*         *         *  
 
 
「ミルフィーユ……どうして?」  
不意の一撃に悶絶し、額からびっしょりと嫌な汗をかきながら苦しむ蘭花。  
そんな彼女をミルフィーユは愛おし気に抱きしめる。  
「ウフフ……そこを押さえて苦しんでいる蘭花さんって、素敵♪」  
「ミル……フィーユ?」  
「知ってました? 私、前から蘭花さんを虐めたかったんです。前にほら、蘭花  
さんがじゃれあって私に悪戯してきたでしょ? あの時、すっごいチャンスだと  
思って、思わず仕返しの電気あんまを沢山しちゃいました♪」  
いつもの無邪気な喋り方でとんでもない告白をするミルフィーユ。  
蘭花も思い出した。あの時は確かに自分が先に悪戯したのだが、その後の  
ミルフィーユの仕返しは異常に執拗だった。  
 
(ミルフィーユ、ごめん! 私が悪かったから許して!)  
(だめですぅ〜。これは仕返しなんだから、もっといっぱいしちゃいます〜)  
(わ、私! 電気あんまは苦手なの! だから、だからもう……!)  
(苦手なんですかぁ〜? じゃあ、もうちょっとやっちゃおうかなぁ〜?)  
(……ミルフィーユ!? ちょ、ちょっと……あああああ〜〜!!!)  
 
「蘭花さん、どうしたんですか?」  
「え……!?」  
蘭花が思いに耽っている当人が大きな瞳で蘭花をじっと見つめている。  
(可愛い……)  
こんな時だが、そう思ってしまう。この可愛らしさが蘭花の悪戯を引き出し、  
その仕返しの電気あんまの元となったのだ。  
 
「楽しみましょうよ、あの時みたいに……蘭花さん、電気あんまに大歓びでした  
よね〜?」  
「ミルフィーユ! だ、だめ……」  
四つんばいで迫ってくるミルフィーユに対し、蘭花が尻餅をついたまま後退りする。  
「お願い、ミルフィーユ! 正気に戻って!」  
「正気、ですよ〜? 変な蘭花さん♪」  
ニコニコと蘭花に迫るミルフィーユ。その肩越しにイヴがこちらを見ているのが  
見える。蘭花の視線に気づくと、クスリと可笑しそうに笑った。  
 
「あんたがやったのね!? ミルフィーユに何をしたの!?」  
(”何もしてないわよ。ただ 少し暗示をかけただけ”)  
「暗示?」  
(”そう。私はその子に言っただけ。『自分を解放しなさい』って”)  
「何ですって……? あっ!?」  
イヴに気を向けている隙にミルフィーユは蘭花に迫り、とうとう押し倒した。  
そして熱いキスをする。  
 
「蘭花さん……ん……ん♪」  
「ミルフィー……ん!」  
 
ミルフィーユには似合わない、情熱的なキス。永く、熱いキスを交わすと、ミルフィーユは  
上気した頬とキラキラ光る瞳で蘭花を見つめる。その表情は恋する乙女……いや、女そのもの  
といって良いだろう。蘭花はそのミルフィーユのただならぬ変化に呆気に取られる。  
 
「蘭花さん……もっと、気持ちよくしてあげます」  
「ミルフィーユ、だめ! ……あっ!!」  
隙を突いてミルフィーユが蘭花の両足をしっかりと脇に抱え込んだ。そしてブーツを  
脱いだ右足を蘭花の股間にセットする。電気あんまの体勢が整った。  
「エヘヘ、逆らったりしたらブーツを履いた左足でしちゃいますよ?」  
「やめなさい、ミルフィーユ! お願い……待って……きゃああああ〜〜!!」  
ミルフィーユの電気あんまが開始された。蘭花の女の子の急所を守っているのは  
黒のショーツ一枚だけ。それも結構破れている。割れ目の部分に押し付けるように  
踵をセットしたミルフィーユは不規則なリズムで電気あんまを続ける。  
 
グリグリ……。ダダ……! グリグリグリ……。ダダダダダダ……ダ……!  
 
「あああああ〜〜!!! だめ! 許して! ミルフィーユ……お願い!!」  
女性アンドロイドにされたときは見せなかった切ない表情で蘭花が悶える。  
痛いだけではない。気持ちよいだけでもない。この狭間の虚空を彷徨う切ない  
気持ち、これが電気あんまの魅力であり、恐ろしさなのだ。  
これが出来るのはこれをやられる気持ちがわかる人間の女の子だけである。  
あのアンドロイドたち……自分はされる事の無い彼女達には絶対これは真似は  
出来ない。  
「この前の何倍もしてあげますからね、楽しみにしててくださいね」  
ミルフィーユの無邪気な笑顔が蘭花にはアンドロイド達より何倍も恐ろしかった。  
 
 
         *         *         *  
 
 
――いや。  
人間の女の子より残酷な電気あんまを出来る者が一人いるかもしれない。  
勿論、イヴである。彼女は目下に捕らえているヴァニラに電気あんまを続けていた。  
彼女が使うのは強弱やリズムだけではない。時折、わずかな電撃を加え、  
それをアクセントに様々な電気あんまパターンを受刑者に送り込む。  
エンジェル隊の大半は電気あんま未経験者であった。初めての電気あんまが  
このイヴの人智を超えた電気あんまであることはこれから長く彼女達の心にトラウマと  
して残るかもしれない。  
 
「それは……私が治します」  
ヴァニラが荒い吐息まじりに呟く。  
(”どういう事?”)  
胡散臭そうにヴァニラを見るイヴ。彼女のヴァニラを見る目は、かなりきつい。  
「私たちでよければ……イヴの気の済むまでやってもいいの……」  
「…………」  
この子はどういうつもりなのだろう。最初のコンタクトでこの子はナノマシンの  
スキャンでイヴの深層心理に触れた。その途端、彼女は走査を止め、治癒に切り  
替えたのだ。  
 
(”あの気持ちは……忘れられない”)  
ヴァニラが施す治癒。それは同じナノマシンのイヴには驚くほど効果的だった。  
イヴの中にある悪意や憎悪、苦痛などがあっという間に消滅していこうとした。  
イヴはその心地よさに身を任せていたが、不意に恐ろしくなり、『治療』途中で  
ヴァニラを拒絶した。  
残ったのは屈辱感と恐怖だった。自分の中を簡単に見られた屈辱感、それが出来る  
能力に対する怖れ。イヴは激しく動揺し、ヴァニラを叩きつける様に押し倒した。  
服は殆どを切り裂き、そして、彼女の治癒機能を逆用する今の体勢にもっていったのだ。  
 
(”あなたは許さない……。絶対許さないから……!!”)  
イヴの責めが更にきつくなった。ヴァニラの幼い無毛の割れ目は何度も踏みにじられ、  
赤く腫れあがっていた。ナノマシンが懸命の治癒を続けていても追いつけないほどの  
執拗且つ激しい責め。他のエンジェル達とは違い、快楽を与える必要はなかった。  
自己治癒でそれは代用できるのだから。  
 
「……うっ……ああ……」  
流石にヴァニラも自らの限界が迫ってきた事を悟る。だが、バリアーを解く事は  
出来なかった。ノーマッドがシャットダウンコードを解析して、イヴを眠らせる  
ことが可能になるまで、蘭花たちはイヴに近寄らせられない。  
「あなたには……安心できる休息が必要です……」  
ヴァニラはいつ終わるとも知れぬ責めの中で懸命に意識を保っていた。  
 
 
         *         *         *  
 
 
「アググ……! ミルフィーユ! この……おばか!!」  
ミルフィーユの電気あんまを振り切ろうとした蘭花だが、それは簡単には出来なかった。  
この直前、蘭花はハイパーナックルを凝着していた。このロストテクノロジーは  
格闘家の携帯用武器としては便利だが、エネルギーを放出しないと外せないと言う  
問題があった。  
 
(こんなのを填めた状態で抵抗なんかしたら、生身のミルフィーユにどういう影響が  
あるか……)  
地面を殴ってエネルギーを放射する事も考えたが、それでもこの密着状態では危険で  
ある。皮肉な事にロストテクノロジーを装着した事によって逆に攻撃が封じられて  
しまった。  
 
(他には……。ミルフィーユの股間を蹴るしか……あうう!!)  
手が使えなければ足を使う。それしかないかも、と蘭花は苦悶の中で考える。  
電気あんまは体勢的に攻守が逆転しやすい技であった。なぜなら、お互いに攻撃する  
足と攻撃対象の股間がすぐ近くにある形になるからだ。油断していると、どんなに  
有利な体勢であってもたちまち逆転されてしまう。それが電気あんまの恐ろしさで  
あり、逆に一発逆転の魅力でもあった。それが重なると泥沼の攻防となってしまう  
のだが。  
 
(ミルフィーユにブーツを履かせられれば……)  
強化繊維性のブーツならハイパーナックル装着時でもかなり手加減する事によって  
足を傷つけないでつかめるかもしれない。そうすれば反撃の電気あんまが可能なのだ。  
蘭花ほどではなくても、ミルフィーユにとっても女の子の急所には変わりないのだ。  
効果は間違いなくある。  
 
「フフフ……電気あんま合戦ですか?」  
蘭花の内心を見透かすようにミルフィーユが微笑みかける。  
「ミルフィーユ!?」  
「イヴさんが言ってましたぁ。蘭花さんは必ずそう持ってくるだろうって。私の  
足が気になるならブーツを履きますよ? その代わり、再開は私の電気あんまから  
やり直しです〜。ブーツで踏まれて大丈夫ですか、蘭花さん?」  
「だ、大丈夫なわけ……ないじゃない……」  
言いながら、蘭花は頭を廻らせて考える。そして、ある一つの方法を思いついた。  
(ちょっとずるいけど、これしかないかも)  
 
「いいわ、ミルフィーユ。そうしましょう。電気あんま合戦ね」  
蘭花はミルフィーユの案に乗ることにした。  
「本当ですか!? わぁい! うれしいですぅ〜〜!! 蘭花さんと電気あんまの  
かけあいっこ、してみたかったです〜〜!」  
無邪気に喜ぶミルフィーユ。本気で嬉しそうだ。思わず電気あんまに力が入った。  
「いたたた! ち、力入れすぎ!! だ、だからお願い……。電気あんまを一旦外して  
……ね?」  
交渉の間も電気あんまはかけられっぱなしであった。やっと一息つける、と  
蘭花はほっとしたのだが……。  
「ん〜〜、でもぉ〜。もう少し蘭花さんにしてあげたいですぅ〜」  
「そんな! ……はうう! ああああ〜〜!!!」  
 
グリグリグリ……ダダダダダダダ……ぶるぶるぶる……。  
 
ミルフィーユの電気あんまは休まる事がなかった。むしろ意地悪にリズムを一定に  
してなかなかいけないようにしている。  
「これもイヴさんから教わったですぅ〜。蘭花さん、この状態を続けたら歓ぶって」  
ミルフィーユの言葉はあくまで無邪気だ。最初はイヴに対する怒りで一杯だったが、  
段々ミルフィーユにも腹が立ってくる。  
「よ、歓ぶわけないでしょ! いいから……離して! でないと、電気あんま合戦  
しないよ……!?」  
「それはいやですぅ〜。でもぉ……私は別にこのままでもいいんですけどぉ〜」  
こいつ、わざとやってない? と心の中で蘭花は罵るが、もう一度だけ宥める事に  
した。  
(それをはぐらかしたりしたら遠慮なくアソコを蹴っ飛ばしてやる!)  
と心の中で誓う。  
 
「ミルフィーユ……。ここで私を失神させたら、それで終わりだよ? いいの?  
電気あんま合戦に持ち込めばもっと色々楽しめるし……だから、ね?」  
子供をなだめすかすように甘く諭す蘭花。無論、はらわたは煮えくり返っている。  
「そうですねぇ〜〜……う〜〜ん……。わかりましたぁ〜」  
漸くミルフィーユも電気あんまからの解放に同意した。しかし、それでも未練たらしく  
ゆっくりと外す。蘭花はイライラしながら辛抱強く待ち、解放されると股間を押さえて  
大きく息をついた。  
 
「はぁ……はぁ……はぁ……」  
改めて解放されてみるとそのダメージの大きさが実感できた。電気あんまを受け続けた  
股間はじんじん痺れており、精神的にも肉体的にもスタミナは大きく消耗させられ  
ている。緊急事態であるのにすぐには動けず、股間を押さえてごろりと転がったまま  
息も絶え絶えにのたうつばかりだ。  
 
(急所打撃と電気あんまの組み合わせは……最悪ね)  
ただでさえアンドロイドたちに痛めつけられていた上に、ミルフィーユの絶妙な  
膝蹴りと長時間にわたる電気あんま。特にこの電気あんまが最悪だった。  
ミルフィーユは決して電気あんまのテクニックがあるほうではない。イヴの様に  
絶妙な力加減とリズム感で女の子を追い込んでいくことなど出来ない。だが、それが  
逆に予想のつかない不規則な攻撃で蘭花を苦しめた。電気あんまは技術でも経験でも  
なく、それをされること自体が女の子にとって大変なことなのだ。長時間し続けられる  
事が更にダメージを大きくする。  
 
(ヴァニラ……)  
それだけにヴァニラの事が気がかりだった。早く助け出してあげなければ、  
治癒能力で体はもっても、精神が崩壊してしまいかねない。だが……。  
「休憩はおしまいですよ、蘭花さん♪ 早く続きをしたいですぅ〜」  
この脳天気なアホタレのおかげで……と、蘭花は思わず拳を握り締める。  
「ブーツも履きましたよ〜。早く続きをしましょうよ〜」  
蘭花に甘えるように擦り寄ってくるミルフィーユ。イヴは暗示をかけた、と言った。  
それはどうすれば消し去れるのだろう?  
 
「ちゃんと履いたわね? じゃあ、始めましょう。私がこう寝るから、ミルフィーユは  
右足を掴んで……」  
「右足だけですかぁ? あの〜、さっきの続きだったら私が両足掴んだ方がいいと思うん  
ですけど?」  
「ハイパーナックルの調整もしたいのよ。ミルフィーユの右足を貸して」  
「はぁい、わかりましたぁ〜」  
「次に……左足を貸して」  
「はぁい〜♪」  
「それじゃあ、さっき掴んだ私の右足を自分の股間に持ってきて」  
「はぁい〜♪ ……あれ? でも、この体勢って私が電気あんまされる体勢だと思うん  
ですけど?」  
「その通りよ。Ready...Go!!」  
「え? そんなぁ!? ちょっと待ってくださ……あああああああ〜〜!!!」  
さっきの仕返しとばかり、蘭花はミルフィーユの股間に強烈な電気あんまをお返しする。  
ミルフィーユも股間の守りはピンクの裂けかけたショーツ一枚。とてもではないが、  
防御の役に立つとは思えない。  
 
「ああ〜〜ん!! ず、ずるいですぅ〜〜!! 約束と違いますよぉ〜、蘭花さん!!」  
「ずるい? さっきはいきなりアソコ蹴り上げてきたくせに。これでおあいこよ!!」  
「だ、だめですぅ〜〜!! やめてくださぁい〜〜!!」  
敵に暗示をかけられてるとはいえ、いつもの天然系のボケを繰り返すミルフィーユに  
蘭花怒りの電気あんまが炸裂する。踵で割れ目近辺をグリグリしたかと思うと、今度は  
会陰部を執拗に押し付ける。隙を見て裏返し、フォルテがやられたリバース式電気あんまで  
菊門をいじったりもしてやった。ミルフィーユはどうしようもなく電気あんまの奔流に  
弄ばれるだけである。  
 
「蘭花さぁん!! やめて……やめてくださぁい〜〜!!」  
泣きじゃくりながら許しを請うミルフィーユ。しかし、蘭花はやめるつもりは全くなかった。  
「だめよ! ミルフィーユだって私が何度頼んでもやめてくれなかったじゃない。  
これもお返しなんだから!!」  
今日と言う今日は許すつもりはなかった。前に長時間電気あんまされた時の気持ちも  
蘇ってくる。この子には何度電気あんまで苦しめられたか。今こそ思い知らせてやるのだ。  
 
ダダダ……ダダ……ダダダダ…………。  
 
「はぁん! だ・め・で・すぅ〜〜!!」  
ミルフィーユの割れ目近辺がだんだんと濡れてきた。ピンクのショーツが食い込む。  
皮肉にもイヴに見せられた電気あんまテクニックが参考になった。あまり自分から  
電気あんましたりしない蘭花だが、イヴに何度も映像を見せ付けられるたびに感覚的に  
覚えてしまったようだ。現に初心者の蘭花の電気あんまで、ミルフィーユは内股になって  
悶え、全身汗だくの状態で懸命に耐えている。額にもびっしょりと汗をかき、ピンクの  
髪が艶めかしく張り付いている。大きな瞳には涙があふれ、上気した頬がとても可愛らしい。  
 
(この可愛らしさのせいで、私が今までどんなに苦労してきたか……)  
それを考えると更に電気あんまする右足に力が入った。自然と自分の心も高揚し、  
体も上気してくる。  
(私……、興奮してる……?)  
蘭花は自分がサディストだと思ったことは決してなかった。格闘技を弱いものいじめに  
使ったことはないし、むしろ、厳しい練習を好んでする自分をマゾヒストでないかと  
思ったことのほうが多い。だけど、今は……。  
(ミルフィーユを虐めるのって、楽しい……)  
背筋がゾクゾクしてくるこの気持ち……。ミルフィーユが可愛い声で泣くと、それを  
もっと聞きたくなり、可愛く悶える表情を見ると、もっと虐めてやりたくなる。  
 
(”クスクス……私の気持ちが良くわかるでしょ?”)  
「ひゃあ!?」  
突然、イヴが思考に割り込んできたので、思わず驚いて電気あんまを外してしまった。  
「じょ……冗談じゃないよ! 私を……あなたと一緒にしないで……」  
反射的に否定した言葉が小さくなる。イヴの言葉は全く否定できなかった。自分は  
確かにミルフィーユを虐めて楽しんでいた。もっともっと虐めてやりたかったのだ。  
 
「ひっく……ひっく……」  
蘭花が気がつくとミルフィーユがさめざめと泣いていた。電気あんまが外れ、さっきの  
蘭花の様に荒い吐息をつきながら悶えていたが、ある程度収まってくると、今度は  
電気あんまで陵辱された屈辱感と切なさで泣いてしまうのだ。無論、蘭花にはこの  
気持ちもよくわかる。  
「蘭花さん! ひどいですぅ〜〜!! うぇ〜〜ん!!」  
両手で顔を覆って子供の様に泣き出した。蘭花は放っておこうと思ったが、あまりにも  
泣き続けるので仕方無くミルフィーユを慰める。  
 
「今までされてきた私の気持ち、わかった?」  
「ぐすん……ぐすん……」  
「全く……。もうしないって誓う? そうじゃなきゃまたお仕置きしちゃうよ!?」  
「い、いやです〜〜……。もう電気あんまされるのは懲り懲りです!」  
慌てて股間をがっちりガードし、足を内股にしてしっかり守る。その様子が  
可愛らしく、この状況だと言うのに蘭花は微笑んでしまう。  
「だったら、大人しくして頂戴。ちょっと顔を見せて。さっきは瞳が赤かったような  
気がするけど今は…………はぐわっ☆!?」  
 
ズムッ☆……!!   
 
……と、蘭花の股間にミルフィーユの拳が食い込んでいた。  
泣いているミルフィーユに近づいてきて隙を見せた時を狙い、蘭花の股間の急所に  
アッパーを打ち込んだのだ。  
「〜〜〜〜〜〜☆!」  
またしても股間を押さえ、どっと嫌な汗をかきながら、両膝をついて震える蘭花。  
まともに入ったらしく、声も出せないで俯いている。  
 
「フフフ……。されるのは懲り懲りですけど、するのはまだ物足りないです。  
蘭花さん、もっと虐めてあげますね〜♪」  
ミルフィーユは楽しげに言うと蘭花を押し倒し、今度はブーツでの電気あんまを  
開始した。さっきと同じパターンだ。  
「あああああ〜〜!!!」  
蘭花はまたしても仰け反らされてしまう。今度はさっきよりも苦痛だった。ブーツの  
踵が蘭花の秘裂を陵辱するかのようにギリギリと痛めつける。しかも痛みだけではなく  
快感も同時にこみ上げてくる。さっきまでのミルフィーユの電気あんまで体が被虐を  
受け入れる準備が出来ていたようだ。  
 
「ミルフィーユ……!! あんたって子は〜〜! ああああああ〜〜〜!!!!」  
またしても急所打撃から電気あんまの連続攻撃――。蘭花が最もやられたくない  
パターンがリプレイの様に繰り返され、またしても振り出しに戻ってしまった。  
 
 
         *         *         *  
 
 
「み、ミルフィーユ……お願い、少し休ませて……」  
蘭花が殆どグロッキー状態でミルフィーユに懇願する。  
「ダメで〜す♪ だってさっき蘭花さんは私に嘘ついたじゃないですかぁ〜。もう  
騙されませんからね」  
「さ……さっきはゴメン……。でも、もう辛いの……。許して……」  
「ダメで〜す♪ 私はまだ満足してませんから。蘭花さんって素敵ですね。どんなに  
虐めてももっと虐めたくなっちゃうなんて」  
「そんな……。あうう……ううあああ!!」  
ミルフィーユの電気あんまで昇りつめらされたのはこれで5回目だ。既に蘭花の黒い  
ショーツはぐっしょりと濡れそぼり、本来の役割を果たしていない。体力の方も  
つきかけてきた。ハイパーナックルを制御できるほどの精神力も残っていない。  
 
さっきの急所打ちに始まるミルフィーユの再逆転から蘭花は責められっぱなしだった。  
ミルフィーユとてエンジェル隊の一員、本気の戦闘能力では決して蘭花に引けを  
取らない。蘭花はなかなか振りほどけない電気あんまをされる中、最後の反撃を狙って  
ミルフィーユの股間を蹴っ飛ばして脱出しようとしたが、逆に読まれてカウンターで  
股間を蹴られてしまった。  
おそらく指示はイヴから出たのだろう。絶妙のタイミングだった。  
その後は急所を強打した苦痛と電気あんまの快感に悶えさせられ、どんどんと体力を  
消耗していくのみだった。  
既にエンジェル隊の6人のうち、3人は失神させられて捕らえられ、残る3人のうち  
ミルフィーユはイヴに取り込まれ? 蘭花とヴァニラは一方的に責められている。  
二人とも反撃の余力は無くなりつつあり、蘭花はイヴとの決着前に仲間である  
ミルフィーユの責めに屈服しそうになっている。  
 
(”エンジェル隊 絶体絶命のピンチね”)  
クスクスと耳障りな笑い声と共にイヴが話しかけてきた。  
「イヴ……」  
(”ここで元気の出る映像を見せてあげましょうか?”)  
「え?」  
電気あんまされている蘭花とヴァニラが虚空を見上げると、例の立体映像が映し出  
されていた。本当に立体映像なのではなく、イヴが直接二人の脳裏に投影しているのだ。  
ミルフィーユにはこの映像は送られていないらしく、彼女は蘭花に電気あんまを  
続けている。その事が蘭花には結構辛かったが……。  
 
「フォルテ……さん!? それに……ミントとちとせも!?」  
そこに映っているのは3人の全裸のエンジェル達であった。真ん中にいるのがフォルテ、  
左にミント、右にちとせ。しかし、何故か3人とも苦痛に顔をゆがめている。  
いや、苦痛だけだろうか? 3人とも全身からどっと汗を流しながらも、頬は上気し、  
瞳は潤んでいる。全裸の上半身は何度も起こる悲鳴と共に乳房がぷるんと揺れる。  
 
「な……なにをしたの、イヴ?」  
今の映像では3人の姿はお腹の辺りまでしか映っていない。後ろ手に縛られているか  
固定されているのはわかるが、その下の様子がわからない。そして、今映っている  
部分に何もされていないと言う事は、おのずと彼女達の苦悶の原因がその下にある  
ことがわかる。  
 
(”見せてあげましょうか?”)  
イヴが言うとカメラを引くように映像がロングで映し出された。  
「……!!! な、なによ、あれは!!」  
電気あんまに悶えさせられているのも一瞬忘れたかのように蘭花が悲鳴を上げた。  
そこには蘭花が想像すらしたことの無いものが映し出されていた。  
 
(「うう……あああ……ふぐぅ……」)  
(「やめてください……お願い……はぁん!」)  
(「もうだめ……いっそ……ひとおもいに殺して!」)  
フォルテたちの悲鳴や嘆きが聞こえる。それもそのはずであった。彼女達は金属の棒に  
支えられた直系20cm前後の球の上に跨らされ、後ろ手に固定されていた。足も  
ピンと伸びる格好で何者かに固定されている。エンジェル達の背後には蘭花が遭遇した  
のと同様の女性型アンドロイドが数体、その拷問器具を補助したり、エンジェル達の  
体の位置を調節したりしている。  
 
(”あれは電気マッサージ機よ。女性兵士専用の拷問具なの”)  
イヴが解説する。『女性兵士専用』と言うところを強調したように蘭花には聞こえた。  
(”あの球体部分を御覧なさい。あれは虜囚の敏感な部分にセットしてあって、360度  
回転するようになってるの。それに……”)  
クスリ、とイヴが笑うと、映像はちとせをクローズアップし、股間を別のフォログラフで  
大きく映し出した。その刹那、球体の半径が小さくなり、5cm前後になる。  
 
(「ひっ!……ああああ!!」)  
球体はちとせのクリトリスの部分に密着し、そこでさっきよりも速く回転しだした。  
キュルルルルルル……。蜜が飛び散る程の強烈な摩擦で、ちとせのクリトリスは強く  
刺激され、ちとせは目をむいて体を仰け反らせた。  
(「あああ……!! あががが……!! やめ……!! あぎぃ……!!!」)  
絶叫し、のた打ち回るちとせ。彼女の白いおとがいが切なく震え、あまりの刺激と  
快楽に自慢の黒髪を振り乱して悶えている。  
 
(”彼女はクリトリスが弱点なの。だからそこを狙って責めてるのよ”)  
イヴが残酷に囁きかける。蘭花は自分のされている事を忘れて映像に見入っている。  
(”次はあの耳の大きな子にしましょうか? あの子は確か……”)  
イヴが何か呟くと、今度はミントが大写しになった。ちとせの時と同じく、全身と  
股間部分がそれぞれフォログラフで映し出された様に見える。実際にはイヴが蘭花の  
視神経に直接投影しているのだが。  
 
(「だ……だめですの。やめて……やめてください……あああ!!」)  
今度は球体は若干大きくなり、真ん中が盛り上がった扁平な形になった。それが  
ミントの開かれた股間の真下に潜り込む。  
(「な……なんですの、これは? …………きゃああああああ〜〜!!!」)  
ミントの股間に宛がわれた扁平な球体はそのまま細かな上下運動を繰り返した。  
真下から突き上げるような責めだが、ちとせの時と違いピンポイントでなく、若干  
攻撃面積が広い。  
 
(”性器と肛門の間の会陰部を狙っているのよ。勿論、彼女の弱点なの”)  
イヴの指摘どおり、ミントも先程のちとせと同様、跳ね上がるようにして悶えている。  
後ろ手に固定されているため、胸を反らす格好でのたうっているが、そのあまり  
出ていない胸の乳首が、やり場の無い苦悶を示すようにピンと張っている姿が痛々しい。  
 
「ちとせ……ミント……」  
自身もミルフィーユの電気あんまに苛まれながら、呆然とその二人の苦悶を見ている  
蘭花。イヴはその様子を満足気に見ると、今度はフォルテを映し出した。  
 
「フォルテ……さん……」  
思わずフォルテからは目をそらそうとする。しかし、目を閉じても、天井だけが  
視界から消え、フォルテの姿は映し出されたままだ。  
(”視神経に直接投影しているって言ったでしょ?”)  
イヴのせせら笑う声が聞こえた。蘭花は諦めたように溜め息をつく。この間も  
ミルフィーユの電気あんまは止まらず、蘭花を刺激し続けている。ちとせ達の  
悲惨な光景に動揺が少ないのはこの弛まぬ刺激のせいでもある。だが……。  
 
「……フォルテさん」  
フォルテの悶える姿は見たくなかった。颯爽と気風がよく、自分もピンチなのに  
電気あんまに弱い蘭花を守ろうとしてくれたフォルテ。イヴが恐ろしくて自分が  
見捨てたのにそれすらも許してくれたフォルテ。その彼女が誇り高い自尊心を  
打ち砕くような責めに晒されるのは蘭花には見るに耐えかねたのだ。  
 
(”フフフ……”)  
イヴが呟くと、球は細く長くなり、猫じゃらしの穂先の様な形になった。  
(”これだけじゃないわよ……”)  
「……!!」  
蘭花が驚いたことにその穂先の部分にボコボコと小さな球体がいくつも盛り上がって  
来た。球体一つの大きさは直径2cmから7〜8cmぐらいだろうか。不規則な大きさ  
と並びでその電動マッサージ器の先端を形成している。それが裸で股を開かされた  
フォルテの斜め後方に位置した。  
「まさか……!?」  
蘭花がイヴを見る。イヴは蘭花の予感を肯定するようにニヤリと笑った。  
それと同時にボコボコしたマッサージ器の先端が回転しだす。  
「だめぇ……!! やめてぇ……!! フォルテさん! 逃げてぇ〜〜!!」  
蘭花が絶叫する。  
(「蘭花!?」)  
映像の中のフォルテがキョロキョロと周囲を見渡した。どうやら声は聞こえているらしい。  
 
(”イきなさい……”)  
イヴが冷たく宣告すると、後方にあったマッサージ器がゆっくりとフォルテに近づき、  
目標のアヌスに到達した。  
ズン……! と衝撃が見ているものでも感じられるぐらい、フォルテの背筋が大きく  
跳ねる様に仰け反った。  
(「……!!! あがぁ……!! ……おおおお〜〜!!!」)  
フォルテの雌獣の咆哮の様な悶え声が蘭花の脳裏一杯に響き渡った。拷問具は更に  
ゆっくりとフォルテのアヌスに侵入し、一定の長さが入ると今度は逆回転で排出する。  
後から出てきたデコボコの球体の数々は常に大きさと扁平率を変えながら回転  
している。フォルテには一瞬たりとも同じでないアヌス責めが続けられているのだ。  
 
(”流石にあのアヌス責めは私達の電気あんまでは出来ないわね”)  
イヴがフォルテの悶える姿を見て嘲り笑う。  
(”どう、蘭花? 他のエンジェルはともかく あなたが慕うあの大柄のエンジェルが  
悶える姿は? フフフ……みっともない格好よね。あのエンジェル 泣いてるわ。  
私にはあんなに偉そうな事を言ってて こんな無様だなんて ね? ……そう思わない?”)  
イヴが笑い転げながらフォルテを侮辱する。確かに映像のフォルテは普段の姿の  
見る影も無いほど悶え狂っていた。泣きながら「やめて!」と叫び、なりふり構わず  
身もだえする……。蘭花には一番見たくない姿だろうが……。  
 
 
「当たり前……じゃないの」  
 
蘭花の体が心なしか震えている?  
(”うん?”)  
「身動きできない状態で弱い所を集中的に責められてるんだもの……ああなっても  
仕方が無いじゃない……。この……」  
蘭花の目が見開き、そして強烈な意志を持ってイヴを睨みつけた。  
 
「この……血も涙も無い機械め!!」  
 
蘭花は電気あんまされている状態で、両手に填めたパワーナックルを自分の胸の前に  
掲げた。凄まじいエネルギーが二つの拳に充満する。  
「だ……だめ、蘭花さん……」  
半ば意識を失っているヴァニラが蘭花を止めようとした、が、蘭花はそちらを見よう  
ともせず、エネルギーが充満した両の拳を胸の前で突き合せた。  
 
シュバァアアアアアアアアア――――!!!!  
 
”な……!!”  
「はれぇ……!?」  
イヴとミルフィーユが戸惑っている中、パワーナックルから発生した光が球状に広がり、  
蘭花とミルフィーユ、更にはイヴとヴァニラや周囲のロストテクノロジーも包み込んでいく。  
そして……。  
 
バァアアアアアアアアア――――ン!!!  
 
凄まじい炸裂音が鳴り、蘭花を中心とした直径20mぐらいが爆風に巻き込まれた!  
 
”うぁ……!!”  
「…………!!!」  
ロストテクノロジーであるパワーナックルが放ったエネルギーにヴァニラの張った  
バリアーも消し飛び、中にいたイヴも吹っ飛ばされた。そのまま壁に豪快に叩き  
つけられる。  
ナノマシンがヴァニラを包み込み、彼女を守る。ヴァニラは漸くイヴの電気あんま  
から解放されたのだ。  
 
”うぐぐっ……。あいつ……。切れたか?”  
壁にたたきつけられたイヴが顔をしかめるような仕草で蘭花のいた場所を見る。  
そこは爆風が収まらず、暫くは視界が開けなかったが……。  
 
「蘭花……さん……」  
ヴァニラが顔を上げると爆風の中からミルフィーユを抱えて歩いてくる蘭花の  
姿が見えた。衣服は吹っ飛んでしまったのか、二人とも殆ど裸の状態だ。  
蘭花は悠然と歩いてきて、ヴァニラの前にミルフィーユを下ろした。どうやら衝撃で  
目を回して失神しているらしい。  
 
「イヴ……。私があんたを終わりにしてあげる。覚悟しなさい!」  
今は全裸の蘭花が唯一身につけているハイパーナックルを光らせる。  
数々の責めで股間は赤く腫れており、顔も含めて全身は傷だらけだが、その瞳は  
凛とした輝きを帯びてロストテクノロジーの少女を見つめていた。  
 

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