しようか、と言われて困らなかったかと言えば嘘になるけど。  
でも、わたしはもう答えを出していたので、あとは簡単だった。  
目をつむるだけ。  
そうしたら彼はいきなりわたしを抱き上げて、ベッドに運んでいった。  
ブラウスのボタンを外すのは上手だったけど、スカートのホックで苦戦してる。  
そんな彼が可愛い。  
わたしの髪の毛にキスして、  
肩にキスして、  
背中にキスして、  
まぶたにキスをして、  
お世辞にもとびきり綺麗とはいえないけど、古びて味の出てきていた旅館のベッドを、  
彼は揺らした。ぎしぎしと鳴った。  
わたしを揺らした。  
 
大きく膨らんだ場所に触るとと彼の甘い呻きが聞けたので、  
嬉しくて何度もさする。  
赤いスカートを何とか剥ぎ取って、その下も剥ぎ取って、  
脚にキスして、  
おなかにキスして、  
指先をくわえて、  
指を差し入れながらわたしを、彼は責めた。  
でも喘いではいられないらしい。  
わたしの口の中に膨らんだ自分を入れて、、でも彼はわたしを食べてしまうらしい。  
おかしいよね。  
 
パステルが好きだ。本当に好きだ。  
そう言ってわたしの中で昂ぶる彼。  
いとしくて、せつなくなる。  
彼はいまもわたしの中にいるっていうのに。  
これ以上、どうやってひとつになれっていうんだろう?  
 
どうしようもなくて、  
とりあえず、わたしは彼にキスをした。  

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