夕暮れに染まる台所。
いつもなら、暖かい匂いとリズム良い包丁の音が漂っているはずの場所。
だけど、今、ここに漂っているのは、甘い匂いと微かな機械音。
「…どう?その格好、気に入った?」
冷蔵庫に寄りかかり、台所の床で息を荒くしている透を見下ろしていた紫呉は、口の端を歪めただけの微笑みで言った。
「…っ、や、いやですっ…紫呉さんっ…こんな…」
後ろに手を縛られ、跪くような姿勢。もう、30分ぐらいはこの姿勢をとらされている。腰は高く上げられ、後ろから見れば、この短いスカートでは、きっと何も隠せていないのだろう。だらしなく足をつたう水も、やわらかい部分から伸びるコードも、赤く染まった透の顔も。
「だって、透くんが協力してくれるって言ったじゃないか。現に、今、僕はすごく助かってるよ?おかげでいいものが書けそうだよ。それに暫くは、みっちゃんも自殺させずにすみそうだしね!」
「……あ、あの、では、もぅっ…っ!!」
透がそこまで言ったとこで、紫呉は手元のスイッチを軽くずらした。透の口から、引きつった声が上がり、透の身体がビクビクッと強張った。
「ぁあー。強すぎちゃったかな?ごめんね。」
スイッチを"切"に合わせて、紫呉はつまらなそうに手から投げた。スイッチは何度か跳ねると、透の目の前に、落ちた。呼吸を整えていた透は、顔にかかる影に気付いて、見上げる。
「…紫呉さん…」
紫呉は見上げた透の顔を見つめ、低い声で呟いた。
「…まだ、終わらないからね。透くん。まだ、まだだよ?」
窒息しそうな程充満する自分の匂いに、透は眩暈がしそうだった。
乱れた呼吸が苦しくて、必死で呼吸を整えようとしていた。
「…っあっ!」
紫呉が、透の身体の中から出ているコードを足で踏んだのだ。まるで、呼吸をただす事、それさえも許さないかのように。
コードの先に付いていたピンク色の物は、勢いよく飛び出し高い音を立て床を跳ねた。
「ほら、ここもまだやめて欲しくないって…ね?」
空洞になったその場所は、少し薄暗い中でも分かるほど濡れそぼり、何かを欲しがるようにひくついていた。
「透君は感じやすくて良いね。…それとも、ただ単に好きなだけかな?」
腰を低くし、透自身の愛液で濡れた太股を丁寧に舐め上げていく。
「っ…あっ…し、紫呉さん…っ」
「もっと、足開いてね。」
透の両膝を紫呉の手が掴み、大きく左右にずらした。
「やっ…!」
「…これじゃまるで、僕にみて下さいって言ってるようなもんだよね。」
「や…こんな…いやです…っ!!」
足を大きく開き、腰を突き上げた格好。見られたくない場所に、刺すような視線。
思わず、足を閉じようと動く透の腰を、紫呉の大きな手が止める。
「仕方がないなぁ」
穏やかな口調でそう言うと、透の身体を起こすと、仰向けに寝かせなおす。
「紫呉さん…っ」
「…ケセラセラだよ、透君!」
言うなり、透の膣内に再びピンクローターを押し込む。
「ぁああああっ!!」
透の口から、絶叫が上がる。
紫呉はその様子に満足したように、「強」の位置に合わせられたローターのスイッチを手元から離す。
「いやっ!っあ、と、とめてください…っ!!」
「ダ・メ。僕、素直じゃない子は嫌いなんだよね…透君。」
そう言って、紫呉は愉快そうに微笑んだ。