夜の東京。  
渋谷の駅前にビラを配る男と少女がいる。  
「イモコ探している。」  
「イモコ探しています。」  
「イモコ探している。」  
「イモコ探しています。」  
「イモコ探している。」  
「イモコ探しています。」  
しかしいくらたっても一向に見つかるけはいはない。  
だが、男もあきらめるわけではない。  
 
と、そこを数人のギャルが通りすぎようとする。  
すかさず男は「イモコ探している。」と言ってビラを渡す。  
「イモコ?」  
「誰その変な名前の子?」  
「what?イモコ、変な名前??」  
「どこの時代の人間だよオッサン」  
「今は2006年だっつーの」  
「でもイモコってなんかエロそうななまえだよねー」  
「確かになんとなくエロそうな名前だよね」  
「what??イモコ、エロそうな名前??? うーん・・・」  
「じゃーな。あばよ、オッサン」  
「ねえあの女の人達行っちゃったよ。シンノスケ、聞いてる?」  
 
「ほれれ、そのギャルは確かにイモコはエロいと言ったのらな、シンノスケ。」  
「間違いない、ジェロニモ。」  
ここは今シンノスケとモモが居候しているおまわりの部屋だ。  
最近は「イモコから手を引け」という電話が来るようになったが、それでも公園のテントよりは快適だ。  
「ところでずいぶん酔っているようだが・・・?」  
「ああ、ひょっと友人らちとキャバクラに行ってひたのじゃ・・・まったく女は嘘ばかりついてくる。」  
ウォッホン。シンノスケ、ではエロい女にきく〈アレ〉を送っひぇやろう。」  
「what?〈アレ〉をおくるのか?」  
「ひょうじゃ。〈アレ〉じゃ。今からだと明日の夕方頃には届くじゃろう。」  
「わかった、ジェロニモ。」  
「おーい、メシだぞー。今日は給料日だから特別に旨いラーメンだぞ。」  
「一ノ瀬すごい!」とモモは言う。  
「飯の時間だ。じゃあまた、ジェロニモ。」  
「待て。イモコは相当身近な女かもしれん。まずは知り合いから聞いてみるといい。」  
「わかった、ジェロニモ。まず知り合いに訊いてみよう。」  
 
「ではいっただっき・・・」  
「ありがとう大地、ありがとう太陽。命をありがとう。いただきます。」  
と、2人は声を揃えて言う。食事前の儀式のようである。  
「なんか調子狂うなぁ・・・」  
そういいつつも一ノ瀬とシンノスケたちはラーメンを勢いよく食べた。  
シンノスケはラーメンを食べきると、思い出したかのように  
「そうだおまわり。あのギャルたちのよく集まるのはどこだ。」  
「そうだな。集まる場所ではないが、最初にお前が住んでいた公園をよく通り過ぎるな。」  
「ふむ・・・なるほど。わかった、おまわり。」  
翌日の朝、一ノ瀬とモモが起きるともうシンノスケの姿はなかった。  
「ジェロニモ、シンノスケどこに行っちゃったんだろう?」  
「安心しろ。おそらくシンノスケはイモコを探しに行ったのだろう。」  
 
その頃、あの公園にはテントが建てられ、焚き火が燃えていた。  
かたわらでは、シンノスケがいつにも増して深い落とし穴を作っていた。  
熊でも捕まえられそうなサイズだ。しかも穴の壁はつるつるになっている。  
仕上げに枝草で穴を覆うと周りからはほとんど見えなくなった。  
「これでよし」というとシンノスケは意気揚々とギャルを探し始めようとした。  
と、そこにパラシュートが降りてくる。ジェロニモからの届け物だ。  
シンノスケはそれを受け取り、中身を確認してポケットに突っ込み、ギャル探しに出発する。  
渋谷の夕方7時はは混雑している時間帯だが、ギャルは目立つので見失うことはない。  
シンノスケは早速お目当てのギャルを発見した。  
 
「イモコ探している」といつも通り話しかける。  
「あーオッサン!まだイモコ探してんの?」  
「サキ、誰この怪しい人・・・っていうか知り合い?」  
サキはこれまでのこと、シンノスケと知り合った話などを始めた。  
「・・・それでさ、このオッサンはアリゾナから来てイモコっていう子を探してるんだってさ、スミレ。」  
「へぇーっそうなんだ。ところで明日の他のギャルサーとのパラパラの合同練習はサキ来られる?」  
「もちろん行くに決まってるじゃない。」  
「じゃあ明日マックでまちあわせしない?」  
「いいよ!9時にマック集合な。ところでさぁ・・・」  
シンノスケからすれば不思議なことだが、サキたちは長話にもつれ込みそうになる。  
埒があかないので「ちょっと、来てほしい」と公衆トイレの裏にサキを連れて行く。  
「じゃあ先に帰ってて。また後でメールするから。」とサキはスミレに言った。  
「わかった」と言ってスミレが行った後、「で、何の用?」とサキは聞いてきた。  
 
「お前がイモコか?」  
「はぁ?だから違うってオッサン。イモコなんか知らねーし私の名前もイモコじゃねーよ」  
「お前嘘ついた。良くない」  
「だから嘘なんかじゃねーよ」  
「お前、イモコじゃないならエロくないな?」とシンノスケは聞いた。  
「なっ、何言ってんだよオッサン」とサキは応えたが動揺は隠せない。  
実はサキは中学生の時に先輩にオナニーを教わっていた。  
それ以来、やみつきになり、週に1回はオナニーをしていた。  
サキは別に性欲が強いわけではないが、それでも毎週欠かすことはなかった。  
その中で自分がMであることにも薄々気付いていた。  
だがサキは強がって、「うるせーなオッサンふざけんじゃねーぞ。」と言って逃げだそうとした。  
しかし、その猛ダッシュはシンノスケの投げ縄ですぐに阻まれてしまう。  
 
「やめろよ、放せよオッサン」とサキは暴れる。  
その暴れているサキをまず無理やり担いで障害者用トイレまで連れて行った。  
そこでサキのパンティをとりはらい、上着の前ボタンを外させた。  
そうしてテーブルに開脚した状態で縛り付けるまでに15分もかかった。  
しかしもう夜なので公園の公衆トイレにくる人は皆無だった。  
「寝る時間だ・・・しかし、しょうがない。」とシンノスケは独り言をつぶやく。  
そうこうしている間にMであるサキの乳首は立って硬くなり、股間からは少し淫汁をたらしている。  
突然、「女にもこれがついているのか」とシンノスケがクリストスを触ってきた。  
「んんっ・・・何すんだよオッサ・・・ん・・・っ」とサキは思わず甘い声をだしてしまう。  
だがシンノスケは気にせずにクリストスをいじっている。  
「やめ、ろよ・・・・・・んうっ・・・」  
オナニーの時、サキはクリストスを触るのが特に好きだった。  
なので、いつの間にかそこが性感帯となっていたのだ。  
 
しかしシンノスケは摘んだり、触ったりと動きを止めない。  
「く・・・ふうぅ・・・・・・っ!やめ、あっ、・・・はぁ・・・・・・っ」  
サキの股間からは淫汁がだらだらとたれてくる。目も虚ろになってきた。  
シンノスケはなおもその周辺を触り続け、ついには指でクリストスの包皮をめくって激しく擦った。  
「やっ、あっ、・・・・・・ふぁっ、ひ・・・あんっっ!」と声が高まってくる。  
「も、もう・・・駄目ぇっ・・・・・・イッちゃうっ!」  
もうサキは「what?イクとはなんだ??」などと言っているのも耳に入っていないようだ。  
「きゃ、ああん!ひぁうっ…あっ、あああんっ!」  
とサキはシンノスケの前でイッてしまった。  
 
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」  
「お前、とても、エロい。やはりお前がイモコか?」  
「はぁっ、ちっ、違うって言ってんだろ・・・オッサン」  
「じゃあ次はこれを使ってみよう。とシンノスケは何か緑色の物をポケットから取り出した。  
丸まった突起に覆われ、一見栗の形に見えるその物体は、今は強めにブルブル振動している。  
「なんだよ、そのサボテンみたいなもの・・・」  
とサキは先程のこともあって怯えた声で言う。  
シンノスケは「これは、ジェロニモが送ってきたアリゾナにあるサボテンの一種。  
地面から採った時から常に振動している。周りにあまり湿り気がないと強めに振動する。  
湿り気がある時には弱めに振動しながら周りの水分を吸収する。  
そしてまた水分がなくなったら強めに振動する。」と説明した。  
「そんな物何に使うんだよ」とサキは恐怖のまなざしでシンノスケを見ながら言った。  
 
シンノスケはサキのいままでの行為で濡れた股間にそのサボテンをあてがうと  
「ジェロニモはこうやって股間にあてておけばよいと言っていた。」と言う。  
サキの股間は濡れているので、振動は少しゆれるくらいまで弱まる。  
さっきイッたばかりのサキは、その振動ではイクことができない。  
「あぁ・・・あはん・・・あぁっ・・・!」と喘ぎ声だけがトイレ内に響く。  
少し経つと、だいぶサキの股間は乾いてきた。サキは「終わりにしてくれるのかな・・・」と思った。  
しかし次の瞬間、サボテンは突然ブルブルと強く振動し始める。水分が減ったからだ。  
「あっ・・・んあっ!・・・はあぁん!」と、サキは突然強くなった刺激に敏感に反応する。  
「サキ、またイクのか?」とシンノスケは訊ねてみる。  
「そ、んなわけ・・・ないだろ、オッサ・・・ひっ・・・ひあぁっ!」  
サボテンはサキが強がって淫汁が出ないように力を入れたため、さらに激しく振動しているようだ。  
これにはサキもたまらずに「あうっ、あっ、ふあああああっ!」と再びイッてしまった。  
 
「お前、やっぱりエロい。だからイモコだ。」  
「違う・・・ん、あぁっ・・・本当にもうやめてぇ・・・」とサキはほとんど泣きながら言う。  
サボテンは水分を吸収するためにまた振動が弱まっている。  
「お前、間違いなくイモコだ。嘘つくの、良くない。」と、シンノスケは言った。  
次に、なぜかシンノスケはテーブルからサキを開放した。だが上半身は投げ縄に束縛されたままだ。  
サキはまだ動けない。シンノスケはサボテンをサキのパンティで、サキの足を投げ縄で束縛した。  
これだけ束縛されたので、サキは転がることくらいしかできなくなった。  
そのサキを公衆トイレから昼間作った落とし穴まで運び、中に放り込む。  
「痛った・・・っ。これからどうするつもりだよ・・・オッサン」  
「おまえが本当のことを言うまで、お前はここから出られない。」  
「冗談じゃねーよ・・・死んじまうだろ・・・」  
「じゃあ、本当のことを言えばいい。お前はイモコか?」  
 
「違っ・・・ううっ!はぁ、はぁ・・・っ」  
ここでサキはサボテンの存在を思い出し、青ざめた。  
「オッサン、この変なサボテンどうにかしろよ。」  
「無理だ。そのサボテンは水さえあれば枯れることなく活動を続ける。」  
「はぁっ・・・じゃあ外してくれよ・・・」  
「それは出来ない。なぜならお前、イモコなのに嘘つくから。」  
「私はイモコじゃなくてサキ子っていうんだよ、オッサン・・・おい!待てよオッサ・・・あっ、んああっ!」  
水分が減ったのでサボテンが再び強く振動し始めたようだ。  
敏感になっていたサキは「はっ、はあっ!・・・駄目ぇぇっ、またイッちゃうっ!」と、あっけなくイッてしまう。  
シンノスケは穴の上にいつもの落とし穴のように枝草をかけると、一ノ瀬の家に戻っていった。  
厚く枝草をかけておいたので、もうサキの喘ぎ声は近くでもよく聞き取れなかった。  
東の空から射す黎明の光であたりは明るくなり始めていた。  
 
 
「シンノスケ、どこに行ってたの?」とモモが聞く。  
「イモコ探しに行っていた。」とシンノスケは言葉少なく答える。  
モモは釈然としないながらも、それほど気にしないでいた。いつもの事だからである。  
ふとモモが廊下に耳をやると、一ノ瀬のものらしい足音が迫ってくる。  
部屋に入ると一ノ瀬は「やあカウボーイ!どこ行っていたんだ心配してたんだぞ。」と言う。  
シンノスケはモモに言ったのと同じ説明をして、一ノ瀬を納得させた。  
「そういえば昨日からダディが映らないの。」とモモが思い出したように言った。  
ためしにつけてみると確かにジェロニモの姿は映らない。  
「おまわり、なぜジェロニモ映らない?」とシンノスケは一ノ瀬に聞く。  
「電波が悪いんじゃないか?・・・おっと、時間だ。交番に行ってくるよ。」と言い残し、行ってしまった。  
続いてシンノスケも、冷蔵庫にあった2Lの水とパンを持って出かける。  
「今日は夜には帰ってきてね。」と、モモは言った。  
 
公園に着くと、サキの入った落とし穴から音がするか耳を澄ませてみる。  
「・・・・・・・・・」  
外には音は聞こえない。シンノスケはそっとふた代わりの枝草の端をどけて中を覗く。  
太陽は雲に隠れているので暗く、サキはよく見えない。もう少し穴を広げてみる。  
サキの体温で蒸し暑くなった空気が逃げ場を見つけて殺到する。それはサキの色香の匂いがした。  
その時、雲の切れ間から太陽が小さな穴を通じて落とし穴の中を照らし出した。  
サキは失神していた。顔からは汗を、股間からは淫汁を流しているので、脱水症状になっているようだ。  
サボテンは無慈悲に振動している。サキがもうたくさんの淫汁を出せないので、強い振動が続いている。  
特に強く振動している時にサキは「・・・んっ・・・」と失神しながらも反応を示す。  
シンノスケは、持ってきた水とパンを穴の中に落とすと、枝草を元通りにして立ち去った。  
 
その頃、エンゼルハートの集会所ではサキの行方を捜す会議をしていた。  
「誰かサキとスミレを見たやついねーのかよ。」  
「それがいれば苦労しないっつーの。」  
「もう他のギャルサーとのパラパラの合同練習が始まっちゃうよ。」  
「どうします?レミさん。」  
「仕方ないね。合同練習にはトップのメンバーだけで行こう。」  
集会所は騒然とする。  
「他の人たちはサキとスミレを探して。」  
「で・・・でも今日のためにみんな練習してきたんですよ。それなのに・・・」  
「みんなでやるからパラパラ。みんながいるからエンゼルハート。」  
一瞬で集会所は静まり返る。  
「それに、サキたちをおいていってみ?」とレミが言った。  
「あー、エンゼルハートは何人欠けてもパラパラやるんだなー。って、思われちゃうじゃん?」  
今日ばかりはナギサも突っ込まなかった。  
 
その時、「遅れてすみませんっ!」と言いながらスミレが集会所に入ってきた。  
「あ!お前どこ行ってたんだよ。」  
「それが、一緒に行こうってサキと約束していたんだけど、結局サキがこなかったんだ。」  
「じゃあサキはどこ?」  
「だ・か・らそれを今から探すんだぞ?」  
「とりあえず私たちは行くから、しっかりサキを探しておいて。」  
それから残留組は夕方までサキを探した。しかし、サキは見つからなかった。  
シズカとスミレは、なんだかんだ言ってサキがいない寂しさを感じていた。  
「ねえ、いい案があるんだけど・・・」とシズカが言う。  
「何?」とスミレは言う。  
「交番のおまわりさんなら何か知ってるかもよ。」  
「それはいい案だな。」  
「じゃあ交番に行ってみようか。」  
 
交番に着くと1人のおまわりさんがいた。何を隠そうこのおまわりが一ノ瀬である。  
「すみません。サキがいなくなってしまったんですが・・・」  
「では、この行方不明届けにその人について知ってることを書いてください。」  
少し経って、書き終えた届けを一ノ瀬に見せる。  
「どれどれ・・・なるほど、サキ子さんですね。わかりました調べておきます。」  
「よろしくお願いします。」  
2人はそう言って、エンゼルハートの集会所に戻って行った。  
「どうだった?」とレミ。  
「見つかりませんでした。」とスミレが答える。  
「やっぱり警察にでも言ったほうがいいんじゃない?」  
「あ、それなら私たちがやっておきました。」とシズカが言った。  
「ならいいわ。今日は終わり。」と、レミが言ったので、他のメンバーもそそくさと帰り始めた。  
 
一ノ瀬が家に帰ると、今日は2人の居候がいた。  
手早く食事を済ませ、さっそく持ち帰った今日の事件の資料を読もうとする。  
幾分も読まないうちに電話が鳴った。「俺が出る。」と言った時にはもうシンノスケが受話器を取った。  
「こちら、一ノ瀬。」とシンノスケは言う。  
「いますぐイモコから手を引け。」と、鼻をつまんだような声が言う。  
「what?しかしイモコはもう閉じ込めたはず・・・おぉ、切れてしまった。」  
電話は向こうに一方的に切られてしまった。  
「おい!いま閉じ込めた、とか言ったな。どういうことだ?」と、一ノ瀬が言う。  
「知り合いのサキがイモコではない、と嘘を言うから閉じ込めた。」  
「何!サキだとぉぉっ!」と、一ノ瀬は叫んだ。  
「そうだが・・・なぜおまわり怒る?」  
「なっ、なぜって・・・その子は今日の昼から捜索届けが出てる。」  
「しかし、サキは嘘ついた。だから・・・」  
「だからもヘチマもあるか!とにかく、今すぐその場所に案内しろカウボーイ!」  
「わっ、わかった、おまわり。」とシンノスケもたじたじの様子で言う。  
 
公園に着くと、騒ぎを聞きつけたエンゼルハートのメンバーがテントの周りに勢揃いしていた。  
「オッサン、サキはどこだ?」とレミが言う。  
「あたしたち半日も探したんだぞ。」と、合同練習に行けなかったメンバーが言った。  
「おぉ娘たち。怒るの、良くない。」  
「とにかく、早く連れてこいよ。」  
シンノスケは頷くと、近くの地面の枝草を取り除き始めた。一同は少し離れてその作業を見守る。  
しばらくすると、穴が見えてきた。エンゼルハートのメンバーは驚きの声を上げる。  
シンノスケがその穴を大きく広げると、一同は寄ってきて中を覗きこむ。  
そこには、月明かりに照らされたサキの白い肌があった。  
みんなに見られても、「ううぅっ・・・うあぅっ・・・」とサキは感じ続けている。その目は廃人の様に虚ろだ。  
「サキ・・・大丈夫?」とナギサが聞いてみる。  
そこで初めてみんなに覗かれていると知ったかのように、サキはあわてて喘ぎ声を抑え、上を向く。  
「レミさん・・・?ナギサさん・・・?みんな・・・!」と、サキはかすれたような声で言う。  
 
「大丈夫か?本官が今助けてやるからな!」と一ノ瀬が言う。  
そして、一ノ瀬は持ってきたロープを3mはありそうな穴の底まで下ろす。  
「そのロープにつかまれ!」  
「ありがとう・・・おまわりさん。」と、サキはがらにもなく素直に言う。  
サキはそのロープをつかむ。そこを一同総出で引き上げる。  
「サキ、重いんだよ。また太ったんじゃねーの?」と、ぼやきつつも頑張って引っ張る。  
しかし、半分位まで上がったところで、サボテンが突如今までになく強く振動した。  
「うっ・・・ううう・・・」と喘ぐ。しかしみんなに見られている中で、イクわけにはいかない。  
「どうした?サキ。」とレミが言う。エンゼルハートのメンバーはこのサボテンのことを知らないのだ。  
「いっ、いや、なんでもありませ・・・あっ」  
サキは、穴の3分の2あたりから底まで落ちて、底に腰をぶつけてしまった。  
その瞬間、サキは物凄い刺激をうけた。敏感だった所にサボテン以外から刺激を受けたからである。  
「あうっ、ふぁあああああぁぁっ!」と、もう人目を気にすることなくサキは潮を吹いてイッてしまった。  
そしてサキの視界は漆黒のように真っ暗になった。  
 
 
サキは目を覚ました。  
周りが騒がしい。ここは何処だろう?  
「あっ、レミさんサキが目を覚ましました。」  
「良かったな。それにしてもあのくらいの高さから落ちたくらいで叫び声あげるなよ。」  
レミさん・・・?そうだ、私はサキ子、16歳。南都下高校1年。エンゼルハートのメンバー。  
「あれ・・・あたし今まで何してたんだろう・・・」  
「ここの2階から落ちて気を失ってたんだよ。」  
「そうだったんですか。ありがとうございます。」と言っては見るものの、昨日や一昨日の記憶がない。  
でも、それでいいような気がする。なぜかはわからないけれど。  
「だって、サキが落ちたのに助けないでいてみ?」と、いつものレミさんのギャグが始まる。  
「あー、<みんながいるからエンゼルハート。>って言葉は嘘なのかな。って、思われちゃうじゃん?」  
「思わねーよ。」と、ナギサさんが言う、賑やかないつものエンゼルハート。  
みんなでやるからパラパラ。みんながいるからエンゼルハート・・・か。  
サキもわずかに痛む腰をさすりながら起き上がって、練習の輪に戻っていく。  
エンゼルハートの集会所からは、今日も笑いが途絶えることはなかった。  
 
 
「シンノスケ、シンノスケ。」  
「おぉ、何だジェロニモ。」  
久しぶりに回線がつながったようだ。  
「悪い。アンテナが飛ばされて壊れていたのだ。」  
「おぉ、そうだったのか。」  
「ところでイモコの手がかりは何かあったか?」  
「いや、さっきまでは知り合いがイモコかと思っていたが・・・」  
「どうだった?シンノスケ。」  
「違ったようだ。」  
「ところでなぜおまわりは怒っているんだろう?」  
「何かおまわりの大事なものをつかったりしなかったか?」  
「!・・・・・・」  
「まあいい。しっかりとイモコを探してく・・・」また突如として画面が映らなくなった。  
これは一ノ瀬の部屋のブレーカーがとんだからなのだが、シンノスケにはそんなことは分からない。  
 
その日の午後、商店街でシンノスケは2Lの水とパンを買おうと探していた。  
 
―ЁЙД―  
 
 

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