祥慶学園放課後、美術準備室。  
脚立に乗って棚の上のダンボールを取ろうとしている美術教師が一人。  
次の日に使う道具が入ってるはずのダンボールをそろそろと慎重に引き出す。  
「あーこんなことなら誰かに残って押さえててもらえば良かったな」  
ダンボールを引き出す度にガタガタと鳴る脚立。  
危なっかしい後姿。  
そこにいきなり扉の閉まる音が大きく響いた。  
「ひゃ!わぁ!!」  
音に驚いたむぎはダンボールから手を離した上にバランスを崩して床に  
しりもちをつくように落ちる。  
「へっ、一人でバカじゃねーのか?」  
 
むぎのそばまで歩いてきた足、その足の人物が馬鹿にしたようにむぎの  
背に声をかけた。  
その声に聞き覚えのあるむぎはキッと睨みながらその人物、九条の顔を見た。  
「九条君が急に大きな音出すからでしょ!…いたた…」  
大声で怒鳴ると打ったお尻が痛さを増す。  
そんなむぎを見て九条はククっと笑った。  
「なによもう、バカにする為に来たの?」  
「ああ、てめぇにはさんざん酷い目に合わされてきたからなぁ」  
「それはあんたが悪いんで…!」  
勢いよく顔を上げると九条の顔が間近にあった、思わず言葉と同時に動き  
を止めると九条の両手がむぎの腕をそれぞれ捕らえ背後の棚に叩きつける  
ように押さえる。  
「痛!ちょ、何す…ん!」  
騒ぐむぎの唇に九条の唇が押し付けられた。  
少しばかり開いてた口を押し開くように舌を無理矢理押し入れられ、むぎ  
は慌てて足をばたつかせて九条の体を離そうとした…が、先ほどのお尻の  
痛みで足に力が入らない。  
 
激しいキスで唇を塞がれた状態のまま掴まれた両腕を頭の上で一纏めに  
され、空いた片手を服の下に入れられる。  
ブラの下を直に掴み強い力で一度揉むとようやく唇が離れる。  
「や…やだ、やめてよ…」  
恥ずかしさで思わず下を向くむぎ。  
股の間にグイと九条の膝が入り込む、揉みながら指で乳首を弄ばれるの  
と同時に押し当てられた膝が円を描くように動かされ股間への刺激も加わる。  
「鈴原先生は大人だもんなぁ、当然セックス経験なんてのはあるんだろ?  
そんな恥ずかしがることねぇじゃねぇか」  
顔を近づけククっと笑い声を漏らし、首筋を緩やかになめる。  
ネチャリと唾液の音が聞こえ思わずむぎは目をきつく閉じた。  
誰か助けて…そう強く願うが現実はそう上手くはいかない、足音も生徒  
の声すらも聞こえない。  
「ん…や…ぁ…」  
恐怖と荒くなった息で上手く言葉を出すことも出来ない。  
九条の膝が当てられている下着にむぎの愛液がじわりと滲んでくる。  
教師を犯す興奮からか、いつも反発してくるむぎが怖がっているからか、  
むぎの耳裏を舌先でなめながら九条が笑いを漏らす。  
「誰も助けになんか来ないぜ…てめぇが悪いんだ、こうやって結局俺に  
勝てないくせに生意気言いやがるから…」  
クリクリと乳首を強く摘む。  
 
痛みで顔を歪ませ反射的に声も漏れる。  
そんなむぎの顔を満足そうに、まるでなめ回すように見る九条。  
「まあこうやってこれからも大人しく俺に犯されるっつうなら許してやって  
もいいぜ」  
「…!」  
「てめぇみてぇな女、好みじゃねぇけどな。暇つぶしくらいにはいいっ  
てこ…」  
ニヤニヤ顔で語っていた九条の額にむぎの頭突きが命中して束縛が解かれる。  
「…ふ、ふざけんじゃないわよ!だ、誰が…誰があんたなんか!」  
精一杯の勇気を振り絞り服の乱れを整えながら睨みつけるむぎ。  
「てめぇ調子に乗るなよ…」  
低い声が告げる。  
逃げ場がなく力で勝てないむぎには不利であった、しかも恐怖で足が動か  
ない。  
九条の手がむぎに伸ばされ首を掴まれる  
 
その時、  
先ほど九条が大きな音で閉めた扉が開かれた。  
そこにいた人物は不思議そうな顔でむぎと九条を見比べ、邪魔に入られ  
た九条は舌打ちして立ち去った。  
状況を理解した乱入者はむぎの傍に行き安堵の涙を溜めたむぎの目元を  
拭ってやった。  
 

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