「ねえ、トラップ…」
あいつの、やけに心細そうな声。
さてはまた道にでも迷いやがったな!?
きょろきょろと辺りを見回すと、しゃがみこんでるパステルをみつけた。
「んだよ、どした、どっか痛ぇのか?」
呼びかけても返事がない。
「おい、おまえ…泣いてんのか?」
慌てて蜜色の髪に手をのばしたが
顔をあげた少女は、真っ青な瞳に涙をいっぱいに溜めていた。
「とりゃー?」
瞬間、小さな水色の、尖った耳の生えたゴムまりみたいな体がとびついてきた。
「るーみぃ、おなかぺっこぺこだおう!」
あまりにも聞きなれた台詞を叫ぶと同時に
ぐいぐいと俺の上着のなかにもぐりこんでくる。
そして、
ぺろぺろぺろぺろぺろぺろっ
うああああああーーーっ!
ひきはがそうにも体が全く動かない。
あたたかく濡れた舌がちょこまかと胸を這い、
体のあちこちが強く吸われ、その度肌がかすかに痛む。
く、喰われる……?
呆然としていると、胸に甘い衝撃がはしった。
「ち、ちょっと待て、おいっ、ルーミィ、そこは…!」
少し間をおいてから、そこを中心に舐めまわされる。
快感に背筋が震え、頬と腰に血が集まってくるのを感じた。
乳首にきりっ、と小さな歯が立てられると、びくびくと腰が動いてしまう。
息が乱れ、堪らず情けない声が漏れる。
そ、そっからは、なんも出ねえって…
そんなくだらない冗談が頭をよぎるくらい俺は混乱していた。
パ、パステル・・・っ!
「ぷはぁーあっついー」
心の絶叫が聞こえたのかどうなのか、俺の上着の下から
上気した頬の、髪をくしゃくしゃにしたパステルが顔を出した。
俺の顔を覗き込んで楽しそうににこにこ笑っている。
そのまま俺に覆いかぶさると、首筋に軽いキスを何度も落として
あちこち桃色の舌を這わせてくる。
鎖骨を唇でなぞられるとぞくりとした感覚がはしった。
「おっ、おまっ、どうしっ…!」
抗議の言葉も途中からパステルの唇に呑まれてしまう。
濡れた舌が入り込んできてびちゃびちゃと口のなかで動き回り、
唇に感じる荒れた吐息は、もうどっちのものだかわからない。
ああ…やべえ、これは…、やばい。
俺は、下腹のものがどんどん形を成していくのを感じた。
ふいにパステルが体を起こす。
ぐいと口をぬぐうと、景気よく上着を脱ぎ捨てた。
ぶるるんっ、と効果音がでるような動きでたわわに実った胸がこぼれだし…、
その牛のような乳を目にした途端、ぴんときた。
……夢だ!!
あれだ、こいつの胸は、こんなんじゃねんだ。
おりゃーこんな塊ごとごろりともげそうな乳は嫌いだね!
まあ普段は「よっ冒険者仕様!」なんつって馬鹿にしちゃーいるがな、
こいつん胸は、もっとずっとちっちゃこくて、白くて、あったかくて、もんのすげえ柔らけぇんだよ。
初めて触ったときは、俺としたことがなんだか…涙がでそうになったもんだってーの。
みんなが寝静まった後抜け出して、近くの草原でこっそり会ったあの夜。
散々拝み倒して、触るだけって約束で、木の下に隠れて。
あんまり恥ずかしがるもんだから、俺まで真っ赤な顔してた気がする。
あいつがおずおず上着をたくし上げて、晒された肌を月が青白く照らしていた。
まぶしくて、壊してしまいそうで、こんな無骨な俺の手で触れていいんだろうかって思った。
おそるおそるそのやわらかな曲線をなぞったら、緊張した俺の指が冷たかったのか、
あいつがくすぐったそうに笑って…
…ってまあいい、そんなこんなでさっさと夢ぇさめやがれ!
腹の上の巨乳パステルを睨みつけると、
ゆるやかな金髪の、どちらかというと幼い顔立ちの下でぷりんぷりん揺れる胸。
そのアンバランスさがまた…エロイ。
ま、これはこれで…いいかも?
鼻の下をのばしていると、そいつは予告なく俺様の愛息を握りしめやがった。
強すぎる刺激に思わず腰が浮き上がる。
相変わらず身動きのできないまま必死で足の方向に目をやると、
そいつはが俺の下着を剥きにかかっているところだった。
「やっ、やめろって、な、おいっ、それは!」
慌てる俺と目が合うと巨乳パステルはへらへらっと笑い、
一気に俺の…モノを呑み込んだ。
「ぅあ…っ!」
なんつー情けない、声、俺…
ひどく熱くて、ぬるぬるとしたものに全体が包まれ、
血液がどくんどくんと音をたてて一箇所に流れ込んでいくのがわかる。
先端をにゅるにゅると執拗に舐められてからは、腰が甘く痺れてくる。
これが夢で、俺の妄想だとしたら、アレか…?
期待に満ちて再び足元に目をやると、パステルが、俺のソレを胸の間に挟み込もうと
しているところだった、が、いつのまにか毒々しいまでの巨乳が
慎ましい通常サイズになっている。
しばらく奮闘していたが、無理と気づいたらしいパステルが、
俺の視線に気づいて照れくさそうに笑った。
無茶苦茶に動く舌にどんどんと追い立てられて、
強く、強く吸い上げられた瞬間、俺はあっけなく果てていた。
うあー、いくら思春期真っ盛りとはいえ…今日の洗濯当番誰だっけな…。
うんざりしながら重い体を起こして、人の気配にぎょっとする。
剥き出された俺の下半身の間には夢にまでみたあいつが座っていた。
涙目になりながら、なんとか顔に吐き出された白濁液を拭おうと躍起になっている。
生々しい姿だが、混乱している姿がなんだか面白い。
「パステル…ずいぶんとまあ手の込んだサービスしてくれたもんだな」
ぎくり、としてさっと頬を赤らめて、さらにおどおどするのを見て思わず笑みがこぼれた。
「まあなあ、こんな夜中に……欲求不満ってやつ?」
顔を拭ってやり、頬に軽く唇を触れる。
おまえはさ、このままで十分可愛いよ。
ま、そんなこたぁ口が裂けても言えねぇが。
「まあこのご恩は、体で返させていただきましょうかね?体で。」
まだ夜は始まったばかりだ。
(終)