交番にて  
 
レミ「すいません。」  
一之瀬「ん?あ!いや1週間ぶりだな。アイツがいないと一日が長くて困るいやもちろん  
    平和なのは良い事だが有事に対する備えを怠る危険性がありそれは警察官にとっては  
    由々しき事態で、ってすまんすまん。何か用か」  
レミ「(アタシの前だと早口になる人だな・・)婦警になるにはどうすればいいか訊きたくて」  
一之瀬「婦警に?身長は問題ないが・・・そのう。」  
レミ「どうしたの?」  
一之瀬「警察官採用試験には大卒者と高卒者の2通りあるのだが、失礼だが君は・・・高校を  
    辞めているだろう?コネがあればどうにかなるかも知れんが・・・」  
レミ「そうなの・・・じゃ、あんたが推薦してくれよ、頼むよ。」  
一之瀬「気持ちはわかるが本官は所詮ただの巡査だ。その役には立てないと思う。」  
レミ「・・・・・・」  
一之瀬「あわわわど、どうした、泣かないでくれ。一体どうしてまた婦警になろうと?」  
レミ「ナギサは看護婦に、リカは東大に。皆自分の星見つけてるんだ。私にはなにが  
   できるんだろう、って部屋で考えてたら、これが目に入って。」  
一之瀬「これは『文章の書き方』?何故それで警察に?」  
レミ「これ届けてくれたの、アンタだろ、付箋が一緒だったからわかった。アタシ  
   に真剣に親身になってくれたのあんたぐらいだったから,正直凄い感謝してるんだよ。」  
一之瀬「・・・・」  
レミ「あたしもそんな人間になりたくて、それが自分の道だと思ったのに・・・」  
 
一之瀬「わかった、ともかく本官が推薦してみよう。明日の夜にまた交番に来てくれ、  
    いや、夜勤は明日だったか?ええと・・・」  
レミ「あんたの家に行くよ」  
一之瀬「い、いいのか?今はあいつらもいないし・・・」  
レミ「結果次第じゃ大泣きするかもしれないし、暴れるかもしれないよ。」  
一之瀬「それもそう、か。では明日の8時に来てくれ。」  
レミ「有難う、じゃあね」  
 
一之瀬「吹っ切れたといっても、また名前のせいでつまずく事になったのか・・・不憫で  
    ならない。この事で情状酌量してもらうか、いやこれは秘密にしとかないとなあ。」  
 
   一之瀬宅  
レミ「こんばんわ。」  
一之瀬「あ、ああどうぞ、さあ座って。・・・さて、結論から言わせて貰う。」  
   「はっきり言うと、本官なりに精一杯話してみたが・・・やっぱり駄目だった。」  
レミ「・・・そう。」  
一之瀬「最近は競争率も高いし、正直言って本官程度では門前払いに近い形だった。  
   どうしても婦警になりたいのなら、いったん大学に行ってからということになる。  
   ただ・・・事前の勉強期間を考えても、5,6年は軽く見積もるべきだと思う。  
レミ「・・・」  
一之瀬「もしそうする気があるなら本官も精一杯手助けをしたい。参考になるかと思って  
    『大学入試対策』の本を数冊買ってきた。特に読むべき箇所には本官なりに  
   しおりを・・・どうした?」  
 
レミ「あんた名前は?」  
一ノ瀬「一ノ瀬誠だが・・・」  
レミ「本官本官って言うけど、あんたの親切は警察官だからって感じがしない。一ノ瀬さん  
   の優しさって言うか。」  
一ノ瀬「へ、いや本官は市民の為に日夜尽くすのが務めだ。」  
レミ「あたし、ちょっと勘違いしてたよ。婦警になろうって思ったけど・・・それは警察に憧れた  
   んじゃ無いんだよね・・・。」  
一ノ瀬「なんだ?よくわからんが」  
レミ「やっぱり鈍いな・・・。そういえばこの本読んでみてくれたってことはずっと  
   時間使ってくれてたんだね。お腹すかないの?」  
一ノ瀬「そういえば大分空いているが・・・そもそももうこんな時間か、親御さ・・・お姉さんが  
   心配するだろう。帰りなさい。」  
レミ「お姉ちゃんは今日薬局の店長と食事。お世話になったから夕飯作ってあげるよ。  
   ・・・冷蔵庫なんもないな、ちょっと買ってくる。」  
一ノ瀬「・・・ア・・・行ってしまった・・・。どうもわからない人だな。結局警官になりたく  
   なくなったのか?うーん・・ちょっとジェロニモに聞いてみるか・・・ポチッとな。」  
 
レミ「唯一得意だからカレー作るけど、一ノ瀬さん好き?」  
一ノ瀬「無論好物だ(結局ジェロニモには『なんて奴だこの天然ジゴロめ恋をしたこと  
   無いなんてブラフか?そもそも何故小町さんがオデコとくっついているむしろそっち  
   詳しく話せ』と罵られて終わった・・・シンノスケとモモちゃんは元気そうだったが、  
   小野さんの気持ちがいまいちわからん・・・)」  
レミ「はいどうぞ。」  
一ノ瀬「おおー、美味そうだ。いただきます。・・・うん、大変おいしい、カレーなぞ   
    久しぶりだからなあ。」  
レミ「こういうの作ってくれる人いないのかい?」  
一ノ瀬「恥ずかしながら全くいない。それにしても上手だ。」  
レミ「・・・本当に美味しそうに食べてるな・・・・・・」  
一ノ瀬「蒸し返して悪いが、上司には君の退学の理由を話していないのだ。うまく  
   同情だけもらうようにかいつまんで話せなくて・・・本官は口下手だからな。  
   役に立てず済まない・・・君が決めた進路なのに」  
レミ「大丈夫だよ。もう名前にはなんのコンプレックスもない、名字とちがって  
   結婚したってついてくるんだからしっかり受け止めてるよ・・おかわりいる?」  
一ノ瀬「? ああもらおう・・・いやそれにしてもこのカレーは美味い。毎日食べられる味  
   だ、意外とこっちに才能があるんじゃないか?・・・モグモグ」  
 
レミ「(・・・・私の道、見つけたかも・・・・)」  
 

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