「お姉ちゃん・・・遊びにきたよ。・・今日は燈路ちゃんも一緒・・・なの」  
そういって少しはにかんだ笑顔を浮かべている杞紗とは対照的にむすっとしている燈路。  
燈路にとって透はライバルなのだから仕方のない事ではあるのだが・・・。  
そういった事情を知っている透としては、この小さな二人の客人はとても初々しくて  
思わず抱きしめてしまいたくなるほど可愛らしく思えるのだった。  
「こんにちは 杞紗さん燈路さん!今日は何をして遊びますか?  
よろしかったらトランプなどもありますので大貧民などもできるのですっ」  
「・・・アンタさぁ 今時の子供がそんなもんで喜ぶと本気で思っているわけ?  
もっと気のきいたもの用意しておこうと思わないわけ?やだやだ思いやりに欠ける人間って!」  
「す、すすすすいません!じゃあ別な遊びを考えますです!え〜と、え〜と・・・」  
「・・・私・・トランプって好きだよ・・・」  
「・・・杞紗がいいなら許してやる。まあアンタに子供の喜びそうなものなんて  
浮かばないだろうから期待はしてないけどね。次に来た時はゲームくらい用意しておいてよ」  
「は、はい!わかりましたです!!」  
こうして透と杞紗、燈路が紫呉の家で遊ぶのは日常的な出来事になりつつあった。  
本家ではまだ杞紗と距離をおいている燈路であったが、ここでは以前と同様に杞紗と接するようにしている。  
もちろん当主に事が知れたらまた同様の事が起きかねない。  
しかし杞紗と距離をおいた事で、自分に嫌われていると思い、心を痛めていた杞紗の気持ちを考えると、  
せめてここでだけは以前と同じようにしていたい。いつか胸をはって杞紗への気持ちを言えるようになるまで・・・  
一人の男として大事な人を守れるまで・・・。  
その日まではこうしてわずかな時間でも杞紗と一緒にいることが燈路にとっても心の支えになっているのであった。  
・・・約一名邪魔者もいるが。  
 
「あれ?燈路さん眠ってしまったのですね」  
「あ・・・お姉ちゃん。うん・・・燈路ちゃんなんだか・・遊び疲れたみたい」  
透が夕食の下ごしらえをしている間にどうやら燈路は眠ってしまったようだ。  
いつもは大人顔負けの弁舌を誇る燈路も、寝顔は年相応の子供の顔に戻っている。  
『可愛らしいです。私にもし弟や妹がいたらこんな気持ちなのかもです』そう思い透は微笑する。  
「杞紗さん、燈路さんも眠っていらっしゃるようですし、夕食の買出しに行く間  
お留守番をお願いしてもいいですか?紫呉さんは出かけていらっしゃいますし、由希君は生徒会、  
夾君は道場ですので・・・」  
「うん・・・燈路ちゃんと待ってるね。お姉ちゃん・・いって・・らっしゃい」  
「はい いってくるのです!杞紗さんと燈路さんの為に腕によりをかけてつくりますからね」  
そう言って透は夕食の買出しに出かけたのだった。  
 
・・・コチコチコチ  
静かな誰もいない家の中、杞紗は燈路の寝顔を見つめる。  
外の木々のこすれる音と時計の音以外に聞こえるのは規則正しい燈路の寝息だけだ。  
いつもと変わらない燈路の寝顔を見て杞紗は不思議と心が安らぐのを感じていた。  
小さい時からずっと自分のそばにいてくれた男の子。  
自分が嬉しい時には一緒に喜んでくれ、悲しい時には自分が泣き止むまで  
ずっとそばにいてくれたかけがえのない自分の半身。  
だから急にそっけない態度をとられたときは心が死んでしまいそうなほど苦しかった。  
でも最近になってやっと自分が燈路から嫌われていないと知った時は本当に嬉しかった。  
どうして自分を避けるようになったのか頑なに理由を話そうとしない燈路であったが、  
それでも時々こうして紫呉の家で一緒に遊ぶ事は杞紗にとっても嬉しい事であった。  
『いつか・・私の・・・燈路ちゃんが大好きだよって気持ちを伝えられたらいいのに』  
いつしか杞紗は心からそう願うようになっていた。  
 
「クシュッ!」  
「燈路ちゃん・・・寒いの・・?今・・・お布団持ってくるから・・待ってて」  
杞紗はあわてて毛布をもってきて、燈路を起こさないようにそっと布団をかけた。  
眠る燈路を見て、ふと杞紗は小さい頃よく一緒の布団で燈路とお昼寝したことを思い出していた。  
「・・・ちょっと・・だけだから・・・いいよね・・・・」  
そういうと杞紗はそっと布団の中にもぐりこんだ。  
懐かしい気持ちとともになんだか切ないようなそんな感覚が杞紗の中に起こっていた。  
そっと燈路の頬に触れるとさらに切ない気持ちが体の内からあふれてくる。  
『私・・・どうしちゃったの・・・・・?』  
とめどなくあふれる思いに杞紗はとまどいを隠せなかった。  
ただただ愛おしくて、でもどうしたらいいのかわからない。  
杞紗は燈路を慈しむようにそっと触れた。  
やわらかな髪を梳き、額や頬にそっと口ずけた。  
大人から見れば子犬がじゃれ合っている様な稚拙な物であったかもしれない。  
しかし杞紗にとっては性的な高まりを起こさせるのに充分であった。  
 
「・・はぁっ・・・あ・・燈路ちゃ・・ん」  
訳のわからないまま高まっていく杞紗。でもそれ以上の行為はできなかった。  
恥ずかしさもあったが、嫌われていないにせよ自分が燈路にとって相応しいのかわからなかったからである。  
自分への自信のなさがそれ以上の行為に及ぶのを無意識に自制していた。  
「ん・・・・・き・・さ・・」まどろみの中燈路が杞紗の名前を呼んだ。  
ハッと身をこわばらせる杞紗。起こしてしまったのだろうかという焦りと  
とんでもない事をしてしまったという罪悪感が杞紗を襲う。  
「ご・・ごめんね燈路ちゃん。・・・わ・・わたし・・・」  
「杞紗・・・オレまだまだガキで・・・情けないけど・・・・・  
いつかきっと・・・守るから・・・ちゃんと・・・すき・・って  
い・・える・・よ・・・・に」  
「ひ・燈路ちゃん・・・」  
「オレ・・・キサの事・・・・す・・きだ・・・から」  
その瞬間、杞紗の中で何かが弾けた。  
 
「燈路ちゃん・・燈路ちゃん・・・・っ!」  
熱病にうかされた様に何度も何度も愛しい人の名を呼び、  
その小さな体を抱き寄せる。  
『もっと・・・もっと燈路ちゃんの体温を感じていたい。  
・・・・もっと・・触れていたい・・・』  
ずっと胸の内にしまいこんだ感情が溢れ出した今、もう杞紗は  
燈路への気持ちを抑える事はできなくなっていた。  
「・・・・・っ・・はあっ・・・・はぁ・・・」  
震える手でシャツのボタンをはずす。  
杞紗には燈路の服を脱がせている時間が永劫のように長く感じられた。  
しかしその時間さえも杞紗にとってはじれったくも甘美な拷問に  
感じられるのであった。  
そっとシャツをはだけるとそこには、華奢ではあるもののなめらかに  
引き締まった燈路の体があった。幼い頃から見慣れているはずの燈路の体。  
今までそれほど意識して見た事はなかったが、こうしてみるとあきらかに  
女の自分の体とは違うのだと言う事を改めて実感する。  
『燈路ちゃんも・・・ちゃんと・・・・男の子・・なんだね・・』  
そう思いながら燈路の胸にそっと頬をよせ、なめらかな肌に頬ずりしながら口づける。  
「ん・・ちゅ・・・っはぁ・・・・んっ・・・ん・・ちゅっ・・・・」  
静かな家の中には杞紗の吐息と衣擦れの音だけが響いていた・・・。  
 
・・・とても幸福な夢を見ていた気がする。  
杞紗にやっと今の自分の精一杯の気持ちを伝えて、杞紗もいつもの様に  
はにかんだ微笑を浮かべて、オレの事を受け入れてくれる。  
そんなこれ以上はないくらいの幸せな夢を・・・・。  
 
ふっと気づくと見覚えのない天井が広がっていた。  
『あれ・・オレ・・・なんで・・・?』  
ぼんやりとした頭の中でこの違和感についての理由を考える。  
やがて杞紗とともにあのボケ女の所に来た事を思い起こすのに  
さほど時間はかからなかった。  
どうやら自分はいつの間にか眠っていたようだ。  
しかし違和感はまだ消える事がなく残っている。  
不意に自分の体を見ると、そこには信じられない光景が広がっていた。  
 
「はっ・・・あっ・・・・ちゅ・・・ぅん・・・  
・・っふうっ・・・んんっ・・・!」  
『なっ!?・・・・き・・さ・・・・・』  
燈路は自分の目を疑った。自分の服がいつの間にかはだけられている状況も  
驚きだが、それ以上に驚きなのはあの杞紗の変貌だった。  
いつもオドオドして自分の影に隠れている杞紗。自分の気持ちを表現するのが  
苦手で、でも何事にも一生懸命なかわいい杞紗・・・。  
そんな杞紗が瞳を潤ませ、頬を上気させながら自分の体に一心不乱に愛撫を施している。  
いつもの彼女からは考えられない行動に、燈路は困惑を隠せなかった。  
『なんで・・・・どうして・・杞紗・・・っ』  
訳のわからないまま杞紗の柔らかな唇と体の感触に身を委ねている燈路。  
このままぬるま湯のような心地よさに浸っていたい・・・そう思い始めていたその時、  
燈路の体に電流のような衝撃が走った。  
「あっ!! くうっ!」たまらず声をあげる燈路。  
そこには自分のそそりたったモノをにぎっている杞紗の姿があった。  
 
「燈路ちゃん・・・・気持ち・・いい・・・・の?」おずおずと尋ねる杞紗。  
「き・杞紗・・・」上擦った声でやっとそれだけ返す燈路。  
こういった行為があることは燈路もすでに知識としては知っているし、興味だって人並みにある。  
しかし自分にとって大切な女の子にこのような行為をさせる事にはまだ抵抗があった。  
『やめさせなくちゃ・・・こんなこと杞紗にさせられない』  
「・・・燈路ちゃん?・・・・あの・・えと・・・・」再びおずおずと尋ねる杞紗。  
「杞紗・・・気持ちいいよ・・・・でも・・これ以上は・・・ダ・・っ」  
そう言い終る前に燈路の言葉は杞紗によって封じられた。  
杞紗が燈路の最も敏感な先端部分を舐めあげたからである。  
まるでそんな言葉など聞きたくないとでも言っているかのように。  
「は・・むっ・・・んっ・・・ちゅっ・・・・はあっ・・・んうっ・・・・くっ・・・!」  
愛しげに燈路のモノを舐めあげる杞紗。  
先端から溢れる蜜を舌ですくいながら柔らかな手で優しく竿をこする。  
 
「き・・・さ・・ダメだ・・・・・そんな・・汚いとこ・・・っ」  
杞紗の愛撫に頭の中が真っ白になりそうなのを燈路は必死でこらえていた。  
杞紗に対する罪悪感とそれに比例して起こるどうしようもないほどの快楽。  
わずかに残った理性で必死に杞紗を押しとめようとするものの、  
このどうしようもない快楽の渦に飲み込まれていくのは時間の問題であった。  
「あ・・・・ん・・・はむっ・・・うん・・・・・ちゅっ・・・ちゅ・・・・っ・・あ」  
杞紗の動きが激しさを増す。  
「杞・・・紗・・・き・・さ・・キサ・・・ッ・・!あっ・アアアァッ!!!  
も・もうっ・・・でるっ!あっ!アアアアアアァァァァァァッッッッ!!!!!」  
意識が真っ白に飛ぶ最中、燈路は杞紗が幸せそうに微笑っているのを見たような気がしていた・・・。  
 
 
「・・・ッ・・・ぁはっ・・・・はあっ・・・はぁ・・・」  
体の回路が外れたようにぐったりと脱力する燈路。  
杞紗の手の内にあるそれからはまだ欲望の滾りが溢れ出ており、燈路の体や杞紗の手を欲情の色に染め上げていた。  
杞紗の目の前で射精した気恥ずかしさとある種の背徳感、そして今まで感じた事のない圧倒的な快楽・・・・。  
それらの感情が燈路の中で渦巻き、倒錯的な感覚をもたらしていた。  
やがてゆるゆると快楽の波が引いていくのを感じながら燈路は傍で放心している杞紗を気遣う。  
「杞紗・・・ゴメン・・あ・・・その・・・・オレので・・汚しちゃって・・・」  
「ううん・・・私・・の・・・せいだから・・・・」  
まだ幾分ぽうっとしているのか杞紗はどこか焦点の合わない目で燈路を見つめる。  
「燈路・・ちゃんの・・・・体 汚しちゃった・・・ね」  
そう言うとおもむろに杞紗は自らの手についた精液をペロリと舐め、燈路の体に飛び散ったモノを舐め始めた。  
突然の出来事に燈路は言葉を失う。  
そんな燈路にかまわず杞紗は愛しげに燈路の体を舐めあげていく。  
「・・・ぺろっ・・ぴちゃ・・・ちゅ・・・・ぺろっ」  
白濁した液をチロチロと舐め上げる様子はまるで子猫がミルクを飲んでいるかのようであった。  
 
しばらく燈路はそんな杞紗の様子をぼんやりと眺めていたが、ハッと我にかえると慌てて杞紗を制する。  
「バッ・・・・杞紗ッ!そんなことしなくていいよ!」  
その言葉でハッと我にかえる杞紗。今までの自分の行動を思い起こし、耳まで真っ赤になりながら恥ずかしそうにうつむいている。  
『わたし・・・燈路ちゃんに・・とんでもない事しちゃった・・・もう・・燈路ちゃんの顔見れないよ・・・』  
そう思いながら杞紗は半分泣きそうな顔になっていた。  
 
燈路はそんな杞紗の様子を見て少し安堵する。  
『・・・やっぱり杞紗はいつも通りがいいな』  
そう思いながら燈路は杞紗への愛しさがあらためて込み上げてくるのを感じていた。  
「ほら、杞紗 顔あげなよ」  
「・・・いや」ふるふると頭を振る杞紗。  
「いいからあげろって」  
「・・・だめ・・・・恥ずか・・しい・・」  
「杞紗!」そう言うと燈路はグイッと杞紗の顔を上にあげる。  
「・・・っ・・やっ・・!」泣きながら抵抗する杞紗に燈路は強引に唇を重ねた。  
吃驚しておとなしくなる杞紗であったが、やがて燈路のキスに身を任せていった。  
名残惜しそうに唇を離すと、燈路はずっと伝えたかった言葉を杞紗に言う決心を固めた。  
・・・あの幸福な夢を現実のものとするために。(終)  
 
 
 
 
☆ おまけ ☆  
「・・・杞紗・・・オレ・・・」  
「杞紗さん!燈路さん! ただいま帰ったのです!」  
ガラガラと玄関の戸が開く音。  
『・・アイツ・・・・マジで殺す・・・っ』  
わたわたと身支度を整えながら本気でそんな事を考えてる燈路。  
燈路の恋の受難はまだまだ続くのであった。(w  
 

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