ミステリーDVD。 届いたDVDを持ってきてくれたむぎと一緒に俺の部屋で再生したら……
とんでもないもんが流れ始めやがった。
『んんっ!はぁ……んっ!あぁぁ……っ!』
いきなり流れ出した女の嬌声。
女と男が半裸の状態で絡み合っている。
しかも迂闊にも、ボリュームが大音量に設定してあった為ハァハァという荒い息使いとぴちゃぴちゃと
水音までがTVのスピーカーから漏れてくる。
慌ててTVのスイッチをOFFにした。
「あ、あははは……」
「び、びっくりしたねー……」
誰かこの空気をなんとかしてくれ。
一瞬しか映像は流れなかったのだが、あまりにも決定的なシーンだったため、流石にむぎにも
それが一体なんの映像だったのか解ったのだろう。 頬を紅潮させながら引きつった笑いを見せた。
俺も顔が熱い。
「まさかと思うけど、勘違いすんなよ! マジで俺がこれを注文したんじゃねーって!
し、知らなかったんだ!」
「うん……解ってるって」
解ってるって言ってるお前の目、なんか泳いでる気がするんだけどよ……まさか好きな女にこんな
もんみられちまうなんて。クソッ!(泣)
「あ、あたし、仕事に戻るね」
「あ?ああ……悪りぃ。今度はちゃんとしたDVD買ってくっからよ」
「うん……」
ああ、折角の恋人同士の甘いひと時が……。
むぎと恋人同士になってからはや一月。
一つ屋根の下でいつも一緒に居られるという恵まれた環境なはずなのに、他の同居人達や家主がいる
せいで滅多なことではこの家ではいちゃいちゃすることはできない。
学園なんて言語道断。
まだ彼女が美術の教師のときや生徒のときはもうちょっと学園内で見かけもしたが、今は殆どを
理事長付き秘書として理事長室で過ごしている彼女をいくらラ・プリンスとはいえ、生徒である麻生が
見かけることは以前より格段に少なくなっている。
だからこそ、こういうちょっとしたひと時が二人にとっては貴重な時間なのだ。
それなのに……。
「ったく!誰だよ、こんなの送ってきやがったのは!!」
そんな事を愚痴ってみても後の祭り。 彼女は既に家政婦の仕事に戻ってしまった。
こんなヤツ捨ててやる!とパッケージを手にとってゴミバコに投げ捨てようとして、そのパッケージの
裏の内容説明に目がいった。
ん?『永久保存版! 人気AV作品ダイジェスト いいとこばっか集めました』だぁ?
収録タイトルを見てみると……
・乱愛の理事長室
理事長と秘書が理事長室でバックから
・禁断授業 いけないピアノレッスン
ピアノ教室で美青年ピアニストが女生徒に淫乱レッスン!?
・女教師凌辱課外授業
茶髪イケメン不良に襲われる女教師、嫌がりながらも最後は絶頂
・家政婦は女子学生〜専属メイド〜
天涯孤独の可愛い女の子を自分専属のメイドにして……
・兄の妻
兄の最愛の妻との秘密の情事に嵌る弟……兄にバレて3P突入!?
おい!なんだよこのタイトルは!!
なんだか身近な人間の顔を思い出しそうなタイトルばっかだな! つか、アウトローはねーのかよ!!
アウトローと秘書とかアウトローと家政婦とか!!
他にもズラズラとあるタイトルの中で、目に付いたのがこれだ。
・女教師童貞狩り〜放課後 濡れた制服〜
童貞狩りかよヽ(`Д´)ノゴルァ!! これ送ったやつ死ね!!
ガシャ!!とパッケージをゴミバコに捨てる。
「なんかムカツク。 もういいやTVでバラエティーでも見よう」
一人ごとを言いながらTVのスイッチをONにする。
『やだ…… ×○君、こんなにおち○ちん大きくしてる…… かわいそう…… 硬くなりすぎて、
痛いでしょう?……先生が直してあげる……』
いきなりまたAVの映像が目の前で流れ出す。
「あ、そういやさっき慌ててTVのスイッチ切っただけでDVDは再生しっぱなしだったよな」
外に聞こえないように慌てて音量を下げる。
『私が口でしてあげる…… 慰めてあげるね……フフ』
「……」
これさっきみた「女教師童貞狩り〜放課後 濡れた制服〜」らしい。黒のタイトスカートに薄い白の
ブラウスを着たロングヘアーの色っぽい女教師が男子生徒の股間に顔を埋めてナニを思いっきり
喉の奥の奥まで頬張っている。
『あぐ…… ぇう…… んもぉ…… おっきすぎるよ…… あも…… ん……
男の子の体って、どうしてこうなっちゃうの……?』
なんか声があいつの声に似てなくも……ないか?
そう思った瞬間、股間に直撃した。
「う……」
すっかりジーンズの中で硬くなっているあの部分がズキズキしだして苦しい。
そういや、家の倒産騒動とかそれどころじゃなくて、しばらくしてなかったな。
「くそっ」
こうなるとやることやらなければ収まりが付かない。
風呂入る前にチャッチャと出しちまうかな。
ベッドに上がって壁にもたれながら、ベルトを外し、ジジジとジーンズを下げてアレを引っ張り出す。
おかずは女教師。 秘書姿もいいけど、あいつの女教師姿も良かったよな〜。
TVでは女教師に口でされている男子生徒はえらく気持ちよさそうで、たまに吐息を漏らしながら
先生のいけない扱きに耐えている。
『……こんなにビクビク……打って…… 素敵……』
やっぱ声似てるかも……。
自身を握っている手がだんだんと早くなってくる。
『うっ……先生、もう俺だめだよ……』
次第にTVの中の男にシンクロし始める。
ハァハァ。俺も、もう出そうだ。
『気持ちよかったら出していいのよ…… んっ、ちゅぱ、ちゅぱっ……
口の中でも、顔にでも…… 好きなところに……』
『ん……、うん……』
俺も、もう……そろそろ……
かなり盛り上がってるところで、ガチャリ!!と部屋のドアがいきなり開いた。
「ごめん、麻生君。 あたし割烹着を部屋に忘れちゃって……きゃ!!」
「あっ……」
ドアのノックもなくいきなり飛び込んできたむぎと思いっきり目が合った。
そしてその目が俺の今手に握っているモノを見る瞬間。 まるでスローモーションのように感じた。
見られた!?
カッ!と頭に血が上って思わず立ち上がると大またでドアのところまで一瞬にして歩いていって
呆然と立ち竦んで動けないむぎの腕を掴んだ。
そして別の手でドアを閉めてガチャリと鍵を掛けると、むぎをそのまま力いっぱい引きずっていって
ベッドに押し倒した。
「ご、ごごごごめん。 あ、あたしノックせずにいきなり入っちゃって」
一生懸命誤るむぎ。 でも誤れば誤るほど痛い。
俺は手早く自分のTシャツを脱ぐ。
「何も見てないから、あたし何も見てないから」
「もう黙れ」
これ以上何も言わせないようにするため、口を強引にキスで塞ぐ。
「うぐ? うむ、んんんんー?」
何が起こっているのか解らないのか、むぎは口を塞がれてもまだなにか言おうとしているようだ。
口が開いたのをいいことに舌を捩じ込み好きなだけ口内を蹂躙していく。
歯列をなぞり、舌を絡ませ、唾液を飲み込み、クチャリと淫靡な音が響く。
割烹着を脱いだままだったのでむぎの服は脱がせやすかった。
口を塞いだまま、両手で手早くむぎの服を巻くりあげ、ブラをずらす。
カップからこぼれたかわいらしい乳房を両方の手のひらで覆い、ゆっくりと揉みこんでいく。
最初は何が起こっているのか解らずに硬直していたむぎだが、自分がされていることを今になって
ようやく理解したのか激しく抵抗してだした。
「うむ……うっ……イヤ……麻生君、や、……やだ……うん」
麻生からむぎが唇をなんとか剥がすと、麻生の唇はそれなら、と、こめかみから耳、耳たぶ、首筋、
鎖骨と次々とキスをしていき、両手でもみこんでいる胸のいただきをそっと口に含んだ。
「はん…っ!!いや!」
自由になったむぎの口から抗う言葉が飛び出す。
「硬くなってるぞ……」
「そ、そんなこと……いわないで……あん!」
歯でそっと甘噛みしてやると嬌声と共に背筋がのけぞる。
そのまま口で右胸を舐め転がして、左手で左胸を揉み込んで。 開いた右手を胸からくすぐったそうに
のけぞるわき腹、下腹、うっすらとした茂みのほうに移動していった。
「……ぁ……」
手が茂みの中を探ると、ヒクヒクと震えるそこはすっかり潤っていた。
「感じてんだな」
「ば、……ちが!」
「ちがわねーよ」
指で蜜壷をかき混ぜてやるとクチュクチュと恥ずかしい水音が部屋に響いた。
「こんなに濡れてる」
もっとも敏感な硬く尖ったクリトリスを親指で探り当てられてビクビクと身体を反応させる。
むぎの可愛い身体、全てが愛おしい。
「ん……あぁぁっ!はぁ……っ」
「すっげぇ感じてる」
中に指を一本突き入れるとまだ一度も受け入れたことがないその部分はキュっと異物を押し出そうと
絞まって蠢く。
「感じてるって……、俺としたいって言えよ」
俺がわざと意地悪な言葉を投げつけると、
「か、感じてるよ」
むぎが思わぬ答えをなげてくる。
ハァハァと息をしながらむぎが麻生を見つめる。
「感じてる……麻生君を」
むぎの訴えるような瞳を俺は見つめ返す。
「麻生君だけじゃないよ」
ニコリと笑ってむぎが俺の額にキスをする。
「あたしだって、あのDVD見てから、なんか身体がヘンになっちゃって……モヤモヤしたのは
あたしだけだと思って、恥ずかしくて……麻生君に言えなかった」
思ってもみない告白に麻生は目を見張る。
「麻生君もあたしの事欲しいって思ってくれたなら……うれしい……」
恥ずかしいところを見られて、思いっきりテンパって、肉欲を解放することに走った俺を蔑む
こともなく優しく包んでくれるむぎ。
「……スキダ」
「えっ?」
「すげえ好きだ。 お前の事。 お前が欲しい。 お前の全てを俺の物にしたい。 今すぐに」
ぎゅっと息ができないくらいむぎを抱きしめる。 ダメとかイヤとか言っても聞くつもりはない
けどよ。 でも、できればいい返事が聞きたい。
ちょっと緊張して返事を待つと
「……あたしも……」
むぎがか細い声で答えた。 女の子になんてこと言わせるのよ〜と真っ赤になってか両手で顔を
隠すしぐさが堪らなく俺を煽る。
グッ!とむぎの中に突き入れる。
「ちょ……ちょっとまって!そんないきなり!」
「もう待てねーって」
「でも、あたし、そんなのいきなり入らな……やん!……もっとゆっく……り……」
「無理」
「あああぁぁああん!イタッ!」
「くっ!!」
壁に阻まれてもたもたしているうちに、暴発してしまった。
「ハァハァハァ……ッ」
俺、カッコワリー。 もうかなり最低な初体験。
そもそも1人でオナって行く寸前だったの忘れてた。
「悪りぃ……ハァハァ……ハァ、出ちまった」
肩で息しながら快感の余韻を振り切るようにむぎをまた抱きしめる。
「かっこ悪いな、俺……ゴメン」
むぎにかっこ悪いトコばっか見られて自己嫌悪していると
「なんで? あたし嬉しい……。 あたしで麻生君がそんなに感じてくれるなんて。……嬉しい」
あー。こいつ、なんでこうなんだろう。
もう俺、こいつじゃないとダメだ。 絶対に手放せそうに無い。
「よし!まだまだ俺元気だからな!絶対にお前がイくまで何回もしてやる!」
自己嫌悪から復活してついでに息子の方も復活させて二回目に挑む。
「えー……。あたしまだ洗濯が……」
「そんなのさぼれ」
「一哉君のお世話もしなきゃ」
「あいつの専属メイドなんてさせないからな!」
「はぁ?何ソレ。 ……それに、あたし、明日も秘書の仕事が……」
「お前もっと厚着して行けよ!あの理事長信用できねぇ。 絶対に油断するなよ!」
「もうワケわかんない」
「うっせー。もう黙れ」
「うん……」
誰がなんと言おうと、明日の朝までむぎはこの部屋から出さないことに決めた。
--- End ---