁっ─やめぇ…なか…た…さぶ…ろう…」  
自身が出入りする度に悦子の口からは甘い吐息が漏れる。  
ふっくらした唇から漏れる、甘美な調べは三郎を酔わせた。  
(ええ声で鳴くのう…ずっと、聞いていてぐらいや………)  
 
──その為には、手段なんて選ばへん──  
 
「なぁっ…悦ねぇ、俺のもんになってくれるやろ?ならへんと、このまま中に出してまうよ?」  
無邪気に笑いながら、そう言い放つ三郎の姿は今の悦子にはどう映っているのだろう。  
虚ろな瞳で三郎を見つめ返す、悦子の姿は、ぼろぼろに汚された人形の様だった。  
「はぁっ─ふっ、あぁ!!嫌や、ブー、ブー!!!やぁっ─たすけ………」  
この後に及んで、未だに浩之の名前を口にする悦子に三郎は苛立ちを隠せなかった。  
軽く舌打ちをすると欲望を悦子の中に吐き出した。  
嫌や、ブー、ブー!!!  
悦子の叫び声は空しく響き、蜜壷には欲望が注ぎ込まれていく。  
(まだ、ブー、ブー、言うんか?諦めが悪いやっちゃのう。ま、ええけどね…)  
 
「いやぁ、いややぁ…いややぁ!!!ブー、ブー…いやぁ、たすけ…ブー…ひっ!!!」  
三郎は、悦子の顎を掴むとぐっと己の顔に近づけた。  
「もう一回、出されたいんか?悦ねぇがええんならええよ?それに、俺、まだ満足してへんしのう…  
悦ねぇが俺のもんになるんやったら…今日のところは勘弁してやってもええけど?どうする?  
あっ、そうや、嫌やって言ったらボート部辞めてしまうかも知れんなぁ。悦ねぇ目当てで入っただけやしのう…  
俺が辞めたら大会に出れへんと違う?関野、困るやろなぁ…悦ねぇの大好きなブーが困るだけやで?それでも、ええんか?」  
自分でも、ヒドイ男やと思うわ…三郎は言いえると、もう一度、どうする、悦ねぇ?と問いかけた。  
三郎の問いに悦子は力なく頷いた。  
 
 
──悦子に選択権などなかった──  
 
 
「ええ子やのう…ええ子にはご褒美あげたるわ」  
三郎は力なく頷いた悦子の耳元で妖しく囁くと  
再び腰を動かし始めた。  
「えっ…何、チョっ…いや、あっ、あぁ!!やめっ…やぁぁ!!!」  
悦子は、一瞬、信じられない!!と言った様な顔で三郎を見つめた。  
目をまん丸にして、眉間に皴を寄せた苦々しい表情。  
それが、艶を帯びたものに変わるのにさほど、時間は掛からなかった。  
「あっ─やぁっ─んんっ!!!なか、た、さぶろ…あっ─あんっ!!!」  
三郎は悦子を夢中で突き上げる。  
突き上げられる度に、悦子の口元からは甘い吐息が漏れ  
肉ヒダがひくひくと嬉しそうに三郎自身に絡みついてくる。  
(口では嫌だと言っとても、体は正直なもんじゃのう…)  
三郎は悦子という甘い果実に酔いしれていた。  
己が突き上げれば、突き上げる程  
果実は甘さを増していく。  
甘い汁が滴り落ちては三郎を喜ばせる。  
求めても、何度求めても  
絶える事のない甘い汁  
それは、まるで、熟した果実の様に甘くみずみずしい。  
「やっ、はぁっ─んっ!!なか、た、さぶろ…もう…わたし………」  
「分かっとる。イカセテ欲しいんやろ?」  
三郎は悦子の一番感じる所を激しく突き上げながら  
陰核を爪で軽く引っ掻いた。  
引っ掻いた瞬間、悦子の体は軽く上下に揺れた。  
息は乱れ、髪は額に張り付き、瞳は虚ろにぼーっと天井を見上げている。  
「まだ、まだ、終わらんよ?ゆっくり楽しもうや?」  
三郎の声が悦子に聞こえたかどうかは定かではないが  
悦子は黙って視線を天井に向けたまま、軽く頷いた。  
 
悦子は結局、この後も何度も何度も三郎に体を求められた。  
体は三郎の劣情で汚され  
夏の思い出が残る肌を白く彩った。  
声にならない声で何度か、ブー…と  
浩之の名前を口にした。  
行為の間、快楽に溺れないよう  
負けないよう  
必死でボートや、多恵子達や、浩之の事を考えていた。  
でも…  
それは、無駄な事だった。  
気がついたら三郎の体にしがみつき  
三郎の求めに応じている自分がいた。  
嫌なはずなのに  
ブーの事が好きな癖に  
中田三郎に犯されているのに  
いやらしく声をあげ、三郎を求めている自分が  
浅ましくて、いやらしくて、恥かしくて………  
自分はこんなにもいやらしい人間だったんやろか?  
好きでもない男に無理やりされて感じる程  
はしたない女の子だったのだろうか?  
悦子はシャワー室で劣情を洗い流しながら  
そんな事を考えていた。  
三郎と帰る、家までの帰り道は意外にも明るく楽しいものだった。  
何故だかは知らないけど、悦子は三郎を憎みきれなかった。  
行為の時以外の優しい三郎の笑顔に  
悦子は自然と笑っていた。  
不思議と嫌悪の情は消えていた。  
やっぱり、中田三郎の事がまだ、好きなんやろか?  
好きだから、憎みきれないんやろか?  
でも、私はブーが…ブーが好きなんよ?  
中田三郎は確かに、好きやった。  
好きやったけど、でも、でも、今、一番大事なんは  
好きなんはブーや!!!  
なのに、なのに、なんやの?  
この気持ち  
なんやの?  
私、自分が分からん様になったんか?  
どっちも好きって事なんか?  
なんや、よう分からん………  
自分の事も中田三郎の事も  
分からん。  
これから、どうなるんやろか………  
 
家に着くと待ってましたとばかりに、紀子達が顔を出し  
二人を暖かく迎え入れた。  
三郎は紀子たちと楽しそうに話を交わし  
時折、冗談を言っては紀子達を笑わせた。  
幸雄は黙ってちびちびと晩酌をしていた。  
心なしか目が赤く見えたのは気のせいだろうか  
これでええんや…と己に言い聞かせるかのように酒を煽った。  
 
そんな、紀子達の様子を見て悦子は改めて  
もう、後戻りは出来ないんだと確信した。  
そう思うと自然に顔が青ざめて強張っていくのが分かった。  
三郎はそんな悦子の様子をからかうかの様に  
「もう〜悦ねぇ!!笑ってや!彼氏の前やんかぁ!!可愛い顔が台無しや!にっこりしぃ!!」  
悦子の前でにーっと歯を出して笑った。  
「うん、そやね!!彼氏の前やもんね!!にこにこせないけんよね!にこにこせな!!」  
悦子も負けじとにーっと歯を出して笑った。  
楽しそうに笑いあう二人の姿に  
紀子達は嬉しそうに笑みをこぼした。  
あの幸雄でさえも、軽くではあるが笑った。  
 
──もう、後戻りは出来ないんやね──  
 
 
悦子にとって、苦しくも辛い、地獄の日々が始まろうとしていた。  
 
 
 
続く  
 
 

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