一目惚れだった。  
人を疑うことを知らない優しさ。周囲に向ける温かい笑顔。  
そのどれもが好きだった。  
全てを私のものにしたい・・・だから私はとうとう動き出すことにした。  
 
「じゃあ、お願いするわねクレイ」  
「ああ、2人とも気をつけてな」  
1人店番をしているクレイの姿をしっかり確認して向き直る。  
「それじゃ行きましょうか、パステル」  
「うん!」  
店を出てパステルと連れ立ってエベリンの街を歩き出す。  
今日はあらかじめ約束しておいた女の子2人だけで買い物の日。少なくともパステルはそう思っている。  
クレイは店番、キットンは薬草協会、ノルにはルーミィとシロちゃんを押し付けて遊びに行かせた。  
いつもパステルに目を光らせているトラップには私達とは逆方向へ向かう用事を言いつけておいた。  
通り道にカジノがあるのもチェック済み。我ながら隙のない布陣だとほくそ笑む。  
「どうかした、マリーナ?」  
「なっ何でもないわ。ただちょっと・・・思い出し笑いしちゃって」  
「あ〜あるよね、そういう時って!わたしもこないださあ・・・」  
危ない危ない。いくらパステルが鈍感とはいえちょっと油断しすぎたわね。  
楽しそうに自分の体験談を話すパステルに適当に相槌を打ちながら  
彼女が迷子にならないよう全神経を集中させる。はぐれてもらっちゃ困るのよ、今はまだ。  
そのままパステルと露店の品物を物色していく。すっかり買い物を楽しんでいる彼女を尻目に  
私は気づかれないようだんだんと人通りの少ない物騒な通りの方に誘導していった。  
 
「ここ、どこ?マリーナどこお?」  
(省略されました。続きが見たければワッフル)  
 

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