「ない、ないわ。おかしいわね。」
神庭希春は部屋の中を見渡しながらそう呟いた。
今日希春は有給休暇を取って家にいた。
｢何がないのさ、希春姉ちゃん。つーかここ幸宏の部屋じゃん」
同じく大学の授業が休講になったため家にいた千秋が顔を出し訊いてきた。
「あら、千秋」
「あら、千秋じゃないよ。何してんのさ」
「どこにもないのよ」
「何が」
「エッチな本よ」
希春が大まじめに答えるが千秋には何の事やらわからない。
というよりもあまり分かりたいとも思わなかった。
「幸宏の部屋にエロ本がないってこと？」
千秋は少し頭痛を感じながらもそう聞いた。
「だからそう言ってるじゃない」
希春がこともなげに答える。
「えーと、何で幸宏の部屋でエロ本なんか探してるわけ？」
「だって、ゆーちゃんも高校生なんだからエッチな本の一冊や二冊持っててもおかしくないじゃない」
「持っててもおかしくないけど、だから何で探してるのさ」
「夫の趣味を知ってそれに応えてあげるのが妻の務めじゃない」
胸を張って堂々と答える希春に千秋はつっこむ気力もうせた。
「それにしても一冊も見つからないなんてよっぽど上手く隠してるのねゆーちゃんったら」
「持ってないんじゃない。幸宏にエロ本買う度胸なんてなさそうだし」
「いいえ、男の子は絶対に持っているものなのよ。でなきゃ何で発散するっていうの」
完全に決めてかかる希春にはもう何を言っても通じない気がする。
千秋がどうしたもんかと考えていると突然希春が「あっ」と声を上げる。
「どうしたのさ」
「ゆーちゃんったら、まさかエッチな本なんかで発散する必要がないんじゃあ」
「どういうことさ」
「だって学校の中は女の子がいっぱいなのよ。そして格好いいゆーちゃんはいろんな女の子からモテモテで
ゆーちゃんも満更じゃなくてそのまま……駄目よゆーちゃん浮気は駄目なんだから」
自分で言いながら興奮してきたのか希春は大声を上げる。
「こうしちゃいられないわ、行くわよ千秋」
そうして唐突にそんな事を言い出す。
「どこに行くのさ」
千秋は嫌な予感を感じながらもそう聞いた。
「学校よ！」
と言い切る希春。
「学校って幸弘たちの学校？」
「そうよ！」
といいながらも希春はすでに外に向かっていた。
「何してるのー、はやく行くわよー」
「何であたしまで…」
そうぼやかずにはいられないが「ちーあーきー、はーやーくー」と急かす声に仕方なく千秋はついていった。
「うーん」
場所が変わって天栗浜高校、階段部のいつもの集合場所である屋上。
眼鏡をかけた男子生徒が開いたノートパソコンの前でうなっていた。
「どうしたんですか？三枝先輩」
同じく屋上にいた幸宏が声をかける。ちなみに今この場にいるのはふたりだけである。
三年のふたりは進路関係の話があるらしく遅れるとのことで、井筒と尼崎のふたりは掃除当番らしくまだ来ていない。
「いや実はな、お前を主人公にしたエロ小説を書いて2ちゃんねるに書き込もうと思ったんだが相手を誰にするか、
どういうシチュエーションにするかが決まらなくてな」
さらりとこともなげに三枝が答える。
「ああ、そうなんですか。大変ですね」
幸宏のほうもさらりと何事もなかったかのように返す。
「…………っって、何を書こうとしてるんですか。やめてくださいよ、そんなの」
思わずノリつっこみになってしまいながらも幸宏はやめてくれるよう頼み込む。
しかし三枝は意に介さず言い返す。
「そうは言ってもだな神庭。去年の夏に本編が終わって以来本スレもエロパロスレも人が激減してるんだぞ。
誰かが書き込まないとこのままでは由々しき事態になってしまう。そうならないようにするために俺が一肌脱ごうと
思ってだな、」
「だったら僕じゃなくて三枝先輩を主人公にして下さいよ」
「いや、そこはやっぱり主人公じゃないと。それにお前の方がいろんな選択肢があるじゃないか」
「さっきシチュエーションが決まらないって言ってたじゃないですか。選択肢が多すぎるんですよ。だからやめましょう」
「いや、やっぱり主人公じゃないと」
主人公であることを強調して三枝は頑なに譲ろうとしない。
反論する事にも疲れてきた幸宏はもうどうでもいいやという気になり
「だったらもういいですから、早く書いて早く終わらせてください」
と言った。
「ああ分かった。ちょうど思いついたところだしな。他のみんなが来る前に書いてしまうよ」
「…はい、お願いします」
幸宏は練習前なのにすでに疲れた声でそう答えていた。
「んっ・・っ・あっ・幸宏・・・」
「美冬・・姉さん」
幸宏と美冬はテニス部の部室でキスをしていた。お互いがお互いを求め合う激しいものだった。
すでに練習は終わり他に人の気配はない。やがて二人は口を離す。
「幸宏ぉ」
美冬が甘い声で幸宏を呼ぶ。その声に応えるように幸宏は美冬の胸のふくらみへと手を伸ばす。
服の上から美冬の柔らかい胸をもみほぐす。
「はぁっ・・・はっ・・・」
胸を揉む幸宏の手が膨らみの頂上にある突起を刺激するたびに美冬は身体を震わせ押し殺した声を上げる。
「美冬姉さん、本当にスケベだよね。こんなところでなんて」
幸宏は直に揉もうと服の中に手を入れながらそう話し掛ける。
「だって家だと姉さん達がいるし」
美冬は恥ずかしそうに顔を真っ赤にして答える。自分でもわかっているのだ、はしたない事だというのは。
それでも家に姉がいる状態ではそう簡単に身体を求め合う事は出来ず悶々とした日々を送っていた。
そしてもう我慢できないところまで来てしまった。
「それに幸宏だって、もうこんなになってる」
そういいながら反撃のつもりで美冬は幸宏の股間のふくらみへと手を伸ばす。
そこにはこれ以上はないというぐらい大きくなった幸宏のモノがあった。
「ふふ、凄い堅いよ。幸宏のここ」
形に合わせて美冬が指を這わせる。それだけで幸宏は気持ちよく感じるが負けてはいられない。
「美冬姉さんのここだって、こんなに起ってるよ」
美冬の乳首を少し強めに掴む。
「ひうっ・・・・」
美冬が小さく呻く。そしてそのまま美冬を部室の真中辺りに置いてあるベンチの上へと横たえる。
「脱がすよ」
と言いつつ美冬のブラウスのボタンに手をかけ外していく。
ボタンを全て外し胸をはだけさせると真っ白な美しい美冬の体と薄水色のブラジャーが見えた。
「やっぱり美冬姉さんは綺麗だね」
「…バカ…」
美冬はその体とは対照的に顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。
そんな照れた仕草にも幸宏は愛おしさを感じる。
幸宏はブラをそっと上にずらし美冬の胸をあらわにする。
美冬の顔はさらに赤くなり羞恥に染まる。すでに何度も見せているのに美冬はいつまでたっても恥ずかしがる。
幸宏はそんな美冬がとてつもなくかわいいと感じるのだ。
幸宏は舌を伸ばしその可憐な乳首を舐め上げた。
「ん……」
ちゅぷん…ちゅぷん…ちゅぷん…
何度も何度も乳輪ごと口に含み舌で嬲っていると美冬の乳首はさらに固くそそり立ってきた。
「美冬姉さんの乳首、どんどん堅くなってる。」
「…いや…恥ずかしいよ」
美冬が腰をよじらせ呻いた。そんな美冬に構わず幸宏は愛撫を続けていく。
「はあ…はあ…ん…」
美冬の呼吸が少しずつ荒くなっていくのがわかる。
「あひっ！ だ・・・だめ・・・ひぁうっ！」
歯で甘噛みすると美冬の身体はびくんと震える。
「あっあっあっあん…」
幸宏のとまらない愛撫に美冬は喘ぎ声を漏らすことしか出来ない。
「美冬姉さん一度イッとこうか」
そう言って幸宏は胸への愛撫をさらに強めていく。
右の乳首を口に含み一気に吸い上げ、左の乳首は二本の指で挟み、くりくりと揉み込んでいく。
「はっ、んんっ…だめぇ･･」
頭を左右に振り、激しく悶えつつ美冬は声のトーンを上げていく。
「あああ…だめ、だめ…イキそう…だよ」
「イッていいよ」
幸宏は最後の一押しとばかりにこれまでよりもさらに強く乳首を吸い上げる。
「イク…イク…イッちゃう！！！」
「それっ！」
「あああああああああああああああ」
美冬はビクンビクンと身体を震わせ声を上げながら絶頂に達した。
しばらく身体を振るえさせていた美冬だったが数秒後にはまだ呼吸は荒かったが体の震えは落ち着いていた。
「美冬姉さんすごい可愛かったよ」
幸宏が優しく声をかける。
「まさか胸だけでイカされるなんて」
恥ずかしさと悔しさをにじませた声で呟いた美冬だったが、
「次は幸宏の番だね」
と急に妖艶をまとった笑顔を見せながら幸宏の顔を見た。
ぴちゃ…にちゅ…ぬりゅ…
美冬が幸宏のモノをその可憐な口で奉仕する。
学校では氷の女神様と呼ばれ一部生徒からは崇拝までされている従姉の口が鬼頭をやさしく包み込んでいる。
美冬の舌が鬼頭から竿に移りそして睾丸まで舐め上げていく。
「はぁ、はぁ・・・」
その愛撫に幸宏の呼吸は荒くなっていき情けない声も出してしまう。
「あっ…うっ…く…」
「ふふ、幸宏の顔可愛い」
「そ、そういうこと、言わないでよ」
「ふふふ」
さっきまでとは立場が完全に入れ替わり美冬が主導権を握っていた。
にちゅ…ぬりゅ…にちゃ…
美冬は首を前後に振りながら、舐め続けていた。
時に激しく吸い、時に舌を肉棒に絡ませ幸宏を確実に絶頂へと導いていく。
「あっ…うっ…美冬…姉さん…もう…」
幸宏がせっぱ詰まった声を出す。
「うん、いっていいよ。幸宏の出して」
美冬がラストスパートとばかりにさらに激しく肉棒を吸い上げる。
「あっ…くっ…いく…いく…出るッ！ ああああぁぁ！！」
どびゅどびゅどびゅっ！
幸宏のモノから激しい勢いで白い液体が飛び出し美冬の可憐な口を汚していく。
「ん…あっ…幸宏のが口の中に出てる。」
口の中に感じる熱い液体を美冬は嬉しそうに飲みほしていく。
「幸宏のおいしいよ」
そう話しかけられるが幸宏はまだ絶頂の余韻の中にいて返事をすることができない。
幸宏が息を整えている間にも美冬はコクッコクッと口の中の液体を飲みこんでいく。
幸宏がようやく落ち着いたころに口の中のものをすべて飲みほした美冬が甘い声を出す。「ねぇ、幸宏」
そう言って再びベンチに横になり恥ずかしそうにしながらも自らスカートを捲りあげ幸宏に見せつける。
「もうこんなになっちゃってるんだ」
そこにはぐちょぐちょに濡れてしまい透けてしまって陰毛を隠すことができなくなっているブラジャーと同じ薄水色のパンツがあった。
スーーーッ。
無抵抗の美冬の足首から、パンツが音もなくはずされ美冬の秘部があらわになる。
さっきまでの態度とはうって変わって恥ずかしそうに顔を染める。
「恥ずかしいんだったら自分からスカートを捲るなんてことしなきゃいいのに」
思わず幸宏がそう言うが
「だって、もう我慢できなかったんだもん」
少し拗ねた様子の美冬が答え、幸宏は苦笑いを浮かべてしまう。
「じゃあ、期待に添えるように頑張るよ」
そう言って美冬のもう十分すぎるほど濡れている秘部へと手を伸ばす。
「んっ…」
幸宏の手がクリトリスに触れた瞬間ビクンと体を震わせる。
そんな美冬の様子にも構わず幸宏は美冬の秘部を攻めていく。
「はぁぁ…あぁぁ…」
しつこいくらいに敏感な突起を指で挟み責めたてていく。
そのたびに美冬は体を震わせさらに蜜を溢れさせていく。
「美冬姉さん、こんなに濡れてるのにまだ溢れてくるよ」
「はぁぁ…言わないで…」
やがて幸宏の指がクリトリスから膣口へと向かう。
ゆっくりと指を美冬の中へと押し入れていく。
「あぁぁ…いい、いいよ…」
幸宏の指の動きに合わせ美冬も腰を動かしていく。
ぐちょぐちょと恥ずかしい場所から恥ずかしい音が聞こえてくる。
「あっあっあっあん…」
美冬の口からも恥ずかしい声が出てしまう。
その姿は氷の女神様と呼ばれる普段の彼女の様子からは想像もつかない姿だった。
「ねえ、幸…宏…もう…欲しいよ」
美冬はこらえきれずに恥ずかしいおねだりをしてしまう。
「欲しいって何が欲しいの？」
わかっているくせに幸宏はそう聞き返す。
「わかって…る…くせに」
「わからないから聞いてるんだよ」
「意地…悪」
拗ねたように美冬が言うが幸宏は意に介さない。
「ちゃんと言ってもらわないと」
「うぅ…」
美冬はしばらく幸宏を見ていたが幸宏が折れる様子がないのを悟ると恥ずかしそうに声を出す。
「幸宏のあれが欲しいの」
「あれじゃわからないよ」
「だから…幸宏の…その…」
「その、何」
「幸宏のお、ちん…ち…ん…が…欲し…い…の」
最後のほうはかなり小さな声だったが美冬は何とか言うことができた。
そんな美冬の言葉に満」足したのか
「良くできました」
と言って幸宏は自分の肉棒を美冬の膣口へとあてがう。
「入れるよ。美冬姉さん」
「うん、来て、幸宏のちょうだい」
肉棒の先端をゆっくりと美冬の中へと沈めていく。
「んあっ…ああ…幸宏のが…入ってきてる」
「相変わらず…締め上げてくるね…美冬姉さんのここ」
幸宏がそう言うが美冬はすでにそんな言葉を聞ける状態ではなかった。
「はあ…はあ…ん…ああぁぁ…」
肉棒を締めつける快感に耐えきれず幸宏は腰を激しく打ち付ける。
「はあぁん…だめ…幸広…激しすぎる…よ」
「いやなら…止めてあげようか」
「あぁぁぁ…やっ…やめないで！もっと…もっとして！」
幸宏は更に激しく、美冬の子宮を肉棒でザクザクと突いた。
そのたびにジュボッ、ジョボッ、ジュバッとみだらな音が響く。
「もう…だめ…おかしくなるよ」
「なっていいよ」
そう言いながら幸宏は美冬の乳首とクリトリスへと手を伸ばす。
「ダメ…そんなところ…触られたら…いっちゃうよ」
「イキなよ」
幸宏が腰の動きを速める。
「はぁ…幸宏も一緒じゃなきゃ…やだ」
「うん…僕も…もういくよ」
「ほんとに…ほんとに…幸宏もいく？」
「うん…もう…出そうだから…美冬姉さん…いって…」
「あぁぁぁ…いい、いい…」
ぐちゅぐちゅぐちゅ…。
「だめ、だめ…イク、イク！」
「美冬姉さん、美冬姉さん…」
「あああああああああああああああああ」
美冬が体を大きく震わせ絶頂へといたり同時に幸宏も腰を突き上げ美冬の中へと精液をぶちまけていく。
「ああ…幸宏の…出てる…あついよぅ…」
「はぁ…はぁ…美冬姉さん…」
二人はお互いを抱きしめあい余韻に浸っていた。
と、そこへ突然別の声が響き渡る。
「ふたりともずいぶん楽しそうね」
二人が驚いて声のほうへ向くといつの間にか開いていたドアのところに天ヶ崎いずみが立っていた。
「いずみ…先輩？」
「いずみ」
二人が声をかけるが天ヶ崎はそれには答えず近寄ってくる。
「ふたりを見てたら、あたしも我慢できなくなっちゃった。あたしも混ぜてもらえる？」胸元のリボンを外しながら普段の彼女が決して見せないような妖艶な笑みを浮かべながら二人のもとに歩み寄った。
「…………………………………」
幸宏は三枝に渡されたプリントアウトされた紙を見ていた。
「どうだ？」
三枝がたずねるが幸宏は何も答えない。
「おい、感想くらい言ってくれてもいいんじゃないか」
三枝が不満げに言うがそれでも幸宏は何も答えない。
そもそも自分が出てくる小説、それもみだらな行為をしているものを読まされて何を言えというのか。
「えーと。何もないです。それよりこれ本当に投稿するんですか？」
「もうしたぞ」
当たり前のように答える三枝。
「えーーーー」
「まあいいじゃないか。さて、そろそろみんなも来るころだろ。準備をしておこう」
と、三枝が部活の準備に入ろうとしたところ突然強い風が吹き幸宏の手にあった紙を吹き飛ばす。
「ああ、しまった。」
幸宏が慌てるがすでに紙はどこかへ飛んで行ってしまった。
「ああ、どうしましょう三枝先輩」
「ん、まあ誰か親切な人が拾ってくれるだろ」
「拾われたくないんですよー」
幸宏の絶叫がむなしく響いた。
「ふう、ついたわ。さあゆーちゃん浮気はダメだからね」
「あーあ、せっかく今日は部活も休みだってのに」
校門にはちょうど天栗浜高校に到着した希春と千秋がいた。
とそこへひらひらと一枚の紙が落ちてくる。
「あら、何かしら」
希春が拾いその紙を読む。
読んでいた希春がプルプルと震えだす。
「何が書いてあったの」
その様子を見て千秋が問いかけるが希春は震えるばかりで答えない。
そしてしばらくして
「こらーーーーー、ゆーーちゃーーーん」
希春の大声が天栗浜高校全体を揺らした。