ザザーン…  
絶え間無く響く波の音、飛び立つ白い海鳥達。  
わたし達は今、次のクエストに挑むべく大きな船に乗り込んでいた。  
 
長い航海時間を各々好きな様に過ごす。  
乗船してから30分ほどたち、ルーミィが寝てしまっているので、わたしは一人甲板で心地良い海風に吹かれていた。  
「んーっ!気持ちいい風」ポニーテールが風になびく。日差しが波に反射し、眩しくてわたしは目をつむった。  
 
突然、  
「パステル…?」  
背後からわたしを呼ぶ声がした。  
何となく懐かしい声。  
「え?」  
振り向くとそこには…  
 
「ぎ、ギア!?」  
驚きを隠せず叫んでしまった。だって、こんなところでギアに会うなんて!  
「やっぱりそうか」  
フッと目を細めて微笑むギアは何も変わっていなかった。ううん、また少し逞しくなってる?  
 
「ど、どうしてここに?」海には似合わない黒ずくめの服。  
彼の持つ空気はこの場所にあまりに不釣り合いで、もしかしたら夢なんじゃないかと思うほど。  
 
「俺は今回も仕事だよ。パステル達は冒険の途中かい?」  
隣に来て、甲板の手すりにもたれる。  
「そ、そうなの」筋ばった手がすぐ近くにあって、わたしはなぜかどぎまぎしてしまった。「どこかで見た事ある後ろ姿だなと思って声をかけたんだが…まさか本当に君だったとは」  
「こ、こんな偶然もあるんだねー!びっくりしちゃった」  
久しぶりだったからか、少し落ち着かない気持ちを覚えながらも、しばらくギアと話し込んだ。  
 
「おい、パステルー」  
トラップが呼びに来た事になぜかギクッとする。「あ、な、何?」  
「ルーミィが腹減ったってよ…ん?あんた」  
「久しぶりだな、トラップ」  
「…おう。…おらパステル早くいくぞ!」  
?少し不機嫌そうなのは気のせいなのかな?  
「もーっ!待ってよ!」  
足早に船室に戻って行くトラップに慌てて叫ぶ。「ギア、ごめん。せっかく会えたんだけど…ちょっと行かなくちゃ」  
同じ船に乗っていればまた会える。  
「船に乗ってればまた話せるし!ごめんね」  
幸い目的地まで数日はかかる旅だ。  
 
トラップの後を追おうとしたわたしの手を…ギアが掴んだ。  
え?え?  
グイッと引き寄せられ「今夜10時…9号室に来て欲しい」  
その低い声で耳元にささやかれた。  
 
そういってギアは去って行った。  
 
そしてわたしは…船室に戻り食事の支度をしながらもギアの言葉が頭から離れずにいた。  
 
(ど、どうしよう…ぎ、ギアの部屋で二人きり…?)  
告白された時の事を思い出す。  
 
(で、でもギアだし大丈夫だよね?)  
 
時計の針が進むにつれて緊張が高まる。  
うぅー、ど、どうしよう!?  
 
「どうしたデシか?」  
へっ?  
ふと気づくとシロちゃんが首を傾げて見上げている。  
 
心を見透かされたようで慌てて  
「な、何でもないよ!」ぎこちなく笑う。  
「そうデシか?」  
シロちゃんは不思議そうな表情のままトコトコと歩いていってくれた。  
 
はぁー…。  
 
しかもさっきからトラップの視線がやけに冷たい。まともに話してくれない。  
 
誰にも相談できないし、トラップも変だし、どうしたらいいの?  
 
そして時は無情にも過ぎ、時計の針は10時。  
 
(む、無視する訳にもいかないよね)  
 
ルーミィとシロちゃんと同じ部屋だったわたしは、寝てしまっている二人を起こさない様ゆっくりと部屋を出た。  
 
はぁー、緊張するよぉぉ。そして、なぜか少しの期待感。  
 
…―ギアとお別れして以来、ずっとどこか胸の奥で彼の事が引っかかっていた気がする。  
本当にこの決断で良かったのかって。  
 
優しく強く、頼りがいがあって、こんなわたしを愛してくれていたギア。  
その彼と離れてしまって良かったのかって。  
 
 
考えている間にギアの部屋の前。  
うぅ、ドキドキするよぉ。  
なかなか開けられずにいると、  
ガチャッ  
いきなりドアが開いた。  
「わわっ」  
「来てくれたんだ」  
いつもの微笑み。  
「ドアの向こうに人がいる気配がしたから…パステルだと思ったよ」  
 
ギアの部屋はわたし達と同じでそんなに広くはない。  
ベッドが半分くらいを占めている。  
 
すすめられるままにベッドに腰かけた。  
お、落ち着かないよー。  
今になってこの狭い空間やベッドを意識してしまう。  
 
ギアは横の壁にもたれて軽く髪をかき上げた。  
 
やっぱりギアの事を意識しているからか、少し見惚れてしまった。  
 
わたしだけに見せるあの微笑みで少し照れたように笑った後、  
「ずっとパステルに会いたかったよ。まさかもう会えるとは思ってなかったから…正直驚いた」  
目をまっすぐに見ながら言う。  
 
同年代が多いわたしのまわりにはいないタイプ…こんな大人の男の人がわたしを好きなんて。  
「うんうん、わたしもびっくりしたよ」  
まだ思ってくれてたなんて。  
 
「君は前より綺麗になった。…でも彼は相変わらずやきもち妬きだな」  
へ?  
「彼?」  
 
困ったような微笑みでギアは隣に来て…  
わわっ、座った。ベッドが軋む。  
 
愛おしそうにわたしの髪を撫でる。  
「トラップだよ」  
 
と、トラップがやきもち…?えぇ?  
訳がわからないでいると突然ギアに抱きしめられた。  
 
え…ええええぇぇ?  
ど、どうしたらいいの?パニック状態のわたしに構わず話を続けるギア。  
「気づかないのかい?あんなにパステルの事を気にしているのに」  
 
「そんな…事。…え?」  
トラップが…わたしの事を?  
 
ギアに抱きしめられて、そんな事を言われて。  
もうなんだか…色んな事を考えすぎて。  
頭が真っ白になっている。  
 
「トラップの物になってやしないかと気が気じゃなかった」  
「ギア…?」  
抱きしめる腕に力がこもる。  
 
「パステル…」  
「きゃっ!?」  
ドサッ  
 
そのまま…ベッドに押し倒されてしまった。  
 
ゆっくりとギアの顔が近づいてきて。  
 
また…キスをされてしまった。  
それも前みたいに触れるか触れないかの軽いキスじゃなくて。  
 
情熱的な、唇を押し付ける様なキス。  
 
「んっ…」  
髪を撫でながら熱っぽく何度も唇を重ねられて。  
顔が熱い。  
キスが終わり、  
「…嫌か?」  
ギアの真剣な眼差し。  
ふるふると首を横に振った。  
そう、嫌なんかじゃなかった。  
全然嫌な気持ちになんかならなくて、それどころか…もっとしてほしいって…思った。  
 
「良かった」  
ギアの優しい瞳。  
「好きだよ」  
もう一度キスされた。  
少し冷たい唇。されるままに目を閉じていると、唇に舌が触れた。  
「んく…」  
そのまま何度か上下の唇をなぞる様に舐められる。  
頭が痺れてしまっているみたいにジンジンしていて。  
「ふっ…」  
その間にも舌は歯を割ってわたしの口の中をゆっくりと這っている。  
 
チュク、チュプ、ピチャ…  
 
恥ずかしくなる様な水音がやたら大きく耳に響く。  
 
「はぁ…」  
唇を離し、  
「可愛いな、パステルは」そう言ってバサリとジャケットを脱ぐギア。  
 
キスって、こんなに気持ちのいいものだったの?ギアに…もっと触れられたい。  
 
またキスをされる。  
その感触とタバコの匂いに浸っていると、ギアの右手がわたしの左胸にあてられた。  
!!  
「んぅっ…」  
そっと撫でる様に胸の膨らみをさすられて。  
ポーっとしていた頭が急に現実に引き戻される。  
え、えっ、ちょ、ちょっと待って?  
ももも、もしかしてギアはこのまま最後まで…?…えぇぇぇ!?  
こ、怖い。  
 
覆いかぶさる姿勢のギア。何故か今まで以上に大人の男だという事を意識してしまう。  
 
「ちょっ…ぎ、ギア…」  
少し身体をよじっても、この体格差では何の効果もない。  
胸をさすっていた手はやわやわと揉む動きに変わっている。  
 
優しいギアなら、わたしが怖いって言えばやめてくれる…よね?  
 
ギアの唇は唇から耳元へ。  
首筋を舐めあげ、キスを落とされ、ゾクゾクと身体が反応してしまう。  
 
「や、やだぁ…ちょっとギア、わたしそんなつもりじゃ」  
身の危険を感じ、両手でギアを押し戻そうとしたのに、  
「きゃっ!」  
グイッ!  
 
大きな手で両手首を簡単に掴まれ、頭上に押しつけられてしまった。  
 
う、嘘でしょ〜?  
 
「ギアっ…嫌だってば!」もう一度身を捩り訴える。  
「パステル…すまない」  
耳元に顔を埋めたまま低い声が心をくすぐる。  
 
ど、どうなっちゃうんだろう…。声が優しかったからか不思議と嫌悪感はなくて。  
抵抗する力も緩んだ。  
 
その間にもシャツをぐいっと捲り上げられて、ピンク色のブラジャーも慣れた手つきであっという間に外されていた。  
 
やっぱり…慣れてるのかなぁ。  
冷静にそんな事を考えてる自分がいる事に気づく。  
 
ホックの外れたブラジャーをシャツ同様上に押し上げ、蛍光灯の下に晒すギア。  
恥ずかしさで乳首が起ってしまっているのが自分でも分かり、ぎゅっと目を閉じた。  
 
「パステルの胸はすごくきれいな形をしてるね」そう言って今度は直接…わたしに触れた。  
外側から内側…頂点に向かって何度もなで上げられて。  
「はぁ…ん」  
火照った身体に温度の低い手のひらが心地よい。  
人に触られるのって…こんなに気持ちがいいんだ。  
「もうこんなに固くなってる」  
「やっ…ひゃあんっ!い、言わないで…」  
そう言って乳首を優しく摘み、クリクリとこね回す。  
「恥ずかしがってる顔も可愛いよ」  
そう言って反対側の胸をチロチロ舐めあげる。  
「くっ…ふぅん…」  
 
どうしよう、こんなに気持ちいいなんて。  
身体の奥で熱い物が弾けて、それがジワジワとわたしのその…パンツに染みを作っているのが分かる。  
「あっ…んぅ…」  
胸の膨らみの終わり辺りや谷間ばかりピチャピチャと舐め続けるギア。  
舐めながら時々こっちをチラリと見上げる。  
「やぁっ…」  
上目遣いの冷たい視線に羞恥心が煽られていく。  
ギアの薄い舌はもう少しで頂点…という所でフイっとそれてしまう。  
「あっ…やぁん」  
周辺でもこんなに感じちゃってるのに…乳首を舐められたら…どんなに気持ちよくなってしまうんだろう。  
もう少し…もう少しで乳首なのに。  
 
そんな期待と不安が混じった顔をまたギアに見られてしまった。  
「…どうしてほしい?」  
フッと笑う。  
…ずるい。悔しいくらいに余裕の笑顔に全部見透かされてしまっている。「…知らないっ」  
真っ赤になっているだろう顔をツンと横に向けると骨ばった指でこね回されていた方の乳首をキュッとつねられた。  
「やぁぁっ!」  
電流が走ったような軽い痛みと快感に身体がビクッとしなる。  
 
「ちゃんと言わなきゃあげられないな」  
「そんな…っ」  
余韻で涙目になっているわたしにギアは意地悪な視線を投げかける。  
 
つねられた乳首はきゅっと尖って胸全体にじわじわと快感が広がっている。  
どう考えてもこんなの恥ずかし過ぎる。  
絶対言えないよ〜。  
でも…、どうしても…。…我慢、できない、かも。  
 
「…。な…舐め、て」  
声が掠れる。  
「ん?どこを?」  
 
…ぅぅ〜。意地悪…。  
「ぅ…その…ちっ、…乳首…を」  
消え入りそうな声で、言った。  
ぁぁぁ…恥ずかしいよ〜。  
「もぅやだぁ…」  
 
恐る恐る見ると…ギアの笑顔。  
 
瞬間、焦らす様に周辺に舌を這わせていたギアが…乳首に吸い付いた。  
「ぁぁぁっ!くぅ…んっ」  
周辺とは比べ様のないくらいに直接的な刺激。  
 
「やっ…んっ…あぁっ」  
 
唇で挟み、先端の窪みをチロチロとくすぐられていたかと思うと、今度はちゅぱちゅぱと音をたてて吸い上げる。  
「あっ、あっ、はぁっ…!」  
 
まるで自分じゃない様ないやらしい声がとまらない。  
 
き、気持ちいいよぉ…。  
チュパッ、チャプッ  
「ひゃ、やっ、あぁんっ」  
乳首だけでは無く胸の三分の一くらいまでを含まれメチャクチャに舐め回される。  
 
壊れ物に触るようにそっと触れたり…貪るように激しくされたり。  
ギアの巧みな愛撫にいいように翻弄され、反応してしまう。  
 
 
「気持ちいいの?」  
知らず知らずの内に腰が動いてしまう。  
こんなの…恥ずかしいのに。  
初めてなのに。  
ヌルヌルになったパンツがじわりと張り付く。  
 
むずむずして疼くような感じがたまらない。  
 
手首を掴んでいた手が離れ、腰を伝いミニスカート越しに太股へと触れる。  
 
「!やっ…!」  
触られたらこんなに濡れてるのがバレちゃうよ…。  
「だ、ダメっ」  
思わず自由になった手でギアの手を払いのける。こんな状態、見せたくない。恥ずかしい…。  
 
「パステル?」  
どけて、とギアが目で訴えてくるけどここは譲れない。  
ふるふると首を振って下腹部をしっかり両手でガードした。  
 
「…仕方ないな」  
軽くため息をつくギア。  
お、怒らせた…?  
不安になってしまう。  
嫌な訳じゃ、ないんだけど。やっぱり…濡れたパンツがどうしようもなく気になって。  
 
焦って色々心の中で言い訳を考えているうちにまた両手首を掴まれた。  
 
「やだっ!」  
本気で抵抗しても、力でかなう訳もない。  
 
「きゃぁっ」  
嘘…でしょ!?  
 
なんとたちまちタオルで手首とベッドを縛り上げられてしまい、自由を奪われてしまった。  
 
足の動きもギアが上に乗っているせいで封じられているし、動かせるのは顔くらいになってしまっている。  
 
「ちょっと、ギア!外してよ!」  
必死に訴えるが、そんな気はさらさら無い様子でスカートに手が伸びる。  
「いやっ!そこだけは…ダメなの!」  
 
「…俺と、だから?」  
真剣な表情で聞かれ、答えに詰まる。  
「本当に嫌がってるのなら…やめるよ」  
 
嫌じゃ、ない。  
ううん、むしろ今のわたしは…してほしい。触ってほしいって思ってる。でも…。  
 
ゆっくり首を横に振り、「だって…恥ずかしいよ…  
」正直な気持ちを伝えた。  
 
それを聞いたギアは嬉しそうに微笑み、  
「恥ずかしい、か。ただ見られるのが恥ずかしいだけならそんなに抵抗しないよね」  
そう言って額にキスを落とし足元へと体の位置をずらした。  
 
足首、ふくらはぎ、膝と次々にキスをしながら太ももへと手を伸ばす。  
 
「わ〜、やだやだちょっと待ってってば!」  
焦るわたしも  
「あんまり声を出すと廊下に聞こえるよ」  
その一言で黙らざるをえなかった。  
「ぅ…」  
 
ギアの手が膝に置かれ、足を開かれる。  
足に力を入れてそれを拒もうとしたけど、力でかなうはずもなく、あっさりと両膝を立てた状態で開かされてしまった。  
 
「いゃぁ…」  
小さく呟き、目を固く閉じたわたしを甘やかすようにギアは太腿にも音を立ててキスを続ける。  
 
パンツの中にこもった恥ずかしい湿気が全て知られてしまうような危機感に駆られる。  
 
羞恥と興奮の危うい快感は、足の付け根近くのキスや膝を撫でる骨ばった手にも過度に反応してしまう。  
 
「はぁっ…んん」  
むずむずと膝をすり合わせたくなるもどかしい刺激。  
ギアはキスを終えると体を起こし、わたしの足を更に広げ、しばらく動かずにいる。  
「…?」  
恐る恐る目を開ける。  
 
無言のままのギアの視線は…わたしのスカートの中に向けられていた。  
「!!?」  
やだ、見られてるよぉ…。舐めまわす様に視姦されて、またジワリと蜜が溢れる。  
「あんっ…」  
 
恥ずかしいのに。わたし、どうしちゃったんだろう?  
「…見られて興奮してるの?」  
「違っ…!」  
否定したって何の説得力もないのはわたしが一番わかっている。  
 
「いやらしい子だね…もう下着がぐっしょりだ」  
「や…だぁ」  
そんな事口に出さないで。  
ギアはパンツの両端に指を引っかけると苦労する様子もなくするすると下ろしていく。  
 
外気に晒されたそこがスースーする。  
 
「ほら」  
見せつけるようにピンク色のパンツを目の前に晒される。薄いピンクだったはずのパンツは股の部分が濃いピンク色に染まり、表側まで湿っている。  
「そんな…見せないで…」  
「ほら、また濡れてきてるよ…恥ずかしいのに感じてるの?」  
「っ!そんなんじゃ…っ」  
「…もしかしてさ」  
蔑む様な瞳のまま、唇の端を引き上げて笑う。  
 
「変態なんじゃないの?」  
甘く低い声。  
「ぅぅっ…」  
初めてなのに…ひどい。  
恥ずかしい。恥ずかし過ぎて涙が出てくるのに。それなのに、疼きは大きくなっていくばかり。  
 
「可愛いね」  
ギアはそんなわたしに何故か上機嫌で。  
「気持ち良くしてやるよ」  
━!!  
「ひゃぁっ!」  
いきなり、ぬるっとした感触。  
 
わ、わたしの足の間に…ギアが頭を埋めている。え、ええぇぇ!?  
そんな所を舐めるなんて。  
「ぎ、ギア…あぁっ!」  
 
敏感すぎる突起を柔らかく舐め回されて快感がどんどん膨らんでいく。  
「んぅぅ…ぁぁんっ!」  
 
慌てて閉じようとした両膝は逆に彼の頭を押さえつけて、まるでもっととねだっている様で。  
 
ちゅぅっと強く吸われて「ああぁぁっ!」  
ビクビクと痙攣してしまう体を止められない。  
「やっ、やっ、」  
余計に力の入ってしまう両膝にサラサラの黒髪が心地良くて。  
 
「んぁぁっ!」  
突起の下…蜜が溢れだす泉に異物感。  
舌が…奥まで入ってる…。  
一度も触られずに放っておかれたそこへの強烈すぎる刺激に羞恥心などどこかへ吹き飛んでしまっていた。  
「あっ…気持ち…イイ…ふぁっ!」  
 
卑猥な水音さえも快感となって。  
 
「んくっ…!」  
わたしの下の唇に、突然違う感触。  
舌じゃない…?  
 
「くぅぅ…んっ」  
指…?そう、舌が離れ、ギアの指が…入って、きた。  
 
「ふ…っ!」  
じわじわと侵略される痛み。  
こんな所自分でも触った事ないのに。  
「キツいな…」  
そう言って再度顔をそこに近づけるギア。  
「ぁあぁっ!」  
指を少しずつ挿入しながら、突起の包皮をずらして舐められてる…。  
 
同時に下半身に入った力も抜けて、彼の中指がさっきよりもスムーズに侵略を続ける。  
 
「はぁっ…はぁっ…」  
「指が全部入ったよ」  
そう言って、ギアは指をゆっくりと抜き差しし始める。  
「あっ…んっ…んっ…」  
知らず知らずのうちに足が開いていた。  
ギアは舐めるのをやめると顔をあげ、指を入れたままわたしの隣に横たわった。  
 
「パステル」  
間近にあるギアの顔を見ながら、わたしは何かがこみ上げてくる様な感覚におそわれていた。  
 
「あっ、あっ、ギアっ…わたし…はぁっ」  
「どうしたの?」  
わたしの中の指はいつのまにか増えていて。  
痛みはなく、腰を押しつける様にさえしてしまう。  
 
「今何本入ってるか分かる?」  
速度をあげながらギアが囁く。  
「さ、三本…ひぁぁっ!」「正解」  
もう一方の手で乳首をつねり上げながら更に激しく出し入れされ、愛液が飛び散る。  
 
「なんか…もっ…だめ…ああぁっ」  
 
「ギア…だめだめぇ…っ…も、もうっ…  
「イきなよ」  
きっとわたし、今すごく恥ずかしい顔してるんだろうな。  
奥の方からどんどん何かがこみ上げてきて、あと少し、少しでもう…。  
その瞬間。  
「ひぁぁぁぁっ!」  
ギアが指を出し入れをさらに激しくしながら、空いてる親指でわたしの突起を擦った。  
 
体中を快感が電流の様に走り抜け、頭の中が余韻に痺れる。ビクビクと痙攣しながらぐったり脱力するわたしを見て、ギアはゆっくりと指を抜いた。  
「イっちゃったんだ」イタズラっぽい目でのぞきこまれても、ぼーっとする頭ではまだ何も答えられなくて。  
 
荒い息を整えようとしているわたしにギアが抜いた指を突きつける。  
「ほら、ふやけちゃったよ」  
わたしので、本当にふやけてしまっている骨ばった指。  
「はぁ、はぁ…ごめ…んんっ!」  
 
謝ろうとして開いたあたしの唇に、ギアがその指を擦りつけた。  
なぶるように唇を往復し、そのままヌルリと咥内に入れる。  
口の中に広がる独特の味と香り。  
「口でキレイにして」  
言われるがままにしゃぶり、力が入らないまま舌を這わせる。  
「んっ…むぅ…」唾液が溢れてて恥ずかしい。  
そのまま噛みつく様にキスをされて、指と舌が口の中をめちゃくちゃに暴れ回る。  
指だけ残して、顔を上げるギア。  
 
端正な顔に見つめられてうっとりとした気分で口を犯されていると、いつの間にかのしかかられて。シーツを濡らす泉に堅いものがあてがわれる。  
「んんっ!?」  
「…入れるよ」  
 
膝の裏に手をあて、両膝が胸に付くくらいに押し曲げられる。  
押しつけられてるギアのものを見て驚いた。  
「きゃぁっ!?」  
初めて見る男性のそれはすごく太く大きくて…怖い。  
「そ、そんなの絶対入らな…くぅっ」  
入らないと思ったのに。ヌルヌルになっているわたしのそこはゆっくりと、しかし確実にギアのものを飲み込もうとしていた。  
無理矢理押し広げられる鈍い痛み。  
 
「くぅ…いっ…たぁ」  
「大丈夫か?…先が入ったよ」  
 
もう全部入ったと思ってたのに。  
そのまま少しずつ侵入を続ける。みしみしと裂ける様な痛みに思わず訴える。「ぎ…ギア…ちょっ…と待って」  
 
さっきから攻められながらもどこか気遣いの感じられるギアなら少し待ってくれると思ったのに。「…すまない」  
そのまま体重をかけて更に挿入を続ける。  
 
「ひぁ…も…っやだぁ…」涙がこぼれる。  
ギア…どうしちゃったの?さっきまでとは別人みたいに冷たい瞳。  
 
ようやく侵入が止まり、持ち上げられているわたしのお尻とギアの腰が密着する。  
「全部…入ったよ」  
耳元で囁かれる。  
 
「ふっ…うぅっ…痛いよ…」  
涙が止まらない。  
「も…抜いてよぉっ」  
 
そんなわたしに構うことなく動き始めるギア。  
ギアが内側を擦る度に鈍い痛みが生まれる。  
しばらくゆっくりと出し入れをされている内に、今まで感じた事のない感覚。  
痛みだけじゃなくて…じわじわとせり上がってくるようなこれは…快感。  
「ひゃっ…あっ…」  
声の変化に気づいたギアが少しずつスピードを早めていく。  
真上から深く何度も貫かれて、今度は快楽に涙が零れる。  
 
ギリギリまで引き抜かれ、入り口を先端だけで浅く往復する。太くなってる部分で何度も刺激され、もどかしい。  
「んぅっ…もっと…」  
「どうした?」  
「はぁっ…奥まで…」  
 
おねだりをしてしまうわたしの頭を優しく撫でて。  
「ああぁっ!」  
浅い位置から一気に最奥まで貫かれる。  
 
そしてまた激しく揺さぶられて…またあの快感が沸き上がってくる。  
 
「あっ…あっ、はぁっ、わたし…またっ…」  
ギアの袋がペチペチと音を立ててお尻にぶつかる、それにすら感じてしまう。  
スパートをかける様にめちゃくちゃに征服され、わたしは再び…。  
「ひっ…やぁぁぁぁっ!」頭の中が真っ白になる。痙攣したわたしがギアを締め付けているのがわかる。  
「…くっ」  
続いてギアも引き抜き、わたしの胸からお腹にかけて熱い…精液、をふりまいた。  
 
 
 
━そして。  
急に恥ずかしくなってシーツにくるまるわたしに、何度も謝るギア。  
「本当に…すまない」  
「あんなに強引な事されるなんて思わなかった」乱れてしまった恥ずかしさもあってむくれるわたし。  
 
「どうして急に冷たくなったの?」  
「…途中で」  
「?うん」  
「…彼の気配を感じた時から抑制が効かなくなってしまったんだ」  
「へっ?彼?」  
「…。」  
長い長い沈黙のあと、彼は言った。  
「…トラップだよ」  
「!?」  
 
どうやらギアの話によると。途中で物音に気づいたトラップがドアの外にいたみたい。んで、ギアはその気配に気づいて急に強引になった、と。  
 
「ええええぇぇっ?」  
どどど、どーしよー。  
トラップに気づかれて…っていうか聞かれてたなんて。  
 
どんな顔して会えばいいの?  
うぅぅ…。  
悩んでるわたしを見てまた謝るギア。  
「ごめん…」  
「あっ、違うの!ギアじゃなくてトラップの…」  
そう言おうとした瞬間、シーツごと強く抱きしめられて。  
「そんなにトラップが気になるのかい?」  
抱きしめられてドキドキしながら、確信した自分の気持ちを初めて…口にした。  
「そ、そうじゃなくて…。トラップは同じパーティーだから悩んでるだけで。つまりええと…、わたしは…その、ギアが好き、みたい…」  
消え入りそうなくらいに赤面しながら告げると、ギアはこれ以上ないってくらいに素敵な笑顔でキスをして、抱きしめて。「愛してる」と、囁いた。  
 
 
そ、それにしてもトラップ、どうしよう…  
 
 
薄暗いダンジョンの中。私達は息を潜めて歩いていた。  
 
湿った空気なのに靴音がやけに大きく響く。ルーミィは疲れてクレイの背中で寝息をたてている。  
 
「はぁぁ…疲れたよ〜」  
今回のクエストは小さなダンジョンの中に湧く小さな泉の水を汲んでくるっていうお使いみたいなクエスト。  
生活費の為に軽い気持ちで出発したのが失敗だった。  
外見からは想像もつかないくらいに入りくんだダンジョンを、行けども行けども目的の泉は見つからなくて。  
 
おまけにご丁寧にも魔法がかかっているらしくてポタカンの灯りをともす事ができないんだよね。  
とりあえず足元のヒカリゴケが放つ弱い光を頼りに歩くしかないって感じで。  
 
 
わたしの後ろにはギア。あの日、船を降りてからもしばらく私達のパーティーと一緒に行動してて。  
そのまま今回のクエストに同行したんだ。クレイやキットンはこんな何でもないクエストについてくるだなんて驚いていたけど頼りになる仲間が増えるのは嬉しいって事で。  
 
トラップは…うぅ、何も言わず目も合わせてくれなかったけど。  
 
 
気まずいのは嫌だなぁ…とか何とか考えながら歩いていると、ギアがすっと隣に寄り添ってきた。  
 
「疲れてないか?」  
「あ、だ、大丈夫!」ありゃりゃ、いつのまにか最後尾になっちゃってた。  
わたし、ギアには心配かけてばっかりだなぁ。  
「それならいいけど」わわ、そう言いながらギアはわたしの腰に右手をまわす。  
「ちょ、ちょっとギア…」  
「ん?どうしたんだ?」意地悪く笑いながら聞いてくる。  
こんなとこでイチャイチャしてる場合じゃない!と思うんだけど…。絶対!それを分かっててやってる。もう!  
 
「やめ…ひゃぁっ!」小声でやめてよ、って言おうとした声が小さな悲鳴に変わる。  
だだだだって!ギアの手がいつの間にかスカートの上から私のお尻を撫で回してるんだもん〜!  
慌てて口を押さえる。…良かった、皆には聞こえてなかったみたい。  
「声出したらバレちゃうよ?」ギアは口元に人指し指をあててイタズラっぽく笑ってみせた。  
 
そんな事言ったって…わわっ!ギアの手は撫でるだけの動きから全体を揉むようになってきてて。  
真っ赤になってるんだろうな、ってくらい熱い顔で声を抑えて睨んでも、そしらぬ振りをされるだけ。  
!!!今、スカートを捲られた感触が…  
「!く…ふぅっ…!」下着の上からお尻を揉まれて。お尻丸出しで恥ずかしいよぉ…。  
わたしは声が出ないようにするのに必死で、ギアが下着の隙間から指を侵入させてきた事に気付かなくって。  
「んんっ…!!」ヌルリとした感触。  
濡れてる所を何度も何度も指でなぞられて、ビクビクと体が反応する。  
「パーティーもいるのにこんな所でお尻丸見えにされて触られて…こんなに濡らしちゃったんだ?」耳元で熱く囁かれて、「!っ…違っ…」  
「変態」「んんんぅっ!」頭に血がのぼった所に冷たく囁かれて、一気に奥まで指を入れられる。ど、どうしよう。気持ちイィよぉ…。  
そのまま中を激しくかきまわされて、わたしはギアに寄りかかって何とか歩けてる状態で、気を抜いたら崩れ落ちてしまいそうで。  
 
指を増やされて、グチュグチュって音が聞こえてきこえてきそうなくらいになってるのがわかる。  
溢れたものが太ももを伝う感触にさえ興奮してしまって。  
 

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