若さとは怖いものだとふと思った。  
何回尽きても、果てることなど感じさせない欲望に、少々イライラしていた。  
 
「も・・・無理。」  
 
むぎがもう息を絶え絶えにさせながら言う。  
「も・・・ぁん。」  
小さく息を震えさせて、麻生の愛撫に反応させ始める。  
口を開けて、パクパクと空気が足りない金魚のように息を吸う。  
 
「無理だってば」  
イッタばかりで、触れるだけで過敏に反応させて、無理だと懇願するむぎをなぜかいじめたい。  
唇を合わせる。  
舌を絡ませると、まるで生理反応のように絡ませ始めた。  
 
「ん・・・。」  
 
だめだと言っている割には、返すんだよな。  
麻生は苦笑する。  
 
やわらかく麻生の日焼けした手に、むぎの胸はよく馴染んだ。  
多分これは俺のためにあるのだと、どこか変な確信があった。  
それくらい麻生の手になじんでいた。  
 
尖り始めた先を親指の腹でつぶすように愛撫する。  
 
「あっ。」  
高い声をあげて体をはねさせる。  
 
「も・・・体がくたくたなの。」  
明日があると心配しているのだろうが、その言葉には聞く耳など持たない。  
今、俺がほしいのは、お前の甘い声だ。掠れた声が、途切れ途切れに俺の名前を呼ぶその瞬間を、俺はもう一度感じたかった。  
 
肩から鎖骨にかけて、わざと舌でなめた。  
 
「んっ」  
 
 
腕を目に押し付けるようにして、いやだという。  
「顔が見たい。」  
そういって腕を解いて上に結い上げる。  
 
「も。意地悪。」  
こういうときのむぎは本当にかわいい。  
笑って目じりにキスをしながら手で確認する。  
 
そんなに待てそうになかったから。  
早く入れたい。  
そして、よがるむぎの腰を引き寄せて、自分の欲望を放ってしまいたかった。  
所詮・・・ゴムの中だけどな。  
 
 
苦笑してむぎの腰を引き寄せる。  
 
「ふっ」  
入れる瞬間のむぎの困ったような顔が好きだ。  
そして、一気に貫いたときの顔も。  
 
一気に貫くと、むぎの体がのけぞった。  
そして、一気に締め付けるむぎに麻生は苦笑して吐息を漏らした。  
それだけでいってしまいそうになる。  
 
他のやつもそうなのだろうか。  
 
 
吐息をつきながらそれに耐える。  
「あさ・・・きくん?」  
荒い息でぎゅっと俺を抱きしめる。  
むぎの腰が自然に動いて、俺はそれに合わせる。  
「むぎ。」  
お互いの名前しか言葉は存在しなくて、あとにつむがれる言葉はすべて意味などもたない。  
 
荒い息遣いと肉のぶつかる音と、卑猥な水音が響くこの闇の中で、なぜかむぎの顔だけ見える気がして目を細める。  
 
おぼれている。  
 
そう思いながら、少し早めの精を放った。  
 
 
 
「もうしないから。」  
なきそうになりながらいうむぎを、腕枕しながら  
・・・今日はな。  
 
と心の中でつぶやいた。  
 
この若さがいけない。  
果てても果ててもまた立ち上がるのがいけない。  
 
 
明日もまた寝不足だろう。  
そう思いながら眠りについた。  
 

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