夢を見た。  
 
あろうことか俺が透を抱いているんだ。  
 
夢の中の透は、なすがままにその肢体を俺に預けている。  
愛おしくて・・・とても愛おしくて・・・何もかも忘れたフリをして俺は透の白いからだを愛撫していた。  
 
忘れたフリはいつまでも続くわけじゃなく、夢の中までも何度も自分に問いかける。  
 
このままこいつに触れてもいいんだろうか?  
これ以上の事をしたら透が壊れてしまうんじゃないか?  
 
 
すると夢の中の透は言ったんだ。  
 
『怖い・・・』って・・・  
 
俺はハッとして目が覚めた。  
現実に引き戻される瞬間。  
夢の中とはいえ、あいつを自分のモノにした罰だ。  
透を抱きたいなんて、そんなことを思う自分が許せなかった。  
 
「おはようございます!夾君!」  
「あっ・・・ああ・・・おはよう。」  
 
いつもと変わらない朝。  
あんな夢を見た後だから、俺は透の顔をまともに見ることが出来なかった。  
俺がお前を抱いている夢を見たって知ったらどう思うだろう。  
そういう自分が情けなくて、腹立たしくて、俺は精一杯平常心を取り戻そうと必死だった。  
 
屈託なく語りかけてくる透。なのに今日の俺はとても普通にするべく余裕がなかった。  
 
俺は透に何も言わず先に学校に行った。  
由希は俺が勝手に学校に行ったことをあまりよく思っていなかったようだ。  
「本田さんに先に学校に行くことぐらい言ってから行けよ!」  
由希に言われると余計にカチンと頭に来てしまい、  
後でその事を透に謝ろうと思っていたりもしたが、そのタイミングも俺の変なプライドのせいで言えずにいた。  
 
学校でも俺はあまり気分が良くなく、ずっと机の上で伏せていた。  
透は何度も俺を気にかけて来たが、魚谷や花島の視線にムカついてついつい透を遠ざけてしまった。  
 
学校から帰り、夕食を済ませいろいろやる事をやったら俺はさっさと部屋に戻った。  
今日一日は本当に疲れてしまって何もやる気が起こらない。  
 
何時間経っただろう。部屋で横になったまま寝てしまっていると、部屋をノックする音がした。  
 
『トンットンッ』  
 
「あの・・・私です・・・。」  
 
え・・・っ??  
時計を見ると夜中の1時になろうかという時間。びっくりして俺は戸を開けた。  
 
「ど、どうしたんだよ・・・!こんな夜中に・・・何かあったのか・・・?」  
夜中だったし、紫呉や由希を起こしたりしたらまた余計な気を揉むことになる。  
俺は小声で透に話しかけた。  
 
「あ・・・あの・・・私・・・何か夾君の気に入らない事をしてしまったんじゃないでしょうか・・・?」  
 
な・・・?何言って・・・そうか・・・俺がずっとあの調子でいたから透はずっと不安だったんだ・・・  
顔を上げて俺と話す事も出来ず、不安でたまらないといった様子の透に、  
こいつは何も悪くないのに余計な心配をさせてしまったと自分を情けなく思った。  
 
「いや・・・俺、今日は調子悪くて・・・お前のせいとかそんなんじゃない。ゴメンな、心配させて・・・。」  
 
透の表情に笑顔が戻る。  
「そうなのですか・・・良かった・・・良かったです・・・。いつもの夾君で安心しました・・・良かった・・・」  
何度も良かったという透。不安にさせてしまったけれど安堵に満ちた透の表情はとても愛おしくて、俺はまた  
昨夜みた夢を突然思い出してしまった。  
 
「お・・・お前・・・もう遅いし、寝ろ。今日は悪かった・・・な。」  
 
今気付いたけど透はパジャマの姿だったし俺も昨夜の事があったから変な想像をしてしまいそうで  
透を部屋に帰そうとした。  
 
すると・・・透が俺のシャツを掴んでいる!!  
 
「あの・・・今日は・・・・今日は全然お話出来ませんでしたし、もう少しお話をしませんか・・・?」  
 
 
 
は、はぁ?今・・・なんつった・・・?  
 
「なっ・・・!!何言ってんだ、お前???さっ・・・さっさと寝・・寝ろ・・・!!」  
 
俺はドカン!と顔が真っ赤になったのが分かった。  
こいつ何言ってんだ?俺が男だってこと全然分かってないんじゃないのか・・・?  
 
「あ・・・あはは・・・そうですよね・・・ご、ごめんなさいです・・・夾君、おやすみなさい・・・」  
透も自分で何を言ってしまったんだろう?と分かっていない様子だった。  
そして精一杯の取り繕った笑顔で俺の部屋の扉を閉めた。  
 
透があんな事を言うから、目が冴えてしまって俺はその場にへたりこんだ。  
 
何であんなこと言ったんだろう・・・。俺の機嫌が悪いからずっと気にしていたのもあるだろうけど・・・  
い、いや、それだけだ・・絶対。それ以上の気持ちはない。  
 
その時、外で『コトッ』と音がした。  
窓を開けると透がいた。  
何やってんだ?あいつ!!そう思いながら外へ出て透を追いかける。  
 
透に追いついて俺は腕を掴んだ。すると透の顔は涙でボロボロだった。  
「あ・・・あの・・・!何でもないんです!!ごめんなさい・・・ごめんなさい・・」  
 
どういう思いであんな事を言ったのか・・・?俺に淡い期待がよぎる。  
打ち消そうとしても何度もまた蘇る。そして透を抱きしめたい焦燥に駆られる。  
 
こんなとき、なんで俺はこいつを抱きしめる事が出来ないんだろう・・・?  
 
抱きしめたい・・・抱きしめたいのに・・・  
 
俺はあの夢を現実にしたいという衝動に襲われそうになった。  
 
「と、とにかく部屋に戻ろう・・・な?」  
 
俺は着ていたシャツを透に着せた。  
「だ、駄目です!夾君!!風邪を・・・風邪をひいてしまいます!!!」  
「じゃあ・・・さっさと家に戻るぞ。」  
透に不安を与えないよう、俺は透の目を見て話した。  
 
俺達は二人こっそりと家に戻り、このまま透を一人にさせておくのも気が引けて俺の部屋に透を入れた。  
部屋の明かりをつけたままだと怪しまれると思い、スタンドの明かりだけを付けた。  
 
「ありがとうございます・・・寒く・・・なかったです。」  
「そ、そうかよ・・・。」  
 
部屋の明かりがほんのりと俺達を照らす。  
 
あんまり透が俺に警戒心を出さないから、俺は逆に手を出せずにいた。  
 
俺がそんな事思っているなんて微塵も思ってないんだろう。  
 
本当はその唇に触れてみたい。  
 
服の下のその細い小さな体に触れてみたい。  
 
そんな事思っているなんて知ったらこいつは俺を軽蔑するだろう・・・  
 
「夾君は・・・眠たくありませんか・・・?」  
「あ・・ああ・・なんだか目が冴えてしまったからな・・・。お前は?」  
 
透は少し間を置いて、真っ赤になりながらもゆっくりと口を開いた。  
 
「眠ってしまうとこの夜は終わってしまうから・・・  
夾君とこうしていられることが・・・とても・・・嬉しいのです・・・」  
 
ちょ・・・ちょっと待てお前!  
 
いくら天然だからってこんなこと男の前で言うな!!  
マズイ・・・・俺の中で必死に繋がっていた理性が・・・  
 
 
気が付けば俺は両手で透の頬を引き寄せていた。  
そして透に・・・・・・・・・・!!  
 
 
 
やってしまった・・・!とうとう俺は・・・!何てコトを!!!  
 
透が抵抗しないから・・・透が俺をすんなり受け入れるから・・・俺の理性はかろうじて残っているのに  
 
駄目だと分かっているのに・・・  
 
「んっ……ん………」  
 
長い長いキス。  
 
お互いの手が自然と肩に乗る。  
俺の舌は透の歯列をなぞり、さらに奥へ奥へと進む。  
透の舌も俺に応えるかのように絡んでくる。全然嫌なんかじゃないんだと思ってくれているのか、  
絡んだ舌はなかなか離れる事はなかった。  
 
いつのまにか俺の両手はパジャマの下に入り込み、ブラジャーのホックを探り、外す。  
俺の手にすっぽりと収まるような形の良い胸。  
初めて触るその感触に俺はもう自分を止める自信がなくなっていた。  
透は「あっ・・・」と小さな声をあげるが、嫌がる様子はない。  
俺は透が嫌がらないことをいいことに、唇を塞いだままパジャマのボタンを一つ一つ外す。  
身にまとっている物を取り除き、俺は初めて見る透の胸に、吸い寄せられるようにピンと立ったモノを口に含んだ。  
 
透の俺の肩を掴む手に力が入る。  
 
俺は透にこんな事をしていいのか自問自答しながらも、透のソレを舌で転がす。  
 
「あ・・・やっ・・・・」声をなるべく立てないように必死になっている透を見て、  
俺は透をもっと感じさせてみたいと身勝手な欲望に引き込まれていった。  
 
さっきまで何度もあいつの胸を弄った手はだんだん下のほうへ伸びる。  
透をベットの上で仰向けに寝かせパジャマのズボンと下着をざっと一気に脱がす。  
 
「えっ・・・?あっ・・・は、恥ずかしいです・・・」  
透は両手で自分の顔を覆い隠した。  
 
「ご、ごめん・・・!大丈夫なのか??」  
 
「え・・・?」  
悩ましげな表情でキョトンとしている透。  
 
 
 
何やってんだ・・・・・俺・・・  
 
頼む・・・これ以上俺を受け入れないでくれ。  
 
タカが外れた俺はお前に何をするのか分からないから・・・  
 
 
透は覆い隠していた手をおろした。  
俺の表情に一喜一憂しているのか、俺が不安になると透も不安気な表情を見せる。  
 
「夾君・・・・・」  
 
 
・・・・・・・・・・  
 
もしかしたら・・・・  
 
 
俺の思い過ごしかも知れないけれど・・・  
 
本当はずっと透もこうして求め合いたかったんじゃないんだろうか・・・?  
 
透は起き上がると俺の手を取り、恥ずかしそうに顔を寄せてきた。  
俺はそれに応えるかのように透の唇に近づく。  
 
・・・そして、さっきよりも激しいキスに必死に応えようとする透は狂おしいほど愛おしい。  
 
荒々しく俺の両手はあいつの胸を弄る。  
俺の舌は首筋から胸、おなかを辿り、透のソコへ辿り着いた。  
初めて見る透のソコに俺は早くその先に進みたい衝動に駆られる。  
少々強引に開こうとすると恥ずかしそうに透は股間を閉じる。  
 
俺はその閉じたモノを開きたくて、透の太ももから足のつま先にかけて出来るだけ優しく愛撫を繰り返す。  
 
閉じたモノが少し緩んだ隙をみて、俺は透のソコに手を伸ばした。  
 
「ひゃ・・・!」  
 
透のソコはびっくりするほど潤っていて、俺はそれに手をやった。  
驚くほど透のソコにすっと入る指を俺は何度もかき回す。  
 
静かな夜に潤った音だけが響く。  
 
「ぁぁっ…んんっ…っ…っ…」  
必死に声を殺す透。止まらない俺はその溢れ出る潤ったモノをとうとう口に含み、更に舌を透の中に進入させていった。  
 
透はベッドを必死に掴む。  
懸命に我慢する様子に大丈夫なのかと不安にもなるが、  
透が懸命に俺を受け入れようとしているのようにも思えた。  
 
俺はわざとソコから出る潤った音を響かせた。  
 
俺の理性はとっくに飛び越えていて、  
もう透を優しく愛撫することを忘れてしまっていた。  
 
透のアソコを強引に開き、透の充血した蕾をいたづらに攻め、執拗にそして貪欲に透の”中”を探った・・・!!  
 
 
「あぁっ、だめっ、あぁっ・・・っつ・・・ぃやあ――――――――!!!」  
 
俺は驚いて思わず声をあげる透の口を手で塞いだ。  
 
だ、大丈夫なのか??我を忘れて透を甚振った事を後悔した。  
 
透が・・・あんな声をあげるなんて思いもしなかった・・・!  
 
俺を必死に掴んでくる透の姿は怯える子猫のよう・・・  
 
「夾君・・・怖い・・怖いです・・・!」  
 
怖い・・・?  
 
俺は昨夜の夢を思い出した。  
 
透は今確かに『怖い』って言った。  
 
「・・・お、俺・・・・・・何して・・・」  
 
夢と同じだ。  
 
駄目だ・・・あの夢は俺の欲望を戒める罰だったのに・・・  
 
 
「夾・・・・・君・・・?」  
 
 
手を止めた俺を切なそうに透が見つめる。  
 
すると透は俺の手を優しく覆った。  
 
 
 
「夾君・・・・私はすごく・・・・幸せです・・・」  
 
 
幸せって・・・?  俺といることが・・・?  
 
 
「私は今・・・幸せすぎて・・・・すごく幸せすぎて怖い・・・・・・・・・・・怖いん・・・です・・・  
 
ずっと・・・こうしていたいって・・・・・・・・思っているとしたら・・・私を・・・軽蔑しますか・・・?」  
 
俺は・・・  
 
俺はずっとこういう言葉を待っていたのかも知れない。  
 
俺を必要としてくれる女の子。  
 
お前の前じゃいつも自信がなくて・・・だけどお前がいてくれるから毎日が楽しくて・・・  
 
 
 
 
 ―――――――― 大事にしたい  
 
 
 
「俺がお前を軽蔑なんて・・・するわけないだろ・・・?」  
 
俺は透の優しい微笑みに救われた。そんな透に俺も笑みを返す。  
 
ほっとした透はとびっきりの笑顔で迎えてくれた。  
 
短い夜はやがて明けるけど・・・  
 
 
もう少し・・・もう少しだけ  
 
 
 
俺達の夜が終わるまで・・・  
 

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