その日は、絶好のレジャー日和だった。
雲ひとつない晴天から、ぽかぽかと光がそそぐ・・・そんな陽春の折。
「・・・本田さん、もう食えない・・・腹いっぱい・・・」
撥春は、ぐうすか寝ていた。
庭に面した和室の縁側で、陽だまりを追って転がりながら。
朝起きて朝食をとって寝、昼起きて昼食をとって寝、
今や陽も傾き始めようかという時刻である。
いくら「丑」である撥春とて、休日をいつもこんな風に
寝て過ごしているという訳ではない。
朝、気まぐれに紫呉の家におもむいたところ、
由希・夾・透はピクニックに出向いて留守だと言われたのだ。
紫呉は三人に気をきかせているのだか、何か企みがあるのだか、
撥春がいくら訊ねても三人が出かけた場所を教えてはくれなかった。
仕方なしに自宅へ戻った撥春は、
由希に置いてけぼりにされたことが気に食わずに
ごろごろとふて寝することと相成ったのである。
ふと気がつくと、撥春は紫呉の家にいた。
紫呉が英語で話している。由希も、夾も、透までも。
何を言っているんだか、ちっとも分からない。
つのるばかりの疎外感に、撥春はいらつく。
「なんやねん、アイアムジャパニーズやで。
自分らもジャパニーズちゃうんか?」
関西弁は宇宙人にも通じる万国共通語だと思っていた撥春は
試しに関西弁で話してみたが、やはり通じなかった。
急に場面は変わって、中世らしき時代の建物の中。
撥春は、なぜかおさげの少女になっていた。
かたわらには飛行士のような格好をしたリン。
目の前には銃を構えた黒眼鏡の男がいる。男は言った。
「ラピュタは滅びぬ!何度でも蘇るさ!」
撥春は思った。バルス!と。
そしてまた唐突に場面は変わり、場所はどこかの殿様屋敷。
殿様が、この屏風に描かれた虎を捕まえて見せろ、と撥春に言う。
(虎?ってことは、これの正体は杞紗か)
訳の分からない理屈で、撥春は屏風を抱きしめた。
屏風はボンッと音を立て、裸の杞紗に変わる。
十二支同士だというのに変身したのが気にかかったが、
まあいいか、の一言で片付けた。
「ぁ・・・春くん・・・」
全裸の杞紗は真っ赤になり、殿様の視線から逃げるように撥春に抱きつく。
すると身長差のせいで、杞紗の未発達の胸がちょうど撥春の腰に当たった。
おずおずと撥春を見上げる杞紗の仕草が、撥春の導火線に火をつける。
「捕まえた」
撥春はニヤリと笑い、殿様のことなど忘れて性急に杞紗を押し倒した。
戸惑う杞紗の両腕を片手で押さえつけ、小さな胸の膨らみをまさぐる。
「は、春くん・・・? やっ・・・」
いまだ女になりきっていない乳房を丁寧に揉みほぐして愛撫すると、
身をよじって逃げようとしていた杞紗の肩がぴくりと震え、抵抗が弱まる。
杞紗が感じ始めたことに気付いた撥春は、喉の奥でくっと笑って
無毛のクレバスに手を伸ばした。
「!! ぁ、あっ・・・ゃぁ・・・!」
幼い恥丘の柔らかな感触を楽しみながら、指先でくにくにと刺激する。
杞紗は耳まで赤くなって足をぎゅっと閉じ合わせようとするが、
撥春が一撫でするたびに力が抜けていくらしく、それは叶わなかった。
「ん、んっ・・・ぁっ・・・ぁ・・・」
やがて撥春の指先に、ぬるっとした感触が伝わる。
その感触に、杞紗のそこが充分に濡れそぼったことを確認すると、
撥春は大きく張り詰めた分身を杞紗の秘所へと・・・
ガスッ。
何か鋭いものが脳天を突いた痛みに、撥春はふっと目を覚ました。
「いてえ・・・」
むすっとして、目をこすりながら身を起こす。
状況が把握できずに周りを見渡すと、そこは何の変哲もない自宅の縁側。
そしてかたわらには、撥春を起こした犯人であろう紙飛行機が落ちていた。
「・・・夢か・・・」
ため息をつく。いい所で中断されたのが悔しいというのもあるし、
夢の中とはいえ、妹のように大切にしている幼い杞紗を
そういう対象として見てしまった自分が情けないというのもあった。
とりあえず冷めやらぬ熱を鎮めるためにトイレへ向かおうとして、
ふと自分を見つめる視線に気付く。
庭先でおどおどとこちらを見やっていたのは・・・杞紗だった。
さらさらと煌めく金髪に真っ白なワンピースが良く似合い、
一目にはまるでどこぞの姫君のようにも見える。
「ぁ・・・春くん、あの、紙飛行機・・・こっちに飛んでこなかった・・・?」
ああ、あれを飛ばしたのは杞紗だったのか。
杞紗が犯されるのを寸前で食い止めた杞紗・・・なんだか妙な偶然だ。
つらつらと考えながら、ふと撥春は思いついた。
ちょうどいい。あの夢・・・正夢にしてしまおうか。
「紙飛行機って、これ?」
言いながら縁側に落ちていたままの紙飛行機を拾い、杞紗に差し出す。
杞紗は撥春の思惑になど気付かぬまま嬉しそうに微笑み、
縁側の下から背伸びをして、紙飛行機に手を伸ばした。
「ありがとう・・・」
杞紗の手が紙飛行機に触れた瞬間、撥春は素早く杞紗の手首を掴んだ。
驚いた杞紗をそのまま強く抱き上げ、腕の中に収める。
その勢いで杞紗のサンダルが脱げたが、そんなことは気にかけずに耳打ちした。
「これ。飛行機。俺に刺さった」
「えっ・・・?」
「ここで昼寝してたらこれが頭に刺さって、目ぇ覚めちまった」
「ぁ・・・ご、ごめ・・・なさ・・・」
杞紗が言い終えるのを待たずに、撥春は彼女を縁側に押し倒した。
動揺して何も言えずにいる杞紗に、にやりと笑って撥春は告げる。
「まあ、それはいいんだけど。
楽しい夢が途中で終わっちゃったから、続き、現実でやらせて」
「え・・・ぇ・・・夢って・・・?」
「杞紗と気持ちいいことして遊ぶ夢」
言うが早いか、撥春は杞紗の唇を塞いだ。
リンのそれよりもふっくらとしていて幼さを感じさせる感触に、
そういえば杞紗はキスなんてしたこと無いんだろうな、と気付く。
「ん、ぅっ・・・んん・・・!?」
杞紗の喉から漏れる困惑しきった声に、撥春は少なからず罪悪感を感じたが
それ以上に高まった欲望に押されて舌を沈め、杞紗のワンピースをまさぐる。
手探りでボタンを探すが、どうもそれらしき感触が見つからなかった。
仕方なく絡めた舌を解いて、問う。
「杞紗・・・この服、ボタンとか無い?」
「はぁ・・・え・・・せ、背中に、ファスナーが・・・」
初めての激しいキスに頭が回らなくなったのか、杞紗は素直に答えてしまった。
撥春は了解、と呟きながら杞紗を抱き起こし、あぐらをかいて柱に寄りかかる。
そして杞紗を抱き寄せ、自分の膝の上に座らせた。いわゆる対面座位である。
撥春は体勢を整え、杞紗を抱きしめるようにして彼女の背中のファスナーを下ろした。
そこまで来てようやく杞紗は我に返り、弱々しく撥春の腕を押しやって抗う。
「ぁ・・・は、春くん、だめぇっ・・・」
「駄目じゃない」
なんの根拠もなくきっぱりと言い切り、撥春は杞紗のファスナーを下ろしきる。
ついでに背中のブラのホックも外して、ワンピースの上半身を一気に下ろした。
そしてついに露わになった、幼い杞紗の半身。
杞紗はなすすべもなく真っ赤になり、両手で顔を覆う。
「ぃやぁ・・・!」
まだ成長を始めたばかりの幼い膨らみ。その先端を彩る、桜色の乳首。
杞紗が羞恥に震えると同時に、その部分もふるふると震えて撥春の情欲を誘う。
恥じらって撥春を拒む声さえも、逆効果でしかなかった。
「可愛い、杞紗・・・」
撥春はそう囁いて、杞紗の膨らみへと手を伸ばす。
手のひらで包み込むようにしてやわやわと揉みしだくと、杞紗の肩がぴくりと震えた。
少し力を強め、親指を使って先端の尖りをくすぐるように撫でる。
「ぁっ、や・・・んぁっ・・・!」
杞紗は未だかつて経験したことのない感覚に、思わず甘い声を漏らしてしまう。
撥春はあまりに分かりやすい反応を返す杞紗に目を細め、
すっかり硬くなってピンクに染まった乳首をこりこりと刺激する。
そうしながらも、空いているもう片方の手をゆっくりと
杞紗の下半身へと下ろしていった。
「ぅく・・・ぁ、や・・・だめ・・・」
ワンピースのスカート部分はいまだ杞紗の下半身を覆っていたが、
撥春はそれを脱がすことはせず、スカートの下から手を潜らせる。
同時に乳首から走る電撃のような快感に、杞紗は必死で声をこらえていたが
撥春の指が薄い下着の中へと入り込んだ時、思わず声を上げてしまった。
「あっ、ぁ、だめっ・・・春くんっ」
「あんまりでかい声出すなよ。母親、家にいるから」
「!!」
こんなところ、見られたら・・・
杞紗の心拍数が跳ね上がり、声を出すまいと必死で息を止める。
しかし無情な撥春の指は、杞紗の最も敏感な部分に辿り着き、
既に乳首への愛撫でうっすらと湿り気を帯びているそこを
くちゅりと撫で上げた。
「ひぅっ・・・!」
ぞくぞくと背筋を伝う直接的な快感に、杞紗はまた声を上げてしまう。
撥春は構わず、くちゅくちゅと音を立てて秘所を掻き回した。
途絶えることなく続く快感の波に、杞紗は全身を震わせる。
「や、ぃやあぁ・・・はるくん、あぁっ・・・」
「もう、いいかな・・・」
独り言のように呟き、撥春はちゅぷっと音を立てて
杞紗の秘口に指を侵入させた。新たな刺激に、杞紗の肩が震える。
杞紗のそこはずぷずぷと貪欲に撥春の指を呑みこみ、
容易に人差し指の付け根までを埋ずめた。
「ひぁ、やあぁ・・・くぅ・・・」
撥春が指の先をくいくいと動かして杞紗の奥を刺激すると、
杞紗は撥春にぎゅっとしがみついて一層甘い声を上げる。
同時に杞紗の熱い内壁は、撥春の指をきつく締め付けた。
撥春はいまだ狭い杞紗のそこをより解きほぐすため、
親指を使って杞紗の小さな芽を押しつぶすように撫ぜる。
「んぁっ!? ぁ、あ、やぁ、んんっ・・・」
杞紗の秘所はその刺激に敏感に反応し、熱い愛液を際限なく溢れさせ、
とろとろとこぼれたそれは撥春の手のひらを汚していった。
杞紗は今やほとんど判断力を失くして、むずがるように身をよじらせ、
無意識に太股を撥春の手にこすりつける。
そんな杞紗の仕草と中の感触とで、撥春もかなり追い詰められていた。
そろそろいいだろうか、とジーパンのチャックを下ろし、
大きく張り詰めた分身を取り出す。
「・・・杞紗、力抜いとけよ」
「ぇ・・・?」
いまだワンピースは抜き去らないままで下着を下ろさせ、杞紗の入り口に先端をあてがう。
ここで進めば、もう今の「兄妹」にも似た関係のままではいられないだろう。
撥春は一瞬迷い、逡巡する。
・・・まあ、いいか。
どこの誰とも知れない野郎に大事な妹の処女を奪われるくらいなら、
兄貴分である俺が、辛い思いをさせずに優しくしてやりたい。
そんなひねくれた庇護欲が、最後の一線を越えようとする撥春の背中を押した。
「!! あっ、や、はるくんっ・・・」
「息、吐いて。ゆっくり・・・深呼吸して」
ずぷっ・・・
濡れた音を立てて、痛みに震える杞紗の体が撥春の上に沈んでいく。
撥春は杞紗の背中を撫でながら、ゆっくり、なるべくゆっくりと侵入していった。
やがて狭い門を無理やり突き破る感触がして、眉をしかめる。
「や、ゃ、いたっ・・・いたぃっ、はるくん、やめてぇっ」
ずいぶん時間をかけて慣らしたつもりだったが、杞紗は悲痛な声で痛みを訴える。
その悲鳴に撥春はまた迷ったが、すぐ気持ちよくなるから、と囁いて挿入を続けた。
しばらくしてようやく全てを収め、撥春は大きく息をついて動きを止める。
「杞紗、ぜんぶ入った・・・」
「ぅ・・・んっ・・・」
杞紗は小さく返事をして、撥春の胸に顔を埋ずめる。
処女ならではのきつい締め付けと熱さを感じ、撥春はすぐにでも動きたかったが、
破瓜の痛みに耐えているのだろう杞紗を気遣ってじっとしていた。
しばらくしてふと、杞紗の肩が震え、微かな嗚咽が漏れていることに気付く。
「・・・杞紗、痛い?・・・それとも、俺とするの、嫌だった?」
杞紗はふるふると首を振り、涙声で言葉を紡ぐ。
「・・・ちが・・・うの・・・私、こんな・・・や・・・ヤらしくてっ・・・
春くんに・・・き、嫌われちゃうかも、しれないって・・・!」
「俺が?イヤらしい杞紗のこと、嫌いになると思ったの?」
杞紗はこくりと頷き、ぽろぽろと涙をこぼしながら撥春を見上げる。
淡く紅潮した頬。切なげに寄せた眉。汗ばんだ肌。赤い舌。熱い息。
そして何より撥春自身を包み込んでいる下の口はゆるゆると蠕動し、
侵入者をより深くへと誘い込むかのように蠢く。
普段の面影など微塵も無い、こんなにも淫らでイヤらしい、杞紗。
「・・・嫌いになんか、ならないよ」
告げてから、撥春はぐっと杞紗の腰を抱く。
そして杞紗が何か言おうとするのを遮るように、一気に下から突き上げた。
「んあああぁっ・・・!!」
その声は、はっきりと快楽の色合いが混じったものだった。
杞紗が痛みの峠を越えたことを確認すると、撥春はゆっくりとピストン運動を始める。
くちゅっ。じゅぷっ。ぴちゃ・・・
粘着質の水音と、序々に強くなっていく杞紗の甘いさえずりが混じりあい、
官能的な音響は撥春の欲望をさらに刺激する。
「あ、ぁ、はっ、んんっ・・・ひあぁっ・・・!」
撥春がより強く抜き差しすると、杞紗の内部は更にきつく収縮する。
それがまた撥春に快感を与え、杞紗に快感を与えて、
密着した二人の性感は螺旋状に昂ぶっていった。
やがて杞紗の嬌声が強まり、撥春も息が上がってくる。
「ひぅっ・・・ぁ、あっ、んくぅっ・・・ふあぁっ!」
お互い・・・もうそろそろか・・・
そう思ったところで撥春はふと、部屋へと近づいてくる足音に気付いた。
慌てて動きを止め、杞紗の口をふさいで囁く。
「杞紗、声出すな。寝たふりして」
「っんぁ・・・え・・・?」
「寝たふり。絶対に声出したら駄目」
状況が飲み込めずに惚けている杞紗にそれだけ言い渡すと、
撥春はすばやく杞紗のワンピースを正し、きちんとファスナーを上げた。
結合部はワンピースのスカートの下に隠れ、外からは見えない。
訳が分からないまま寝たふりをした杞紗を抱きしめたちょうどその時、
和室の入り口のフスマが開いた。
「撥春、起きてる?・・・あら、杞紗ちゃん?」
姿を現した、撥春の母。
杞紗はその声にびくりとして、動かないようにするのに必死だった。
一方の撥春は普段から無表情なのもあって、平然と受け答えする。
「ん・・・さっき遊びに来たんだけど、寝ちゃった」
「あら、そうなの。起こしちゃうのも可哀想だしね」
撥春は腕の中で息を潜めている杞紗をちらっと一瞥し、適当に相槌を打つ。
絶頂の寸前だったこともあり、二人とももどかしくて堪らなかった。
だが、そうして堪えているうちに、撥春はふとイタズラを思いつく。
「で・・・何か俺に用事?」
「ああ、ねえ、春。お夕飯、何か食べたいものある?」
「あー・・・ちょっと待って、考えるから・・・」
撥春はわざと答えを引き伸ばして、母親に気付かれないようにゆっくりと
スカートの下の杞紗の秘所をぐるりと掻き回した。
(っ!!)
杞紗の肩がぴくっと震えたのが分かった。
先ほどまでの激しい動きとは違う、焦らすような弱い動きは
じんわりと体中を痺れさせる快感を杞紗にもたらす。
(っあぁ・・・いやぁ・・・)
「そう・・・そうだな、じゃあ・・・しょうが焼きがいい・・・」
「しょうが焼きね。あんた好きねえ、しょうが焼き」
「だって美味いもん・・・」
言いながら、また、ぐちゅり。
(あああぁっ・・・春くん、ひどいっ・・・!!)
絶頂を直前にして敏感になった杞紗の秘所は強烈な快感を脳髄に伝え、
だがしかし浅い動きは決して杞紗を絶頂に導くことはしない。
杞紗の奥底で激しく燃える快楽の炎が、杞紗の正気を熔かしつくしていく。
(ぁ、あぁ、いやあぁ・・・はやくぅっ・・・!!)
絶頂の寸前でせき止められたまま、杞紗の体内で渦巻く大きすぎる快楽。
杞紗の内壁はもうこれ以上我慢できないと催促するかのように、
撥春自身をぎゅっと締め付けた。
撥春はその締め付けに思わず声が出そうになって、ぐっと歯を食いしばる。
「っ・・・じゃあ・・・しょうが焼き、よろしく・・・」
「はいはい。買い物行ってくるから、留守番よろしくね」
「ん・・・」
ぱたぱたと足音が遠ざかっていくのを確認してから、杞紗ははぁっと息をついた。
気が緩んだためか、同時にとろとろと多量の愛液が溢れ出す。
それに気付いた撥春が、結合部の蜜を指ですくい、ぺろりと舐めた。
「杞紗、びしょ濡れ」
「やっ・・・だって、春くんがぁっ・・・っあ、も、はるくんんっ・・・」
もどかしい刺激にさんざん焦らされ続けた杞紗は、恥じらいさえも捨てて
撥春にすがりつき、涙をいっぱいに溜めて懇願する。
今すぐに激しく奥を突いて欲しいという衝動だけが杞紗を支配し、
ついには無意識のうちに足を突っ張り、自ら上下に動き始めた。
「あぁっ、はぁ、ぃ・・・いぃっ・・・きもちイィ、よぉっ」
恍惚として呟く杞紗のあられもない姿に、撥春の欲望は最高潮に達する。
ワンピースを再び脱がす余裕もなしに深く繋がったまま、
杞紗を仰向けに押し倒し、その両足を抱え上げてぐっと腰を進めた。
「あっ、や、んああぁっ」
体位を変えたせいで、撥春は杞紗のより深い場所へと到達する。
最奥への刺激によって至上の快感を得た杞紗は、身をよじって喘いだ。
杞紗の柔らかな内壁は、絡みつくような動きで撥春を翻弄する。
くちゅっ。ずぷっ。ぐちゅ・・・
杞紗の内部がひくひくと痙攣を始めたのを感じて、
撥春は最後の仕上げとばかりに、杞紗の小さな肉の芽を指先で弾いた。
「ぁあうっ、ぃああぁぁんっ!」
ひときわ大きな嬌声と共に、背中を限界までそらせて杞紗は達した。
同時にぎゅうっと内部が収縮し、撥春もこらえ切れずに杞紗の中へと精を吐き出す。
一瞬妊娠の心配をしたが、その一瞬後に杞紗はまだ生理も始まっていないことを思い出し、安堵した。
「っはあぁ・・・ん・・・はぁ・・・」
ようやく待ち望んだ絶頂を迎えられた杞紗は、疲れきった様子で体中の力を抜く。
撥春が分身を抜き去った途端、精液と蜜が入り混じった白濁液が、こぷっ、と音を立てて溢れ出した。
杞紗は余韻に浸りながら息を整えていたが、その感触にぶるっと体を震わせる。
「杞紗・・・気持ちよかった・・・?」
「ん・・・う、うん・・・よかった・・・よ」
真っ赤になって小さく呟くいつもの杞紗に、撥春は笑いながらその髪を撫でた。
居間にティッシュを取りに行った撥春が和室へ戻ると、
相当体力を消耗したらしい杞紗は、既にすうすうと寝息を立てて眠ってしまっていた。
起こさないように慎重に体を清めてやり、これからどうしたものかと撥春はしばし考える。
・・・まあ、俺もそれなりに疲れたし、杞紗と一緒に昼寝の続きでもしようかな。
薄く開いた唇に、そっと触れるだけのキスをしてから、撥春はごろんと寝転んだ。
春日の午後の陽だまりで、並んで眠る少女と青年。
しあわせそうな寝顔の二人は、きっとしあわせな夢のなか。
おしまい。