「そうすけー!!」
先に自宅がある岬から船着き場まで歩き始めていた宗介
その後ろから、制服に身を包んだポニョが走ってくる。
12年前から相も変わらず"元気すぎる"とこは変わらず、靴下すら嫌がるポニョは
トーストをかじりながら、カーディガンの袖に腕を通しつつ、息を切らして
「宗介早いよー!!」
少しご立腹のポニョ
「寝坊するポニョがいけないんだ」
「起こしてよ―――ッ!!」
だだをこねるポニョに…
「今日は3回も起こしたんだよ?」
さとす様に告げる宗介
ポニョはぐうの音もない
「なんていうか…朝苦手なんだもん」
「夜更かしし過ぎ、今日から30分でも早く寝なよ」
横で腕を組ながら、首を傾げるポニョの頭上には
今にもマンガ等の表現で使われる"もじゃもじゃ"が浮かんできそうだ。
「見たいテレビが…」
上目使いで、透き通る様な視線を差し向けて言う
「ダメだよ、それに英語も少しは克服していかなきゃいけないのに」
思いやりなのか皮肉なのか、どちらにせよ
重い言葉がポニョに降り注ぐ