わたしはパステル。 
毎年クリスマスの夜にプレゼントを配るのがお仕事なんだ。 
いわゆる、サンタクロースってやつかな。 
みんなはおじいさんだって思い込んでるけど、実はその正体はわたしなのだ。 
さぁ、ラップバードたち。 
今年もお仕事に行こっか。 
 
えっと、シルバーリーブのみすず旅館はここね。 
おじゃましまーす。 
わー。みんなよく寝てる。 
プレゼントを待ちわびてぶら下げられてる靴下をみると嬉しくなるんだよね。 
じゃあ、早速……。 
なになに? 
クレイさんは、……幸せ? 
あのねー。サンタクロースは万能じゃないんだってばぁ。 
無理なものもあるのよ? 
困るんだよね。 
うーん。彼には粗品のタオルをあげようかな。 
これがあれば運悪く池に落ちても拭けるからね。 
荷物ごと落ちたらどうなるかって? 
ひぇーん。そこまで面倒見れないよぉ。 
少しくらい不幸でも、がんばって生きてね。 
わたしは心の中でそっと祈った。 
次は、ルーミィちゃん。 
お腹ペコペコだぉ、ってかわいいなぁ。 
ルーミィちゃんにはお菓子の詰め合わせをあげるね。 
次は、ノルさん。 
携帯用の小鳥の餌かぁ。 
それなら、ケッコー通販の方が……なんて言っちゃいけない。 
わたしはサンタクロース。 
ノルさんは優しい人なんだね。 
小鳥が好きなのかな。 
次は、キットンさん。 
珍しい薬草の詰め合わせ? 
うう。わからないわよ? 
そこらへんの草じゃ……ダメよね。 
わわわ。それよりもこの人臭い! 
キットンさんにはお風呂セットね。 
次はシロちゃん。 
ふわふわでかわいいー。 
おいしいのデシ? 
ホワイトドラゴンだから、モンスタークッキーでいいのかなぁ? 
こないだケッコー通販でラップバード用に買ったおやつだけど。 
ま、いっか。 
次に、トラップさんは、なになに? 
ギャンブルの資金、ですって!? 
もぉー、なんなのよぉ!? 
そんなこと言うなら、粗品のタオルしかあげないからね? 
しかもしかも、これ、靴下じゃなくて緑のタイツじゃない!? 
勝手な人だなぁ。 
わたしは緑のタイツに粗品のタオルをねじ込む。 
いびつに膨らんだ緑のタイツを後にして、わたしはシルバーリーブから次の街を目指した。 
 
次の街はエベリン。 
じ、実は大変なことが起きたの! 
わたしってば、また道に迷ってしまったのだ。 
もぉー、サンタクロースなのにぃー。 
ひぇーん。夜が明けるまでに、プレゼントを配りきらなきゃ! 
わたし 
はプレゼントを配った。 
一生懸命配った。 
プレゼントが最後のひとつになる頃には肩で息をするくらい、わたしは必死に配った。 
はぁぁぁー。 
何とか配り終えることができそうね。 
最後のプレゼントは、ギア・リンゼイさん。 
えっと、お家はここね。 
ギアさんが欲しいのは、愛? 
うう。どうして今年はむちゃぶりなプレゼントが多いのよ? 
おかげで粗品のタオルがあとひとつしかないんだから。 
みんな勝手だなぁ。 
ギアさんには最後のひとつの粗品のタオルをあげようっと。 
わたしがプレゼントを入れようと靴下を見ると……。 
えぇぇぇー!? 
何よ、これ!? 
毛糸のパンツじゃない!? 
こ、この人……変態? 
ずいぶんクールに見えるけど……。 
あはは。人は見かけによらないね。 
そんなことを思いながら、毛糸のパンツを手に取ったんだけど。 
か、かわいい……! 
わたしは毛糸のパンツを長年愛用してて、いっぱい持ってるんだけど。 
これほどかわいい毛糸のパンツを見るのは初めてだ。 
欲しい……かも。 
うう。だけど、サンタクロースが人の物を勝手に持って帰るなんて。 
ダメよ、ダメ! 
 
………………。 
 
履いてみよっかな。 
それでちゃんと返せばいいもんね。 
じゃあ、早速……。 
わぁ、これわたしにピッタリじゃない!? 
それに温かいし。 
かわいいだけじゃなかったのね。 
わたしはますますこの毛糸のパンツが欲しくなってしまった。 
鏡の前でミニスカートをまくって、毛糸のパンツを履いた自分の姿を見てみる。 
いいなぁ、これ。 
毛糸のパンツはわたしを誘惑する。 
くるんと回っていろいろな角度から毛糸のパンツを履いた自分を見る。 
ああ、やっぱり欲しい。 
どうしよう。 
代わりに何かプレゼントを置いて帰るとか。 
むむむ。 
それはサンタクロースの鉄の掟に背く行為よね。 
困った! 
またスカートをまくって鏡を見る。 
欲しい……。 
わたしが毛糸のパンツを履いたまま悩んでいると、 
「……君か」 
「ひゃあぁぁぁー」 
少しハスキーな声。 
ギアさんが、ギアさんが起きちゃった! 
どうすればいいのよぉ!? 
目を覚まされたら、わたしってばただの不法侵入者じゃない!? 
わたしは焦った。 
「……履いてくれたのか」 
「へ?」 
「毛糸のパンツ」 
「ひぇーん!ごめんなさい!盗むつもりなんてないの。ただあまりにかわいいから一度履いてみたくて」 
「気にしなくていい。それは君のために 
編んだものだから」 
「わたしのために?」 
「おれは毎年クリスマスの夜に現れる女の子に……恋をしている」 
えぇっ!?うそ!?ギアさんは毎年起きてた……の? 
それにそれに、わたしに……恋? 
「あ、あの」 
「君が窓から出ていくときに、毛糸のパンツが見えたんだ。それで思った。おれは君のために毛糸のパンツを編もうってね」 
「そうだったの……」 
さっきは変態って思ってごめんなさい。 
ギアさんは優しい人なんだね。 
「今年は最高のクリスマスだよ」 
「どうして?」 
だって、わたしはギアさんが希望したプレゼントの、愛、じゃなくて、粗品のタオルを毛糸のパンツに入れようとしたのに。 
「毛糸のパンツに……、一番欲しかったプレゼントが入ってる」 
「も、もしかして?」 
「君をおれにプレゼントしてくれるね?」 
わたしを見つめるギアさんの熱っぽい眼差し。 
ドキドキドキドキ。 
サンタクロースのお仕事はみんなが希望するプレゼントを靴下に入れること、なのよね。 
そして、今、ギアさんの毛糸のパンツに、わたしが入ってる。 
これは……もらわれるしかないってことかもしれない。 
わたしはギアさんの言葉にコクンと頷いた。 
「毎年君を待っていた……好きだ」 
ギアさんはわたしのサンタ帽を取り上げると、わたしを抱き寄せた。 
二人の体が密着する。 
プレゼントを配り歩いて、少し冷えた体をギアさんの暖かい体で、ギュッと抱き締められた。 
髪の毛を撫でてくれるギアさんの手の感触が心地いい。 
「かわいいな……」 
ひゃあぁぁぁー。 
そんな間近で見つめないでー! 
だけど、わたしの動揺なんて無視してギアさんの顔が迫ってくる。 
え?あれれ? 
唇に柔らかーい感触。 
ま、まさか! 
これは……キス……というものでは……! 
「んんっ」 
わたしの唇を割って入ってきたのは、ギアさんの舌、なんだろうか? 
やぁ……、溶けちゃいそう……。 
ギアさんにとろけるキスをされながら、わたしはベッドに押し倒された。 
「まずは毛糸のパンツからプレゼントを出さないとな」 
そりゃそうよね。 
せっかくあげたプレゼントだもの。 
靴下に入れられっぱなしじゃサンタクロースとしては寂しい。 
あれれ? 
この場合は……やっぱり。 
ギアさんの手がわたしのスカートの中に入ってきて毛糸のパンツを脱がせた。 
「えっとぉ……気に入ってくれた?」 
「当たり前だ。一番欲しかったものが入ってたんだから」 
 
「ギアさん……」 
そう言ってもらえたらサンタクロース冥利に尽きるなぁ。 
「プレゼントを開けてもいいか?」 
「え!?う、うん?」 
プレゼントを開けるっていうのは、えっと? 
わたしを開ける? 
んん?わたしってばラッピングされてないよねぇ? 
わたしがそんなことを考えていると、ギアさんの指が赤いサンタ服の白いふわふわの丸ボタンを素早く外した。 
「ギ、ギアさん!?」 
「君の名前は?」 
「わ、わたしはパステル」 
「パステル……優しくするから」 
ギアさんはスルリとわたしのサンタ服の上を取り去る。 
「ん……」 
再びわたしはギアさんに唇を塞がれた。 
ギアさんの舌がわたしの口の中をかき混ぜるように動いて。 
それはさっきよりも激しい。 
ど、どうなっちゃうんだろう。 
ひゃあ。ギアさんの手がわたしの胸を触ってる……優しく撫でるように動いてたギアさんの指先がある一点に触れると、 
「……!」 
びくんっとわたしの体はのけぞった。 
「んっ」 
ギアさんの指先がそこに触れるたびに、合わさったままの唇から普段出さないような声がもれる。 
なんなのよー! 
体がおかしくなっちゃうってばぁー! 
「パステルは感じやすいんだね」 
「え?…っ、あぁ…っ、やぁんっ」 
ギアさんの唇がわたしの胸に……! 
ちゅうっと先端を吸われて、ペロペロと舐められて、わたしはまた変な声を上げてしまった。 
「かわいい声だ」 
「やぁっ、ギアさん……!」 
「もっと気持ちよくしてやろう」 
体を滑るギアさんの指先がわたしのウエストに伸びて、ひぇーん、サンタ服のスカートを脱がされちゃった! 
しかも、下着ごと……! 
「今年のプレゼントは中身も最高だ」 
「な、中身?」 
ああ、なるほど。 
わたしのサンタ服がラッピングだったってことね。 
なーんて、冷静に考えてる場合なの!? 
わたしってば裸なんだよ!? 
男の子の人の前で裸なんだよ!? 
ひゃあぁぁぁー。 
「去年までは毎回粗品のタオルだったからね」 
ギアさんは苦笑い。 
そっかぁ。わたしってば毎年ギアさんには粗品のタオルしかあげてなかったのね。 
サンタクロース失格だなぁ。 
夢がなくてごめんね。 
「ギアさん……、ごめんなさい」 
「かまわないさ。粗品のタオルもずいぶん役立ったからね」 
「そっかぁ」 
「それに今年はこんなに素敵なプレゼントをもらったんだから」 
「あぁんっ」 
そ、そんなとこ触らないでー! 
わたしは抵抗しようとしたんだけど、そこはスルリとギアさんの指を飲み込んだ。 
「濡れてる……」 
「濡れて……る?」 
「ほら、わかるだろ?」 
「ひゃっ」 
ギアさんの指が水音をたてながら動く。 
何よこれー? 
気持ちいいよぉ……。 
ギアさんの唇が、指先が、わたしの敏感な場所を三カ所同時に攻める。 
サンタクロースの世界しか知らないわたしにとって、ギアさんがわたしにすることはすべてが未知の世界だった。 
 
「そろそろいいか」 
「?」 
わたしにのしかかっていたギアさんの体が離れる。 
あれれ? 
どうしたのかな? 
わたしがパチリと瞳を開けると……ギアさんが服を脱いでいた! 
ひぇーん。 
目のやり所に困るんですけど!? 
だって、だって、わたし、男の人の裸なんて見たことないわよ!? 
「パステル……」 
再びギアさんがわたしにのしかかってきた。 
さっきとは違う素肌が直に触れ合う感触。 
ギアさんの体温がわたしの素肌に移り、体温が合わさっていく。 
「入れるよ……」 
「な、なに……!?やぁあぁぁんっ!」 
次の瞬間、さっきまでギアさんの指が入っていたところに、堅くて大きな何かが侵入してきた。 
こ、怖い……! 
「もう少しだけ我慢して」 
「え?……あぁあぁぁんっ!」  
ズブリとかき分けるようにしながら、さらに深くそれは入ってきた。 
「動かすよ」 
「あぁっ、やあんっ、あぁんっ」 
わたしのお腹の奥深くを強くこするコレは……なに? 
恐る恐る瞳を開けると、ギアさんは腰を前後に動かしている。 
何してるの……? 
薄暗い室内ではよくわからない。 
わたしがギアさんの動きを凝視していると、 
「見たいのか?」 
「え?」 
ギアさんの手がわたしの腰を抱き寄せて、わたしは彼にまたがって座るような格好になった。 
「これならよく見える」 
「……!」 
わたしは目を疑った。 
ギアさんのアレが……わたしの中に入ってる。 
な、なんで!? 
男の人のってこんなに堅くて大きかったったっけ……? 
「あぁんっ」 
ズンッと突き上げられて、腰をぐっと押さえられて。 
より深くえぐるようにギアさんはわたしに入ってきた。 
「気持ちいいか?」 
「う…、うんっ」 
気持ちいい……。 
どうしちゃったの? 
ギアさんのモノがわたしの中をこするたびに快感が弾ける。 
サンタクロースの世界ではこんなこと習ってないよぉ……! 
「あぁっ、ギアさん……っ」 
のけぞるわたしの首筋を追いかけて、ギアさんの唇が吸い付き、舐め上げる。 
さらに胸も攻められて、つながってるアソコは動かされるたびに気持ちよくて。 
「すごくいい……、パステル」 
「あんっ、あっ、いい…っ、わたしも…、気持ちいいよぉっ」 
再びわたしはギアさんに組み敷かれた。 
「ずっと……ずっとパステルとこうしたかった」 
「ギアさん……っ、あっ、あんっ、あんっ」 
グイグイと力強くギアさんのモノがわたしの中に押し込まれて、引かれて 
、また押し込まれる。 
そのたびにどんどん加速していく快感にわたしはどうにかなってしまいそうで、ギアさんの首筋に手を回してしがみつこうとした。 
「あぁっ!そんなにされたら……っ、おかしくなっちゃうよぉっ!ダメぇ!」 
「ダメじゃないだろう……、はぁ…、はぁ…、おかしく……してやろう……」 
「む……っ」 
唇ごと絡みついてくるようなキス。 
わたしの口の中にも、アソコの中にもギアさんがいて……、わたしは彼に浸食されていく。 
ギアさんがどんどんわたしに入ってくる。 
わたしはギアさんとひとつになっていく。 
「あぁっ、ギアさん…っ、気持ち、いいよぉっ!あぁんっ、あぁあぁぁぁっ!」 
「…っ、あっ、ぱ、パステル…っ!イク……、イクよ……っ、はぁ…っ、はぁ…っ、う…っ」 
ギアさんがぬるりとわたしから出ていくと、次に感じたのは生暖かい液体が体にかかる感触。 
脱力して動けない体に何度も何度もその液体をかけられる感触だけが妙にリアルで。 
ゆっくり瞳を開けると、わたしの体の上には白い液体がたくさんかけられていた。 
外は白い雪景色だったっけ。 
そんなことをふと思った瞬間、わたしはすごく恥ずかしくなった。 
「拭いてあげるよ。ちょっと待って」 
そう言ってギアさんが取り出したのは、去年わたしがギアさんにあげた粗品のタオル。 
ちゃんと使ってくれてたんだね。 
わたしはサンタクロースとしての幸せを感じつつ、ギアさんが教えてくれた気持ちいい行為の余韻に浸った。 
 
「君は最高のプレゼントだよ。大事にする」 
「ギアさん……、ありがとう」 
「ギア、って呼んでくれ」 
「ん。ギア」 
「パステル、好きだよ……」 
抱き締められて、キスをされて……幸せだなぁ。 
「あっ!だけど、わたしはサンタクロースだし……ここにはいられないよ」 
ギューッと胸が締めつけられる。 
ギアさん、えっとぉ、ギアと……離れたく……ないなぁ。 
「パステルはもうサンタクロースじゃない。おれにプレゼントされたんだから、もうおれのものだ」 
あれ? 
今、気付いたんだけど、 
「ギア、わたしのサンタ服知らない?」 
「床の上にないか?」 
「ない、かも」 
そうだ! 
ラップバードは!? 
わたしは窓を見る。 
だけど、そこにはラップバードの姿はなかった。 
「わたし、サンタクロースじゃなくなっちゃった……」 
「大丈夫だ、パステル。これからはおれだけのサンタクロースになればいい」 
 
「うん!そうだね。今度のプレゼントは何がいい?」 
「パステルがそばにいてくれたらそれでいいさ」 
「ギア……。もちろんよ。ねぇ、この毛糸のパンツはもらっていい?」 
「パステルのために編んだって言っただろう?」 
「ありがとう、ギア!大事に履くからね」 
「また編んであげるさ」 
「ギア……、わたし幸せよ?」 
「おれも。これからよろしくな」 
ギアが編んでくれた毛糸のパンツを握りしめたまま、わたしたちはキスをした。 
サンタクロースでなくなっちゃったことは少し寂しいけど。 
これからは、ギアだけのために、たくさんの愛情と言う名のプレゼントを届けたいなって、わたしは思ったんだ。 
 
そういえば、聞いたことがある。 
人間に恋をしたサンタクロースはサンタクロースじゃなくなってしまうって話。 
もしも、あなたの元からサンタクロースがいなくなったのなら。 
それは、あなたが大人になってしまったからではなくて。 
あなたの担当のサンタクロースが恋に落ちてしまったってことなのかもしれない。 
 
おわり 

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