ダン、ダン、ダン、ダン。階段を駆け上がる音が響く。踊場を2歩でまわり息を切らせながら駆け上がる。  
「この階段を登ればゴールだっ!」  
 最後の階段を一気に駆け上がりゴール突っ込む。  
「どうだ!」  
 
 神庭幸宏はゴールに飛び込むと同時にそう叫んだ。  
「2分18秒38……うん、なかなかいいタイムだな神庭、」  
 タイムを計っていた三枝宗司がパソコンにタイムを入力しながら言った。  
「まだまだ先輩たちには及びませんけどね。」  
 と、自分のタイムと一緒に走っていた、九重ゆうこのタイムを見比べ幸宏はそう答えながらも  
「よし!前回よりもタイムがのびてる」と手ごたえを感じていた。  
 そして、「よし、5分後に井筒といづみな」という刈谷健吾の声を聞きながら神庭は壁にもたれかかり今の自分の走りを思い出していた。  
 
「神庭君、おつかれ。最近では一番いいタイムじゃない?」  
「ありがとうございます、いづみ先輩」  
 壁にもたれていると、次に井筒研と走る予定の天ヶ崎泉がスポーツドリンクを差し出しながら声をかけてきた。  
「ねえ、神庭君。少し聞きたいんだけど……いいかな?」  
「はい、いづみ先輩、なんですか?」  
 幸宏は渡されたスポーツドリンクを飲みながら聞いた。  
 天ヶ崎は一瞬迷ったような表情をしたあと、幸宏だけに聞こえるように小声でこう尋ねた。  
「その……ね、最近神庭君が御神楽さんと一緒にいるとこをよく見かけるらしいんだけど……」  
「もしかして、付き合ってる?」  
「へ?」  
 思いがけない質問に飲んでいたドリンクをふき出しそうになるのをこらえ、顔が紅潮するのを感じながら幸宏は必死になって答えた。  
「い、いや、まさかそんな!彼女とはクラスメイトだし、生徒会のこととかでよく話したりはしますけど!つ、付き合っているなんて!」  
「じゃあ、御神楽さんのことが気になっていたり……する?」  
 その言葉を聞いた瞬間、幸宏の頭に御神楽の自分に向けて微笑んだ顔がうかび、幸宏は完全にパニックになった。  
 た、確かに彼女の人形のように透き通っている白い肌とか、半月形の吸い込まれそうな瞳とか、彼女がまとっている花の香りとか、気になっているというか気になりっぱなしだけど……と、そこまで考えて幸宏はふと気づき、天ヶ崎に尋ねた。  
「あ、あの!どうして!そんなこと聞くんですか!」  
 突然の幸宏からの問いに、天ヶ崎は少し驚いたというよりあせった表情を見せた後、少し目を泳がせてからこう答えた。  
「えっ……えっと、うん、そのね、九重先輩に、いづみちゃん!最近の缶バッチはなん〜〜〜〜かあやしいわっ。階段部の未来のためっ!黒翼の天使の名にかけて缶バッチの女性関係を探るのよ!って頼まれてね」  
 幸宏はげんなりした顔をして、九重先輩、あなたは天ヶ崎先輩に何をさせてるんですか何を。と半ばあきれながら「そ、そうですか。大変ですね」と答えた。「で、それで御神楽さんのことどうな」と天ヶ崎が言いかけたところで、  
「いずみ!そろそろ測定いくぞ!」  
 と、刈谷から声がかかり、「あ、はい!わかりました!」と天ヶ崎は答えた。天ヶ崎は幸宏のことをじっと見て少し考えた風にした後、  
「へんなこと聞いてごめんなさい。できればこのことは忘れてね」  
 と、幸宏にむかって微笑みながら手を合わせた後、階段のほうへ歩いていった。  
 幸宏は、天ヶ崎からの追求が終わった安堵感でほっとしており、「これは、脈ありかも……」と天ヶ崎がつぶやいたのを知るよしもなかった。  
 
 
「いずみ先輩、それで、手伝ってほしいことって何ですか?」  
幸宏は自分と天ヶ崎以外だれもいない放送室で天ヶ崎に尋ねる。  
天ヶ崎は「ちょっと待って、すぐ来ると思うんだけど……」と返事をし、困ったような笑みをうかべた。  
二人がいるのは、放送室のO・Aルーム。少し前に幸宏が御神楽と幾度も激論を交わした場所でもある。  
もう、ほとんどの生徒が部活働を終えて帰宅する時間であって、校内に残っている生徒は数少ないということもあり、だれもいない放送室は防音設備が行き届いているということもあいまって、世界に自分たち二人しかいないように感じる。  
 
この日、部活が終わり階段掃除を終え帰ろうとした幸宏は、終わるのを待っていたのか天ヶ崎に呼び止めれらていた。  
いずみ「神庭君、少し手伝ってもらいたい用事があるんだけど……この後時間ある?」  
幸  「階段部のことですか?」  
いずみ「ん〜、ちょっと個人的なことなんだけど、神庭君に手伝ってもらいたいことなの」  
幸  「ええ、僕でよければ、勉強教えて〜とかそんなことじゃなければ」  
いずみ「そう、良かった。すごく簡単なことだから……ついてきて」  
という会話のあと現在に至る。幸宏は「いったい用事ってなんだろう」とか、「何で放送室の鍵を持っているんだ」という疑問はあったが、「いずみ先輩の頼みだし」ということで天ヶ崎が何か言うのを待っていた。放送室に入ってしばらくして  
「あ、やっと来た」  
という、天ヶ崎の安堵の声に、入り口のほうを見ると  
「へ!?」  
と、思わず声が出た。  
そこには幸宏にとっては意外な人物、美冬が顔を紅潮させうつむきながら立っていた。  
 
美冬は放送室に一歩入ってから動こうとしない。そしてじっと天ヶ崎のほうをすがるような目で見ている。  
「美冬、遅くて心配したよ。神庭君ちょっと待っててね」  
天ヶ崎は、少しため息をついてから美冬に声をかけ美冬と何事か相談?をし始めた。  
幸宏は、そんな二人を見ながら「用事って、美冬姉さんがらみなのか?」と内心きがきでなかった。  
ときおり、「やっぱりだめ」とか、「……なってもいいの?」とか「幸宏は……大丈夫」とか言う声が聞こえてくる。  
「僕が大丈夫って何?」  
と、幸宏が目を泳がしながら頭をめぐらしていると、  
「……じゃあ、証拠、見せてあげるね」  
と、天ヶ崎が幸宏の方に近づいてきた。  
「いづみ先輩、用事っていったいな……」  
と、幸宏は言いかけたが、天ヶ崎が少し顔を紅潮させながら、真剣な口調で  
「神庭君、私のこと……好き?」  
と言ったため、幸宏は「え!?」と呆然としながら天ヶ崎の顔を凝視した。  
「す、好きっていうか!……もちろん嫌いじゃないですけど、で、でも!好きってその……そういうことで、え〜〜〜〜〜!?」  
幸宏は頭に血が上り顔が一気に紅潮し、自分でも何を言っているのかわからなかった。  
天ヶ崎は、そんな幸宏の様子をしばらく眺めてから、少し迷ったような顔をした後、いきなり幸宏の左手をつかんだかと思うと、自分の胸に押し付け、そのまま抱きしめた。  
 
「〜〜〜〜〜〜!?」  
幸宏は天ヶ崎の行動、そして胸の感触に「や、やばい、てかなんでこんな、すごくやわらかい……じゃなくて!」  
と放心しながら天ヶ崎のほうを見ると、ドラマで女性が恋人に向けるような顔をした天ヶ崎と目が合い、硬直した瞬間、  
天ヶ崎に  
「私の胸……きもちいいかな?」  
と恥ずかしそうに言われ、「は、はい!」と思わず答えてしまう。  
その様子を微笑みながら見ていた天ヶ崎は「やっぱりかわいいよ、神庭君」とつぶやき胸におかれた幸宏の手の感触を感じながら、  
畳み掛けるように  
「あっ、神庭君の好きに触って……、んっ、いいよ」  
と、幸宏にささやいた。  
「だめだ!」と頭では思っているが、幸宏の手はゆっくりではあるが天ヶ崎のその胸の感触をもっと感じたい、と確実に動いていた。  
そして、動きが大きくなるにつれて、少し強くつかんでしまう。  
「んっ、神庭くっ、ん、すごくエッチな手つき……あん、もっと強くしてもいいよ」  
天ヶ崎のくぐもった声に理性が完全に失われそうになるのを感じ、一瞬「やばい!」とわれに返った幸宏は、美冬に助けを求めようと、  
美冬のほうを見た。しかし、美冬は呆然としたままこちらを凝視し、なぜか泣きそうな顔をしていて幸宏の視線に気づかない。  
天ヶ崎はそんな美冬を横目で少し見た後、「もう一押しね」とつぶやき  
「じかに……触ってみる?」  
と、幸宏の耳元でつぶやき、恥ずかしそうではあるが妖艶な大人の女性の笑み、普段の上品で落ち着いたお嬢様のような笑み  
とはまったく異質の笑みを浮かべながら、制服を幸宏に見せ付けるように一枚ずつゆっくりと脱ぎだした。そして最後の一枚、  
ブラのホックに手をかけたところで天ヶ崎は、美冬に向かって挑発するような口調で言い放った。  
「ほんとに幸宏君、もらっちゃうから」  
その瞬間、美冬は「だめっ……」と小さく叫ぶと、二人に向かって走り出し、そのまま幸宏に文字どうり飛び込むと、  
その小さくうす桃色をしたくちびるを「んっ」と幸宏のそれに押し付けた。  
そう、それは、押し付けるだけのものだった。まるで稚拙な子供のキス。しかも一瞬で離れてしまう。  
しかし、幸宏にはただ実際には3秒程度だったであろうその時間が、何倍にも感じられた。二人が真っ赤になったままうつむいていると、  
「あの……ね、美冬、神庭君に先に言うことがあると……思うんだけど?」  
というなぜか満足そうな天ヶ崎の言葉にはっとなった美冬は、幸宏だけに聞こえるように、しかしはっきりと  
「幸宏……好き」  
とさらに顔を紅潮させながら言った。  
 
「幸宏……好き」  
その言葉を聞き、天ヶ崎いずみはほっと胸をなでおろした。天ヶ崎は、脱いだ服を着なおして、  
「ぎりぎりだったね、美冬」  
と言いながら固まっている二人、神庭幸宏と神庭美冬に、話しかけた。  
「ね、いったとおりでしょ、美冬。神庭君、私であんなになるんだから、御神楽さんだったらすぐに落ちちゃってたよ。きっと」  
美冬は「………」と固まったまま天ヶ崎をにらんでいる。同じように固まっていた幸宏は、はっとした顔になり  
「まさかこの前のあれって九重先輩じゃなくて…」  
と、天ヶ崎に尋ねると、  
「うん、美冬が毎日心配そうにしてたから、つい…ね。うそついてごめんね、神庭君。それと…無理やりしてごめん。  
まさか美冬がこれほど臆病だとは思わなくて…」  
と、天ヶ崎は美冬のほうを見ながら微笑んで言った。  
美冬がまた「………」と天ヶ崎を睨んだ時、幸宏は天ヶ崎が、  
「美冬、後はあなたしだい。…床は冷たいし、これ、置いていくから」  
と言い、出したものを見て  
「それ毛布じゃないですか!それでナニをしろと、っていうかどこから!」  
と顔を真っ赤にして叫んだ。  
「え、宿直室から借りたの。ナニって…分かってるよね。ふふふ、顔に出てるよ神庭君。  
でもね、美冬もそれを望んでる。そのつもりで来たんだし。じゃあ、また明日。美冬!がんばって。神庭君、鍵ちゃんと閉めて帰ってね」  
そう苦笑しながら天ヶ崎は二人を残して放送室を出て行った。  
 
 
「で、でも…美冬姉さんは、相手が僕なんかで…いいの?」  
幸宏はこれから自分と美冬が何をするのか頭の中で反芻しながら聞いた。  
「私は…いい、幸宏のこと…その、好きだから…あとは、幸宏の気持ちしだい」  
幸宏が固まっていると、美冬が泣きそうな声で言った。  
「幸宏…私のこと、やっぱり…嫌い?」  
その瞬間、幸宏は自分の体の内に膨れ上がってきていた美冬への思いをどう表現していいのか分からず、  
「んっ…」  
キスをした。やさしくゆっくりと抱きしめて、気持ちが伝わるようにキスをした。  
しかし、だんだん感情が暴走し始める。  
「んっ!?ゆ、幸宏!?し、した、あ、んむ、ん〜〜〜〜〜っ!」  
美冬は幸宏がした突然のことに思わず顔を離してしまった。  
「入れるなら言って…」  
美冬は怒った顔をして、幸宏をにらんだ。  
「ご、ごめん。そ、その、こ、こういう時のキスってこういうものだと思っていたから…。」  
「………」  
「そ、その、今度はゆっくりするね」  
幸宏はそう言いい、美冬がうなずいたのを見て再び美冬の唇に吸いつき、徐々に舌を侵入させていく。  
「ん…んむ…あ、はぁ…ん」  
幸宏がゆっくりと舌を絡めていると、美冬も少しずつ、少しずつ、絡め始める。  
「は、んっ…んちゅ…む…ちゅぷ…ん……はぁ、あ、あ、あ…っ、幸宏っ」  
 
「美冬姉さん…」  
幸宏は、そのまま制服ごしに胸に触れた。  
その瞬間に美冬が体をびくっと硬直させたように感じたが、おかまいなしに手を這わせていく。  
「いずみ…のよりさわりごこちよくないけど」  
「そ、そんなの比較できないよ。」  
「ホ、ホントに?……気持ちよさそうに触ってたくせに」  
そんなやり取りをかわしながら、幸宏は少しずつ先へと進む。  
「そ、その…じかに触りたいんだけど…いいかな?」  
「われながらムードがないな」と幸宏は内心情けなく思っていたが、美冬はこくん、と首肯し  
「脱ぐから、ちょっと待ってて」  
と、言い一枚ずつ脱いでいく。  
「ん…いいよ」  
幸宏は見とれていた。幸宏には、一糸まとわぬ姿になった美冬をひとりの姉ではなく、女性と認識することで本当に「女神」に見えたのである。  
「あ、ありがと」  
幸宏は、そんな受け答えしかできない自分に内心あきれながら、毛布の上に美冬を寝かせた。  
そして、美冬の胸を眺め、頭をくらくらさせながらも手を這わしていく。  
「んくっ」  
「ご、ごめん。痛かった?」  
美冬の反応に幸宏はあわてて尋ねたが、美冬が首を小さく振ってくれたのでほっとしてさらに美冬の胸にふれていく。  
そして、触れるだけでなく右手でつまんでみたり、マッサージをするように揉みこんでいく。  
「あ、ん…ん、ん…はぁ」  
美冬の押し殺すような声を聞きながら、小さなピンク色の突起、乳首を指でころころ転がす。  
そうしているうちに我慢できなくなった幸宏は、その乳首を口に行美今度は舌で転がし始めた。  
「や、あっ!こ、こら、幸宏、何を、ん〜〜〜〜い、いや、ちょっ」  
そんな美冬の反応がうれしくて、幸宏はさらに左手でもう一方の胸を揉みながら、美冬の乳首をせめ立てた。  
「あっ、ゆ、幸宏、だからそれだめっ、し、しびれて、しびれるからぁ、お、おねがいやめっ、あぁ!」  
美冬はまた全身を硬直させた。  
「…変態」  
幸宏が恐る恐る顔を覗き込むと、美冬がいつものように冷たい声を浴びせる。しかし、顔は真っ赤に上気し恥ずかしそうであり、  
なんだかすねているようにも見える。そんな普段の美冬からは考えられない顔を見た幸宏は、もっと酷いことをして美冬のそんな顔をもっと見たいと思い、  
再度胸への愛撫を開始し、今度は左手を美冬の内股に這わせた。  
「あっ、だから吸わないでっ…て、あ、あ、や〜っ、あぁ…え?今度はどこをさわっ、だ、だめ!そこは…」  
「美冬姉さん、少し黙ってて!」  
美冬がそこまで言ったところで、幸宏は強引に美冬の口をふさいだ。  
「んんっ!?」  
そして、自分の手の動きをごまかすように強引に舌を入れて、美冬の口の中をかき回す。  
「んっ!んんっ!あ…、はぁ、ん…ちゅぷ…んちゅ…ぅぅ」  
美冬の喉がこくこくと動き、幸宏の唾液を飲み込んでいくのを感じながら幸宏左手はようやく美冬の一番大事な部分、  
布でおおわれた美冬の女の部分につながる場所にたどりついた。  
自分だけが美冬に触れられる。そんな優越感と喜びに浸りながら、幸宏は布地と肌の境目や、その部分の中心を丁寧に丁寧に、  
指でなぞっていく。そして、その部分がだんだん湿り気をおびてきているのを感じた。  
 
「あぁ!、んんっ…はぁ、はぁ…ふぁああ!あぁ、ゆ、ゆきひろぉ…」  
美冬はなんとか落ち着こうとしていたが、しだいに声を抑えきれなくなっていた。  
「う、うそ…こ、こんな、こんなぁ…」  
幸宏の一つ一つの動作に体が歓喜に震え、心が溶けてしまいそうになる。  
そんな自分を必死につなぎとめながらも、幸宏の男の部分が大きく自己主張しているのを感じ、  
「いいよ、幸宏。そ、そのしても…」  
美冬は精一杯の勇気を振り絞り、幸宏にそう告げた。  
 
「え…」  
幸宏は美冬とキスを繰り返しながら、これからどうするか考えているところだった。  
「美冬姉さん…いいって?」  
幸宏は美冬が言わんとしていることがわかっていながら思わずそう尋ねる。  
「だ、だから……最後までしていいって、こと…でも、先に答えてほしい…」  
そういわれ幸宏は、美冬の問いの回答を言葉で言っていないことに気づいた。  
「美冬姉さん好きだ…愛してる」  
 
「そ、それじゃ…入れるね」  
幸宏は、着ていたものを脱ぎ、自分のモノを露出させ美冬に言った。  
「ん」  
美冬は幸宏を受け入れやすいように、足を開く。幸宏はその間に腰を入れ少しずつ中心部へと進んでいった。  
「ぁ、あ……うあああああ!」  
先を少し埋没させただけで、美冬は痛みを訴えた。  
「姉さん…ごめん。でも止められないよ…」  
幸宏はなんとか美冬の痛みを和らげてあげたいと思ったが、自分にそのための知識がないことはよくわかっていた。  
そのためただ謝ることしかできない自分が悔しかった。  
「ごめん、姉さん…ごめん」  
「幸宏…あやまらなくていい…」  
そして、幸宏はとうとう最後まで貫いたのを感じた。それだけで果ててしまいそうなのを感じじっと耐える。  
「幸宏…キス…してぇ……ん…んちゅ、む…ちゅぷ、はぁ…ん」  
幸宏は、深く美冬と口づけを交わす。美冬はそれだけでなんだか満ち足りた表情になった。そして、  
「動いて、いいよ」  
と、幸宏を促した。  
 
そんな美冬に促され、幸宏は少しずつ、少しずつ責めを激しくしていった。  
「はぁ、あぁ…あっ、あっ、うぁあ、…いぅぅ、く、あああ」  
美冬はぎゅっと、幸宏の手を握り、目にうっすらと涙をうかべている。幸宏は自分の感じる快楽が美冬には痛みしか与えていないことを感じていた。  
「姉さんごめん…でもきもちよくて…」  
「だから…あやまらない…で……あぁ…そっかぁ…私の中…きもちいいんだ…」  
「うん…僕もうだめになるくらい…美冬姉さんの中…いい…」  
「はぁ、あっ、つぅ…あっ、あっ、あっ…ゆき…ひろ、ありがっ、あっ、あっ、つぅ…」  
「ん…ん、はぁ…ちゅぷ、幸宏ぉ、あ、あ、んぷっ…んちゅ、んんっ…は、はぁあ、あぁ」  
美冬は必死に幸宏の唇を求め二人は互いの口で唾液を交換し合う。  
「ん…んく、美冬…姉さん、ん…んんっ」  
「ゆきひろ…あぁ、私の…なかぁ、感じる…よっ、幸宏を…あっ、あぁ…中、しび…れて…」  
幸宏は美冬が嘘の快楽を感じているのだとわかっていた。それでも、それがすごく嬉しくて、自分の奥底から何かがせりあがってくるのを感じた。  
「美冬姉さん…ぼ、僕、もう…」  
「あっ、あぁ…うん、わかった…ねえ…私の体…よかった、かなぁ…」  
「うん、今もすごく…きもち…いいっ」  
「よかっ…たぁ…じゃあ…どこでも、いいから…出して……幸宏、好き…好き…すきぃ!」  
「美冬姉さん…僕も…姉さんのこと、う…うわあああっ、ああああっ!」  
幸宏に、頭が真っ白になるくらいの快楽が押し寄せた。  
びゅっ、びゅぅぅっ…  
幸宏がぎりぎりで抜くとモノの先端から白い液がほとばしり美冬の体中に降りかかった。  
そして、幸宏は美冬に向かって倒れこんだ。  
「あっ…あぁ…これが幸宏の…熱いね……幸宏…好き…ん…」  
美冬は幸宏の体温を感じながら嬉しそうに微笑んで、余韻でぐったりとしている幸宏にキスをした。  
 
 
その後、放送室を掃除し、シャワー(テニス部のを借りた)を浴びゆっくりと帰宅した二人は、家の前に立った。  
幸「僕たちのこと、ばれないかな?美冬姉さん」  
冬「匂いも消えてるし…たぶん」  
幸「じゃ、入ったらいつもどうりね」  
冬「ん…ね、ねえ幸宏、そ、その、今日こうして二人でいられるの…最後だよね?」  
幸「家の中では…さすがに(希春姉さんに美冬姉さんがなにされるか)やばいと思う」  
冬「うん、だから、その…」  
幸「何?姉さん?」  
冬「最後に…その…キス…したい。それから、二人でいるときは…その…名前で呼んで」  
幸「あ…う、うん!美冬ね…じゃない、美冬…愛してる」  
冬「幸宏、私も…だよ…ん…」  
 
二人は30秒ほどキスを堪能してから家に入った。しかし、背後にたまたま小テストの採点で遅くなった小夏が  
「姉さん事件です」と書いてあるホワイトボードを持ってたっていたのに気づかなかった。果たして二人は神庭家という檻の中?から飛び出せるのか・・・。  
 
 

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