深夜、刈谷健吾が参考書を広げていると、唐突にごんごん、と窓を打ち鳴らす音がした。  
 
「やっほー。健吾、起きてる?」  
 
 真夜中に男の部屋を訪ねてくる事の意味を、もうそろそろ知っても良い頃だと思ってはいるものの、  
 体型も性格も、未だ小学生と言っても通用しそうな幼なじみには未だその兆候はない。  
 
「……ゆうこ。宿題か?」  
「何で私の考えてること分かったの!? もしかして健吾、エスパー!?」  
 
 わざわざノートと筆記用具を持って来室しておいて、エスパーも何もないものだ。  
 おどけた様子でケタケタと笑う幼なじみ・九重ゆうこに盛大なため息で応え、健吾は自分の  
 ノートを取り出して軽く放った。空中でそれをキャッチしたゆうこが、にんまりと笑う。  
 
「ナイスパス! さっすが、話が分かるわね〜!」  
「さっさと窓を閉めて、大人しく写していけ。勉強のジャマするな」  
 
 ほーい。などと気の抜けた返事をしながら、ゆうこは健吾の部屋の中央に置かれたちゃぶ台に  
 ノートを広げ、かりかりとシャーペンを走らせ始めた。自分の勉強に戻ろうとした健吾の耳に、  
 ゆうこの調子っぱずれの鼻歌が届いて、ふたたび集中を乱す。まったく、どこまでも騒がしい。  
 
 そもそも健吾もゆうこも受験生である。なのに、ゆうこが受験勉強をしているのを見たことがない。  
 ゆうこの成績は中の上くらいだから全然勉強しない割には悪くない。しかし志望校が健吾と同じと  
 聞いて驚いた。大丈夫なのかと逆に心配になってしまう。  
 
 とはいえ、ゆうこには陸上もある。それも全国クラスの脚の持ち主だ。いざとなればスポーツ推薦  
 という手もある。その場合、健吾と学校は離れてしまうだろうが、これまでずっと一緒だった  
 ゆうこも、いい加減自分の手を離れてもいい頃だろう……。  
 などと、健吾が結局自分の勉強もそっちのけでゆうこの将来について考えていると、  
 
「ねえ、健吾」  
 
 唐突に、ゆうこが言葉を発した。考えに没頭していた健吾の反応は少し遅れた。  
 
「なんだ?」  
 
 ゆうこを見ると、ノートに目線を落としながら手を動かしていた。彼女なりに集中しているらしい。  
 
「…………たことある?」  
 
 しかし、次にゆうこが発した質問が、聞き取れなかったのか、意味が汲み取れなかったのか。  
 思わず、健吾は聞き返してしまった。  
 
「すまん、よく聞こえなかった」  
「セックスしたことある? って聞いたの」  
 
 健吾の部屋に沈黙が落ちた。リーリーと虫がなく音がやけによく聞こえる。夏休みはすでに遠くに過ぎ去り、  
 季節は秋を迎えようとしているのだなあ、などと健吾は現実逃避気味に歌人のようなことを考えていた。  
 視線を落としたままノートを書き写しているゆうこの発した言葉が、それほど突拍子もなかったのだ。  
   
「……悪いが、意味がわからない」  
「そのまんまの意味よ。経験はある? って聞いてるの」  
 
 幼なじみの声音が、いつにないほど真剣な色を帯びているような気がする。  
 ふぅ……とため息をついて、健吾はいつもの落ち着きを取り戻していた。  
 
「なんで、そんなこと聞く」  
「あのね。クラスのみんなが言ってたの。三年にもなると経験済みのコも結構いるって」  
「あのなあ……だからって、なんで俺に聞くんだ」  
「健吾、夏休みに女の子と出かけてたでしょ? 髪の長いコ。中村さん、っていったっけ」  
 
「あれは……」  
 
 そういえば、そんなこともあった。しかし、何故ゆうこがその事を知っているのだろう。  
 と考えて、すぐに思い至った。家族ぐるみで付き合いのある刈谷家と九重家だ。どうせ  
 母同士の情報交換で、その日のうちにすぐ伝わってしまったに違いない。  
 油断も隙もない、と思いつつゆうこを見ると、まん丸な瞳をまっすぐに見開いたゆうこが  
 こちらをじっと見つめていた。手にぎゅっとシャーペンを握りしめながら。  
 
「……つきあってるの?」  
 
 何だか妙な雰囲気になってきた。と健吾はかゆくもない頭をかく。  
 どうやら宿題は口実で、本題はこちららしいな。冷静に判断し、口を開いた。  
 
「別に、中村とはそんなんじゃない」  
「……ふーん」  
「本当だよ。あの日はクラスの皆で花火を見に行った。中村は迎えに来たんだ」  
 
 なぜ俺が言い訳じみた説明をしなきゃならないんだ。健吾は軽く苛立ちを覚えながらも、  
 そっぽを向いて異常な高速でペン回しをしているゆうこに言葉を重ねた。  
 
「俺はまだ誰ともつきあったことはないし、経験もない。これでいいか?」  
「うん、わかった」  
 
 再びこちらを向いたゆうこに、なぜか健吾は気圧されていた。おかしい。こいつの表情が  
 読み取れない。普段は笑うか怒るか偉そうにするかのどれかしかないはずなのに。  
 
「ねえ、健吾」  
「……なんだ」  
 
 ゆうこの目から、なぜか視線を外せない。いつの間にか心臓が早鐘を打ちはじめていた。  
 次にゆうこが、何と言葉を発するか、まるで知っていたかのように。  
 
「セックスしよっか」  
 
 どれくらいの間見つめ合っていたのか分からない。どちらかが笑い飛ばしてしまえば、  
 無かったことにできるかも知れない。だが健吾もゆうこも、それをしなかった。  
 
 まるで先に動いたほうがやられる剣豪同士の静かな戦いのように緊張した時が過ぎ、  
 やがて健吾がゆうこへと一歩踏み出した。その動きに呼応するかのように、ゆうこも  
 中腰になって、健吾のベッドに腰掛ける。  
   
 健吾がゆうこの両肩に手を置く。ゆうこが倒れ込むのに引っ張られたのか、それとも  
 健吾がゆうこを押し倒したのか。どちらか区別がつかないほど自然な流れで、健吾が  
 ゆうこに覆い被さる形になった。  
 
「さわるぞ」  
「うん」  
 
 無表情に色気のない会話を交わすと、健吾の手がゆうこの胸に伸びた。掌にちょうど  
 おさまるくらいのサイズのゆうこの胸をもみしだく。ん……と、ゆうこが低く呻いた。  
 意外と大きいな、それに柔らかい。いつまでも触っていたくなると思いつつ、健吾は  
 ゆうこの服をまくり上げる。さすがにゆうこの顔が赤くなったのがわかった。  
 
 今度は断りもなく、スポーツブラに覆われた乳房を解放すると、ぷるんと二つの双丘が  
 まろび出た。小さな桜色の乳首に、吸い寄せられるように健吾は吸い付いていた。  
 
「んは……っ。く、くすぐったい……」  
 
 ぶるぶるとゆうこが震えるのは、どうやら本当にくすぐったいのを我慢しているかららしい。  
 AVなどでは甘い喘ぎを上げたりしていたが、初めてだとこういう事になるのかも知れない。  
 などと健吾は妙に冷静になりながらも、ゆうこの乳首を舐め続けた。感じるか感じないかと、  
 健吾がどうしたいかは別物だ。  
 
 幼いころは一緒に風呂に入ったこともある幼なじみの胸は、ぺったんこだった頃に較べて  
 ずいぶんと女らしく成長していた。未だ幾分固さは残すものの、形といい大きさといい、  
 それはすでに十分「女性」と言うに相応しい。そのギャップに、健吾は著しく興奮した。  
 
「んっ……んっ……け、健吾……」  
 
 ゆうこの声に甘いものが混じりはじめる。くすぐったいのを通り越して、少し気持ちよく  
 なってきたらしい。もっと舐めて、と言わんばかりの視線を送ってくる。だが健吾も同じ  
 ことをずっとしているつもりはなかった。  
 
「下」  
「……え、なに?」  
「下、脱がすぞ」  
 
 ちょっと待ってきゃあ! と悲鳴をあげるゆうこを無視して、刈谷はゆうこの部屋着のズボンに  
 手をかけ、ずり降ろした。尻をついていたのでうまく脱がせることができなかったものの、  
 ゆうこの秘所がすでに蒸れるように濡れていることが、脱がせた下着を見てよくわかった。  
 
「脚、開いてくれ」  
「さ、さすがにちょっと恥ずかしい……」  
 
 ゆうこが、おずおずと脚を開いていく。無駄な筋肉の一切ついていない両脚の最奥部に、  
 うっすらとした陰毛に覆われた、ゆうこの秘所が開かれていた。ごくりと唾を飲み込み、  
 じっくりとそこをのぞき込む。  
 
 女性器を見るのは初めてではなかった。悪友が無修正のビデオを手に入れたのを借り、  
 見たことがあったからだ。その時は黒くてグロいな、などと思ったものの、ゆうこの  
 それは、ビデオで見たモノなどとはまるで違っていて、ピンク色で綺麗だった。  
 
「ど、どう……?」  
「どうって、何が?」  
「私の、変じゃない?」  
 
 ぷっと、思わず健吾は吹き出した。  
 
「わ、笑ったわね! ひっどーい! 女のコの一番大事なトコ見て笑うなんてっ!」  
 
 起き上がったゆうこが、顔を真っ赤にしてぽかぽかと拳で健吾を叩いた。  
 そんなゆうこを見ながら、不覚にも可愛いじゃないか、などと思ってしまう。  
 
「いや、悪い。別に変じゃない……と思う」  
「思うって何よ」  
「……他のを見たことないから、よく分からん」  
 
 しばらくゆうこは、う〜と不満げに唸っていたものの、やがて何か思いついたらしく、  
 顔を赤くしながらも悪戯っぽく笑みを浮かべてこう言った。  
 
「私のアソコ見せたんだから、健吾のオチンチンも見せてよ」  
「オチン……って、お前……」  
 
 直接的な物言いに、健吾のほうが赤面してしまう。見せろ見せろと騒ぎ立てるので、  
 仕方なくズボンを降ろすと、必要以上に顔を近づけて、ゆうこは健吾のモノをしげしげと  
 眺めた。痛いほど屹立したそれは、ゆうこの小さな顔と並べて見ると暴力的ですらある。  
 
「ちっちゃい頃見たときと形が違うわ。エッチなかんじ……」  
 
「お前だってそうだろう」  
 
 再びころんとゆうこをベッドの上に転がし、股を開かせた。健吾のモノの先端が  
 くちゅりとゆうこの秘所に触れて音を立てる。ひっ、と短くゆうこが悲鳴を上げた。  
 
「な、なに、もうするの?」  
「そのつもりだが……やめるか?」  
「ううん……やめなくていい」  
 
 赤ん坊のように肘を曲げた両手を顔の横に放り出し、ゆうこは横を向きながら言った。  
 
「だけど……その……初めてだから、やさしくして」  
「……やってみる」  
 
 ちゅぶ……と音を立てて、十分に濡れたゆうこの秘所が刈谷のモノの先端を飲み込んだ。  
 身体が小柄なので非常にきついと思ったが、秘所は自在に形を変えて、やわらかく  
 健吾を包み込もうとする。  
 
「あっ……う……い、いたい、痛い痛い痛いーーーッ!」  
 
 ゆうこが大声で悲鳴を上げるので、あわてて片手でその口をふさいだ。夜中なのだ。  
 他の家族に見つかったら気まずいどころの騒ぎではない。  
 
「お前、ちょっと静かにしてろ」  
「むーっ! む、むんむーーーっ!?!」  
 
 瞳の端から涙を流しているところを見ると、相当に痛いらしい。確かに挿入に少々の  
 抵抗を感じたが、頭の中が沸騰しはじめた健吾はそんなことでは止まらなかった。  
 
 小学生のような小さなからだの女の子の口をふさぎながら、無理矢理挿入しているという  
 傍目には非常にまずい絵面になっていたものの、そんなことにも健吾は気づかなかった。  
 
 柔らかい肉が自分のモノを包み込み、そしてぎゅうぎゅうと締め付けている。  
 やがて健吾のモノがゆうこの最奥部に到達したことが分かる。腰を沈めながら、  
 健吾は動きを止めた。短い息使いを繰り返しながら、ゆうこは何かに耐えている。  
 
「はっ…! はっ……! はっ……!」  
「すまん、痛かったか?」  
「はっ……カクゴしてたから、……っ大丈夫! それより、動きなさいよ……」  
「……大丈夫なのか?」  
「気にしないでいいから。挿れたり出したりしてみて」  
 
 相変わらずの直接的な言動にはこちらが赤面してしまうが、健吾は言われた通りに  
 腰を前後に動かした。ぷつぷつと何かが健吾の亀頭に引っかかり、出て行こうとするのを  
 止めようとする。そして再び挿入。再び柔らかい肉をかき分けて健吾のモノがゆうこの  
 秘所の内側を嬲ってゆくのが分かる。有り体に言えば、めちゃくちゃ気持ちよかった。  
 
「あ……あっ、ちょ、ちょっと気持ちイイかも」  
「……本当か?」  
「うん。ホントだから、もっと動いて。もっと乱暴にしていいから」  
 
 そう言われては、健吾は止まらなかった。ゆうこの小さな身体を押し潰すようにして  
 抱きかかえ、腰を乱暴に打ち付ける。じゅぶ、じゅぶ、じゅぶ、じゅぶと音がして、  
 健吾のモノがゆうこの膣内を暴れ回った。  
 
「きゃうっ! きゃ! っきゃ! ぃうっ、っきもちいいっ! あッ!」  
 
 幸いなことにゆうこも感じ始めたようで、遠慮なく声を上げ始めた。その声がだんだん  
 大きくなってきたので、健吾は再びゆうこの口を塞がなければならなかった。  
 
「むうーっ!」  
「だから、声でかいって」  
「……ぷはぁ。アッ、アンッ! こ、こうやってされてると……アッ!」  
「……なんだ?」  
「……健吾に犯されてるみたいで、興奮するねッ! アッ! いいッ!」  
 
 さらに、健吾に火がついた。うねるように腰を動かし、ゆうこの膣のすみずみまでも  
 味わい尽くそうとする。しかし、やがて限界がやってきた。  
 
「だ……めだ、ゆうこ、イクぞっ……!」  
「うん、出して」  
「……ってお前、なんで脚からめてるんだよ。膣出ししちまうだろ……ッ!」  
「いいじゃん、別に……気持ちよさそうだし……きゃッ!?」  
 
 ゆうこの膣内で、健吾のモノが爆発した。かのように思えた。一瞬動きを止めた健吾の  
 モノの先端から、爆発的に精が迸る。その勢いを身体の奥で感じ取って、ゆうこは恍惚とした  
 表情になった。  
 
「あ……健吾の、いっぱい出てる……」  
 
 いちいち恥ずかしいことを言うやつだ、と最後まで健吾は呆つつも、ゆうこの身体に欲望を  
 全て解き放つまで、ぎゅっとその身体を抱きしめ続けていた。  
 
 ☆☆☆  
 
 真っ赤になった天ヶ崎が、目をまん丸にしてゆうこの話に聞き入っている。  
 凪原はすでに、ゆうこのエロエロ話にノックダウン状態で、布団の上に突っ伏して伸びていた。  
 階段部の合宿夜の部。女子の猥談のお時間である。  
 
 「刈谷先輩と九重先輩がそんなことになってたなんて……全然知りませんでした」  
 
 なぜか腰をもじもじさせながら、天ヶ崎がやっと言葉を紡ぎ出したといった風で言う。  
   
 「二人とも平気な顔をしているから。でも九重先輩、今、お身体は大丈夫なんですか?」  
 「へ、身体って? なんで?」  
 「だ……だって、処女喪失の後は……その……股の間に異物感があるとかって……」  
 「あぁ! うん、しばらくはあったよー。でももう随分前の話だしさー」  
 「随分……前……? え、だって三年って……」  
 
 きょとんとする天ヶ崎に、違う違う! とゆうこは手を振った。  
 
 「これ中三の時の話! 健吾とは今でも時々するよ。健吾ったらまったくお猿さんだからさー」  
 
 ちゅう……さん……てことは、今までもずっと刈谷先輩……と……?  
 凪原に続いて、天ヶ崎もノックダウン。そんな二人を見ながら、ゆうこは笑いましたとさ。  
 
 おしまい  
 

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