プロムの会場となった御堂邸。   
オーケストラの演奏する音楽の中で九条君と共に私はフロアで踊っていた。  
「ねえねぇ、見て! あの九条先輩が女性と踊ってる」  
「本当だ! 誰、誰?相手の娘」  
あちこちからヒソヒソと声がした。  
「なあ、やっぱり俺なんかと踊ったらお前が皆になんか言われて……」  
「ストップ、九条君。 いいの。今は私のことだけ見てて?ね?」  
「……ああ。解った」  
二人で幸せそうにクルクルをフロアーを回る。  
「九条先輩ってあんな顔できる人だったんだー」  
「なんかうらやましいですわ」  
 
一曲踊ったあと、別の曲に移り変わったのを機会に踊るのをやめてベランダの方に向かった。  
「誰もが俺のことを最低なヤツだって見下してた。俺の家の権力や金に媚びるヤツ、俺の乱暴な態度に怖がる  
ヤツ。今までウンザリするほど見てきた。   
俺が悪かったせいもあるけど……でも世の中の事が全てイライラして堪らなかった。でも……」  
頬をするりと撫でて微笑んだ。  
「お前だけは俺の事をちゃんと見ててくれた。けして色眼鏡で見たりしないで。  
はは、でもまさか俺より年下だとは思わなかったけどな。 初めて打ち明けられたときはマジで驚いたぜ。   
確かに前から大人っぽくはねーよなーとは思ったけどさ」  
「悪かったね、ガキで」  
「そんなこと言ってねーだろ」  
茶化していた九条がフと真顔に戻ってむぎを抱きしめる。  
「俺と一緒で……後悔するんじゃないかって。いつか、お前も俺の事見捨てるんじゃないかって。怖かった。  
いつまでも俺と一緒に居てくれよな……むぎ」  
「……うん……」  
 
「なれない事したせいかな。なんか喉が渇いちゃった」  
「俺もだ。そうだ、バーでなんか飲み物とってくる」  
「私も行くよ」  
「俺が持ってきてやるから。お前はここで待ってろ。……何処にも行くなよ。男に声掛けられたら無視しろよ」  
「九条君ったら」  
バーカウンターに向かって歩いていく九条の後姿を見ながらクスクス笑いってテラスで涼んでいると、  
後ろから声が掛かった。……それはとてもよく知った声。毎日聞かなかった日などない、とても親しい声。  
麻生君、瀬伊君、依織君が後ろに立っていた。 皆とてもステキなスーツ姿でにっこりと微笑んでいる。   
先ほどのスピーチもむぎはとても誇らしい気持ちで見守っていた。  
……でも、なんかいつもと様子が違う……?  
 
「皆、どうしたの?」  
「……むぎちゃん、そのドレスどうしたの?」  
「え?ああ、九条君が贈ってくれたの。私こういうの着慣れないから……似合ってないかな」  
「むぎちゃんは何を着てたってかわいいよ、ね?松川さん」  
「そうだね。 でもできれば僕にドレスを選ばせて欲しかったけどね」  
「……」  
麻生はむぎの顔を見ない。  
「?」  
「ちょっといいかい? 一哉が待ってるんだ」  
「え?依織君なに?」  
「あのね、僕達のした極秘調査の事で、ちょっと警察でヤバイことになってるんだって〜」  
「その事で相談したいことがあるからって一哉に呼ばれてているんだよ」  
「そうなんだ。解った、九条君に言ってからその部屋に行くから皆先に行ってて」  
「だ〜め。絶対に今すぐ連れて来いって一哉に言われてるんだから。さ、行こう?」  
「え……でも……急にいなくなったら九条君、私の事探すかもしれないし……」  
「大丈夫。九条には俺が言っとくから」  
「そういう事。九条は羽倉に任せてさ、むぎちゃんは僕達と先に行ってよう?」  
「う、うん。それなら……」  
 
そうして連れて行かれたのは招待客に解放された客室がある屋敷とは違った別邸の、更に地下にある奥のほうの部屋。  
「ね、ねぇ。本当にこんなところで一哉君が待ってるの?」  
「そうだよ」  
部屋のドアに依織がカギを差込み開ける。  
部屋の中は真っ暗だった。 そして一哉も居ない。 流石にむぎもおかしいと気が付き始めた  
「ねぇ。なにこの部屋。 真っ暗」  
「灯りを付けてみて」  
恐る恐る部屋の明かりをつけてみると、そこは『自分の部屋』だった。  
「ええ? なに?」  
一哉君の家にあった私の部屋。 短い間だったけどラ・プリンス4人と自分が暮らしたあの部屋がそのままその一室に  
再現されていた。  
ベッドもカーテンも家具も。  
引越しの為に業者に頼んで送った荷物まで運び込まれてすっかり元通りの部屋になっていた。  
唯一の違いは、地下故にそこには窓がない。灯りも外からは入ってこない。  
有り得ないと解っていても、それでもむぎは自分が一瞬どこにいるのか解らなくなった。 あの一哉君の家?  
でもここは一哉君の実家で、つい今しがたまでそこでプロムをやってたわけで。  
「ど、どうして……」  
混乱して戸惑っているむぎを後ろから依織がグイッと押した。  
「さあ、入って」  
思わぬ強い力に次第に恐怖を思え始める。 ドレスから出た二の腕には鳥肌が立ち始める。  
「どういう事なの? この部屋なに?一哉君はどこなの? ……なんか二人ともヘンだよ」  
さっきからなんか二人のまとう雰囲気がいつもと違っていることに違和感を感じていたが、なくだが纏っている  
オーラが怒りのモノだということに、むぎは次第に気が付き始めた。  
 
「怯えないで、むぎちゃん」  
にっこりと微笑む瀬伊。 その横で首をかしげながら眉を寄せて苦笑する依織。  
「ねえ……。どうして『九条』なのかな」  
「え……なに?依織君」  
むぎには唐突に依織の口からでた言葉の意味が全然理解できない。  
「そうだよラ・プリンス4人と暮らしてたのにさ」  
瀬伊がちょっと拗ねたようなしぐさでむぎの方を見る。  
「女の子なら誰もが夢見るシチュエーションってハズなのにね……まあ君が普通の女の子と違うから僕は好きになった  
んだけど」  
「それにしてもさぁ〜。いくらなんでも『九条』はないよねぇ(笑)」  
「やっぱり姉妹は似るのかな。お姉さんといい、ああいう不良で自暴自棄でほっとけないタイプが好みなのかもね」  
「ただの不良じゃ嫌だけど、安藤も九条も実家は金持ちだしね」  
「でも彼らが本当に遣ってきた事を考えたらとても許せるもんじゃないけど」  
 
依織と瀬伊のただならぬ空気によろよろとむぎが部屋の中に後ずさる。  
それにつられるように二人も部屋の中まで入ってきた。  
直ぐに依織がむぎの体を持ち上げてベッドの上に乱暴に落とした。 いつもの紳士な依織からは想像もできない。  
そして九条にプレゼントされた大切なドレスをビーーーーッ!と力任せに引き破る。  
「きゃ!!」  
「こんなドレス……むぎちゃんに似合わない」  
「そうだよ〜むぎちゃんにはもっとかわいいドレスを僕が見立てて買ってあげるから。 こんなの要らないよね」  
体からドレスだった残骸を剥ぎ取られて瀬伊に床に無造作に捨てられる。  
二人から逃れたくてベッドの上を後ずさるが、直ぐに依織に腕を、瀬伊に足を取られた。  
 
「逃げないで、むぎちゃん」  
依織がむぎの両手首を戒めてむぎの頭上に押し付けて身動きが取れないようにする。 とても強い力で撥ね退け  
られそうにない。  
「依織君、手、痛い。は、離して」  
「ダメだ。今日ここで君は僕達のモノになるんだから」  
「それとももう九条にあげちゃった?『君の初めて』」  
「そ、そんな事、私まだ……」  
瀬伊はにっこりと微笑んだ。  
「そうなんだ。良かった〜。 僕のむぎちゃんのバージンをあんなヤツに盗られるなんて絶対に我慢できないからね」  
 
これから自分がされるであろう事を薄々察知して、むぎは身体が震え始める。  
「二人ともどうして……今までずっと優しくしてくれてたのに……」  
「君は俺達4人を王子様みたいに思ってたかもしれないけど、僕達だって普通の男なんだよ。そういう欲求だって  
あるんだ。君には気づかせないようにしてたけどね」  
「そうそ。 そもそもあんな狼が四人も住んでる家に子羊ちゃんがノコノコ住み込んで普通なら何事もないなんて  
あるはずないんだよね」  
「でも……実際に何もなかったじゃない!」  
「そうだね。でもそれは一哉が紳士協定を申し出たからさ」  
むぎを押さえつけたままで依織は唇をむぎの耳に寄せて囁く。 たまにキスをしたり耳たぶを甘噛みしながら。  
「紳士協定?」  
「そ。4人ともむぎちゃんが好きな事はお互いわかりきってたから、だんだん家の中がギスギスしだして。でもそんな  
事を君に知られたら君が家政婦を辞めて実家に戻るとか言い出しそうだろう?だから『むぎが自分で誰かを選択する  
まで、絶対に誰も手を出さない。むぎが4人の中の誰かを選んだらその相手の邪魔をしない。その二人を祝福する事』  
って内容なんだよ」  
瀬伊はむぎの足を両脇に抱えるようにして戒めながら柔らかな白い内腿をなで上げたり舐めたりしている。  
「で、僕達はバカみたいにその協定を守ってきたわけ。 目の前をおいしそうな子羊ちゃんがウロウロしているのに  
じっと耐えて我慢してさ〜。いつか自分を選んでくれるって信じて……。それなのに」  
 
「そう。それなのに君はよりにもよって俺達4人ではなく九条を選んだわけさ。笑える話しだろ?」  
「その結果を知ったときの僕達の顔ときたら……なかったよね。 麻生なんて怒り狂っちゃってさ。   
部屋の物ガンガン壊しちゃうから宥めるのに苦労したよ。」  
本当に情けなかったな、と二人は自嘲気味に話した。  
 
「さ、話はこれくらいにして。 はじめようか」  
 
「いや……いや、依織君、瀬伊君、やめて!お、大声だすから!!」  
「出しても聞こえないよ」  
「防音してあるんだって、この部屋」  
「いやだ、はな、放して!!誰か!!」  
「防音してなくても誰もこないけどね」  
 
ガチャリとドアの鍵が開く音がした。  
麻生が依織の持っていた合鍵と同じものを手に入り口から入ってきた。  
「あ、麻生君助けて!」  
「……」  
「……麻生君? まさか、麻生君もなの?」  
「麻生、君も早く手伝って。やっぱり手足は縛ったほうがいいかな。むぎちゃん結構力あるからね」  
「そうだね。体に余計なキズ付けたくないし。縛っちゃったほうがゆっくり楽しめるし。僕もずっと押さえつけて  
るの疲れちゃうからさ」  
「いや……麻生君、お願い助けて」  
 
三人の様子をじっと見つめていた麻生は戸惑いながら部屋に置いてあったロープを依織に渡した。  
「松川さん、俺……やっぱりこういのは……」  
「今更何言ってるのさ、羽倉」  
「そうだよ。九条のヤツぶっころす!って一番騒いでたのは君だろう?」  
「そうだけどよ……」  
「麻生は初めてなんだっけ? じゃあ麻生は一番最初にさせてあげるよ」  
「えー松川さん、ひど〜い。むぎちゃんのバージン、勝手に羽倉にあげちゃうなんて」  
「まあ、いいじゃないか。初めては誰でも思い入れがあるものだから……さ」  
「ちぇ。 まあでもしょうがないか。麻生はむぎちゃんが二度目の家政婦に来てから毎日自家発電してたもんねー」  
「ちょ……おま……っ!!なんでそ、それを」  
「だって聞こえちゃったんだもーん。毎日むぎ……むぎ……ってうるさいったら。 僕や松川さんみたいに外で処理  
してくればいいのにさ」  
「瀬伊、余計なこと言わないの。 麻生、さあ早くむぎちゃんを楽しませてあげて」  
「あ……ああ。悪りぃ松川さん、一宮。一番貰うぜ。 むぎ……。ごめんな」  
麻生がスーツの上着を脱いでネクタイを緩める。 ワイシャツを脱いで床に放りなげる。  
ギシリと麻生がベッドの上に上がってきた。  
「いや、麻生君、いや……お願い、助けて……」  
「だめだ。そのお願いは聞いてやれねー」  
 
「まずは下着取っちゃって」  
「ああ……」  
「フフ、可愛い下着。ピンクでリボンが付いてる」  
ブラのホックを瀬伊が外し、麻生がスルスルとスキャンティを下ろしていく。  
取り去ると麻生はむぎの足をゆっくりと開いてその間に自分の体を割り込ませる。  
「いや……いや……」  
「麻生は生で女性のそこを見るのは初めてだろ?ふふふ。まずはよく見てみるといいよ」  
「だめ、そんなの。見ちゃだめ! だめ……あああ!」  
麻生が両手を使ってクチュリと秘唇を押し開いた。  
「すっげ……こんなんなってんのか……。これがクリトリスってヤツか?」  
「ひゃん!」  
指でいきなり突かれて思わずむぎが声をあげる。  
「麻生、もっと優しくしてあげないとダメだよ」  
「そか……。こ、こうかな」  
包皮をむくようにしてずりあげるとあらわになった赤いルビーをそっと舌を使って舐めあげる。  
「あ……」  
「むぎちゃん、感じてるの?今のいい声だね。 君の口からそんな声が聞けるなんて、感無量だな」  
むぎの身体が羞恥で染まっていく。  
「そんな……そんなことな……あん! いや、いや……あぁん」  
「すげ……濡れてきた」  
「はぁ、……あぁ、いや、あん」  
麻生がピチャピチャと舌がクリトリスを攻め立てる度、むぎの唇からは嬌声が漏れでる。  
一番敏感な場所を尖ったザラザラした舌先でぬるぬると舐められると背筋に電気のような快感が走る。  
「唇で啄ばんで舌で転がしてあげてみて」  
「お、おう」  
依織に言われるまま麻生が実演するとむぎはその辛すぎる程の強い快感から必死で逃れようと腰を  
蠢かす。 しかしがっちりと麻生に腰を掴まれているため逃げることは到底敵わない。  
そしてヒクヒクと戦慄く秘壷にも舌を差し入れながら蜜をすすりあげる。  
「はあぅ! はぁ、だめぇ……」  
ビクンと背スジがそりあがり、体中がしっとりと汗ばんでくる。  
 
「そろそろ、いいか? 俺、もうキツい」  
「いいんじゃないかな。彼女トロトロになってるし」  
「むぎちゃん、ついにロストバージンかぁ〜。 あ〜あ僕が欲しかったのにぃ〜」  
「瀬伊、いい加減うるさいよ。僕だって我慢してるんだからね」  
「はーい。 じゃあ後がつかえてるから羽倉、早く終わってね♪」  
「バカヤロー。それじゃ俺ソーローじゃんか」  
ジーとファスナーを下げる音がする。 スーツから限界にまで大きくなったソレを麻生が取り出す。  
「ひっ」  
やっぱり麻生君も男の子だったんだ……。 初めて目にするグロテスクなモノが目に飛び込んできた  
とき、ふとそう思った。  
ずっと女嫌いを通していた麻生。 だからむぎはそんな欲望が彼に存在するとは思っても見なかった。  
口は悪いけど、いつも優しくて一番安心できる相手だったのに。   
でも本当はいつも自分をそういう対象で見ていた……?  
 
麻生はむぎの股間のヌメリを自身に擦り付けるように二三度こすり付けるとついにぐぐとヴァギナを  
押し開いていった。  
「くっ、いれるぞ、むぎ」  
「だめ、だめ……それだけは許して……お願い。……いやあぁああああ!!」  
硬い入り口が阻んでなかなか入らなかった麻生だが数回勢いを付けて腰を進ませていくうちについに中に  
進入していった。  
「痛い、痛いよ、麻生くん!やめ……あぁああああ。 痛いよぅ」  
「むぎ……悪りぃ、もう止まんね」  
「痛い、痛い、やめてぇ」  
「もうちょっと……だから……くっ」  
ついに全ての刀身をむぎの中に収めきると麻生は荒い息をつきながらむぎの額にキスをした。  
「全部入ったぜ。 まだ痛いか?」  
「……痛いよ。麻生君、痛い。抜いて。ね、抜いて」  
「無理。お前の中きゅうきゅう締め付けて暖かくて、すっげ気持ちいー。 今まで一宮とか松川さんや  
御堂が外でいっぱい女と遊んでる気持ち解んなかったけど、こりゃ確かにいいよ。  
……でも俺、これからもずっとむぎだけだからな。こいつらと違って」  
「羽倉一言おおいよ。 でも羽倉ロストチェリーおめでとー(笑)」  
「うっせー! ……もう動くぞ」  
もう何を言っても聞き入れて貰えないことを悟ったむぎは、涙が滲む瞳をぐっと硬く瞑り、ただひたすら  
耐えて一刻も早く、この嵐が過ぎ去るのを待つより他なかった。  
「うう……あん、……いたい……い、あぁ」  
最初はゆっくりとむぎの身体をいたわるようにそうっと動かしていた麻生だが、やがて快感に支配されて  
パンパンと打ち付けるように動きが激しくなっていた。  
「ハァ……むぎ……むぎ…………むぎ……むぎ……」  
もう周りが見えていない様子でただむぎに腰を打ち付けている。  
 
「じゃ、僕達もそろそろ参加しようか」  
「そうだね。見てるだけなんてつまらないもんね」  
依織は一度二人の結合を解いて、むぎの手足のロープを切り、麻生をベッドの上にあぐらをかくように座ら  
せその上に背面座位のかたちでむぎを座らせた。  
「さあ、むぎちゃん自分で入れてごらん」  
両手を取って支えた依織が麻生の上に座るように促す。 促されるままに恐る恐る腰を下ろそうとするが  
花弁に麻生のが当たるとびくりと腰を引いてしまう。  
「だ、だめ。できないよ、そんなの……」  
「おい、じらすなよ」  
上げかけた腰を麻生が掴んで下にひき下ろす。ぶすりと音がしたように思うほど勢いよくそれに貫かれていく。  
「いや!!……あぁああああ!!」  
むぎは叫び声をあげるしかなかった。  
「くっ、すげえ深い。この体制もいいな」  
麻生が下からグングンと突き上げながらフリーになった両手で両胸をちからいっぱい揉みこんだ。  
「はぁう……」  
「じゃあ僕はむぎちゃんとキスしちゃおっと」  
瀬伊がむぎの唇に自分のソレを合わせ、舌を使って口内を蹂躙していく。  
飲み込みきれない唾液が顎をつたって落ちる。  
「うぅんぅー」  
「上手だよ、むぎちゃん。もっと口を開いて」  
「うむぅー」  
「僕はこっちを気持ちよくしてあげようかな」  
依織はベッドの近くにしゃがんで、麻生とむぎが繋がって激しく出入りしている部分のすぐ上にある硬く尖っ  
て真っ赤に膨らんだルビーにねっとりと舌を這わせ始めた。  
「んーーー!!んぅーーーーー!!」  
口を瀬伊に塞がれているので悲鳴とも嬌声とも付かないくぐもった声が喉から流れ出す。  
たった今まで処女だったむぎの体は3人の男達にいいように翻弄されてそのすさまじい快感から抗うすべを  
持たなかった。  
 
「ねえ、このまま三人で繋がっちゃう? 松川さん」  
「そうだね、ちょっと初めてのむぎちゃんにはツライかもしれないけど……なるべく痛くないようにするからね」  
「松川さんはそっちもやった事あるんだ〜。 僕はまだやった事ないけど気持ちいい?」  
「まあ、何事も鍛錬しないとね」  
「さすが、アメリカ帰り。大人だよね〜」  
「麻生、まだいっちゃだめだよ。 むぎちゃんをいかせてもだめ。もうちょっとひっぱって。   
じゃないとむぎちゃん痛い思いをするから」  
「ハァハァ……あ? ……わかった。 でももう、あんまりもたねーぞ。俺」  
「羽倉ったらハヤーイ。 むぎちゃんより先にいっちゃったらむぎちゃんに嫌われちゃうからね」  
「クソッ!!うるせーよ、一宮!! お前はどうするんだよ」  
「フフフ、僕はこっちの初めてを頂きまーす。 さ、むぎちゃん、あーん」  
顔を上げさせられたむぎは目の前に迫った瀬伊のソレを見て目を背けた。  
「いや……そんなのイヤだか、うぶっ!」  
拒絶を口走るむぎのくちの中にムリヤリ進入してきたそれは熱くて硬くて、普段『妖精』といわれる彼とは  
まったくそぐわないモノだった。  
 
「うっ……ううっ」  
「歯を立てないでね。……そう、もっと舌を絡めて」  
「うぐ……うん、ふあ」  
「そう。……フフ。上手だよ、むぎちゃん。もっと深くするね、ごめんね」  
「うう!んーー!!」  
口を下半身を同時に攻められて前にも後ろにも逃げ場がないむぎは瀬伊のソレを吐き出したくても出せないでいる。  
 
気が付くと依織がむぎのドレッサーからハンドクリームを持ってきた。 依織はいつもメイクのレッスンをして  
いたのでむぎがどんなモノを持っているのか大体は把握している。  
「麻生、そのままベッドに寝転んでむぎちゃんを四つんばいにして。瀬伊はそのままでいいよ」  
「一度抜かなきゃだめだな。よいしょ。 いいぜ、むぎこっちにこいよ」  
再度結合を解いて、ベッドの上に寝転んだ麻生の上にむぎの体を乗せる。  
 
背後では依織がハンドクリームのキャップをあけて中のクリームを指の上に搾り出している。  
「たぶんこれでなんとかなると思うけど……むぎちゃん力抜いててね」  
「ふぐ?……うむぅ!!んんん!!」  
ハンドクリームをたっぷり塗った指をむぎの後ろの穴に這わせ始めた。  
ゆるゆると円を描くように、クリームを塗りこめていく。 そしてクリームが馴染み始めたところで指を一本  
穴の中に潜り込ませた。  
「んーーー!!んむぅーーー!!」  
「うっ、すげぇ。今すげー絞まったぜ、松川さん」  
「こっちも。くぐもった声が響いちゃって凄い気持ちいー」  
「もうちょっと緩めないと、むぎちゃん怪我しちゃうからね。 もうちょっとクリームたそうね」  
さらにハンドクリームを絞って穴の中の壁に塗りこめていく。 初めのころと比べると指の出し入れがかなり  
スムーズになっていった。  
「むぎちゃん、指増やすね」  
依織が指を二本に増やした。穴の中で二本の指が同時にバラバラの方向にうごめき、むぎは溜まらず腰を左右に  
振って逃れようとする。  
「おい、ヤバイって、その動き。 俺、マジでやばくなってきた。 松川さんの指も壁越しに俺のに当たってるし。  
頼むから早くしてくれ」  
「うん? しょうがないな、麻生は。 本当はもっとじっくり慣らして指3本がスムーズに出入りするまでしない  
とむぎちゃんも僕も辛いんだけどな。まあ僕もさっきからむぎちゃんのイロっぽいうめき声でもう限界きてるから  
いいかな。 むぎちゃん深呼吸して、ゆっくり息吐いててね。 力んじゃダメだよ。 入れるからね」  
そうやって頭を撫でていいこいいこしながら、依織が後ろから強引に体を進めて来た。   
むぎはまるでメリメリと裂かれるような気がした。  
「ふぐぅーーー!!うんんーーーーー!!あぅううーーーー!!!」  
「すごい……松川さんのあんなおっきいの全部入ったよ。 むぎちゃん苦しそう〜。 息吐いて、吐いて。  
息とめちゃだめだよ」  
「くっ……ありえねえ、すげえ締め付け」  
「僕のが食いちぎられそうだよ。 むぎちゃん、もっと力抜いて……くっ……ハァ」  
 
 
いっぱい……どこも、いっぱいだ……  
 
 
助けて……誰か……助けて、九条君。…………助けて…………………………………………助けて、一哉君  
 
 
 
あ……?  
 
 
いつの間に入ってきたのだろう。  
ベッドからちょっと離れた場所で一哉が椅子に座ってこの4人の狂態を見入っていた。  
涙が出た。ポロポロと溢れて頬や顎を伝って落ちた。  
 
一哉君、……助けに来てくれた……?  
 
「むぎ、かわいいぜ」  
え……?  
 
 
「一生飼ってやるからな。この屋敷で」  
え……?  
 
 
「もう外に出ることもない。 もう誰にも見せない。 何もしなくてもいい。 家政婦も秘書も。   
お前はここに居ればいいんだ」  
何言ってるの?一哉君  
 
 
「この屋敷の鍵を持つのは俺達4人だけだ。 ここでお前は俺達の好きなときに抱かれるんだ」  
「鍵にラ・プリンスのそれぞれの象徴を掘ってあるなんて、一哉もシャレた事するよね、ふふふ」  
「一哉ったら、君の為にこの建物建てちゃったんだよ〜。 凄いよね〜」  
「俺と松川さんは今日でラ・プリンスじゃなくなる。俺も実家に戻るし、それぞれが、これからは別々に  
暮らすことになる。でもこれからもこの4人はお前を共用するのさ」  
 
 
それぞれに勝手なことを皆に言われてついに頭にきたむぎが必死で口から瀬伊のモノを吐き出して叫んだ。  
「そんなことしたって、きっと直ぐにバレる。 九条君がきっと私を探しに来てくれるもん!お姉ちゃん  
だって探してくれる!!」  
「九条? ははは。 九条はさっき羽倉が連れ出して別室に閉じ込めてあるさ。 この後あいつをどうするかは  
むぎ、お前次第だ。お前の姉も、安藤もな」  
「えっ」  
「一応、九条と君は『かけおち』ってことになるんだ。 九条はあれで結構な家柄の息子だし、付き合いを  
反対されてってことにしておけば、世間も納得すると思うよ。 君のお姉さんが以前そうだったろう?」  
「他に身寄りもないし、1人居なくなったところできっと誰も気にしないよ」  
 
「そんなことない!夏実だってきっと心配してくれる!!」  
「んー、そうだね。彼女はちょっと煩そうだから僕が引き受けるよ」  
「まかせたぜ、松川さん」  
「そんなところかな、あと他に誰かいる? 山本先生とか?」  
「あんなのほっとけ、どうせ何もできやしないって」  
 
 
「ひどい……こんなの……桜木や中泉と全然変わらないじゃない!」  
「……そうだな……確かにおなじだな」  
 
椅子から立ち上がると一哉がむぎのそばに歩いてきた。  
そしてむぎの涙を指でそっと拭う。  
 
「……むぎ。俺には桜木や中泉と同じ、金も権力がある。金も権力も持ってる人間はそれを良い方にも悪い方  
にも自由に使っていいんだ。  
でも俺はその力を今までは絶対に悪いように使わないようにしてきたぜ。  
……でも。今回はお前を俺の物にする為に使う。……そうさせたのはお前だ」  
 
「そんな!うぶっ」  
 
「はいはい、もう話しはそこまで。 お口がお留守だよ、むぎちゃん。 僕ほっとかれてさみしぃな」  
ぐっっと喉元まで突かれて吐き気がこみ上げてくる  
 
「なぁ……ハァハァ……そろそろ、俺……限界……ぅ」  
「そうだね。僕もそろそろ、一回出したいかな」  
皆が急にピッチをあげる。  
「んぁあ……ぁあぅ……ふあ…あ」  
ひっきりなしに穴という穴を全て塞がれ突かれて、またむぎが快感の底に引きずりこまれた。  
「んああああああああああぁあぁぁあ!!」  
いってしまったむぎの急激な締め付けに、三人もつられてそれぞれに白濁を解き放つ。  
「くっ……むぎ……!」  
麻生が最後に奥深くまで突き、灼熱の液体を子宮に勢いよく叩きつける。  
「うっ」  
むぎがいくときに叫んだ拍子に瀬伊のモノを吐き出してしまったので、瀬伊の飛沫はそのままむぎの顔に  
降り注ぎどろどろと汚していった。  
「ハァ……むぎちゃん、んんっ!」  
むぎが麻生とほぼ同時にいったせいで、うしろの中もひくひくと収縮を繰り返す。依織もその締め付けの快感に  
素直に従い体内に最後の一滴まで注ぎ込む。  
 
3人は、ハァハァと肩で息をしながらぐったりとしたむぎをそれぞれ抱きしめる。  
やっと終わった…… 早く抜いて……。お願い。  
しかしその望みは絶望と取って代わった。 彼らの言葉で。  
彼らのソレは力を漲らせたまま、まだむぎの中で脈打っている。  
 
「次は僕、麻生と変わりたいー。ね、いいでしょ松川さん。 ぼく二番目がいい」  
「いいよ、僕はちょっと休憩する。夜はまだまだ長いからね。ふふ」  
依織がまだひくつくそこから自分をずるりと抜いた。 ごぼりと音を立てて白濁が一緒に流れ出る。  
「じゃあ俺は胸攻めてるよ」  
麻生もまたそれに続くように引き抜く。それはまだ存在を主張していた。  
「あうっ……」  
抜かれる瞬間、微かにむぎからまた喘ぎ声が漏れた。  
「羽倉ってオッパイ星人なんだー。女嫌いなハズなのにねー。むっつりだったんだ〜(笑)」  
「うっせー!こいつのは特別なの。 ……俺前からずっとこうしたかったんだ。   
触って舐めて弄って……。秘書姿の時さ、薄いブラウスで目の前歩かれる度にずっと我慢してたんだぜ。  
ほんとたまんなかったよ」  
「僕もー。 むぎちゃん無防備過ぎなんだよね〜。 僕達よく我慢してたよね今まで。   
むぎちゃんお風呂入って鼻歌歌ってるときとか、風呂上りでホカホカのむぎちゃんとかホント、  
何度部屋に連れ込もうと思ったことか」  
 
3人の白濁にまみれてベッドの上で肩で息をしているむぎを、一哉がそっと濡れタオルで拭ってやった。  
かつてどんな困難にも希望を失わずに輝き続けていたその顔も今は絶望に彩られていた。  
 
『一哉君、おかえりっ!』  
自分がケガをして帰ってきたとき彼女は心底嬉しがってくれた。  
……もう二度とあんな風に俺を見てくれないだろう。  
 
一哉だけではない。他の3人にも解っていた。もう二度と彼女が今までのような笑顔で自分達に接して  
くれないことを。  
戻れるものなら、御堂のあの家で5人で住んでいた頃の、ハチャメチャで幸せな毎日に戻りたい。  
それでも、もう引き返せない。 どうせ手に入らないのならめちゃくちゃに壊してしまったらいい……。  
 
1人会話に混じらずただじっとむぎを見つめている一哉にバスローブを纏った依織が声を掛けた。  
 
「どうしたんだい?一哉。 君はむぎちゃんを抱かないの?」  
依織の方を見ず、ただじっとむぎを見続ける一哉。  
 
「俺は今夜はいい」  
「ちっ、1人でスカしてんなよ。やなヤツだな」  
「羽倉、お前の鍵返してもらってもいいんだぞ」  
「あ〜クソッ!悪かったよ。ちぇ」  
 
 
「俺は今夜のこの最高のショーを余すところなく観ていたいんだ。 熱演を期待してるぜ、むぎ」  
 
 
お前は一生俺のものだ  
 
 
 
--- End ---  
 
 

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