天栗浜高校を卒業して10年……
僕は今、居酒屋にいる。
それは別に、ここで働いているからという理由でも何でもなく、
ただ、僕が天栗浜高校の一年生の時の同級生開かれているからだ。
一年の時のクラスメートが集まるのは世間的には少し珍しいかも知れないが
「神庭君、飲み過ぎはあまり良くないわよ?」
ふと、横合いから声を掛けられる
僕の健康面を気にしてか、忠告をくれた"彼女"は僕の事を懐かしい呼称で呼ぶ
一年の時のクラスメートだから当然、"彼女"もこの席に呼ばれている
「御神楽さんもね」
そう返す僕
そうすると、今度はどちらからともなく笑い声が漏れる
おかしいったらありゃしない
「こうゆうのも昔みたいで悪くないわね」
「ふっ、それは勘弁して貰いたいね……毎日家で顔会わせてるんだからさ」