海に来ている。
クエストの途中で立ち寄ったわけではなく、ただ海に来ている。
傾いた太陽が名残惜しげに、立てられたパラソルで浜辺に濃い影を落とす。
雲は限りなく赤く、大きかった。
ほっぺたがひやっとして、「飲まない?」聞き慣れた甘い声。
振り返ると、パステルの金色の髪の毛が日光に揺らめいた。
冷たいビンに付いた水滴も。
「炭酸、大丈夫だったっけ?」
「ああ。平気だよ。ありがとう」
水着の裾から見えるおへそにちらちらと視線を奪われてしまいながら、
わざと平気な顔をしてビンを受取った。
おれの隣に座り込んで、頭をおれに預け、安心しきっている。
それだけでも満たされて行って、足りなくなっていく。
贅沢な自分が嫌いで、嫌いじゃない。
くすぐったいような気持ちのまま、肩を抱き寄せて、キスした。
「ク…クレイ?」
ぱちぱち、とまつげが音を立てる。
もう一度キスして、シートに彼女の身体を押し倒した。
「クレ、クレイっ……あぁっ…」
海水に貼り付けられた水着をまくりあげて、砂が付いた乳房の先端を吸った。
小振りだけど可愛いふたつの乳首。
ほんの少しだけしょっぱいそれをいじるたびに、パステルは過剰に反応した。
「や…だ、だめ…やぁっ…」
おれはいつものように、聞こえないフリをして、着衣の上からクリトリスを嬲る。
こうやって焦らしたときのパステルの顔が可愛いから。
「んふぅ…だ…だめぇ…」
目にたっぷりと涙を溜めて、閉じようとする太ももにもくちづけ。
脇から指で探ると、もうそこは十分に湿らされていた。
ぎゅっと締まったそこにまさに侵入しようとした指をは、彼女の手によってそれを阻まれた。
「や、ほんとにだめぇ…!だめ、こんなところじゃ…」
「…じゃあ、どこならいいの?」
「…」
「どこ?」
「…」
「…」
「へ…部屋とか…?」
――帰ったら、続きをして?
小さな耳打ち。
そしてパステルはおれのほおにキスをして、しょっぱいね、と言って笑った。