「ふぅ。」  
刈谷はそう息をもらし、三時間も続く勉強に一休みをいれた。  
そろそろ模試が近い。階段部と生徒会に時間を取られる刈谷は、  
今みたいな深夜にしか、勉強が出来ない。  
それでも成績はトップクラスを維持するにはかなりの努力が必要だ。  
ふと、窓の外を見ると隣のお騒がせ娘の部屋に  
なんと灯りがついていた。  
「勉強か…?  
いや、あり得ないな。にしても珍しい。」  
同じ大学に行くと宣言しているお騒がせ娘、九重だが  
高校と違ってさすがにいくら勉強したって無理だろう。  
「さて、コーヒーでも飲むか。」  
その時、向こうの窓に写る影が動いたのを刈谷は知るよしもない  
 
十数分後、刈谷はマグカップを片手に部屋に戻ってきた。  
「ん?」  
妙に寒い。そしてやや部屋の物の配置が変わっている  
そしてなにより…  
「ゆうこ!」  
ベッドが膨らんでいた。  
「ん〜。見付かっちゃったか〜」  
「見つからない方がおかしい。  
それにしても、こんな遅くにどうした。不法侵入だ」  
「ん?それはもちろん  
勉強している健吾を励ましにきたんじゃないの〜」  
「邪魔だ。帰れ」  
「なによ〜。冷たいわね。  
それはそうと…コレ!なにかしら〜?」  
それはまさしく、遊佐から借りた、エロ本だった。  
「っ!!」  
「こんなのにハァハァしてたなんて、健吾も男ねぇ  
私というのが、ありながらさぁ〜」  
「……」  
「まったく、汚らわしいわよ!となりで男が悶々としてるなんて!」  
「……勉強で忙しい。帰ってくれ」  
「だ〜め。こんなんじゃ集中できないでしょ?  
性欲処理してあげるから  
私のカラダで」  
「正気か?」  
「なによ。あたしの処女奪ったくせに  
なつかしいわねぇ」  
 
刈谷は若気の至りで起こした事件を回想していた。  
「お前、はじめからそのつもりでここに忍びこんだんじゃ…」  
「ぐだぐだ言わない。ゴム買ってきて。」  
 
とりあえずコンビニに向かった刈谷は、心ここにあらずで、  
気付いたらコンドーム四箱も買っていた。  
(何回ヤるつもりなんだろうね、俺は…)  
飲み物、菓子等も一緒に買っていたので、かなりの荷物になった。  
 
「遅い!」  
「うるさい」  
九重はドサッと置いたビニール袋をあさりながら、  
「あら、健吾。かなり気合い入ってんじゃない、これじゃぁ徹夜ね〜」と呟いた。  
「明日は休日だからな…」  
「…スケベ」  
「お前こそ」  
 
久しぶりということもあり、  
両者とも若干頬を赤く染めているが、まるでムードがない。  
 
「前回は二ヶ月前だったかしら。」  
「ああ。たしかそれぐらいだ。」  
「あの時は健吾が狼になったのよねぇ〜!」  
「お前が誘ってハズだが…」  
「それにしても  
ハァ…もう大学か…。」  
「その前に受験だな」  
「平気よ。健吾に教わるから」  
「俺が勉強できないだろ」  
「私の学力が上がって健吾が下がる。  
丁度いいじゃない。」  
「お前な…」  
「階段部の皆とも会えにくくなるな…」  
「大学ではやるなよ。」  
「どうしよっかな?」  
「高校か…色々あったな」  
「ふふ。そうね。  
だから最後に高校の青春をつくりましょう」  
「そうだな」  
 
「着衣?裸?」九重が尋ねる。  
「裸」  
「えっち」  
「なら聞くな」  
 
お互い生まれたままの姿となった。さすがに両者顔が赤い。  
二人の身長差があまりにあるので、九重が子供に見える。  
だが、ゴムをつけた、そそり立った肉棒と  
濡れて艶めかしく光る穴が二人が子供でないことを証明している  
「前戯はするか?」  
「いらないわよ」  
そう言って抱き締めるような体位になる。  
 
 
 

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