「オーゴッド!なんてハンサムなの!?」  
 
 
ここはサバドの村からちょっと離れた森の中にある古城。  
パステルたちは「メハマッドの財宝」の在り処が示された地図を元に、  
アンデットたちがウヨウヨするこの場所までいざなわれてしまった。  
実はこの城こそが事の元凶であり、もちろん財宝の話も罠であったと  
後に判明するのだが……。  
 
アンデットとの休む暇もない攻防を繰り広げ、戦いに疲れたパステルたちが  
休憩していた時、その女性は突然に現れた。  
 
レディ・グレイスと名乗る、長い黒髪のレオタードを着たグラマーな女性。  
最初はパステルたちを機嫌悪そうに睨んでいたが、寝ていたノルを一目見て  
気に入ってしまい、なんと巨人族を軽々と抱き上げてしまった。  
 
 
「う、うわあぁ!」  
 
目を覚ましたノルが、小さな瞳をしばたかせて、突然の出来事に慌てふためく。  
なにせ目を開けるとそこには超ど迫力の美女がいて、体重の重い自分を  
持ち上げているのだから。  
敵か味方か。  
判別はつかないが、とりあえずジタバタと抵抗を試みる…が、  
何せ寝起きでうまく力が出ない。  
その上、レディ・グレイスはどう鍛えたのかと思うほど筋骨隆々の腕で  
しっかりとノルを抱きしめているので、抜け出すことは難しく思われた。  
レディ・グレイスはノルを抱いたまま部屋の出口へ向かう。  
 
「あ、待て。待てよ!」  
 
それを制止した人物。  
ノルからは姿が見えないが、トラップの声だ。  
そのトラップの方を一瞬だけ振り向き、  
 
「命令していいのは、あたしだけだよ!」  
 
と言った、次の瞬間!  
 
「うわああー!」  
 
と、悲鳴を上げながらトラップの声は遠ざかっていった。  
(どうやら何かの力で吹き飛ばされてしまったらしい)  
 
その間にレディ・グレイスはノルを抱えたまま、編み上げロングブーツの  
踵についた金属のイガイガの飾りをガチャガチャ云わせながら、  
廊下を走り、階段を降りていく。  
ノルはもはや抵抗することを諦め、おとなしく従った。  
やがて、台所の隠し扉を抜け、また急な階段を降りて通路を何度か折れ、  
突き当たりの一番大きな扉の前に着いたとき、レディ・グレイスはノルを  
ゆっくり降ろした。  
 
「さぁ、着いたよ」  
 
扉を開け中に通されると、高い天井から白い薄い布が幾重にも重なり、  
優美に垂れ下がっている。  
全体がモノトーンで統一された石壁の部屋の奥。  
大きくてゆったりとしたソファーがあり、  
 
「そこに楽にして」  
 
とレディ・グレイスがノルに促す。  
こころなしかその声はどこか艶っぽく、純情なノルは照れたような困ったような  
顔をしたが、彼女の言うまま素直にソファに腰掛けた。  
そのソファの足元にダンベルやら鞭やらが転がっている。  
 
「……ねぇ」  
 
レディ・グレイスはノルにぴったりと寄り添い、そのきわどいレオタードごしに  
ノルの腕に豊かな胸を押し付け、赤いマニキュアの人差し指でノルの胸板をなぞった。  
甘い声を出す美女を前に、ノルは顔を赤らめ下を向く。  
 
「ふふっ、いきなり連れて来られて戸惑ってるんだろう?  
あたしの名前はレディ・グレイス。あんたは?」  
「ノ、ノル」  
「そう、ノル。良い名前だね。あたしはね、ノル。信じられないかもしれないが、  
アンデットなんだよ。前はあんたと同じ人間だったけど…。でも、若くして  
死んじまった…事故でね。  
だけど、人間だった頃もあんたのような良い男にはついぞ巡り逢わなかったよ。  
死んでからも運命を感じたのは初めてだよ。  
ノル、あたしの願いを…聞き入れてくれないかい?」  
 
アンデット……と聞いて、ノルは先ほどまで悪戦苦闘を強いられた  
ゾンビやスケルトンたちを思い浮かべた。  
美しい眼差しを向ける彼女からはアンデッドと言う言葉は出てこない。  
が、レディ・グレイスの顔は真剣そのものだった。  
こんなに綺麗なアンデッドもいるものなのだろうか…。  
 
「お、ねがい?」  
 
ノルが短くつぶやく様にいうと、レディ・グレイスは視線をはずし  
少し気難しい表情になった。  
 
「そう…あたしはね、アンデッドになってずいぶんたつが、それは自由な暮らしを  
送っていたんだよ。それこそ縛られるものの何一つなく、ね。  
そしてあの時……」  
 
レディ・グレイスはそこでふっと言葉を切り、眉根をひそめた。  
遠くどこかを見つめる彼女をノルが心配そうに見る。  
 
「どうした?」  
「あ…あぁ、いや。なんでもないよ。  
とにかく詳しい事情はいえないが、今あたしはこの城に閉じ込められ不自由な  
想いをしてるって訳さ。毎日何の楽しみもなく、アンデッドたちと働き詰めでね。  
……ねぇ、ノル。不憫なあたしを…慰めてやってはくれないかい?」  
 
最後は色気に飛んだ声で再びノルに詰め寄る。  
ノルは、ドキッとして自分のだんだん早くなる心臓の鼓動を抑えるように胸に手を  
当てた。  
 
「ど、どうやって?」  
 
「こうやって」  
 
レディ・グレイスが、ノルの胸におかれた大きな手をとって、自分の胸に押し当てた。  
ノルは顔を真っ赤にして「あっ、うっ、」と戸惑った様子だったが、  
やがて股間が熱を帯び、ズボンが膨らむのが自分でも分かった。  
レディ・グレイスはそれを満足気に見つめた後、  
 
「ねぇ、ブーツを脱ぐの手伝っておくれ」  
 
と、左足をノルのひざの上に乗せてみせる。  
そして言葉を付け加えた。  
 
「……あたしを、救うと思ってさ…」  
 
そこには寂しそうな笑顔があった。  
何があったかは知らない。しかし、お人好しのノルにこの状況を放っておくことは  
できない。もとより、人にお願いされたら断れない性格の持ち主である。  
ノルは決心したように、神妙な顔でこくりとうなずいて見せた。  
そして彼女のロングブーツの紐をほどき始めた。  
 
ブーツを脱がせると、白く長い足の全貌があらわになる。  
レディ・グレイスは、今度は右足をノルに乗せてノルもそれを了解し  
慎重に紐解こうとした。  
 
むにゅっ むにゅっ  
 
ノルの股間をレディ・グレイスの空いている左足がまさぐる。  
 
「あのぅ…」  
 
ノルは困惑し汗をかいたが、当の本人は楽しそうに「続けて」と  
と言う。  
仕方なく、ノルは右のブーツを脱がせる作業に入ったが、その間も  
左足はノルの股間をいじめ続け、膨らませた。  
 
そして、ついに右のブーツも脱げ、レディ・グレイスはソファから立ち上がると  
羽織っていた黒いマントを床に落とし、身につけていた装飾品も取って、  
近くのサイドテーブルの上に置く。  
レオタード一枚になった、眼前の美女の一つ一つの仕草にいちいちドキドキ  
しながら本当にいいのだろうか、とノルは考え込んだ。  
そんなノルの気もお構いなしに、レディ・グレイスはノルの隣に座り  
 
「さぁ、ノル……」  
 
と、ノルの首に手を回し、自分のほうへ引き寄せてソファに仰向けに倒れこむ。  
そして、頭を強く手繰り寄せ、唇を重ね合わせる。  
 
「…ん、むぐ」  
 
それはノルにとっては初めてのキス。  
まさか最初の相手がアンデッドになるとは思ってもみなかったが、  
こんな状況にありながらノルは緊張に混じり、少しの胸の高鳴りと  
幸福感を味わっていた。  
 
これが、…キス。  
 
「さぁ、ノル。あたしを抱いて?」  
 
レディ・グレイスも幸せそうな微笑に、少し顔を赤らめながらノルを誘う。  
ノルは少し迷ったが、ズボンを下ろし、心とは裏腹に本能に忠実な肉棒を  
取り出した。  
肉棒はすでに怒張しきっていて天井を仰ぎ、レディ・グレイスの視線に  
反応してときおりピクッと動いた。  
 
「ワーォ!ノル、あんた大きいのは身体だけじゃないのね」  
「うぅ…」  
 
レディ・グレイスは先ほどやっていたように足でノルの肉棒をしごいてみせた。  
それも今度は両足で。  
 
「ほ、本当に、いいのか?」  
 
ノルは苦痛の表情で快楽に耐えながらレディ・グレイスに聞いた。  
 
「…ノルはあたしじゃダメかい?」  
 
誘うような目つきと吐息のような声。そのいやらしい顔の前に、ノルはもう  
限界とばかりにレディ・グレイスに覆いかぶさり、まず唇へ、続けて首筋から  
鎖骨へ流れるようにキスをする。  
 
「…あぁんっ」  
 
レディ・グレイスが歓喜の声を上げる。  
ノルはもう無心でむさぼりたい衝動に駆られ、彼女のレオタードの上半身  
部分を両手で剥がしとり、白くて形のいい豊満な乳房をわしづかみにして  
激しく揉みしだいた。  
 
「あはぁんっ!い、いいよノル!最高の気分だ……」  
 
レディ・グレイスが悦に浸っている間にも、ノルは二つの小山ほどもあるような  
柔らかな乳房の感触を楽しんだ。  
 
 ……これが、女の人のおっぱい……。  
 
ノルは脳裏にパステルやルーミィのことを思い浮かべた。  
まだ年端もいかない彼女達も、いずれこんな風に色気を増していくんだろうか…。  
 
そんな卑猥な妄想を打ち消そうとノルは目の前の行為に集中することにした。  
淡いピンク色の部分の、頂点の突起物にむしゃぶりつく。  
 
「っっああーーー!!あぁ、ノルー!」  
 
レディ・グレイスは自らの乳首に夢中でしゃぶりつくノルの頭を愛おしく  
なでる。  
 
ノルはしゃぶりつきながら舐めてみたり、軽く噛んでみたりと、初めての  
乳房を存分に堪能した。  
どこかに罪悪感を抱きながらももう止まることはできなかった。  
 
 
「さぁ、そろそろ…ノル…」  
 
おねだりしている子供のように目を潤ませるレディ・グレイスの言葉にノルが  
うなずき、彼女のまだ半身残っていたレオタードを足からすっぽり脱がせた。  
一糸まとわぬレディ・グレイスの肉体美の全貌があらわになり、その完璧な  
までのプロポーションといやらしい体つきはノルの目にまぶしかった。  
 
「ノル…きて」  
 
レディ・グレイスはソファに寝そべったまま恥ずかしそうに足をM字に開き、  
秘所を白い両手でくぱぁっと開いてみせる。  
ノルにはまだ未知の領域が現れ、綺麗なピンク色の花弁が花開き、トロトロの  
蜜が滴り、光り輝いていた。  
ノルはごくりと喉を鳴らすと、先端がぬるぬるになった巨大な男根を  
レディ・グレイスの秘所に押し付け、一気に突き上げる。  
 
「ああ、…ぁん!はぁっ」  
 
ハスキーヴォイスだが色っぽくため息交じりのあえぎ声がノルを興奮させ、  
本能の赴くまま徐々に腰を動かす。  
 
「ぁはあぁっ!い、いいイーーノルゥ!!もっと……!」  
 
荒い息を漏らしつつ、レディ・グレイスはノルを求め、大きな身体を  
抱きしめた。  
レディ・グレイスの中で互いの体液が絡み合い、じゅぷっじゅぷっ  
と湿った音が石壁に響く。  
ノルの肉棒がレディ・グレイスのかき乱すたび、肉ヒダが肉棒に絡みつき  
それが二人にえもいわれぬ快感を生み出していた。  
ノルの腰の動きも、ぎこちないながらスピードを増してくる。  
うっとりと恍惚の表情でレディ・グレイスはノルのつぶらな瞳を見上げる。  
 
「…っん、ハァ、あっ…ん、  
ノ、ノルっ!もっと激しく!!もっとぉ…!」  
「で、でも、……うぅ…ぼく!も…ぅっ!」  
 
込み上げる解放感と必死に戦うノルだったが、レディ・グレイスが悲鳴のように  
あえぐたびノルを締め付け、また目の前ではノルが上下に動くのと同じ  
ように、二つの大きな肉の塊がプルプルと激しく揺れていて、ノルの我慢を  
さえぎっている。  
レディ・グレイスもまた今までにない大きくて太くて硬い巨人族のペニスが  
奥まで入ってくるたびに、身体を大きく反らせ、愛液の分泌を感じていた。  
みだらに濡れたマンコの上の突起物は赤く肥大し、快楽に到達瞬間を  
今か今かと待ちわびているようだ。  
 
「うっ……ああーあぁっ!!」  
 
どぴゅっ、どぴゅん、びゅくっ!  
 
高揚感とともについに限界に達したノルは短い悲鳴とともに白濁の欲望を  
レディ・グレイスの中に放つ。  
 
「うぁ、…ぐっ…」  
 
初めてだからなのか、はたまた今までの冒険でたまっていたせいなのか、  
白い液体はノルの先端からとめどなく発射される。  
 
「あぁ…あっん、いっ……くっ!!」  
 
ノルがまだレディ・グレイスの中でビクンッと動いていると  
 
「ぁぁあっああーーんんっ!!」  
 
と言う叫びとともに、秘所の小さな突起物から透明の液体が飛び出し、  
ノルの腰を濡らした。  
 
「はぁっ…はっ……」  
ドサッ  
 
大の男と女二人、ソファに寝そべり体中から汗をかき、  
肩で息をしながら何とか呼吸を整えようとする。  
先に上半身を起こしたのは、レディ・グレイスだった。  
 
「…ありがとう、ノル。こんなアンデッドのあたしのわがままを聞いてくれて。  
冥土にいっても忘れられない思い出になったよ」  
 
彼女はさっぱり、すっきりした顔で笑顔を作った。  
ノルもむくっとおきて頭をかく。  
 
「いや、お願い、だから聞いたんじゃない」  
「…えっ?」  
「ぼくは……」  
 
 
 
「グレイス姐さーん!」  
 
ノルの言葉をさえぎるように、白いもやの様なものが天井からやってきた。  
いや、正確にはゴーストで、もやの中心に人間の顔が浮かんでいる。  
 
「なんだい?レビ…」  
 
不機嫌に答えるレディ・グレイス。  
レビは上司の裸姿に戸惑ったが、(あとで何が飛んでくるか分からないので)  
話を続けた。  
 
「へぇ。ゾロとピンが今上にきてて、すぐに姐さんに会いたいって…」  
 
はあぁっ…と大きなため息が出る。  
 
「分かった分かった。こっちに通しな!」  
「へい」  
 
レビはふわっと天井に消えていった。  
 
「悪いね、ノル。服を着てておくれ。あたしの部下どもがやってくるから」  
「あ…ああ」  
 
 
…言いそびれてしまったな。  
 
ズボンをはきながらノルは思った。  
彼女はアンデッド。  
僕達はアンデッドを退治しに来た冒険者。  
…きっと。短い付き合いなのかもしれない。  
たとえ、ぼくが君に一目惚れしたとしても…。  
 
 

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