証言1「今思えば最初から健吾を見る目が違ってたのよね〜  
近くにこんなにステキな美少女がいるっていうのに!」  
証言2「三枝君の解析能力にも感心してましたしね。  
三枝君も見城さんとお付き合いはじめたのもダミーじゃないかしら?」  
証言3「波佐間君のことも何回か聞かれたわ。最近は学校交流の一環だと  
言いながらたびたび連絡取ってるみたいだけど」  
証言4「い、井筒君との距離がとっても近い気がします……」  
証言5「……私のこと避ける……」  
 
 
「というわけで第1回チキチキ神庭君のお相手は誰よ? 大会〜!  
司会は陸上部期待の星、三島がお送りしまーす」  
ぱちぱちぱち……おざなりな拍手がぱらぱらと鳴る。  
日曜、ファミレスの一角を少女たちが占有して様は目立つ。  
それ以上に聞き漏れてくる会話は周囲の注目を集める内容だった。悪い意味で。  
 
「最初から変なのよ! 私やいずみちゃんという美少女がそろっていながら、  
健吾やサエぽんのところばっかに行くし、井筒っちともベタベタしてるし。  
それっぽいと思ってたのよ!」  
「女神や女神候補だった私たちが言うのならわかりますが、  
九重先輩が美少女というのは言いすぎだと思うのですけど」  
「うるさーい副会長! 生徒会の犬め!」  
「それを言うなら神庭君も生徒会の犬ですけど」  
「缶バッチは階段部のペットだからいいの!」  
 
九重と御神楽が最初からエキサイトする。  
凪原は「ペットですか……ステキですねぇ ////」と思考が飛び、  
司会のはずの三島は「ペット……ペットなのか……」と落ち込んでいる。  
 
「そんなことないですわ、私のこともよく見てるようですし。主に胸とか。  
あと耳元でささやいたりすると真っ赤になったりしますし」  
「……いずみ、そんなことしてたの?」  
「だって神庭君かわいいんですもの。小動物っぽくて」  
「……不潔」  
「いじける美冬もかわいいですわ!」  
 
いずみが美冬を抱きしめる。  
首入ってません? タップしてますよ?  
 
「前から思ってたんだけど、天ヶ崎さんてそっちの気もあるのかしら」  
「どうでしょう? ツンデレは好きですけど。そうそうこの間は水戸野さんを落としたわ。  
次はあなたがいいかしら? あ・や・め・ちゃん」  
「私にその気は無いからやめてちょうだい」  
 
早速脱線。復活した三島が軌道修正を試みる。  
 
「えーとナギナギ、聞き取り調査をした結果を教えてくれる?」  
「はい。階段部に入部した神庭君は刈谷先輩に初めてを奪われる。  
その後三枝先輩にテクニックを叩き込まれるが、刈谷先輩との夜が忘れられない。  
でも刈谷先輩には遊佐先輩という恋人がいるので諦めるしかない。  
同期の井筒君は神庭君に心を奪われているが、神庭君は気づかず状態。  
そんなところに波佐間さんがあらわれ神庭君を誘惑するけど、  
刈谷先輩が颯爽と登場し、神庭君を花嫁として連れて行くという設定です」  
「ちょっと待って。それ何の話なの?」  
「漫研BL部門の裏会報ですよ、御神楽さん」  
「それ、今でも手に入るの?」  
「大丈夫だと思います。でも予算が無くて新刊が出せないって」  
「わかりました。予備予算を計上します」  
 
職権乱用ですよ、御神楽さん。  
ていうかそんなもの出していいんですか。  
 
「健吾の相手はゲンちゃんでもいいかなー」  
「波佐間君なら天栗浜の生徒でもわかりますが、寺城さんでは  
絡みにくいと思いますわ、部長」  
 
確かに。  
 
「はいはい! それよりも神庭君が吉田君たちに襲われる話が読みたいです!」  
「そこへ井筒君が駆けつけるんですね!」  
「『ありがとう井筒……でも僕汚されちゃった……』」  
「『そんなことない! 俺が綺麗にしてやる!』」  
 
がばぁ! と三島と凪原が抱き合う。あのーみんな見てますけど。  
 
「教頭の奴隷ってのもいいかもしれないわね。『階段部を維持したいなら……』って」  
「大津先生でもいいかもしれませんわ。オヤジ攻もいいものです」  
 
いずみとあやめががっちり握手してる。なんですかそれ。  
 
「ところでケータイの方はどうだったの? 美冬」  
「メールやり取り回数をカウントしたら  
1位波佐間、2位井筒、3位三枝、4位刈谷だった」  
「あら、波佐間さん優勢ね」  
「離れているから多いのかも。離れているからこそ二人は燃え上がる」  
「実は腹違いの兄弟でもいいかもしれないわね。幼い頃に引き裂かれた二人が引き合うの」  
 
美冬サムズアップ。そういうの好きですか。  
それと勝手にメール見ないでください。  
 
「まとまらないので本人に聞いてみたいと思います。  
んでどうなのよ? 神庭君」  
 
休日を満喫していたのに突然美冬姉さんにひっぱられて連れて行かれた先は  
理解不能な空間。やっと発言権をもらったと思えば……  
つまり僕は男の方が好きだと思われているのだろうか?  
 
「えーと……こんなときどんな顔をしたらいいかわからないんですけど」  
「掘ればいいと思うよ」  
 
凪原さん怖いです。  
 
「要するに僕が男色だと思われていると」  
 
みんな一様にうなづいてます。  
 
「んなわけないですよ! 僕はいたってノーマルな男子高校生です!  
女の子のが好きに決まってるじゃないですか!」  
「じゃあ誰が好きなの?」  
 
あやめさんの突っ込みに一斉にみんなの目が輝きだした。  
BLは前フリでコレが目的だったか。  
しかしこんなとこでくじける僕じゃない。僕は生徒会長なのだから!!  
 
「今は特定の誰かを好きということは無いです」  
「それならタイプは? それなら言えるでしょ?  
この中ならいろんなタイプがそろってるし。どう?」  
 
そうきたか。うう、どうしよう……  
 
「それならもちろん部長たる私に決まってるわ!」  
「「「「「「それはない」」」」」」  
 
あー一斉に否定されて凹んでる。あんな部長見たことないや。  
なんだかかわいそうなので部長のためにチョコパフェを注文した。  
 
「タイプとかそういわれても……」  
「ぴったりじゃなくていいのよ。とりあえず聞いてみたいだけだし」  
 
そんな「絶対言いやがれ」って書かれてるような顔で言われても……そうだあの人なら  
 
「凪原さんかな? イメージとして女の子っぽいというか。  
あ、でも井筒のこと好きだからダメだね」  
「え? 私ですか? ど、どうしよう?  
あ、でも私神庭君のこと嫌いじゃないし、井筒最近つめたいし、  
神庭君が私と付き合いたいっていうならまんざらでもないっていうか……」  
 
「ナギナギ、ちょっとトイレ付き合ってくれない?」  
「え? 私今行きたく」  
 
三島さんが問答無用で引っ張ってく。なんだかガスッだのゴスッだの  
微妙な音も聞こえてくる。こえぇぇ  
 
「あ、ナギナギね、具合悪くなったから帰るって」  
 
ハンカチが赤く染まってるんですけど……  
遠くから「お客さん大丈夫ですか!」なんて声がするけど聞こえないことにする。  
 
「で、誰だっけ?」  
 
まだ逃げられないか……ここにいるメンバーはマズイ。ならば……  
 
「そ、そうだ。太陽の女神様、山田さん。あの人美人でかっこいいよね。  
リーダーシップ取れるし、ああいうタイプが好きかも」  
「なになに? 神庭君、私のこと好きなの?」  
 
くぁwせdrftgyふじこ! なんでここにいるですか!  
 
「部活終わったからみんなで来たの。へー神庭君私のこと好きなのかー  
そういう風に言われたことないからうれしいかも」  
 
やばい、これはやばい。どうする俺!  
 
「あら、いいとこで会ったわ山田さん。私合気道やってたんだけど  
レスリングの人と手合わせしたことないの。相手してくださらない?」  
 
あやめさんの背中になんか見えるんですけど! 超怖いんですけど!  
 
「え、なに? 副会長が私とやろうっての? 外出る?」  
「ここの裏に芝生のある公園があったわね。そこでどう?」  
「いいよ、相手になってあげる」  
 
どちらも戦闘モードで店外へ。まもなく戻ってきたのはあやめさんだけだった。  
 
「山田さん用事を思い出したみたい。帰ったわ」  
 
そのほほについてるのは返り血じゃないっすか? 山田さんどうなったの?!  
 
「会長、先ほどの言葉がよく聞き取れなかったのでもう一度言ってもらえます?」  
 
駄目だ、どうしよう。うーん。うーん。うーん。  
そうだ! みんながあんまり知らないあの人なら!  
 
「そうそう西園寺さん! いずみ先輩のお付の人なんだけど、立ち振る舞いが  
かっこよくて大人の働く女性って感じで」  
 
あら? いずみ先輩ケータイ取り出して何してるんです?  
 
「……西園寺さん?」  
『お嬢様、なにか御用ですか?』  
「あなた、今日でクビね」  
『……は? どういうこと』  
ツーツーツー  
「ん? 神庭君どうかなさいました?」  
 
あぁぁ僕はなんてことを! 一人の女性の人生を変えてしまったのか!  
責任とらないといけないかも!  
 
「で、どなたでしたかしら?」  
 
まだ続くのね……僕の席は一番奥で両方から圧迫されてるので逃げることも出来ない。  
考えろ僕考えろ僕考えろ僕考えろ僕考えろ僕考えろ僕考えろ僕考えろ僕  
仕方ない。あまりいいとはいえないけどアレでいこう。  
 
「本当は僕のおかあさんなんです。小さい頃に死んじゃったから  
おかあさんにあこがれてるんだと思う。よく覚えてないんですけどね」  
 
死者なら誰も攻めることは出来ない。これで逃げられる。  
 
「おかあさん……年上……母性……おっぱい……ちょっと希春姉さん殺してくる……」  
 
うわー!うわー! それはダメです美冬姉さん! いずみ先輩も止めてください!  
 
「でもライバルは少ないほうがいいし……」  
 
うちを崩壊させるつもりですか! 僕も学校に行けなくなります!  
つまらないわと言いながらもなんとか止めてくれた。はぁ。  
 
「……だから幸宏は誰ならいいのよ……」  
 
それは僕が聞きたいぐらいですよ……いいかげん帰りたい……  
ん? そうか女の人の名前を出すダメなのか。ならば……  
 
「今はやっぱりタイプとかも考えられないです。階段部とか生徒会とかで  
いっぱいいっぱいだし、井筒達と遊んでる方が楽しいですから」  
 
殺気立ってた雰囲気が消える。助かった、これで逃げられる  
と思って見回すと、みんなが嫌な笑みを浮かべていることに気づいた。  
 
「やっぱり男の方が好きなんじゃないですか」  
 
あれ? 凪原さん救急車で運ばれたんじゃ……  
 
「それでは引き続き第2回チキチキ神庭君のお相手は誰よ? 大会〜!」  
「続くのかよ!」  
 
以下エンドレス  
 
 

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