「い、いずみ先輩?」  
背中に押し付けられたふくらみが、柔らかくつぶれるているのがわかる。  
その上、いずみ先輩は九重先輩にブラをずらされたままだったので、  
薄いジャージ越しに、胸の先が固く尖っていることも、ハッキリと伝わってきてしまった。  
僕が困惑している間に、腰に回された手が滑り降りてきて、九重先輩を突こうとしていた僕をやさしく握り締めた。  
「……神庭…君」  
突然背中に密着してきたいずみ先輩が、すこし乱れた吐息のまま、怪しく指を動かし始める。  
ほんの数秒前まで九重先輩の狭孔に潜っていたので、僕のはローションを塗りつけたように、  
九重先輩のいやらしい潤滑油まみれだったけど、まだ慣れていないのか、いずみ先輩の指がなぞる動きはすこしぎこちない。  
それに、背後からいじられるのも、なんだかいたずらでもされているようで、面痒くて仕方がなかった。  
僕が体をひねって位置を変えようとしたら、思いの外体が動いてしまい、いずみ先輩と向かい合うような格好で密着してしまった。  
物欲しげに頬を染め、とろーん。と、潤んだいずみ先輩の瞳と、ほんの数センチの距離で視線が重なる。  
僕は一瞬、目の前にせまる瞳に、そのまま吸い込まれてしまいそうな、快い戦慄に動けなくなってしまったが、  
それはいずみ先輩の方も同じようで、僕にしがみついたまま、じっと互いを見つめ合ってしまった。  
いずみ先輩が先に動いて、瞳がゆっくり閉じたと思ったら、いつの間にか唇をふさがれていた。  
背中で感じた感触が今度は僕の胸の上に押し付けられる。  
希春姉さんや小夏姉さんにはまだ及ばないけれど、学校の中でこれほどのスタイルの持ち主は、そういないんじゃないだろうか?  
いずみ先輩は、胸と唇を押し付けるようにしながら、僕の股間に伸びばした指先で、ぎこちない、けれど熱心なピストン運動を再開させた。  
お返しに僕もいずみ先輩を抱きしめてスカートに手を伸ばしたけど、下着越しにもはっきりと濡れた恥丘に触れた瞬間、思わず声が出てしまった。  
「……って、な、何してるんですか!?」  
というか、僕は思わず叫んでしまった。  
熱心に僕をしごいていた指先が、ゴムを外し始めたからだ。  
「今日はね、大丈夫だから」  
「いやいやいや、いずみ先輩、たしか2週間ぐらい前にも同じこと言ってましたよね?」  
「……ダメ?」  
満面の笑みを浮かべて答えるいずみ先輩。  
 
いずみ先輩とは前にも一度、生でしたことがあるけど、あの時はあまりの快感に危うく中で果ててしまうとろだった。  
確かに、こんなゴムなんて無い方が気持ちいいけど、いずみ先輩にもしものことがあった場合、  
僕はコンクリートの靴で、海中をダイブさせられてもおかしくない。  
雷の女神信奉者と天馬グループを敵に回すなんて、自殺志願者のするようなことを、僕はするつもりはないのだけど、  
それなのに、いずみ先輩はない方が良いらしく、二人でする時はいつもこうして甘えてくるのだ。  
 
「いや、ダメもなにも、まずいでしょ?」  
「今日は……神庭君を直接…感じたいの……」  
珍しくささやくようないずみ先輩の言葉は語尾の方がほとんどかすれたような小声になっていた。  
耳まで真っ赤になった顔を僕の胸に埋めて、子供がイヤイヤをするような仕草でしがみつくいてくる。  
いずみ先輩の仕草は、普段の雷の女神と呼ばれる姿からは想像も付かないくらい愛らしくて……  
密やかに動いた手が抜け目なくゴムを外す動きがなければ、僕も騙されていたかも知れない。  
「だからダメですってっ!?」  
「……神庭君のいじわる」  
言いながら結局外してしまった先輩は、さっとゴムを投げ捨ててしまった。  
「あっ……どうするんですか!?」  
「ほら、これですっきりしたでしょ?」  
今度は一転、いたずらの成功に喜ぶ子供みたいな笑顔で僕にしがみついてくる。  
御神楽さんといい、世のお嬢様というものは、みんなこんな裏表があるものなのだろうか?  
「神庭君だって、こっちの方が気持ちいでしょ?」  
「だからって……」  
「ねえ、お願い今日は…このまま……ね?」  
女神委員の連中なら、一も二も無く頷くところだろうけど、僕はいずみ先輩の我がままに腹が立ってきた。  
「じゃあ、その代わり条件があります」  
「えっ……なに?」  
「ここでするなら無しでも良いですよ」  
言いながら、いずみ先輩を教室の扉の前に立たせる。それもわざと廊下側の方を向かせて。  
この教室の向いは渡り廊下になっているので人通りも多いし、怪談レース上重要なコーナーにもなっているので、  
三枝先輩の仕掛けたカメラの真正面にあたるのだ。  
つまり、もしも、誰かがこの扉を開けでもしたら、相手に見られるだけではなく、カメラにまで撮られてしまうのだ。  
流石のいずみ先輩でも、少し虐めれば諦めてくれるかもしれない。  
僕は手近な椅子を引き寄せ、いずみ先輩の直ぐ後ろに座った。  
駄目押しにスカートをめくり、折り返しに挟んで隠せないようにする。  
下着からこぼれ出している胸の先も、ストレートの茂みに隠れた秘密の場所も丸見えの状態だ。  
いずみ先輩が今にも泣き出しそうな顔で僕に振り返る。  
「ほら、ちゃんと前を向いてなきゃダメですよ。  
 僕を跨いで……そう。生でするなら自分で挿れてください。  
 もちろん動くのもいずみ先輩ですよ」  
流石のいずみ先輩も肩まで真っ赤になって唇を噛んでいた。すらりと伸びた足も小さく震えているようだ。  
すこしやり過ぎたかな……と思った僕のひざの上に何かがこぼれ落ちた。  
割り開かせた足の間から、いずみ先輩の雫が垂れているのだ。  
予想外だったけど、いずみ先輩は見られてしまうかもしれないという露出の羞恥に快感を感じているようだ。  
………まずい。こんなところではじめたら本当に誰かに見つかってしまうかもしれない。  
 
「い、いすみ先輩、やっぱり……」場所を変えましょう。  
と、僕が提案しようとするのと、いずみ先輩が自分から腰を落とし始めたのは、ほとんど同時だった。  
「ぁんっ……」  
僕の先端が入り口に触れた瞬間、いずみ先輩から艶めいた吐息がこぼれた。  
「いずみ先輩! ちょ、本当にここでする気ですか!?」  
いずみ先輩は返事の代わりに、すっかり濡れてほぐれた入り口を僕に押し付けてくる。  
しばらく探るように自分から腰を揺らしていたいずみ先輩は、先の方をゆっくりと咥え込んだ後、一気に腰を落とした。  
ずぷっ、と、くちゅっの中間のような音を立てて、直に根元まで沈み込む。  
「はぁっ……んっ!」  
貫いた瞬間、いずみ先輩は大げさに背を反らせて反応した。  
粘液に濡れた肉壁がきゅっと熱く締まる感触が僕を締め上げる。どうやら挿れた瞬間、軽く達してしまったようだ。  
僕は慌てていずみ先輩から抜こうと腰を抱えて持ち上げるようとしたけど、先輩は反対に体重をかけて腰を落としてくる。  
そうして、自分から中を掻き回すよう動きで腰を揺らし始めた。  
今度は両手で腰を掴んで持ち上げようとしてみたけど、いずみ先輩は両足を僕の足に絡ませ、抜けないようにしがみついてくる。  
あんなに恥ずかしそうにしてたのに、本当にここでするつもりみたいだ。  
こうなったら先に満足してもらうしかなさそうだ。  
僕はいずみ先輩の背中を抱き寄せ、両手で胸を揉みあげた。  
「はうぁあっ……か、神庭君んっ!?」  
胸の先を摘んで軽く虐めると、それに応えるように甘声を漏らしてきゅっと入り口が絞まる。  
まずい、凪原さんのお尻ほどじゃないけど、直に感じるいずみ先輩の中は、夏美姉さんの締め付けに匹敵する。  
「いずみ先輩……そんな声を出すと、気づかれますよ」  
僕はいずみ先輩の耳元に囁いた。息がかかった瞬間、びくんっ、と肩が震える。  
先輩は慌てて口を閉じたけど、怯えたように震えながら、感じている証拠に肉壁はますます熱く僕を締め付けてきた。  
いずみ先輩は負けず嫌いな癖に、こんなふうに虐められるのが、実は嫌いではないのだ。  
「いずみ先輩、ドアに手を突いてください」  
「……え?」  
いずみ先輩の返事を待たず、僕は手をずらしていずみ先輩の足を掴んで広げた。  
「きゃっ!?」  
バランスを崩したいずみ先輩は、慌ててドアに手を伸ばす。手を付いた瞬間、ガタッと音が響いた。  
「い、いや、神庭君。何をするつもり?」  
いずみ先輩の足を掴んで、繋がったまま椅子から立ち上がる。  
持ち上げられたいずみ先輩はドアに手を突いて、なんとかバランスをとっているような格好だ。  
足を開かせているから、簡単に深く繋がるってしまう。  
僕はいずみ先輩を抱えたまま奥を突いた。  
「ぁ……ぁんっ………ぁあっ……」  
突く度にいずみ先輩から押し殺し切れない声が漏れる。  
 
同時に、ガタッ、ガタッ、ガタッ、とドアも音を立てて揺れてしまう。  
こんな音をさせているのだ。もし、誰かが通りかかったら、間違いなくドアを開けるだろう。  
「だめっ……神庭君…音……立てちゃ…だ……ダメ…」  
ふやけたような表情で腰を振りながら、いずみ先輩は反抗するけど、狭孔は正直にいつもより濡れて締め付けてくる。  
「やめましょうか? 嫌なら言ってくれれば………」  
「………」  
いずみ先輩は答えない。  
僕はわざと挿れたまま動くのを止めた。  
「………ぁ、神庭君?」  
ドアに手を突いたまま、潤んだ瞳が不安げに僕を振り返る。  
「嫌なんですよね?」  
「ぁんっ………だ、だめぇ…」  
僕がゆっくりと肉壁を擦りながら引き抜こうとすると、いずみ先輩はお尻を揺らすように押し付けてきたけど、  
根元から足を僕に掴まれているから自分で挿れることはできない。  
「何がだめなんですか?」  
「だめっ! 止めちゃだめッ!!」  
僕は再びいずみ先輩を根元まで突いた。  
ビクンッ、と背を反らして、いずみ先輩の体がいつもより大きく反応する。  
いつ見られるかも知れない羞恥が、いずみ先輩の興奮を高めているいるのは明らかだった。  
その証拠に、抑えたいずみ先輩の声より、音を立てて揺れるドアの音よりも、突く度に奏でる淫らな水音の方が大きく教室に響いている。  
僕はいずみ先輩を突くピストンの速度を上げた。  
「ん……ぁんっ………ぁあっ! っああぁぁぁ!!!!!」  
いずみ先輩の狭孔がきゅうっ……と収縮しながら痙攣しだし絡み付いてくる。  
最後は自分の姿も、場所も忘れてしまったように、声を上げて絶頂に達してしまい、いずみ先輩はドアにもたれるように崩れ落ちた。  
僕の方も頂点が近い。慌てて引き抜いたのと、限界に達したのはほぼ同時だった。  
僕は吐き出した欲望を、肩で息をするようにドアに寄りかかるいずみ先輩の顔面にぶちまけていた………  
 
 ・・・  
 
「……神庭君て、心底天然なのね」  
髪にかかった残滓を拭き取りながら、いずみ先輩がつぶやいた。  
「………本当にすいません」  
「だいたい、缶バッチの癖に女神の顔に出すなんて生意気なのよ!」  
僕はやっと気が付いた九重先輩に怒られ、教卓の前に正座させられていた。  
正面で教卓に座る九重先輩は、なぜだか下着だけ脱いだままなので目のやり場に困る。  
どうやら二人の意識では、自分から咥えるのは良くても顔に出されるのは許せないらしい。  
そのあたりの違いが今ひとつ僕にはわからないのだけど、僕は二人の先輩から怒られ、掃除させられ、その上こうして説教を受けていた。  
「他に方法があるでしょ? だから缶バッチは詰めが甘いっていうのよ」  
「………おっしゃる通りです」  
「今日は中で大丈夫って言ったのに………」  
「いや、それはダメでしょ!?」  
僕が思わず突っ込みを入れると「図が高いっ!!」と叫んだ九重先輩に踏みつけられてしまった。  
不意打ちに躓いた僕の耳に、あと少しだったのに……。と、いずみ先輩がつぶやいた声が聞こえたような気がした。  
 
いずみ先輩は車で送ってくれると。言ったけど、西園寺さんの瞳が怖かったので、丁重にお断りした。  
別れ際に「じゃあ、また明日もね……神庭君」そう言って抱きついてきたいずみ先輩に袖を甘噛みされてしまったけど、  
突然の事で上手く返事ができなかった。  
だって、そんな仕草が、まるで甘える希春姉さんみたいに見えて、僕は家に帰るのが少しだけ憂鬱に思えたんだ……  
 

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