「んぅ・・・あ・・・」
降り注がれる甘い甘いキス。絡む舌と舌、交わる唾液。
息が続かなくなって、一瞬唇と唇を離す。
でも、ほんの一瞬。すぐにまた、甘い、キス。
最初は、キスを毎回数えては頬を染めていたけど、最近は数えることすら忘れて、ただ快楽だけを求め
てる。
初々しさが無くなったと、キスのあと彼はため息と混じり合わせに呟いた。
仕方ないじゃない。
「まぁ・・・上手くなったのは、確かだけどな」
苦笑いを浮かべて、彼は言った。上手に・・・なってるのかな?
唇をつたう、唾液を親指で拭いながら思った。
「でもまぁ、初々しさの心ってのは忘れちゃダメだよなぁ?」
子供のような悪戯っぽい目で、彼、トラップは私を見つめる。
嫌な、予感がする・・・。
「ちょっ、トラップ!」
「いーから、いーから。俺に全てを任せとけって」
「な、何よそれ・・・!」
彼の髪を結んでいた、緑色のリボン。去年、私がトラップへの誕生日プレゼントを包むときに使ったリ
ボン。
それがいま、私の両手を縛っている。
「やだ、恥ずかしいって!」
「それがいいんじゃねーか。初々しさ、大切に」
嫌だと、また言おうと思ったら、私の口は彼に塞がれた。
「んぅ・・・」
「いいじゃん、パステルちゃん。すげー、色っぺぇ」
褒めてるんだろうけど、何となく道具扱いな気がしてむっとくる。
いつも思ってることだけど、私は下に見られすぎてる気がする。
うーん・・・ちょっと上手を取ってみようか。
「ねぇ、トラップ」
「あん?」
私の胸に顔をうずめていたトラップが、顔を上に向け私を見る。
「キスして」
何をいまさら・・といった顔をしながら、彼は私に口付ける。
私は、いつもより積極的に舌を絡ませた。
そして、私がトラップの上に乗っかるような格好に持っていく。
ふふふ、ちょっと私が上って感じがしない?トラップは別に表情を変えることなく、またキスをした。
今度は、彼の胸に私の胸を押し付けて、ゆっくり上下に動く。
リボンを手首に結んだままだったから、少し動きにくかったけど。
少しだけ、トラップの表情が変わった。嬉しそうな、いや、驚いた表情。
ちょっと分かってくれたかな。
彼のワイシャツのボタンを、少し苦戦しながら、口で外して、彼の胸を露にする。
細いけど、しっかり筋肉のついた胸板は逞しく、すべすべしていた。
いつもトラップがするように、彼の乳首を軽く吸う。そして、軽く歯を立てる。
小さなうめき声が彼から聞こえた。それ以外、トラップは何も言わない。変なの。
次に私は、彼の下腹部へと位置をずらしていく。
胸をそこへ押し付け、さっきと同じように、胸を上下に動かす。
その後私が何をしようか分かったのか、トラップはズボンのベルトを外して、ジッパーを下ろした。
膨れ上がったそこは、硬く、熱かった。
パンツのゴムのところを口で加えて、ゆっくりずらす。
「ねぇ、舐めてほしい?」
大人の女みたいに、色っぽく言ってみた。
返事の代わりにトラップは軽くうなずいた。
私は、そそり立つそれに舌を沿わせた。トラップの体がビクンと動くのが分かる。
ゆっくり、ゆっくり舌を動かしていく。先端を舌でチロチロと舐めると、また、トラップの体がビクン
と動いた。
今度は、優しくそれを加え、顔を動かす。
「う・・・く・・・」
私の動きにあわせて、トラップの声。もっと、感じてほしい。
軽く、本当に軽く、歯を立てる。その瞬間、何かが私の口の中で弾けた。
「んぅ・・・」
こくんと、それを、ゆっくり喉に通す。2回目くらいだけど、相変わらず変な味。
「やべぇ・・・。お前、今日最高・・・。我慢できねぇ」
「え・・・?」
いきなり体勢が変わり、今度は私がトラップの下になる。そして、またキス。
「変な味がする・・・」
トラップが呟いた。
「そりゃそうよ。さっきの・・・」
「げっ」
「別に害は無いって」
「おまえなぁ、そーゆー問題じゃねぇだろ」
「私飲んだもん」
「そりゃぁ・・・」
ちょっと、今日のトラップは可愛い気がする。と思ったら。
「いや、痛いっ!痛いってば・・・!!」
前言撤回。痛くなるほど、彼は強く私の胸を揉んだ。必死に抵抗する私の声に、トラップは耳を貸さず、
そのまま強く揉んで、乳首を吸う。そして、軽く歯を立てる。
「ひゃっ・・・」
体がぞくぞくした。どうしても、ここは敏感に反応してしまう。
「やっぱ、お前ココ弱いな」
にやりと、トラップが笑う。うー・・・。
トラップの唇は、そのまま下に移動して、そこにたどり着いた。ピチャリピチャリと音がし始めた。静
かな部屋に、響くその音は私の気持ちを興奮させる。
「あ・・・んぅ・・・・」
「すっげぇ、濡れてる。慣れないことすっからだぜ」
そんなこと言っても、ねぇ?積極的な私を見せたかったんだもん。
「いいか、いれるぜ?」
「うん・・・」
少しの痛みを感じるだけで、そこにすんなりとトラップは入っていく。そして、徐々に動きが早くなっ
ていく。
「せっかく、手ぇ結んでんだから、上に持ってけよ・・・」
おへその上に置いていた手をトラップはつかんで、私の頭上に移動させた。
「この格好、すげぇ興奮する・・・」
「私だって、すごい恥ずかしいよ・・・」
トラップの動きは、もっと早くなって、リズミカルに快感が伝わってくる。
「あ・・・ん・・・はぁ・・・!!」
声が、大きくなって、徐々に限界に近づいてくる。
「く・・・!」
「んぅ・・・!」
頭が、真っ白になった。
しゅるりと、緑のリボンが私の手首から解かれる。手首を見ると、少し跡が残っていた。
「なんだかね、トラップがすっごい初々しかったよ」
「う・・・」
「いっつもあーだったら、私は嬉しいのに」
「なんでだよ?」
「え、だってさ。私がトラップを感じさせてるみたいじゃない?」
笑顔でそう言う私に、彼は深くため息をついて、
「お前とやるってことだけで、俺は充分感じてる」
と言った。嬉しい、と思っていいのかな。
緑のリボンを結びなおす彼を見て、思わず頬が赤くなった。