「……んっ! はぁ……ゆーちゃん上手ね♪」
浴室に軽くうわずった声が響き渡る。
浴槽にいるのは希春と幸宏の二人だけ。
「そうよ、そんな感じでやさしくね。
おんなのこのおっぱいはデリケートなんだから。」
「でりけーとって?」
「敏感ってことよ」
「ふーん」
わかっているのかいないのか。幸宏は曖昧な返事を返した。
「いつか弟」と期待していたが、続けて生まれたのは結局3人とも女の子だった。
男兄弟がいる友人たちはそろって「兄、弟なんてうっとおしい」と言うが、
無い物ねだりで憧れるのは仕方がない。
しかし幸宏に初めて出会ったあの日、「お姉ちゃん」の一言が希春の運命を変えてしまった。
その日からなるべく幸宏の近くにいようとしたが、
美冬は初めての自分より年下の親族を手下のように連れまわし、
千秋は新しいおもちゃを美冬から奪い取ろうとちょっかいを出す
という状態で邪魔をされつづけ、なかなか近寄ることができなかった。
チャンスが訪れたのは3日目の夜だった。夕食後テレビを見ていたが、
昼間遊びまわった疲れか千秋と美冬はソファで眠っていた。
幸宏も今にも眠りそうな感じだったが、ここぞとばかりに風呂に誘った。
最初は普通に入っていたが、湯船に揺れる双球をちらちら見る幸宏に
つい悪戯心が芽生えてしまい胸のマッサージを頼んだ。
その結果が冒頭である。
「おんなのひとはみんなおっぱいが疲れるの?
千秋お姉ちゃんや美冬お姉ちゃんも?」
「普通の人は疲れないかな。お姉ちゃんおっぱい大きいでしょ?
だから重くて疲れちゃうの。わかる?」
「そうなんだー」
「あとね、これはみんなには内緒よ? ホントはね、おっぱいは赤ちゃん以外は
さわっちゃダメなの。でもお姉ちゃんはゆーちゃんが大好きだから
お願いしたの。ゆーちゃんはお姉ちゃんのこと好き?」
「うん! 大好き!」
「じゃあナイショの指きりしようか?」
「する!」
ゆーびきーりげーんまーんの声が風呂場に反響する。
「ねぇゆーちゃん」
「なーに?」
「まだ揉んでもらってないとこがあるんだけど……」
「どこ?」
「ここ」
胸の下に添えられていた幸宏の手を取り、登頂部へと誘う。
幸宏の手がふにふにと動き、希春の先端部が自己主張を強くする。
またそれにあわせて甘い吐息があふれ出す。
「希春お姉ちゃん」
「……ぁふぅ……なあに?」
「お姉ちゃんのここ、どうしてこうなったの?」
「それはね、ゆーちゃんがお姉ちゃんのこと気持よくしてくれたからなの。
お姉ちゃん、スイッチが入っちゃったって印」
「これ、お姉ちゃんスイッチなんだ!」
言葉の意味を誤解されたが、話をあわせた。
「そうよ、お姉ちゃんスイッチ。ゆーちゃんやってみる?」
「うん!」
「じゃあ、あ行ね」
「おねーちゃんスイッチ、あ!」
躊躇もなく敏感に膨れ上がったスイッチを押す。
慣れない刺激におもわず
「はぁぅっ!」
と声を漏らしてしまう。
「お姉ちゃん、『あ』だよー」
「ごめんねゆーちゃん。もう一回おねがい」
「おねーちゃんスイッチ、『あ!』」
「ああん、ゆーちゃんの指素敵!」
「おねーちゃんスイッチ、『い!』」
「いいわ、もっとおねーちゃんスイッチ押してぇ!」
「おねーちゃんスイッチ、『う!』」
「うれしいの! ゆーちゃんとなかよくなれてうれしいの!」
「おねーちゃんスイッチ、『え!』」
「えぇ! こどもちんちんなのにこんなにおっきくなってるっ!」
『え』と共に先ほどから軽く下腹部に押し当てられていた
子供ながらに熱くたぎった幸宏の分身を軽く握る。
「おねーちゃん、それだめぇ!」
「おねーちゃんもゆーちゃんスイッチ触りたいんだから!」
手のひらでくにくにと刺激すると、自己主張するようにビクビクと反応する。
初めて触る男性器なのにいとおしくて仕方がない。
「おねーちゃんスイッチ終わってないからだめだよぉ」
「ごめんねゆーちゃん、じゃあ最後に『お』ね」
「うん……おねーちゃんスイッチ、『お!』」
「おねーちゃんおまんこにゆーちゃんおちんちんいれちゃう!」
先ほどから添えられていた手でそれを自分の秘所にあてがい、
空いた片方の手を彼の腰に回しそのまま引きよせる。
自らの分泌液とお湯のためスムーズに招き入れることが出来たが、
いくら子供のそれとはいえ、初めての感覚に顔がゆがむ。
「おねーちゃん……おねーちゃん……」
雄の本能だろうか、何も教えられていないのに幸宏は腰を動かしていた。
希春は声が漏れないように口を結び幸宏にしがみついているだけ。
風呂場には二人の動きに合わせてちゃぷちゃぷと規則正しく
お湯が揺れる音が響く。
ようやく破瓜の痛みが快楽に変わりはじめた頃、幸宏は
「おねーちゃん……なんかおしっこのときみたいにおちんちんむずむずする」
と告げてきた。
まさか小学2年生が? とも思ったが、最近の早熟の子なら無いとはいいきれない。
そして幸宏と結ばれた喜びに半分意識を奪われていたため判断が遅れた。
「おねえちゃん、もうだめ! おしっこでちゃうぅ!」
止める間もなく尿とは違う粘着質なカタマリが希春の子宮口に叩きつけられた。
「うそ! そんな、ゆーちゃんのこどもちんちんからせーしだなんて!
らめぇ! おねーちゃんゆーちゃんのこどもせーしで妊娠しちゃうのぉぉぉ!」
「はぁ……またしちゃった」
月明かりに反射する濡れた指先を見つめる。
実際にあのとき二人で風呂に入ったが、幸宏は最後まで恥ずかしがって
希春を見ようとせず、その後二度と一緒に入ることはなかった。
その後は自分なりのアプローチで幸宏を誘惑したつもりだが、
幸宏は逃げるばかりでいつのまにかこんな歳になってしまった。
「男の子だったら年上のおねーさんのえっちな魅力にすぐメロメロに
なると思ってたのに……レディコミとか男の子が読むえっちな漫画とかで
勉強して、抱きついておっぱい押しつけてその気にさせようとしたり、
部屋の鍵とかお風呂の鍵とかトイレの鍵をかけないで待ってるのに全然来ないし!
おねーちゃん待つのに疲れちゃったよ……待つ? そうよ! 待ってるからダメなのよ!
はしたないと思って待ってたけど、ゆーちゃんが草食男子とかいうのだったら
来ないのはしょうがないかも! ゆーちゃん待ってて!
おねーちゃんは今日からふわもて肉食ガールに変身しますっ!」
幸宏の元へ向かおうとドアノブを回すが部屋のドアはびくともしなかった。
「何? ちょっと誰? 小夏なのね? 聞こえてるんでしょ! 開けなさい!」
希春が知る由もなかったが、廊下側のドアノブには
『猛獣発情中 特に幸宏は近寄らないこと』
と書かれたホワイトボードと頑丈なチェーンが掛けられていたそうな。
おわれ。